BEAT MY LIFE(2)

 人生ってわけわかんねぇな………

 俺は、スコールの部屋のドアを凝視してそう思った。
 面白い喜劇ドラマのような夜が明けて、散々な結果になった数時間後……
 そう、昨夜は本当にあんまりだった…
 思い出すだけで、あの3人組に逆らえない俺自身に腹が立つ。
「班長の所って―――!!」
 ずるずると服の襟を掴まれながらも、俺はセルフィに問う。
「なにいってんのよ?コレでばっちり撮って、学園中に放映するのよ、視聴率高いコトまちがいないと思うな―――!きゃっ、我ながらなんていいアイディアなの〜〜」
 うくうく〜とか両脇に力を込め語っているセルフィ……
 コレ…って?って思って、セルフィが指さす方向…アーヴァインを見る。
「そ。カメラマ〜ンなんだ〜〜僕(くす)」
 なんて大きなカメラ機器をどこから出したものか、ニッと笑ってポーズを決める。
 やめようよ、アーヴ!!
 そんな…TVなんて…………なに考えてんだ!!
「みんなの為よ〜班長とサイファーのファンクラブのみんなのね!!」
 なんてツッコミいれるセルフィ。
 ファンクラブって………そんなものがいつの間に!!
 知らなかったぜ…そりゃ、スコールはカッコイイし綺麗だからな…わかるが、なんで奴と一緒に1セットなんだ?そんなの神が、みんなが認めたって俺は認めねーぞ!!
「私は知らないわよ……」
 なんて言いながら額に手を当てて、ため息零しながらキスティス先生。知らないって、言うなよ!!ちったぁー注意しろよ!!
 そして、ずるずる…と引きずられる俺。
 スコールの部屋のドアの前にセルフィが立った。
 音も立てずに、軽やかにドアが開く。
「あ…?もしかして、班長ももう起きてる??………ま、いっか。アーヴ、カメラ用意!」
「了解、セフィ」
 なんか、セルフィって……
 声も立てずに笑う俺。だって、笑うしかないだろ??
 自動ドアのロックが外されているらしい。そりゃ、さっきまでサイファーがいたんだもんな…
(そう思うと妙にしんみりするゼルだった…)
 物音を立てずに、部屋の奥にビデオカメラを手にしたアーヴァインと、照明手にしたキスティ(いつの間に!?)そして、何故か音声マイク持たされてる俺…
「さぁ、どっきりわくわく寝起きスペシャルの時間です〜 今日はガーデンの英雄・スコールくんの部屋に来てます!!」
 気合いたっぷりのセルフィの司会進行?に、俺はただ端から音声マイクを持ってるだけで、なんだか惨め〜〜な気分だぜ。
「………なんだ?、騒がし…………」
 ベットの側でごちゃごちゃしていたのが、スコールの耳に聞こえたのか、ベットからむくりと顔を出して呟いた。
 スコールの顔が俺の目の中に入る。
 あの……あ……………
 あんな色っぽい声出してたんだよな………
 昨夜、壁越しに聞いたスコールの喘ぎ声が脳裏をよぎる。
 思いだしてしまって、顔面が数秒も経たないうちにボム化する。まともにスコールの顔が見れなくて、視線を落とした。
「あ―――――、起きちゃった〜〜」
 せっかくの収録が失敗して残念そうなセルフィ。そりゃ、ばれるだろうが………普通は(笑)。
 落としていた視線をおもむろにあげると…あげると………だな……
「サイファー!!!!」
 そう、スコールの隣でうっとうしそうな顔で俺達を睨むサイファーの姿があったんだ。
 俺はなんとなく知っていたんだけど、でも……やっぱりコイツがスコールの隣にいるのが気にいらねぇ!!
 憤怒に拳を震わせ嫉妬メラメラな俺をよそに、アーヴァイン・キスティ・セルフィは開いた口が塞がらないという顔でサイファーを見ている。
「……朝からうるせぇな………あ?……もすこし寝かせろよ………」
 とかスコールに言いすてて、ヤツは自然に、そう!日常しているかのように、スコールの唇にキスしたんだ。みんなの居る前で!!
 許せないぞ、失恋?の痛手に苦しんでいる俺の前で………
 握りしめた拳がフルフルフルフル…まるで「あいつを殴れ」と言っているかのように震えている。殴りたいぜ、殴ってやりたいぜ、サイファー、おまえをな!!

**********

 しかし、気がつくとスコールの部屋の外に座っていた。
「あ……………??」
 口をあんぐり開けて、煮えくり返った怒りが吹っ飛んでしまった。
 俺はどうやら、セルフィ達に二の腕を掴まれ、そのまま外に追い出されたらしい。
「邪魔しちゃ悪いでしょ?」
 ねっ?なんて天使のような微笑みで言うセルフィ。
 なんなんだよ――!!!
 なんで、みんな俺の邪魔ばかりするわけ??
 涙が零れそうになる。が、俺はそんなにやわじゃない。
「次こそは……………!!」
 サイファーを殴ってやる!!と床に拳をぶつけ、俺は誓った。

(そんなに嫉妬メラメラしても、無意味なんじゃないの?と、誰もゼルに言えなかった。)

to be continued?

ススム。

モドル。