PARTY







 放課後、友守は帰りのSHRが終わるとさっさと家に帰るための通学路を歩いていた。
回りには同じ学校の生徒の姿は少ない、まだ大体の生徒は教室で話でもしているのだろう。
ボーとして歩いていると誰かに話しかけられた。
「すいません。如月さん!」
誰かと思い。後ろを見てみると息を切らしている女子生徒がいた。たしか、名前はなんだったか?忘れた。
「け、今朝、はぁはぁ…借りた、教科書を返しに来ました。」
よほど全力で走ったのだろう、なかなか息が整わないようだ。
はぁはぁと息を切らしながら、女子生徒は今朝貸した教科書を差し出してきた。
「べつに帰すの明日でも良かったのに…」
友守は少し呆れた声で言いながら。教科書を受け取る。
「いえ、今日のうちにお礼を言いたかったですから。」
「それに少しお話もしてみたかったですし…」
女子生徒は微笑を浮かべて言った。
「私も帰り道はこっちなんで一緒に帰りませんか?」
「えっ?べつにいいけど…」
友守は少し戸惑った。
誰かと、しかも女子と一緒に帰るなんて久しぶりだ。小学校の時以来ではないだろうか…?
転校してきたばかりの子、しかも女子と何を話せばいいんだろうか?
最近、女子と話なんて事務的な話しかしていない。
「あのぉ…」
友守は急に思考の中から引き戻されて、驚きながら呼びかけられた方を向いた。
女子生徒は今朝話しかけられたときのような表情をしている。
驚きを顔に出してしまって、それに反応してしまったのだろうか?
「その…どうかしましたか…?」
「いや、その…何でもない。何?」
「あっ、はい…実は…その…」
女子生徒は何か言いにくいことを言おうとするようだったが、その後下を向いてしまった。
友守は怪訝な顔をした。
その後、しばらくの沈黙…
友守がどうしようか迷っていると、女子生徒が意を決した顔をして、友守に向かい合った。
そして、言った。
今までで一番強い声で、
「私と、と…友達になってく…くれませんか!?」
「はっ?」
友守の時間が止まる…
そして、時間が動き出すまでに10秒もかからなかっただろうが、
気づいたときには女子生徒の顔には一面に不安の色が浮かんでいた。
「あの…ダメですか…?」
女子生徒の声は今までで一番弱い声になってしまっていた。
「いや、ダメじゃないけど…」
「俺、男だよ?女の友達の方がいいんじゃない?」
「いえ、性別なんて関係ないです…」
女子生徒は小さい声のままだ。
このままでは泣き出してしまいそうな感じがする。
「いいよ。うん、友達になろう!」
友守は焦りながら言った。
「ありがとうございます。では、今から友達ですね。」
女子生徒は微笑しながら言った。どうやら泣かせずにすんだようだ。
「うん、で、今日他に友達は作ったの?」
こんなふうに友達を作るなんて聞いたことがないが、もしかしたらこの女子生徒はさっきの調子を他にもしていたのかもしれない…
「いえ、如月さんが初めてです。」
「そうなんだ、えっと…」
「呼び方は霞美でいいですよ。家族以外の人に名前で呼んでもらったことないんで、家族以外の人に名前で呼んでもらうのが夢だったんです。」
家族以外に名前で呼んでもらったことが無い…?
友守は疑問に思ったが、気にしてもどうしようもないことなので、考えるのをやめた。まさか、本人に聞くわけにはいかないだろう…
「わかった、霞美だね。俺も友守でいいよ。」
「友守…さんですか。いい名前ですね。」
「ありがと」

少年と少女は帰り道をゆっくり歩いていった。




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