「FMN」opt.シリーズ第16話です。


どうぞ!!

第16話「小樽の夕日は・・・・」

 高校の合格も決まった春休み・・・・・
急にこんな話が美穂ちゃんから出ました。
「ねぇ、卒業旅行しない?」
こんな話が出た時、私はびっくりしていました。
だって・・・・卒業旅行って、せいぜい高校生の人位から
すると思っていたんですもの・・・・
「でさ・・・・」
こうして、旅行の話は「あっ」という間に決まりました。
行き先は「小樽」です。
問題はお父さんとお母さんの説得です。
「だって・・・・まだ中学を出たばかりでしょ?」
お母さんからは、予想通りの答が帰ってきました。
しかし・・・・・・
「旅行かぁ・・・・大いに結構!!可愛い子には旅を
させろってな・・・・」
「もう、お父さんたら・・・・」
お父さんの一言であっさり決まりました。
さすがに、新高校生という事で、旅館の予約はお父さんに
取って貰いました。
そして、翌日・・・・・
「家のお父さんもあの電話で納得してくれたよ。」
お父さんが美穂ちゃんとちはるちゃんの家にも電話してくれて
「それなら・・・・」と了承してくれたそうです。
「それじゃぁ、後は行く日を楽しみにするだけだね。」
「うん。」

こうして数日後・・・・・
私達は、小樽に向かいました・・・・
私達が、小樽に行くのは小学校の修学旅行以来です。
みんな行く前からすごくわくわくしています。
1泊2日という短い時間ですが、いろいろと見てきました。
そして・・・・・
「ねぇ、ガラス工房見に行かない?」
ちはるちゃんの提案でガラス細工を制作している工房に
行く事になりました。
「うわぁ・・・・暑いね。」
ガラス工房の中は季節を問わず常に50度はあるそうです。
「おまたせしました。私は担当のターニャ・リピンスキー
といいます。」
すごく綺麗な人・・・・外国の人みたいです。
「ターニャさん、どこの人なんですか?」
「私の故郷はロシアです。ここにはガラス細工の勉強に
来ています。」
金色の髪の毛と、真っ白な肌をして非常に物静かな人でした。
「はい・・・そこで静かに息を吹き込んで・・・」
ガラス細工作りは、本当に大変な作業です。
とても暑い工房内・・・・細かな息使い・・・・・
ガラス細工が、とても繊細なのが解る気がします。
作り終わるまでには3人とも汗をいっぱいかいていました。
「大変上手に出来ましたね。」
「はいっ、ありがとうございます。」
何とか悪戦苦闘しながらも、それぞれの作品は出来上がりました。
こうして、工房を後にした後もいろいろと見てまわりました。
そして、その夕方・・・・
「あ〜っ、疲れたよ・・・一休みしよう。」
「そうね。」
私達は、小樽の海が見える公園で一休みする事になりました。
「あれ・・・・?」
「そうだね・・・・」
私達は、公園内につい先程まで見ていた人影を見ました。
「私、ちょっとお礼してくる。」
「あ、めぐみ・・・・」
私は、2人を公園のベンチに残して先程のターニャさんに
お礼を言おうと思っていました。
「あの・・・・」
その眼差しは、これから沈み掛けようとしている夕日に向けられて
いました。
その真剣な視線に、私は話しかけようか迷っていましたが
勇気を出して話しかけてみました。
「先程は・・・・」
「あ、体験に来ていた女の子。」
「私、愛田めぐみっていいます。で、向こうにいるのが
親友の美穂ちゃんとちはるちゃんです。」
ターニャさんが、ベンチの方を見ると2人が手を振っていました。
ターニャさんも、軽く手を振っています。
「夕日・・・・好きなんですか?」
「えっ?」
「だって・・・あんまりにも真剣に見ていたから・・・・」
私は、ターニャさんに質問をしてみた。
「夕日の色・・・・自分で作りたくて・・・・」
「夕日の色・・・・ですか?」
「私の国では夕日のような赤色を「ツヴィエート・ザガータ」
って言うんです。父はツヴィエート・ザガータを出すのが上手
だったんです。もういないですけど・・・・・」
「ごめんなさい・・・・」
 私は、聞いてはいけない事を聞いてしまったという後悔が
ありました。
「いいの・・・・私も父のように燃えるような「ツヴェト・
ザガータ」をいつか作ってみたいの・・・・だからこの小樽に
来たんだから・・・」
「頑張ってください。はっきりとは言えないけど・・・・・
ターニャさんなら自分の「ツヴェト・ザガータ」を
見つけられるような気がするんです。」
「ありがとう・・・・」
「おーい、めぐみぃ〜。旅館行くよ〜っ。」
向こうのベンチにいる美穂ちゃんが大きな声で呼んでいます。
「あ、ごめ〜ん。じゃぁ、ターニャさん頑張ってくださいね。
あと、私・・・美瑛という所に住んでいるんで来てみて
くださいね。それじゃぁ・・・」
「うん、ありがとう。」

こうして、私達は旅館に向かいました。受け付けの人にお父さん
からの承諾書を見せたら、解ってくれました。
「ここのお風呂よかったね。」
「うん。」
そうこうしている内に2人は、旅の疲れからかいつの間にかに
眠っていました。
「自分の求める物かぁ・・・・・私の場合はなんだろう?」
夕方、ターニャさんと話していた事を思い出しました。
これから高校に入って、私の追い求める物を見つける・・・・
そんな高校生活も、もう少しで始まろうとしています。
「うん、私の求める物は自分でゆっくりと見つけて
いこう・・・・」
こうして、私もまどろみの中に沈んで行きました。
自分を成長させる旅・・・・今回の小樽の旅行はそんな感じ
でした・・・・・

opt.シリーズ第16話 おしまい。



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