『FMN』の第15章です。


第15章『再会・・・(後編)』

 私は、琴梨さんに連絡を取ると地下鉄の『東西線』に
乗りました。
 地下鉄は、滅多に乗る事が無いので少しだけ緊張して
ました。だって、札幌の地下鉄は切符の裏と表を間違えた
だけで、改札を通れないんですから。
こういう所は、珍しいそうです。

シュ!

 小さな音を立てて、切符は改札機の中に入っていきました。
ちゃんと確かめて入れたから、問題無く行けました。

ファァン。

 アナウンスも流れて、大谷地(おおやち)方面から地下鉄が
やってきました。

プシューッ

 空気音とともに、地下鉄のドアが締まり琴梨さんのいる
大通り方面に走り出しました。
札幌の地下鉄は、世界でも珍しい車輪の他にゴム製のタイヤ
が付いています。
だから、とても静かなんです。

『次は、菊水・・・』
 車内のアナウンスが流れていました。
私は、明日の事で頭がいっぱいになってました。
『あったら、何をまず話そうか?』
そう考えるだけで、自然と幸せな気分になってきた時・・・
『ねえ、お姉ちゃん。どうしたの?』
すぐ近くで吊り皮につかまっているお母さんの手を握っていた
子供が話かけてきました。
『あ、あのね、はははは・・・そうだ。僕、ここに座りなよ。』
『いいの?』
『うん。』
『すみません。』
 一緒にいた、お母さんが挨拶をしてくれました。
『いいんですよ。私、このすぐ先の大通りで降りますから。』
『本当に、すみませんね。』
『ありがとう。お姉ちゃん。』
『どういたしまして。』
 私は、この男の子を見て少しだけ思いました。
もし?妹じゃなくて、弟だったら・・・って、
でも、そんな事はどちらでもよかったんです。
とにかく、私はお姉ちゃんなんだからしっかりしないとね。
って思いました。
『次は、大通り・・・南北線乗り換えの方は・・・』
アナウンスは、大通りに到着すると告げてました。

『あ、降りなきゃ。』
 私は、降車口の前に立ち大通り駅に着くのを待ちました。
『お姉ちゃん、バイバイ。』
『うん、バイバイ。』

プシュー

 微かな空気音と共に、大通りに着いた地下鉄のドアが開いた。
『さてと・・・。』
 私はTV塔の近くに出る出口を探していた。
この大通り駅は、私の乗ってきた『東西線』南北を結ぶ『南北
線』、それと平行に走る『東豊線』の集まる駅なのでかなり
複雑になっています。

『あ、ここだ!!』
 とりあえず、案内板に沿って地下鉄の駅に出る事が出来
ました。
『えーっと、TV塔は・・・』
 地下鉄の駅を出ると一面の雪が太陽を受けて眩しかった
です。私は、TV塔で待ち合わせをしている琴梨さんを
探しました。
『めぐみちゃ〜ん。』
 TV塔の正面入り口の階段の所に、琴梨ちゃんはいました。
頬を赤くして、白い息を吐きながら手を振っていました。
『琴梨さん。お久しぶりです。』
『めぐみちゃんも。』
 半年以上も会えなかったのに、まるで昨日振りのような
感じで再会しました。
琴梨さんは、白いダウンベストを着ていました。
『とりあえず荷物もあるから、家に行こう。』
『そうですね。』
 私たちは、再び地下鉄の駅に行き、南北線に乗り一路
平岸に行きました。

2ページ目につづく。


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