その少年を見つけたのはある訓練の時だった。
金髪で青い瞳、そして汚れを知らぬ幼い表情。
自分の中の空虚な部分が彼に惹き付けられていた。
「クラウドって言います」
少し緊張した面持ちで、しかし無邪気な笑顔を向けてくる。
「お前に憧れて神羅に入ったんだってさ」
俺と同じソルジャーで唯一俺を恐れずにまともに話しかけてくるザックスがその、人の良い笑顔で俺に紹介した。
ザックスの言葉に恥ずかしそうに頬を染めるクラウド。
恐ろしいまでに純粋であった。
だから、俺が部屋に誘ったときも遠慮しつつも素直についてきた。
何をされるかも知らずに……。
「セフィロスさん、今日はクリスマスなんですよ。」
外の風景の見えるエレベーターで上がりつつ、クラウドが星が輝く空を見上げて言った。
「さん付けは止める、呼び捨てでいい。あと敬語もなくていい」
「あ、はい」
嬉しそうに微笑むクラウド。純白のものは染めたくなる。そう思わないか?
エレベーターが止まり、目的の階へと着いた。
鍵を開けて中に入り、クラウドに入るように促す。
「お邪魔します」
何も知らない彼の何も知らない言葉が、行動が、俺の血を騒がせた。
あれからの出来事を俺ははっきりと憶えている。
尊敬している人に裏切られたときの少年の顔を。
何も知らない純粋な心が無残にも散らされてしまう美しさを。
無駄な抵抗を続け、しかし急にそれを止めて俺を受け入れた涙を。
何もない空虚な心が一人の人物で満たされてしまう恐怖心を。
彼は何も知らない小羊ではなかった。
栄光だった。
高貴だった。
俺にとっての神、いやマリアだった。
ほら、もうすぐ彼がやってくる。
俺を呼ぶ声には憐れみと憎しみと殺意、そして慈愛がある。
おいで、クラウド。
俺はここにいる。
お前が強くなって倒しに来るのを待っている。
おいで、クラウド。
成長した姿で、お前の仲間達と、その瞳で。
おいで、クラウド。
この雪の中、俺の元へ。。
あの時のようにお前の耳に囁いてやる。
Merry Christmas, my 'HOLY'
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