FMNopt.シリーズ第6話です。


どうぞ!!

第6話「めぐみの大変学校祭」(後編)

 ついに・・・・私の学校のお祭り「学校祭」の当日に
なってしまいました。
 今回私は、演劇発表と模擬店の手伝いをする事になりました。
でも、模擬店の方は美穂ちゃんがいろいろとやってるそうなので
私は、演劇の方がメインです。
私達のクラスは「桃太郎」をやる事になっています。いや・・・・
実際には、桃太郎をかなり・・・・相当・・・・アレンジした
お話をやるそうです。

 あ、もうすぐ私達の劇の出番が始まりそうです。
前の組の劇の後片付けと、私達の組のセットが所狭しと
動いています。
そして、何よりこの衣装です・・・・
 準備の時に、脚本を書いている赤松さんが「ここもやる!!」って
言った為に着る事になってしまったこの肌色の上下の衣装を着なくては
いけない時が来ました。
準備も整い、舞台の袖に私は桃の絵の描いた物に隠れています。
もうすぐ、私達の演劇が始まります。

劇中劇「桃太郎・ターボタイプA」
第1幕「桃太郎誕生」
「昔むかし・・・・ある所にお爺さんとお婆さんが住んでいました。
お爺さんは山に芝刈に、お婆さんは川に洗濯に行きました。お婆さんが
川で洗濯をしていると、川上の方から大きな桃が流れてきました。」

ここで私は桃を押してお婆さん役の幸子ちゃんの所まで行きます。
しかし・・・・

バタン!!

 私が押してた桃の小道具が倒れてしまいました。

「あ〜れ、こんな所に桃が、しかも中には人がいるじゃないか・・・
これは珍しい。お爺さんは珍しい物好きだから持っていこう。でも、
このままじゃ持って行きにくいねぇ。桃にもう一度詰めて・・・」

 こう言って、お婆さん役の幸子ちゃんは倒してしまった桃の小道具を
元に戻しました。台本にはそんな事もちろん無いので、これは
幸子ちゃんのアドリブだったみたいです。
ナレーション役は、赤松さんが担当するらしく、袖でマイク片手に
頑張っています。変に脱線しなければいいけど・・・・

「こうして、珍しい物が大好きなお爺さんの所までお婆さんは桃を
持って行きました。」
「なんだい?その大きな桃は・・・」
「見てくださいよ。この桃はただ大きいのでは無くて、中にはね・・・
ほら、出ておいで・・・」
こうして、やっと私の出番でした。
「おぎゃぁ〜、おぎゃぁ〜。」
「おお、これはこれは・・・・」
「ね、凄いでしょう。」
やっぱり、この衣装は恥ずかしいです。
「この子はなんという名前かね。」
「女の子ですから・・・桃子はどうでしょう?」
「桃太郎はどうかのう?男の子みたいだし・・・・」
「なんですと!!」
 私も台本に書いてはありましたが、実際本番で聴くとショックです。

「おお、もうこんなに元気に話しとる。早速だが桃太郎や、最近
鬼ヶ島の鬼達が悪さをして困っている。鬼退治に行ってはくれぬか。」
「はいわかりました。でも、その前に何か服を着せて〜っ」
 ここの台詞には、会場にいた他の生徒のみんなも大爆笑でした。
舞台が暗くなり、私達は衣装換えに入りました。

「こうして、桃太郎と名付けられた女の子は鬼ヶ島に成り行き状
向かう事になりました・・・」


第2幕「鬼ヶ島道中膝栗毛」
「桃太郎は、途中で犬、猿、雉の3匹のお供を連れて鬼ヶ島まで
やってきました。」
講演の関係上、途中のシーンは赤松さんがカットしてしまいました。
「よくぞ、いらっしゃいました。」
「あ、あの・・・」
「はい?」
「鬼・・・ですよね。」
「もちろんそうです。私達は、桃太郎に倒されてナンボですから・・・」
 大凡、本当の話しから想像も出来ない鬼達ですが、これも赤松さんの
演出なんだそうです。
「その時・・・・どこからとも無く声高らかにあげる声がした!!」
「やぁやぁ、我こそは桃太郎だぁ!!」
「私もそうだぁ、桃太郎!!」
なんと、私の他に2人の桃太郎が現れました。
2人目までは台本にあるんですが、3人目がいるとは知りませんでした。
「え〜っと、困りましたねぇ〜私は誰に倒されるんでしょう?」
「お前は誰だ!!」
私が大声で台詞を言うと、こう返って来ました。
「お前こそ誰だ!!」
「私は日本一の桃太郎だ!!」
私がこう言うと・・・・
「私は、元祖桃太郎だ!」
「私は、本家桃太郎だ!」
 はぁ〜っ、こう来る訳ね。妙に赤松さんが本番前にニコニコしていた
のが解りました。もうここまで来ると台本は無いような物です。
みんなアドリブでやってるみたい。
そんな時ナレーションの声がとんでも無い事を言い出しました。

「さぁ〜っ、困った事に桃太郎が3人も現れてしまいました。
こうなったら、ガチンコ勝負で決着を付けて貰いましょう、題して
『桃から生まれた桃太郎は鬼を倒して帰ると言う大義名分を果たして
故郷に錦を飾れるのか?三つ巴ガチンコ対決!!』」
と言って、舞台が暗くなり、舞台の袖の方にスポットライトが
当たったんです。

「赤松さん!」
「どもども〜っ。急遽このガチンコ勝負の司会を担当する事に
なりましたナレーションの私、赤松明美で〜す。」
 もうここまで来たらなるようになるしかありません。

第3幕「桃太郎ガチンコ対決。そして・・・」
「さ〜って、第1回戦は早口言葉対決で〜っす。この3人に早口言葉
を言って貰いましょう。それでは、日本一の桃太郎さんからどうぞ!!
お題は『桃も李も桃の内』です。」
「あ、もももすももももものうち・・・」
「はぁ〜い、OKです。次・・・!!」
こうして赤松さん提案のガチンコ勝負は5回戦まで続きました。
中には激辛のシュークリームを食べてしまったらアウトなんて言う物
や、目をつぶって片足を上げてどこまで立てるかというのまで
ありました。
本当にここまで来ると演劇と言うよりバラエティー番組のノリです。
でも、お客さんや生徒のみんなは本当に楽しんでいました。
結局、私が勝ち残り(・・・っていうのかな?)ました。
「それでは、勝ち残りました日本一の桃太郎さんに退治して頂き
ましょうかぁ〜」
「えいっ!!」
「ぎゃぁぁ〜」
「お見事!!それでは引き続き演劇をお楽しみください。」

 こうして、一応最後まで劇は続ける事が出来ました。
赤松さんも乗ってましたが、その後で先生にヤリすぎとお説教を
受けていました。赤松さんには悪いけど本当に私も思い出深い
楽しい劇でした。彼女なら本当に陽子おばさまみたいなディレクター
になれそうな気がします。
橘さんに話しても同じ事を言っていました。
とにかく、中学校最後の学校祭がこんなに楽しく過ごせて良かったです。

opt.シリーズ第6話 おしまい。



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