Muscle
筋肉クッション    肉体改造    筋力アップ    モドルぅぅぅぅ 
男全員から厳選 日本人の男を厳選 

KOC
ロッテ
マッチョ
プロテイン
駄文の中からアレを厳選しました(マテ  1個中1 - 1個目・ ・厳選にかかった時間わずか0.1

オルトゼス戦隊 ジャスティスX


「みんな、聞いてくれ。」
カレー男は言った。
カレー男は当然口の中がカレーで一杯だ。
『聞いてくれ』と言っておきながら、まだカレーをかっ食らっているというのが、カレー大好きカレー男な感じだ。
「聞いて欲しいならせめて口の中、空にしなよ。」
必殺おぼんガードで、口から散弾銃のように飛んでくるご飯粒の被害を食い止めながら、金髪の男が呟く。空いた手で紅茶をかき混ぜつつという仕草が余裕っぽい。
「手を止めろ、手を。」
ハンカチで被害にあった箇所をフキフキ。金髪の男におぼんを取られ、ガードが間に合わなかった結果だ。左のこめかみに血管マークを浮かばせつつというのがお怒りっぽい。
「はい、お手拭。」
馴染みのウェイトレスがいつもとかわらず無表情に、茶髪の青年にお手拭を手渡した。
「あ、すまない。」
片手で空にチョップを繰り出すような、謎の親父臭い仕草で感謝の意を述べると、青年はカレー男から隙を突いてカレー皿をもぎ取った。
『カチンッ』という机をえぐっちゃう音と同時に、カレー男は普通の男に戻った。
「はい、お水」
金髪の男が差し出した水を無言で受け取った男は、それを一気に胃袋に流し込んだ。
この爽快感は結構たまらないのだ。
彼が一息ついたのを見て取って、カレー皿をウェイトレスに渡すと、青年が口を開いた。
「で、ヴェル。『みんな、聞いてくれ』の続きはなんだい?」
ヴェルと呼ばれたカレー男…否、男は静かに(というのは演出で結構普通に)切り出した。

森の厩亭というのは、何故か人通りの少ない王都グルグルの一角にたたずむこじんまりとした酒場だ。
当然酒場なので夜はお酒大好きお父さんの溜まり場になるのだが、昼間なんかはランチなんかも出すカフェもやっている。
無駄に種類の多いお酒各種に、時々現れる謎のウェイトレスによる手絞り生ジュースなんかが評判だったりするが、何分王都のくせに過疎化の進む都市構造に中てられ、客は少なかったりするが……。
そんな店にも酔狂な常連というものはいるもんで、今そこでランチを平らげた3人組がまさにそれだったりする。

