序章



 かつて人々が、まだ神の存在を信じていた頃のこと…。
 世界はまだひとつであったという…。

 神の声を聞くことのできる者が、この世界で人々の上に立つことのできる唯一の存在だった。 ところが、たったひとつの時代を境目にして、ひとつだった世界がふたつに別れてしまった…。

 ひとつは『光』として、そして、もうひとつは『闇』として…。
 それぞれの世界は信ずるものを違え、栄えていった…。

 なぜ、こんなことになったのか。
 そもそも、あの時代にふたりの《聖人》が現れてしまったことが、原因だと言う者もいる。 しかし、今この世界に真実を知り、語る者はいない…。

 残ったものは、《聖人》のひとりが書き付けた、古い書物の中の予言だけとなった。

『我等の世界はいずれ、幾つもの世界に別れ、次第に心も変わり《聖人》も誕まれなくなるだろう。 そして、それぞれの世界で人々が心を失ったとき、大地に住まう龍神が目覚め、大地を切り裂き、 全てを無にするだろう。しかし、龍神を封印する力を宿した子供達が七人誕まれる。そして、 龍神の現れる場所を予言するくらいなら、出来る者も現れよう。…子等よ、心を…。』

 しかし、もうひとりの《聖人》の書き付けた、予言を信ずる世界があった。

『我等の世界は割れることはあるまい、いつまでもひとつだ。我等を闇に追いやった奴等の世界は、 いつの日か割れ、その世界の何処かに我等の神《大地の龍神》が現れよう。時を同じ頃としたとき、 龍神の使者たる者が誕まれる。その者を先頭とし、龍神を受け入れ、我等の光を取り戻そうぞ。 …血族達よ、光を…』



                   《光闇創世記》より抜粋






GALLERY
PHOTO
NOVEL
LINK
BBS