温泉には危険がいっぱい!?

ごうんごうんごうん・・
地面から響きわたってくる騒音、それが体までわたってきて、俺の体を静かに上下に揺らす。
窓からは美しい自然の景色が流れている
そう今、俺大神一郎はバスに乗って 、皆と一緒に温泉旅行をしている最中なのだ。
「大神さん、着くまで暇ですからみんなで大富豪しませんか?」
さくらくんがトランプを持ってやってきた。
「いいねぇ、是非交ぜてもらうよ」
「紅蘭、マリアさーん、大神さんも入るんですって」
さくら君が奥の方にいる二人を呼ぶ。
「よっしゃ、やっぱり大神はんがおらんと燃えへんからなぁ」
「紅蘭、負けないぞ」
「それはお互いさまやー」
「よっし、じゃあ配りますよー」
さくらくんがみんなにトランプを配っていく・・
もちろん配り終えてから一気にカードをみるのが常識だ ・・さくら君がカードを配り終えた、どれどれ?
「ぴろっ」大神がカードを寄せ集めて広げてみる。
(おげっ・・さいあくぇー)
なんせKとJ以外みんな数字(ただし、2を除く)
革命起こそうにも起こせない、最悪。
他のみんなは・・さくらくん、にこにこしてる、うわっ 紅蘭、あの顔は笑いを堪えている、絶対だ!・・マリアは何だか落ち着いてるな、どっちにしろ、誰かが革命を起こさない限り、俺に勝ち目はないな。
「でも、米田長官も凄いですね、抽選会で熱海温泉旅行招待券を当てるなんて」
マリアがカードを睨みながら言う
「せやなーしかもそれをウチら花組に譲ってくれんねんから、ホンマたいしたもんやで」
紅蘭がKを二枚出しながら言う。
(くっ・・なかなかやるわね!)
(へっへっへーどうや誰も返せませんやろ)
「でも帝劇、私たちがいなくて大丈夫ですかね」
さくらがAを二枚出しながら言う。
(な、なんですって!?)
(くっ、なかなかやりますやんかぁ) (ふっふっふ・・これでわたしが親ですね)
(・・・返せるわけないだろ)
「大丈夫よさくら、かえでさんや由里たちもいるし、それに、いざとなったら、キネマトロンがあるわ」 なんとここでマリア、2を二枚出したぁ!!
(なっ、なんやてー!?)
(がーん・・せっかくのA二枚が・・)
(一体何を考えているんだ!?)
「そして・・」
バーーーン!!!

なっ!なんとぉ!マリア選手6を四枚出しました!
革命、革命です!さすがロシア革命を生き延びただけはあります、立派です!
(そっそんなアホなー)
(せっかくいいカードばっかりだっのにぃー)
(さぁてこれからバンバン行くわよ)
「あら、みんなどうしたの?」