「さて、私の為に集まってくれた暇人諸君――ッ」
『ドスッ』という音が1度――正確には同時に2回、閑散とした店内に響いた。
木製テーブルに突き刺さった料理用フォークとナイフを見下ろし、ヴェルトマーがお口にチャックをする。まだまだ命の惜しいお年頃だ
静かにそれらを引く抜く二人の男の横で、傷跡をチェックしたウェイトレスが「傷、へこみ1万Gナリ。」とコロちゃんな呟きを残し去っていく。
「えー……本日はお忙しい中、お集まりいただきまことに感謝の至りでございます。(深々」
至極恐縮な態度となったヴェルトマーさん。
「他でもない君たちを呼んだのは――」
そう言いつつ、足元に置いてあったでっかいトランクケースをでんと机の上に置いた。
「これを見せようと思ってね。」
怪訝な表情を浮かべる二人に、湧き出す自信に鼻の穴も膨れたヴェルトマーがケースの中身を開いて見せた。
赤・白・黄色のチューリップ……ではない。
「何ですか、これは?」
はにまる君になった金髪の男――ロッテがトランクの中から『青いタイツ』を摘みあげた。
「遂に妙な趣味に走ったか、ヴェル?」
二人目の埴輪――カイトも中から『赤いタイツ』を摘んで失礼ぶっこく。
トランクの中に納まっていたのは、色とりどりの――全身タイツだった。
「ま、まさかヴェル!?あんた私にこれを着させて色々やろうって魂胆じゃ…この変態!!」
変態を見る目でヴェルを指差すロッテ。
変態を見る目で『彼女』を見返すヴェルとカイト。
自分の身体に『ピンクのタイツ』を合わせる巨躯のお兄さんがそこにいる。
オネエ言葉で話すお兄さん――俗に言うおかまさんだ。
しかもボディービルダー真っ青のマッチョメンな、エルフというオマケ付。
「鏡。」
「ほれ。」
手渡された鏡で、カイトがロッテを映してやった。
指先が鏡の中のお顔を指している。
「変態?」
自分を指差したロッテに、二人が申し合わせたかのように肯いてあげた。
「なじぇ?なじぇ?」
一人自問自答するオカマは放っておいて、カイトはようやく本題に切り出した。
「それで、ヴェル。この(色)とりどりタイツがどうしたっていうんだい?」
「私が昨日(スペクトラル)タワーに入ったのは知ってるかい?」
「日課だろう?知ってるもなにも、日課なら昨日も行ったんだろうし、見たところ怪我してるわけでもないみたいだしな。」
『ふむ…』と言った感じで、口元に手を当てたヴェルは、神妙な顔つきになって切り出した。
「話せば長くなるんだけど――。」
「じゃ短くしろ。」
「はい。」
無表情でナイフを磨くカイトに、お利口に返事をする。
「そこで拾いました。」
本当に短く語ってくれたヴェルトマーさん。
「この紙切れと一緒に宝箱に入ってたのを私が見つけてね、それはもう大事に持って帰ってきたというわけなんだ。」
そう言いながら、紙切れを机の上に置く。
「なになに……。」

『ジャスティスX変身セット
これを着れば誰でもジャスティスX!!あなたも正義のヒーローの仲間入り!!』

「ヴェル……幼児退行か?というより、これをタワーの宝箱に入れたやつが一番退行してそうだな。」
またまた埴輪になったカイトがしみじみと呟く。
「まあ最後まで読んでみなよ、カイト。出だしだけで判断するには早い早い。世界はまだまだ驚きと興奮でいっぱいだ。」
「何を言ってるンだか……。」
何やら知らない内にちょっぴりおかしくなってしまった友人を横目に見ながら、続きの説明に目を通す。

『使用方法
赤・黄・青・桃・黒色のタイツが1セットです。
まずは自分の好きな色を選びましょう。
緑ですか?白ですか?
どっちもねーよ。ちゃんと読め。
さ、赤を選びましたね?ていうか選べ。』

「無性にこの説明書読んでてムカムカするンだが……。」
「気にしない気にしない。」
「ふむ……。」

『赤を選んだあなた、主人公リーダー大好き仕切り屋さん♪
黄を選んだあんた、マニアック好み?
青を選んだ貴様、目立つような目立たないような微妙な存在よ(笑
桃を選んだ君、ヒロインぶりたいよねやっぱり
黒を選んだお前、クールガイは流行らねーぞ?』

「…………。」
色々言いたい事があったが、いちいちつっこむのもカロリーの無駄な消費なのでやめておいた。

『えー長い説明になりましたが、これで使用方法はだいたいわかったと思います。
わかんね?
頭悪いなぁ。脳みそ垂れた?
タイツを着ましょう。
着た?
着ろよ。』

「……このタイツを着ろと脅迫してるが?」
「着ればいいじゃないか、ほらこれなんか似合うと思うよ?」
真顔で青いタイツを突き出すヴェルの腕をなんとなく避けながら、カイトは脅迫(説明)をすっ飛ばして続きに目を通した。

『着ましたか?
着てないじゃん。
疑ってますね?ああ、あなたは私を疑っている!!』

どうもこれを書いた人間は未来が見えるのか、頭がおかしいかのどっちからしい。
多分後者だ。
カイトは何となく思った。
「まだ読み終わらないのかい?カイト。そんなに私の書き換えた説明書はわかりにくかったかな?」
やっぱり後者だ。
カイトはため息と共に確信した。

