FMNopt.シリーズ第1話


お待たせしました、新シリーズです。

第1話『メモリアル・カウントダウン』

12月31日・・・・
 今年も一番最後の日を迎えていた。
様々な家庭では、新しい年を迎えるのにお父さんや
お母さんが大急がしで、家を綺麗にしているこの日
私は、親戚の春野さんの家にお世話になっていた。

 今年の夏・・・私のお母さんが妊婦さんになって
春野さんの従兄弟に当たる橘さんが私の家の牧場を
手伝ってくれたんです。
その橘さんが、この冬に来るという事で私も遊びに
来ているんです。

 橘さんが来ておばさまの春野陽子さんや私の従姉妹に
当たる琴梨さんは、本当に喜んでいました。
もちろん、私も物凄く喜んでいます。

 あの夏の日・・・橘さんといろいろな所に出かけました。
橘さんといると、本当に素直な自分がいる事に気付いたんです。

 そんな今日・・・・
『今日の12時にテレビ塔に来て欲しい。返事は今すぐじゃ
無くてもいいから・・・』
 そんな事を言われました。
 札幌のホワイト・イルミネイションを大晦日。その年と次の
年の変わる時にキスをすると、そのカップルは永遠に幸せに
なれるという伝説・・・・
私も、友達の話で聞いた事があります。
でも、今は・・・・
 その時は、気持ちの準備が出来ていなくてなにも答えて
あげる事が出来ませんでした。
いやなんじゃないんです。ものすごく聞きたかたった一言。
でも、いざその時になってしまって、私自信がどうしたら
いいのか解らなくなってました。

 そんな感じで、午前中が過ぎていきました。
そして、夕方・・・
橘さんは、琴梨さんと近所に出掛けています。
『どうしたの?』
陽子おばさまが、私の様子を見て話しかけてきたんです
『あの・・・』
 私は、橘さんに言われた事を所々隠しながら話しました。
『そっかぁ〜。めぐみちゃんもねぇ。』
『どういう事なんですか?』
『あ、ごめんごめん。いやね、私も昔の事を思い出しちゃってね。』
『おばさまの?』
『そう、あれは私がまだADとして働いていた頃にあのホワイト・イルミネイションの取材をしていた時なんだ。』
『昔は、ADだったんですね。』
『そうさ、誰だって昔はADから始まるんだよ。』
 
 陽子おばさまの話は続いた。
『取材が終わってその時に、駆け出しの記者だった家の父さん
が私を呼んでね。『遅くなったけど・・・』って。』
『キス・・・?』
『そう、それがお父さんとの慣れ初め・・・』
『そうなんですか。』
 陽子おばさまの話を聞いて、少しだけ気持ちが
決まりだしていた。
 窓の外は、夜の姿を見せて今年最後の夜を
迎えようとしていました。
TVでは年末の番組が賑やかに流れています。

 今年もあと数時間で終わろうとしている時・・・
『おばさま。私出掛けてきます。』
『そう・・・。いっといで。』
『はい!!』
 私の中で複雑に絡まっていた想いという糸が1本の真っ直ぐ
な糸になった時、私の気持ちは決まった。
 
 私も、橘さんが大好き・・・。
その気持ちを伝える為に私は春野さんの家から大通り公園に
向かって走り出した。

地下鉄が走る時間はとうに過ぎていたので私はタクシーに
乗って向かった。

 そんな時・・・・
『どうしたんですか?』
『いえね。渋滞なんですよ。』
 大通り近辺は、今年の最後にイルミネイション・カウント
ダウンをしようという人やカップルが集まるので
かなり渋滞していた。
時計を見ると午後の11時40分を過ぎていました。
私は、タクシーから降りて、そのまま走って大通りまで
向かいました。
『橘さんに、私の答を・・・私の想いを伝えなきゃ。』
 そう思い、テレビ塔のある大通り公園に走っていった。

 11時48分・・・テレビ塔の近くまで来ました。
橘さんは、どこにいるんだろう?
私は、辺りを探しました。
今年最後のカウントダウンを迎えようと大通り公園は
沢山の人で溢れています。
こんな中で橘さんは見つかるんだろうか?

もう少し早く決断をしていたら・・・・

そんな思いが心の中に沸き上がりました。

11時52分・・・辺りを更に見回しています。
 今まで、沢山の思い出とやさしさをくれた橘さんに
私の答と気持ちを伝えなくちゃ!
そう思う程に、焦りが出て来てなかなか見つかりません。

11時56分・・・
 ついに、橘さんを見つけました。
私は、余りのうれしさに思わす手を大きく振りました。
そして、駆け出した時・・・

ツルッ!!

また、転んでしまいました。橘さんの前ではこれが2度目です。
でも、うれしさで痛みは感じませんでした。
橘さんも心配そうに見ていました。

 橘さんの前で、私は今の気持ちを・・・
私が言いたかった想いを伝えました。
橘さんは、ニッコリと笑ってくれました。
それがとてもうれしく感じたんです。

そして・・・・

『さぁ〜今年最後の大イベント『イルミネイション・カウント
ダウン』が始まろうとしています。皆様準備の程はよろしい
でしょうか?』

大通り公園のあちらこちらからは歓声が聞こえてきます。

『時計では、11時59分を45秒ほど回りました。それでは
カウントダウン宜しくお願いします。』
司会の人の声も一段と大きくなりました。

『10!9!8!・・・』

 その声は、札幌の空に響く程に聞こえています。
そんな時、私に橘さんの手が振れたんです。
私は、自然と目を閉じていました。

『3!2!1!・・・・ハッピーニューイヤー!』

 去年の私の思い出が今、うれしい現実になっています。

橘さん。これからも、一緒にいようね。

そう、ドキドキした心に思いました。

I wish so happy!! a newyear

with you・・・・

第1話  おしまい。



このページは GeoCitiesです 無料ホームページをどうぞ