≪幸せな気持ち≫
レイジに触れていると、幸せな気分になる。
人前ではあまり触れたりしないし、されないけれど。そんな他人の目を気にしないでベタベタするのは嫌だから。
レイジの大きな手に触れるのが好き。レイジの手で、顔や髪を撫でられるのが好き。
昔から、そばにいると何だか安心できて、レイジの近くにいるのが好きだった。
今はその距離が、もっと小さくなっただけ。距離が零になっただけ。
そして、触れている時間をもっと長くと望むようになっただけ。
「……どうした、メイ?」
レイジの顔をじっと見上げる私を、レイジが不思議そうに見つめる。
まだここは家じゃない、部屋じゃない。
2人で歩く帰り道で、駅に近いこの場所は、他人の姿がまだ見える。
「べつに」
心で思っていた事を見透かされるのが嫌で、私はわざと素っ気無く、レイジの視線から目を逸らした。
「そうか?」
「そうよ」
短い言葉を交わしながら、レイジと私は道を歩く。
隣にいるのに触れる事ができなくて、何だか不満に思っていたなんて、口が裂けても言えやしない。
かと言って、例えばいきなり腕を絡ませるなんて、そんなはしたない事外で出来るはずもない。
――その時、レイジが私の手を取った。
「え?」
私の手を軽く握り、そのままレイジは歩く。
驚いたような顔になる私に、レイジは涼しい表情でこう言った。
「嫌か?」
「……べつに」
レイジがしたいならいいわよ、と、言い訳がましく口にする私を、レイジはどこか楽しそうな顔で見ている。
……なんだか、少し、悔しい。私が考えている事なんて、すべて見透かされているみたい。
でも、つないだレイジに手は手袋越しに暖かく、本当は何も隔てない方がよかったけど、それだけでも少しだけ幸せな気分になれた。
触られているだけでこんな気分になるなんて、どうしてなのか自分でもわからないけど。
レイジとつなぐ手に、離れないように少しだけ力を込めたら、レイジは私の手を、指をからませてきつく握りかえしてくれた。
2003.11.09.
とりあえず、冬祭り当選の勢いで。
短くてとりとめのない話書くの楽しいです。
しかし、ミツメイだけえらい勢いで増えているという事実。
どうやら、先日のオンリーの何かが残っている様子。
書けるうちにかけるだけ書き溜めておいた方がいいかも。
その上このカプが一番妄想してて楽しいんですが、ジオシティーズでは制限かかっているのでどうしたものやら(<人間失格)