容赦無くマリアの6三枚打ちの攻撃が三人を襲う・・しかし!
「マリア・・本当にありがとう」
「えっ?」
大神が突然、下向きだった顔を上げた・・
「まっ・・まさか・・」
「そのまさかさ!!」
大神がかっこよく、そして華麗に4を三枚出した!
(ガーン!)
「反撃開始!」
それから大神は水を得た魚のように次々と大技を繰り出した!
「隊長・・わたしの負けです」
「済まない、みんな、先に上がらせてもらうよ」
大神が最後に3を出して終わった・・!
それから大神はトップをぶっちぎり、見事三人を打ち負かした!
「あーあ・・結局大神はんに負けてもーた」
「いやぁ悪いね、紅蘭」
「せやけど、次は負けへんからなー、ほいっ二回戦はじめー!」
しかし紅蘭が声をかけた時、急にバスが止まった。
「あ、紅蘭着いたみたいよ」
「なんやそれーこれからっちゅう時に!」
「しょうがないわ、ホラみんな、降りるわよ」
マリアが寝ていたアイリスとレニを起こした。
「あ・・マリア、もう着いたのぉ?」
アイリスが寝ぼけながら目をこする。
「そうよ、さぁいつまでも座ってないで立ちなさい、レニはもう降りてるわよ」
「あ、ほんとだーまってようレニぃ」
アイリスがジャンポールを抱えてバスから降りた、やっとこれで全員バスから降りたことになる。
「んーいい空気だなぁ、おいところで旅館はどこだい?」
カンナが目一杯空気を吸って訪ねた。
「たしか春日温泉旅館ってところですよ、バスから降りて一分ですって」
「ふーん、すぐ近くじゃねーか、お?もしかしてあの立派な旅館のことかぁ?」
カンナが見つけたのは日本和風っぽい、今直ぐにも入りたくなってくる、立派な旅館だった。
「きっとあそこですよーみんな、行きましょう」
急にさくら君がはしゃいだ、みんなもさくら君に続いて旅館一直線に走る・・が。
「みなさん・・ここじゃないようですわよ」
すみれくんがダッシュを止め、タラーリと冷や汗を流した。
「ええっ!?」
みんな止まる・・たしかに立派な旅館の看板には 「春日温泉旅館」とは書いていない。
「それじゃあ、一体何処に旅館があるってゆーんですかー?」
「あそこですわ!」
すみれくんがビシィッと指さした先には、 とても遠くからでは見えないほど、ちっちゃくて、ボロっちい旅館がぽつんとあった・・。
「う、うそやろ・・」
「嘘ではありませんわ、ホラ」
なんと、その旅館の前には・・あの加山がいた。
「よぉ〜大神ぃ、やっと着いたのかぁ、ここが俺達の泊まる旅館だぞ、前の旅館と間違えたか?」
たしかに加山の直ぐ後ろにある、ボロっちい旅館には「春日温泉旅館」と書いてあった。 「・・加山、何でここにまでお前が現れるんだ」
「フッ・・俺は大神が現れる所にはどこにでも現れるのさ」
「そうかよかったな、じゃあな加山」
大神はさっさとボロってる旅館の中に入っていった 「あっ、待てよぅ大神ぃ、おれも入れて欲しいんだよー大神ー」
加山が大神を追いかけて旅館内に入る。
「ちょっと、ほんとーに今からこんな壊れそうな旅館に泊まるですかー?」
織姫君が不安そうに訪ねる。
「しょうがないでしょ、所詮商店街の抽選会の景品ってとこなんだから、贅沢は言えないわ」
「で、でも、これはいくら何でも酷すぎでーす」
たしかに廊下は小柄なレニが歩いたぐらいでギシギシいうし、壁は所々に穴が開いてて、シロ蟻の住み家と化している・・。
「しかし、ある意味すごいところだな」
「誰かいないのかしら?」
一人一人、ゆっくりと当たりを見渡しながら、奥を 目指して廊下を渡っていく・・そんな時、一人旅館の中に入ろうとしない者がいた。
「あ〜らカンナさん、どうしましたの?早く入ってきなさいな」
すみれが未だに入り口にただずんでいるカンナに呼びかける。
「えっ・・いやぁやっぱりちょっと入りずれぇなぁと・・」
カンナが苦笑いする。
「ホーホッホッホッホッホッ、無理しなくてもよろしいんですのよカンナさあ〜ん、あなた、本当は自分の体重で、廊下に穴が開いてしまうのが恐いんでしょう、ほーほっほっほっほ」
すみれが得意げに廊下を優雅に歩いて、高笑いする。
「なっ何をー!!人の気にしてることを言いやがって!あたいだってなぁーこんな廊下ぐらい、す〜ぐ渡れるぜ」
「あ〜ら、だったら渡ってごらんなさ〜い、今直ぐですわよ」
「くっ・・やってやるぜ」
カンナがおそるおそる廊下に足を出した・・しかし
メキメキィッ・・ずぼっ!!
なんと、カンナが足を廊下においた途端、床はまっ二つに避けてしまった・・そしてカンナは下に落ちてしまった。
「お〜ほっほっほっほっ、カンナさ〜ん、ブザマですわよ〜」
「うっ、うるせー!!」
可哀相に、カンナは上半身だけ廊下から出ている。

「カンナ、おぶってあげるよ」

「カンナ、蛇だよ」