青春ハイタイド



僕、壬生紅葉と緋勇龍麻の関係はというと。
同じマンションの隣りの部屋に住む、俗に言う幼馴染。
ただの幼馴染…そう思っているのは、最悪に子供で最強に鈍い龍麻だけで、僕の方はといえば。
中学生の頃だろうか。
普通、この時期に男の子は思春期に入り、女の人に興味が出てくる。
僕も例に漏れずにそのはずだった。
だけど僕が始めて……、いや今も。
性的対象として見ているのは、何を隠そう龍麻だけだった。
ぶっちゃけて言うと。
僕は、龍麻に欲情しているのだ。

「つあ〜〜〜っvvやっぱりエビチリといったら紅葉だよな〜!!フカヒレスープも絶品だったし〜」
いつものように僕の部屋で食事を済ませて。
満腹になり、機嫌よさそうに龍麻がソファに転がる。
「あ、今日、京一にビデオ借りたんだっ。な、ここで見てもいい?」
うちのソファがお気に入りらしい龍麻はネコのように丸くなってソファに埋もれていたのだが。
突然のその申し出に、僕は頷いて、これから始まる龍麻とのビデオ鑑賞会に必要なおやつとジュースの用意に
取り掛かった。
テーブルにはおやつと龍麻のコーラと僕のブラックコーヒー。
窓には真っ黒のカーテンが閉められていて、映画鑑賞に向く室内の暗さ。
ソファに座る僕と龍麻。
「っしゃ!!!そりでは映画鑑賞会開始〜〜ッ★」
そう言ってオーバーリアクションなくらいの仕種でリモコンの「再生」ボタンを押す。
「一体なんの映画なんだい」
「あ?…知らね。とにかくお薦めらしい」
おかしを頬張りながらそう間近に寄られて、僕の心臓がどきっとする。
龍麻はやっぱり可愛い。
アホでも、鈍感でも、子どもでも。
こんな龍麻と僕の距離はまだ『幼馴染』のままで。
そこから先。つまりもっと大人な関係に進みたいのだが如何せん、龍麻は子ども過ぎる。
ひょっとしてこのビデオが恋愛ものだったりしたら、少しはそういう雰囲気になるのだろうか。
なんて淡い期待を持ち掛けて、思い直す。
(そんな訳ないか…。なんたって龍麻だし)
「お、始まるぞ〜」
そんな僕の考えなんか知りもせずに無邪気に拍手なんかしている。
ああ、もうこんなとこも。
食べちゃいたいくらい可愛いんだけどなあ。