『さあ、ここまで言えば強情なあなたも艶かしい仕草で服を脱ぎ、その麗しき肢体にぴったりとフィットするタイツを快く着てくれる事でしょう』

懲りずに青いタイツを差し出す腕をきっぱり無視する。

『左手を見てください。腕時計のような機械がありますね?』

確かにヴェルの持った青いタイツの垂れた袖に、確かに何か黒っぽい機械が付いているのが見えた。

『それはダミーです』

「余計な文章が多いンだよ!!」
「物に当たったら椅子さんがかわいそうじゃないか、カイト。万物にも魂というものは宿っているらしいぞ?」
「傷、へこみ1万Gナリ。」
「あ、ウェイトレスさんお冷追加お願い。」
瞬間移動して傷へこみの査定をしに来たウェイトレスに、多少の脅威を覚えつつもこの数分で妙に乾いてしまった喉を潤すものを頼んだ。
「10Gになります。」
「お金取るの!?」
「冗談です。」
表情一つ変えない。つわものだ。
注いでくれた水をがぶ飲みミルクコーヒーしたカイトは、なんだか切れる前に伸びきってしまった堪忍袋の緒を交換してヴェルトマーに言った。
「もういいから、ヴェルの口から説明してくれ。」
「よし、話せば長くなるんだけど――。」
カイトの握ったナイフがキラッと光った。
「それはもう掻い摘んで説明させていただきます(深々」

まあ、概略はこうだった。
タイツを着て、キーワードを叫べば変身できると――……?

