僕が使徒だということは、彼にとって耐え難いことだった。
「シンジ君」
彼の手によって僕は首を落とされた。
恨んでる?
そんなバカな。
僕は彼に逢うために生まれてきた。
生と死は僕にとって等価値なんだ。
彼に殺されるなんて光栄なことじゃないか。
じゃあ、何故僕はここにいる?
首を落とされる前と全く同じ姿で、シンジ君のいる病室の前に。
音を立てずに中へ入る。
静かな寝息。
「カヲル……君………………何故…………?」
閉じられた瞼から溢れる涙を指で拭う。
この世にアダムとエヴァが生まれてどれだけ経ったか。
いや、アダムもエヴァも生まれ続けているんだ。
ずっと、永遠に、途切れることなく。
そう、2000年と少し前にキリスト・イエスが生まれたときも。
キリストが生まれて2000と少し。
12月25日は彼の生誕の日。
聖母マリアの慈しみか。
僕は眠る僕のリリスに幻の接吻をした。
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