そしてビデオの本編が始まって。
数分後。
…タイトルからして、おかしいとは思っていたんだ。
しかもさっきからやたらとスタイルのいい女の人ばかりが出ていて。
今はもう衣服を乱して、喘いでいる。
そう。
つまりは、AVだったという訳だ。
なんだかマズイことになった…とちらりと龍麻の表情を伺うと。
ぽかん…とおかしを口に入れる途中のまま固まっていて。
「龍麻…?」
声を掛けると、怒涛の勢いで龍麻の顔が真っ赤になって。
それを見た僕はというと。
ここはやはり男の悲しいサガなのか、じわり…と下半身が熱くなって。
「んな…なななななななっ」
面白いくらいに慌てる龍麻もやはり可愛くて。
脳では「ヤバイ」と感じているのに、今まで押さえに押さえていた僕の理性が悲鳴をあげる。
「っ……!!!!」
急いでソファから転げ落ちるように降りて四つんばいのままテレビの電源を消す。
目の前に、四つんばいの龍麻。
もうそこで、僕のなけなしの理性は脆くも崩れさってしまった。
四つんばいのまま気まずそうに動けない龍麻に覆い被さる。
すると龍麻の身体がびくん、と一瞬跳ねた。
それでも構わずぎゅ、と抱きしめる。
「く…紅葉…っ。どうしたんだ」
本当に訳が分からない、というような言葉に苦笑して、目の前にあった形のよい耳を舐める。
「っ!?な…なにしてんだよっ。ど…どけっ!!!」
「ねえ、龍麻。僕としてみないかい?」
そう耳元で囁くと、龍麻はくすぐったそうに身を捩って、未だに真っ赤な顔を僕に向けた。
「なに…っ」
「ね、少し興奮してる?」
そういって学生服の上から龍麻の股間に手を移動させる。
「ば…ばかっ。どこ触ってんだ!!!」
「少し…おっきくなってる…ね」
そう言うと更に龍麻の顔が真っ赤になって、龍麻が僕の下から素早く抜け出す。
「へへへへへへ変態っ。ばかっ」
尚も逃げようとする龍麻を捕まえて後ろ抱きに膝の上に乗せて、逃げられないようにぎゅっ、と抱きしめる。
「恥ずかしがらなくてもいいよ。僕もだから」
ぐい、と龍麻のお尻に、少し反応してしまっている僕自身を擦りつける。
「ひっ。く…紅葉…っ。やめろって」
少し涙目で訴える龍麻も可愛くて、もう止められない。
「まあ…これは、ビデオのせいじゃなくて龍麻のせいだけどね」
「なにゆってんだぁっ!!!!」
「これでも凄く耐えたほうだよ。ね、龍麻…触ってもいい?」
何を、と龍麻が聞き返す前に、彼のズボンのチャックに手を掛けて、一気に降ろす。
そして素早く龍麻の陰茎を取り出して一撫でする。
「っ…つ!!!?」
ひゅ、と息を呑んで龍麻の身体が跳ねる。
「いや…だあっ…。さわんなっ」
「そんなこと言ってもこのままじゃ苦しいだろ。…それに…意外と気持ち良くなってきてるんじゃない?」
そのまま上下に扱き上げる。
「っは…あっ。や、ぁあっ。あ…っ」
「可愛い…ね、龍麻」
そう呟きながらいくつも龍麻に軽い口付けを与える。
そして自身を擦る手とは反対の手で龍麻のシャツをたくしあげ、胸の突起をきゆっと抓る。
「ひ…ゃっ」
途端にぴくん、と跳ねる龍麻が可愛くて何度も同じところに刺激を与える。
「紅葉っ…れはっ。や…だっ、こすんな…いでっ」
もうすっかり力の入らない身体が嫌々をするように動くけれど。その力はまるで弱くてあっけない。
「ね…龍麻。いつもひとりでするときどんなこと考えてる?」
「や…なにも…」
「僕はね、君のことばっかり、だよ。どんな顔するのかな、とか…ね。だけど…想像してたのよりずっと今の方が
可愛くて…やらしい…ね」
そう耳元で囁いて強く握ってやると。
「っつ〜〜〜っ!!!!!!」
途端に大きく身体が揺れて、掌に龍麻の精液が注がれる。
「気持ち…良かった?」
「はあっ…はあっはあ…っ」
苦しそうに息を吐き出す姿にも、凶暴なくらい欲が増して。
僕は、我慢できずにフローリングの床に龍麻を押し倒して、ズボンと下着を全て取り払う。
そしてまだくたり、としている龍麻の細い足を大きく広げて。
痛いくらいに膨張した自分の熱を取り出して、一気に彼の中へ突っ込む。
「!!!!!か…っ…は……!!!!」
大きく見開いた瞳から涙がぼろぼろと涙が零れて、龍麻の秘所がぎゅうっと締まる。
「く…ぅっ…龍…麻…力。抜いて…!!」
痛いくらいのそれに必死に射精を堪えながらそう促しても。
「む…むりゆうな…っ…つ!!!や…も…痛いぃっ!!!」
やはりどうにもならない、との返事が返ってきてまたぎゅっと僕を締め付けるから。
強い射精感が襲ってきて、背中がぞくぞくする。
そしてその衝動に、とうとう耐えられずに。
「うあ…っ。龍麻っ」
どぷ…と微かな音を立てて、僕は龍麻の中に射精してしまった。
ただ入れただけで、我慢できずに果ててしまったことが恥ずかしくて、僕も龍麻と同じくらい真っ赤になる。
「す…すまない…」
「も…なんでもいいから…抜け…」
か細いその声に、かわいそうになるけれども、僕も男として、自分だけイってしまったというのは情けなくて。
「だけど…きみにも気持ち良くなって欲しいし…」
そうリベンジを申し出るけれども。
「やだ…!!!もうやだ!!!抜け〜〜〜っ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
とマジ泣きされて、僕は情けなくも行為を終わらせることしかできなかった。




