二学期が始まりほぼ一週間、私のクラスに転校生が来た。転校生が教室に入って来た途端に、教室がざわめいた。その転校生とは、あの時見た男の人だった。彼の名は、ファイラス・ロッドといった。
「あれ?」
彼の肩にあの変な生き物が乗っている。
(どうしてみんな何も言わないのだろう、先生まで)
「ファイラス君、君は横山の隣に座りなさい」
「はい」
先生が言うと、皆に見つめられながら彼は席に着いた。
授業が終わるとクラス中の生徒みんなが、彼の周りに集まった。私も近寄ろうとしたが、女子が詰め合って無理だった。私は彼も気になるが、それよりもあの変な生き物の方が気になっていた。
なんとか彼に近寄れて、私は早速、肩に乗っている変な生き物のことを聞いてみた。
『ガタッ!!』と椅子の倒れた音がした。
「シャラが見えるのか!!」
ファイラスが顔付きを変えて言った。周りが静かになりそしてすぐにざわめいた。
「ファイラス君、シャラって何?」
恥ずかしそうに一人の女子が聞いた。しかし、ファイラスは質問には答えず私の腕を掴み教室を出て、私を屋上へと連れて行った。私は何がなんだか分からず引かれるままについて行った。
ドアを開けると強い光が差し込んだ。ファイラスが外へ出ると、私は目を細めて後について行った。太陽の光を浴びている彼を見ると、あの日のことを思い出す。まるで宝石の様なファイラスのことを…。
ファイラスは遠くを見つめ、私の方へ向いた。今のファイラスの顔は、教室での顔付きとは違い、静かで冷静な姿だった。私はまるで魔法をかけられた様に、彼から目が離せられないでいた。
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