「できるかぁぁぁぁぁぁぁ!!」
必殺一徹が一回しかした事ないちゃぶ台返し!!
「これ子供のおもちゃだろ?いい大人が着るもンじゃないだろ?な?な?」
「ほら、コスプレとか。」
ひとさし指を立てたウェイトレスが呟く。
「異世界の知識持ち込むなぁぁぁぁぁ!!」
「傷、へこみ1万Gナリ。」
「コスプレ大好き♪」
思わずウェイトレスに踊らされそうになったカイトだったが(ていうか踊らされたが)、なんとか浮上するとキョトンとしたヴェルトマーに指を突き付けた。
で、気付いた。
ヴェルの首元から何となく覗いちゃってる黄色い衣に。
何となくトランクの中身を漁ってみても、何故だか赤と黒のタイツしか出てこなかった。
「いや、ちょっと待った……現実を直視する時というのは、想像以上に精神力を消費するようなんだ。なんだかこの小一時間くらいで俺の精神はもうなんていうか、カラッカラのミイラ〜みたいな――」
「着てるよ」
ご丁寧に服を脱いで見せてくれちゃったりする。
「着るなよぉぉぉぉぉぉぉ!!」
精神と現実の両方が崩壊しちゃった哀れカイト君だった。
『大人って、大人ってッ』と、脳内でお茶漬けなCMが流れている所に、にんまりと笑ったヴェルのドアップ画像が広がった。
「先走っちゃ駄目だよ、カイト。そりゃ私だってただの子供のおもちゃをこの歳で着ている人間を見たら、君と同じ反応を見せるだろうよ。いや、そこまで精一杯驚かないかな?」
マトリックスしてるカイトを見てヴェルが言う。
「百聞は一見にしかずという言葉もあるんだ。よく見ておいてくれよ。」
ヴェルは一息付き肩幅程度に足を開くと、なんとも形容しがたい複雑な動きで両手を動かす。
変身ヒーローのポーズを幾何学的にしたらこんな風になるんじゃないのかっていう動きだ。
「と、これは別にいらない動きで、気分作りにやっているだけだけどね。」
「ならするなよ!!」
右手を大きく突き上げたポーズで解説するヴェルに、すかさずカイトがつっこむ。
「わかってないなぁ、カイトは。変身シーンは要だよ。か・な・めッ」
なんだかよくわからないオーラに圧倒されて、返事に詰まってしまった。
俗に言う『マニアさん』なオーラだ。
『こいつは止められねぇよ、おやっさん』な雰囲気だ。
「ちぇぇぇぇええええんじ、ジャスティスぅぅううう!!」
叫ぶヴェルのタイツから黄色い光が溢れ出し、視界を閉ざして行く――横で、ウェイトレスがサングラスを冷静に取り出す様がカイトの視界に何とか入った。
『こいつ、やっぱりただもんじゃねぇ!!』
カイトが一人で火曜サスペンスしている間に、光は止んだ。
縁日のお面より精巧に出来た仮面。
皮とも何とも違う妙な材質で出来た光沢ある黄色のフォルム。
変態タイツ男が一瞬でヒーローチックなコスチュームに身を包んでいた。
「ヴェル……なのか?」
ヒーローは腕組をすると大げさな仕草で肯いた。
「もちろんだよ、カイト。」
ご丁寧にチッチッチッと指まで横に振ってくれる。
何だかカッコいいけど、中身がヴェルだと考えると無償に腹の立つ仕草だ。
「本物なのか。いや、しかし、信じられない――」
と言う間もなく、『バキッ』という鈍い音が響き渡った。
ヴェルの腕が木製の分厚い机をぶち抜いていた。
「テーブル弁償費10万Gナリ。」
「今のでも結構軽めに殴ってみたんだけどね。」
ボソッと呟かれた言葉はきっちり無視して、ヴェルは満足げに自分の右手を眺めている。
いや、表情は見えないから満足そうだった。
「どうだい、私も驚いたんだけどね。本物に違いはないだろう?」
コクコクと肯くカイト。しかし、疑問が一つ。
「お前、昨日の夜に一人で試したのか。偽物かもしれない怪しげなタイツを着てみたってわけだな。」
微動だにしないヴェル。
しかし次第に視線が右下にずれていき……可愛らしくグーを口元に当てると、ちょっと伏し目勝ちに肯いた。
「変態!!」
「何でだい。変身ヒーローになれるって書いていたら、もう何を押してでも着てみようって思うのが人として当然の感情だろう?」
何かもう信じきっちゃってる表情で……いや、マスクの中でそんな顔をしているに違いない口調でヴェルは言い切る。
激しくため息をついたカイトさんは、随分静かにしているもう一人の変態を思い出した。
「ほらほら、ジャスティスピンク〜ってね。似合う?似合うよね。似合うでしょ〜♪」
「似合いません。」
「チェェェェンジジャスティス!!」
当然、ピンク色の光が溢れる。
「もう着てるしぃぃぃぃぃ!!」
ムンクの叫びしているカイトの目の前で、二人目のヒーローが姿を現した。
なんかえらくデカイピンク色のヒーロー。
しかも隆起した筋肉が定期的にピクピク動いてるような、嫌ぁぁぁぁぁなヒーローだった。
「ピンクが、ピンクがぁぁぁぁ!!」
何やら精神的なショックを受けまくって崩れ落ちたヴェル。
そりゃそうだ。ピンクといえばヒーローもので言うとヒロインの位置。
マッチョなオカマが居座ってはいけない乙女の聖域なのだ。
目の前でマッソーポージングしているピンクを見て、精神的ダメージを受けてもしょうがないというものだろう。
「う〜ん、なかなか似合うじゃないのよ。さっすが私ね。」
『こんのくそたわけがぁぁああぁぁ!!』
と、叫びたいカイトだったが、ヴェルに壊された机をちらっと見て、心の異空間に感情を押し込めた。
通常の状態でも机一つ難なく破壊するような拳を持った人間が、細っちょろい人間にその位の力を与えるようなスーツを手にしたらどうなるどうなる?
ちょっとだけチビりそうなくらいの事実に直面しちゃってるらしい。
まさに何とかに刃物というやつだ。
「しかし、せっかく変身できるタイツがこれだけあるのに、この幸せを分けてあげないというのは少し悪い気がするね。」
いつの間にか復活しているヴェルが、青いタイツを手にしてそんな迷惑な事を言っている。
ピンクをオカマに取られてしまったのも、何とか自分の中で解決する事に成功したらしい。
「はっきり言うと迷惑だと思うぞ。」
そんなカイトの事はきっちり無視してくれて、ヴェルはロッテに提案した。
「なあロッテ。私たちでオルトゼスの平和を守る戦隊を作ろうじゃないか。『オルトゼス戦隊ジャスティスX』なんて格好良いだろう?」
「良いわね〜ジャスティスXの紅一点ロッテ参上!!みたいな〜♪」
「カマ一点の間違いじゃないの。」
「あら、失礼しちゃうわねぇ。心はどんなオカマより乙女よ。」
「やっぱりカマじゃない。」
「うっさい、鉄面ウェイトレス。」
「エルフ外生物に言われたくない。」
「なぁんですってぇぇぇぇ!!」
「ほらほら、二人ともやめなよ、子供じゃないんだからさ。それよりだよ――」
険悪な雰囲気になりそうな二人を制し、ヴェルが続きを口にする。
「二人だけじゃ戦隊とは呼べないよね。やっぱり五人が理想的だと思うんだ。」
そう言いながら、青いタイツをヒラヒラと振ってみせる。
「俺は着ないぞ。」
ぷいと横を向くカイト。
しかし、その前にピンク色の影が既に立っている。
「やっぱり〜カイトにはブルーが似合うと思うのよね。そこまで考えてあげる私達ってやっぱり親友よね〜って感じ☆」
頬に手を当てた悩ましげなポーズのオカマだ。
「だ、誰か助け――」
「さ、帳簿付けよう。」
掴むまでもなく限りなく浮力の少なかった藁は、自分から海面に消えて行きやがった。
「ほら、カイト」
「お姉さんが優しくしてあげるわねぇ♪」
二人の悪魔が近づいてくる。
マスクの下にはっきり、にんまりと笑った二人の顔が見えた気がした。
「いやぁぁぁあああぁぁぁ!!」
薔薇の花弁が何だか落ちたイメージが、頭一杯に広がった気がするカイトだった。