その後、龍麻をベッドに運び、介抱を続ける。
「龍麻…」
「うっうっう〜〜」
鼻まで垂らして泣く龍麻に僕はただおろおろとするしか出来なくて。
「ごめんよ、痛かったね」
なんて、そんなことしか言えず。
「なんで…っうっ…ぐしっ。あんなことしたんだよう〜っ。俺が嫌いなら殴ればいいじゃんか!!!」
「は?はあっ!!!!?」
龍麻の呟いた言葉にガラにもなく大声を出してしまう。
「きみが嫌いだなんて、そんなはずないだろうっ!?」
「じゃあなんでだよっ」
どうやら僕は、独りでイってしまったことよりも、大変なミスを犯してしまっていたらしい。
(好きだっていうの…忘れた…)
ああ、もう本当に。
なんて格好悪いんだ…!!!
「僕はきみが好きなんだよ…っ。ずっと…」
今更だとは思うけれど、もうどうしたって手放せる訳がないのだから。
「ひどいこと…して…ごめん。でも、好きなんだ。きみが、好きなんだよ」
「すき…?紅葉がおれを?」
「うん。もうずっと長いこと」
「それを先にゆえよっ。これじゃあ、ただのゴーカンだぞ」
強姦という言葉に多大なショックを受けつつも、僕は彼の手を握り締めた。
「うん。ごめん」
「もうこんなんヤダぞ」
「…無理矢理じゃなければいい?」
不謹慎だけれど、切実な問題を恐る恐る聞くと、龍麻はまた真っ赤になって「反省してんのか?」と怒鳴って。
「…っこの馬鹿…っ。……当分は、だめに決まってんだろ…!!!」
拗ねたように、布団を頭まで被って小さな声で龍麻が言う。
それに嬉しさを感じつつも、ひとつだけ確認しておかなければならないことを思い出して。
今度は本当に真剣に龍麻に尋ねる。
「…龍麻…。龍麻は、僕のこと好き?」
そう、彼はまだ僕の想いに答えてはいないのだ。
些か不安な気持ちで返事を待つ。
数分の沈黙の後。ぽつりと、布団の中から一言だけ。
だけどそれだけで十分な、言葉が僕の耳にするり、と入り込む。
「すき…」
その言葉をようやく聞けて、僕は嬉しくて嬉しくて布団ごと彼を抱きしめる。
順番は間違えてしまったけれど、待っていたのはハッピーエンド。
僕は彼が想いに答えてくれたことがとても嬉しくて踊りだしたい気分だ。
だけどちょっぴり恥ずかしさもあって。
「次するときまでに色々勉強しておくよ。今度はきみと一緒に、気持ち良くなれるように」
と、それを紛らわすように少しおどけた風に言うと、彼からはしっかりと拳が飛んできて。
それを手のひらで受けて、握り締める。
暖かい、愛するひとの手。
そのまま僕もベッドに寝転んで「今日は手をつないで寝よう」と言うと龍麻が布団から漸く顔を出して。
「なんもすんなよ」
と照れたような、でも嬉しそうな顔をするから僕は龍麻の唇に触れるだけのキスをして。
「おやすみ」
そのまま眠りについた。









                            end.











さいてぇ…。イキナリつっこまれちゃうかわいそうな龍麻…(わたしのせいだろ)
壬生っちは最初はヘタだったら面白いと思って書いてみたけれど…これって鬼畜???な話しになってしまいました……。
そしてそして、かなりエロくなってしまいました・・・引かないでくださいぃ〜っ!!!!!!
でも壬生くんの名誉のために蛇足を。
彼は勤勉なので、二回目からはテクニシャンです★(ぅおおおおおおっ)

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