いっつも沈着冷静で、優等生で「良い子」の名誉風紀委員長様は何が楽しいか知らねぇけど、オレの恋人だったりする。
「炎」
不純異性交友はだめだとか言っているのに、オレには甘いキスをくれる。
今、海は受験で忙しい。
クリスマスなんかのん気に過ごしている場合じゃねぇと思うんだけど。
「クリスマスぐらいエンと過ごしたいからな」
と、家に呼んでくれた。
「炎〜!!!」
海の妹の渚ちゃんは何故かオレに懐いてくれている。
「どしたの、その格好。出掛けるの?」
「うん。あーあー、炎が来るって知ってたら出掛けなかったのに……」
「渚。待ち合わせの時間に遅れるから早く行きなさい。大体お前はいつもいつもぎりぎりまで家にいて遅刻していくという………………」
「いってきまーす。じゃあね、炎。兄貴に襲われないように気を付けてね」
恋人だとは、流石に言えねぇよな……。
「炎、いつまでも玄関に立っていないで中に入ったらどうだ?」
「あ、うん。お邪魔しまーす、と。」
そんなわけでクリスマスを海と過ごすことが出来て嬉しいんだけど、オレが重荷になっているのかと思うと、喜べない。
「海」
「なんだ?」
はっとするほど整った顔立ちで、長い睫毛で、奇麗だと思う顔がこちらを向いている。
こんな美人の海の恋人がなんでオレなのかがわからねぇ。
でも、海に他に恋人がいるのは嫌だ。
甘いクリスマスを過ごしたいけど、自分が海にふさわしくない気がして、海の顔を見上げた。
「炎、メリークリスマス」
甘いキスとプレゼント。
そういえばクリスマスだってのに何もプレゼントを持ってこなかった。
「ごめん、海」
こんなオレでいいのか、不安は大きくなるばかり。
「プレゼントは、炎からのキスでいい」
こんなに幸せでいいのか……?
唇を重ねながら、窓の外を見た。
ちらちらと雪が舞っていた。
「雪みたいに、なくなりそうだな……」
思わず呟いていた。
「炎は私が嫌いなのか?」
「すっげぇ好き!」
「じゃあ、何故なくなると?」
「オレは……海にはふさわしくない気がするから…………」
「Don't say 4 or 5!! 炎らしくないな。炎以上の恋人は世界中探しても何処にもいない。炎が私に飽きるまで、いや、例え炎が私を嫌いになっても、私は炎の恋人でいたい」
「海…………」
「雪のように儚い恋がしたいなら、私では無理だな。」
甘い甘いクリスマス。
「海、大好き!」
「愛している、炎」
冷静沈着で優等生な名誉風紀委員長様はオレの最高の恋人。
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