「オルトゼス戦隊ジャスティスX参上!!」
灰になっているカイトの横でアフォ二人がしっかりポーズを決めている。
「ハッハッハ、これでオルトゼスの平和は間違いないね。なあ、みんな。」
「私たちがいるんだもの、当然よ、ヴェル♪」
「ん、返事がないぞ〜カイト。ヒーローたるもの、みんなの見本となるように挨拶はきちんとしないとだぞ?」
当然灰なカイト君は返事しない。
「ねぇ……」
不意に静かな声が後ろから上がった。
「なんだい?早速私たちに何か依頼かな?」
ウェイトレスは静かに首を振ると、人差し指を立てて言った。
「敵は?」
「…………」
長い沈黙だった。
カップラーメンも伸びちゃうぞって時間が過ぎようとする時、重い口が開いた。
「いない」
「そうだよな、敵なんていないもんな!!」
目を輝かせて復活したカイトが叫んだ。
「敵がいないんじゃこんなタイツ着てても意味ないもんな〜残念だなぁ…敵がいれば絶対変身して戦うのにさ。ご近所の見回りなら自警団もあるし、国には軍隊もある。俺達の出番はないよなぁ。」
とっても演技な台詞をしゃべくりながら、タイツに手をかけたカイトはふと奇妙な違和感を感じた。
タイツの端を掴もうとしても、指先が引っかからないのだ。
まるで自分の身体の一部になったように――
「ねー、ねー、ヴェル。説明書の最後にさ書いてあるの、これどういう意味?」
カイトが読むのを諦めた紙片を手にしていたロッテが、疑問の声を上げる。
「ん、どれだい?」
「ん、ここに書いてあるやつ。『悪の組織を倒すまで脱げません』ってやつ〜。」
「それはそのままの意味だよ。脱げないという事。」
「脱げないのぉぉぉぉ!?」
ていうか、自分の身体の一部になっていたらしい。
「だから最後まで読めって言ったのにな。」
「でも、知ってても着せたよね。」
「もちろんさ。」
「お前らぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁ!!」
青タイツ男の慟哭の叫びが、響く中――
「とりあえず敵を探そうか。」
「自警団でいいんじゃないの〜?」
「それは悪の組織じゃないと思います。」
カイトのタイツが脱げる時は、結構遠そうだなぁ……と、何だか客観的に見ちゃってるかわいそうな青タイツ男はちょっと涙した。

行け、オルトゼス戦隊ジャスティスX!!
タイツを脱ぐために敵を探すんだ!!

「別に脱げなくていいじゃないか。なあロッテ。」
「別に構わないよね〜ヴェル。」
「お前ら脱げなくてもいいから、俺の為に探せぇぇぇぇ!!」
「傷、へこみ1万Gナリ。」



続く……かもしんない。



絞り込みハグ

 


戻るは上だぜ

2003 Muscle