耳にうっとおしい程セミの鳴き声が響く・・体は常に火照っていて、シャツが汗で濡れている。
そう、今帝都は夏真っ盛りなのだ
。
そして、ここ大帝国劇場も真夏の暑さに襲われていた・・
『暑い・・暑すぎるぅぅ』大神は廊下で少しでも暑さを拭おうとして、うちわを仰いでいた・・が、生温い風が頬を撫でるだけだった。
『はぁ・・せっかくの休日なのに、こんなに暑いんじゃ何もやる気しないよ』そして大神は無意識の内に廊下の壁に頬擦りをしだした。少しでもいい、冷たさを求めて・・
『ふぅ、こーしてるとちょっと冷たいんだよなぁ』少しニヤケながら壁に頬擦りしている大神の姿は、結構恥ずかしいポーズでもあった・・。
『おっ・・大神さん』『んっ?』振り返るとさくらが『変なものを見てしまいました』と言わんばかりの顔をして、大神の直ぐ後ろに立っていた
『さっ、さくらくんっ!?』大神は素早く壁から体を離した
『カッコ悪いところを見られちゃったな・・』『いいえ、だって大神さんってば、こんなに暑い季節なのに長袖長ズボンですし、無理してたんだなって』
さくらが心配そうに大神の方を見つめた。『さくらくん・・』
『心配してくれてありがとう、でも俺は大丈夫だよ』
『そうなんだ、暑くてたまらないんだ』