opt.シリーズ第7話です。
どうぞ!!
第7話「幼き頃のゆめ・・・」
「ふぅ〜今日も疲れた・・・・・なぁ・・・・・くぅ〜。」
中学校もあと少しでおしまいという冬の夜。
私は搾乳の手伝いの疲れからか、そのまま自分の部屋の
ベッドで眠ってしまいました。
今回はそんな時に見た私の夢のお話です。
「おはよ〜。」
「うん、おはよ〜。」
「え、えっ?」
目の前には私がもう一人いました。
そして、ここは学校・・・・・しかも小学校です。
私は目の前にいる小学校の時の私を見ていました。
まだ、本当に小さくて・・・(あ、今もかな?)
元気な私です。
回りの雰囲気を見て、すぐに東京にいた時に通っていた
小学校だと気付きました。
「あ、愛田さん。おはよ。」
「うん、鈴木君おはよう。」
「この子・・・・・」
この子は、鈴木 崇君。私が小学校の時に好きだった男の子。
好きって言っても、恋とかそんなんじゃなく、ただ毎日会えるのが
嬉しいって感じだったんです。
でも・・・・今考えると、これが初恋だったのかもしれません。
「鈴木君、今日の体育は走り幅跳びだったよね。」
「うん、今日こそ新記録を出すんだ!!」
「頑張ってね。」
「わぁ〜、鈴木と愛田は夫婦だ!夫婦だ!」
「そんなんじゃないもん。」
このはやしたててたのは、丸山君っていって小学校の時のクラス
メイト。ちなみにかなりのお調子者でした。
「やめろよ!!愛田さんが困ってるじゃないか!!」
「お、何だよ。愛田をがばうのか。」
「やるか!!」
「やめて!!」
鈴木君と丸山君があわや喧嘩になろうとした時に、私(小学生のね。)
が止めに入った。
「こ〜ら、何やっているんだ!」
この声の主は、小学校の時の担任の先生の竹中先生です。
本当に懐かしいです・・・・・。
って、言ってる場合じゃなかった。たしかこの後って・・・・
「鈴木と丸山は後で職員室に来るように・・・」
「あ、あの・・・・先生。」
「ん、どうした?愛田。」
「実は、私のせいなんです。」
「そうか、そうしたら愛田も一緒に来てくれ・・・。」
「はい。」
その後の職員室で私達は事の成り行きを話しました。
「そうか。丸山、そんな事はしちゃいかんぞ。」
「は〜い。」
結局、その場は先生の話で決着しました。
そして、下校時間になって・・・・
「愛田さん、帰ろう。」
「うん。」
私と鈴木君は一緒に帰りました。
たまたま、家が近い事もあったんで帰り道は一緒に帰る事も
多かったんです。
「でさぁ〜、今日の体育。もう少しだったんだよなぁ〜。」
「本当ね。あと数センチだったよね。」
取り留めの無い話、そんな事でもただただ嬉しかったあの頃・・・
私は、そんな2人を見ていました。
「ただいま〜。」
「お帰り。」
「うわぁ〜、お母さん。今にも増して若いんだぁ〜。」
東京のとあるアパートに小さい頃の私の家がありました。
「あれ?お父さんは?」
「今日も、残業なんだって。なんでも、新しいプログラムが
出来るまでは、毎日続くんだって・・・・」
そうなんです。お父さんはあるソフト会社のプログラマーを
しています。
しかも、仕事の締切が近づくと残業もあるし、会社にそのまま
泊まることもあります。
そして、東京にも夜がやってきました。
「めぐみちゃん。そろそろ寝る時間よ。」
「は〜い。」
私は、自分の部屋に戻って眠ろうとしていました。
「っと、その前に・・・・」
私はこの頃、毎日日課にしていた事がありました。それは・・・・
「お星さま、お願いです。明日も鈴木君に会えますように・・・。」
そうなんです。小学校の頃の私は毎晩こうして、ぼやけた星空に
向かって、鈴木君に明日も会えますようにとお祈りをしていました。
今考えると、明日になればまた会えるのに変ですよね。
でも・・・・・
「え〜鈴木君が、お父さんの仕事の関係で転校する事になりました。」
その日は突然やってきました。
もちろん、その話を聞いて私は大きなショックを受けました。
そして、その報告の後で・・・・・
「鈴木君!!」
「愛田さん、ごめんね。」
「転校しちゃうんでしょ!めぐみ、悲しいよ。」
「本当はもっと早く言いたかったんだけど・・・・」
「手紙ちょうだいね。待ってるから・・・・」
「うん。」
これが結局鈴木君との最後のお別れになってしまいました。
「ただいま〜。」
「あら、どうしたの?元気無いわね。」
「ううん、なんでもない・・・・・」
「そう。」
その後、私は自分の部屋の中で思いっ切り泣いてしまいました。
そんな事があって、それから少したった頃・・・・・
私は、お父さんに家の茶の間に呼ばれました。
「めぐみ。これから大切な話をする。」
「なんの話?」
「父さんな、今日。会社を辞めて来たんだ。」
「えっ、どうして?」
「これからは、自分の夢を叶える為にだ。」
「夢・・・・?」
「そうだ、父さんの夢は北海道に行って酪農をすることなんだ。」
「ええ〜っ、北海道!!」
「そうだ。」
小学校の頃の私にも、北海道はものすごく遠い事は社会科の授業
でわかっていました。
でも、はっきり言って不安でした。
「向こうにはな。お父さんの親戚の人もいてな。いろいろお世話を
してくれるそうだ。」
「うん、琴梨ちゃんの所でしょ。」
琴梨ちゃんと言うのはお父さんの妹の陽子おばちゃんの所の子供で
私の従兄弟なんです。昔、家にも遊びに来た事があるんで覚えて
います。
そんなことで、それから少しした頃・・・・
私も、北海道の学校に転校していきました。
それからいろいろあって・・・・・・・・・・・・・・・・
「めぐみちゃん、朝の搾乳に遅れるわよ。あ〜っ、電気つけっ
ぱなしで寝ちゃったでしょ。」
「あ、ごめんね。」
「うん、判ったから。お父さんが待ってるわよ。」
「うん、今行く。」
そうして、お母さんは私の部屋のドアを閉めました。
私もベットの上で大きな伸びをしました。
そして、机の上にある橘さんとの写真を見て・・・・・
「おはよう・・・橘さん。」
人それぞれには、いろいろな思い出を重ねて成長していく・・・
それが嬉しい思い出か、辛い思い出かは判らないけど・・・・・・
でも、あの頃からの私も成長していると思います。
きっと・・・・・・・・
opt.シリーズ第7話 おしまい。

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