「FMN」opt.シリーズ第15話です。
どうぞ!!
第15話「明日読むあなたへ・・・」
「はぁ・・・・」
私は、雪の降る窓を見つめ、ため息をつきました。
ある手紙を待ちわびている為に自然と出たため息です。
春は巡り、夏が来て、秋を通り、またこの丘を雪が包み込む
冬が来て・・・・
私は、この時期に少し昔から贈物を送りました。
それは、去年の年末の事・・・・・
「ねぇ。あれっ!!」
「本当にすごいね。」
「うん、本当に綺麗・・・・」
私達は、函館の金森倉庫群の中にある
「フェリシモ・クリスマスミュージアム」に来ています。
橘さんが年末に、またこの北海道にくるという事で、
それだけで嬉しい気持ちになっていましたが「函館の方に
行こうよ。」という誘われてこの場所に来ています。
このミュージアムは、世界のあらゆる所からツリーとか
クリスマスに関する物を展示しているミニ博物館です。
函館の市営電車に揺られて来て、港に面するこの建物の
数々は、もともとはいろいろな所から来た物を置いておく
倉庫でしたが、物流の手段が鉄道や車に変わってその役目を
失いつつありました。でも、この外観を残したショッピング
ゾーンに生まれかわったんです。
私はここで、少し遅めのクリスマスプレゼントをしました。
それは、橘さんと私のマスコットです。
あんまり上手じゃないけど、一生懸命作ったんです。
橘さんは、このマスコットをちゃんと貰ってくれました。
その時は、本当に嬉しかったです。
そして・・・・・
「あれって何かな?」
ミュージアムを出てから、私達は1つのポストを見つけました。
「へぇ・・・クリスマスに届けてくれるポストだって。」
「へ〜っ、すごいね。ね・・・・お互いにクリスマスカード
書かない?」
「うん。もうクリスマスは過ぎちゃったから、来年のクリスマス
に届くんだよね。」
「そうだね・・・・」
こうして私達はお互いに向けてクリスマスカードを書く事に
しました。
クリスマスミュージアムでそれぞれお気に入りのカードを
買いました。
ここの建物の中にあるポストの横には、こういうカードを
書く為の机があって、そこでメッセージを書けるように
なっています。
「お互いクリスマスまでのお楽しみだから、見せないように
書こうね。」
「うん。」
そして、橘さんに宛ててクリスマスカードを書きました。
明日読むあなたに向けて・・・・
「う〜ん、何を書いたらいいんだろう・・・・」
こうして、クリスマスカードを目の前にするといろいろと
考えてしまいます。
「来年のクリスマスかぁ・・・・」
私は、ふと考えていました。
今年、私は高校の受験を控えています。そして来年は
橘さんが大学の受験をするんです。
そんな訳で私の目の前にあるスノーマンのクリスマスカードは
まだ真っ白のままです・・・・・
「出来た?」
「えっ、う、うわぁぁぁぁっ〜。」
橘さんが急に声を掛けてきて、びっくりしてしまいました。
あんまりあわててたので、カードを落としそうになりました。
何とか床に落ちる前にキャッチしましたけど・・・・
「も〜っ、びっくりしたよ〜っ。」
「ごめんごめん。」
「もーちょっと待ってね。」
といって、悪戯っぽい笑い方をしました。
こうして再び机に向かってメッセージを考えてます。
「そうだ!!」
私は、急いで・・・でも、心を込めて書きます。
橘さんへ・・・
これを見る頃には、受験で大変ですか?
小さな力だけど、この美瑛の街でずっと
祈っているからね。
PS.あなたの天使になれますか?
めぐみより。
「よーし、出来た!」
そして振り向くと橘さんはもうすでに書き終わっていました。
でも、ちゃんと約束を守ってくれてて、こちらを見ないように
しています。
「ねぇ、橘さんはどんな事書いたの?」
「ないしょ・・・・」
「ケチぃ・・・・」
「僕の方もクリスマスまでおあずけなんだから
おあいこでしょ?」
「それもそうだね・・・・あはははっ・・・・・」
そして、2人でポストに入れました。
こうして季節がめぐり私も無事高校に合格して頑張っています。
夏には、また橘さんが北海道に来てくれて、あのマスコットも
ちゃんと持っていてくれました。
高校生活初めての冬休みを向かえて家のお手伝いの方も
ちゃんとやっています。
そうだ、鼻黒4号も生まれて元気に育ってるんです。
元気に育つというと・・・・・
私の妹の里沙ちゃんもこの間、1歳のお誕生日を向かえました。
今は、危なっかしいですが立って歩いたりします。
窓辺から見える空から、再び雪が舞いはじめた頃・・・・
「あっ・・・・・」
郵便配達の赤い軽ワゴン車が見えました。
私は部屋を出て、玄関の方に向かいました。
玄関には、お母さんがいました。
「お母さん、おかあさん・・・」
「もう、どうしたの?そんなにあわてて。」
「私宛ての郵便、来てなかった?」
「はいはい。ちょっと待ってね。え〜っと、
これは農協からでしょ・・・・これは・・・」
「はやくはやく・・・・」
私は、待ち切れない気持ちを抑えつつも、自然とうずうず
していました。
「あ、これね。はいっ。」
「お母さん、ありがとう。」
こうして、再び自分の部屋に戻ります。
途中、居間では里沙ちゃんがTVの子供番組を真剣になって
みています。
バタンっ!
部屋に戻り、封筒を机の上に置きました。
うれしくて胸がドキドキしているのを抑えるために
まずは、大きく深呼吸しました。
「すぅぅぅ〜、はぁぁぁぁ・・・・よしっ!!」
それから、中のカードを切ってしまわないように慎重に
封を切りました。
「うあぁぁ・・・・」
橘さんからのメッセージに笑顔も出てきました。
めぐみちゃんへ。
今頃の僕は、受験の追い込みで
大変だと思うけど、
全力で頑張るよ。次の季節に
また、めぐみちゃんに会えるように・・・・
メリークリスマス!!
智也。
外の雪はまだ降り続いています。
でも、私の心の中は、やさしさの暖かみで
とても幸せでした・・・・・
opt.シリーズ第15話 おしまい。

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