AngelHeart プレイガイド

■ Index ■

■ AngelHeart のシステムについて ■
☆AngelHeart のルールは、「語り部」( http://kataribe.com/ )をベースにしています。

■ キャラクターシート ■

■ キャラクターの作成 ■
 キャラクターを作成するにあたっては、まずどんなキャラクターを演じるのかを頭に思い浮かべ、紙(もしくはテキストファイル)にどんどん書き溜めていきます。
 通常市販されているようなルールでは、まず能力値や技能などを決定した上で、背景などを考えていくものが多いですが、AngelHeartでは最初にキャラクターの設定を作っていき、その設定から能力値や技能に落とし込んでいくことになります。

 サンプルとして、キャラクターを作っていくことにしましょう。

 まずは簡単にキャラクターのプロフィールを設定します。

 一ノ瀬美里、16歳。7月13日生まれ。埼玉県出身。
 145cm、36kgとかなり小柄。まだあまり成長していない体に本人はご不満な様子。特に、控えめな胸の話になると涙目になったりする。
 白翼学園内でも1、2を争うほどに可愛い(美人、というのは結構いる)。学園内にはのファンクラブが乱立し、勢力争いさえ起こることもあるが、美里本人はそんなことに気づいているフシさえない、まったりライフを送っている。
 性格は明朗快活。普段いつ見ても楽しそうな笑顔をしていて、見ている人間を和ませる。また、持ち前のトロくささやたまに見せる涙は男子のみならず女子までも虜にし、守ってあげたいという感情を芽生えさせてしまう罪な女の子である。
 成績は下の上ぐらい。特に理数系は大の苦手で、よく問題集を目の前に「う〜、えっくすが〜、わいが〜」と頭を抱えている光景を目にすることができる。
 料理が趣味で、毎日の弁当や朝食夕食は寮の同室の子たちの分も一緒に作っている。ただどんくさいので、手は傷だらけである(最近はだいぶマシになった)。

 ざっと、こんなところでしょうか(「こんなやつ今時いねぇよ」とか、野暮なことは言いっこなしです(笑))。

 もちろんここまで作りこむ必要はないですが、肉付けするほど個性的なキャラクターができ、思い入れも深くなっていくでしょう。慣れてくれば、以下に説明する能力値を設定しながら背景などを考えていくこともできるようになります。

■ 技能・特徴・余力の設定 ■
 それでは、実際にデータとなる部分の説明をしていきます。
 このシステムでは、キャラクターを「特徴」「技能」「余力」というデータで表現します。

 「特徴」は、そのキャラクター個人の素質や性格、特性や嗜好、癖などを表現するデータです。たとえば「背が高い」「手先が器用」「泣き虫」「カナヅチ」「会社社長」「金髪」「浪費癖」などが考えられるでしょうか。それこそ千差万別、さまざまな特徴を使って個性的な人物を表現します。
 「技能」は、そのキャラクターができることを表現するデータです。技術や知識と置き換えることもできるでしょう。たとえば「殴る」「野球」「遺伝子工学」「料理」などの技能が考えられます。
 「余力」は、そのキャラクターが自分の能力をどれだけ発揮できるかという数値で、「体力」と「集中力」の2種類があります。「体力」は肉体的疲労の少なさや体調のよさ、「集中力」は精神的疲労の少なさや気力の充実を表します。

 決めていく順序ですが、余力は技能や特徴が決まったあとに決定しますので後回しでいいです。
 技能と特徴はどちらから埋めていっても問題ありません。慣れてくれば両方を並行して埋めていけるようになります。
 まぁ、ここでは特徴から最初に説明していくことにしましょう。

《特徴》
 特徴は前述した通り、キャラクタ個人の地位や素質、性格や癖などを表す数値です。その特徴の度合いによって、1〜5ポイント(通常の人間は1〜3程度)の特徴値を割り振っていきます。
特徴値 イメージ
1  普通より少し優れている。くせ程度。数十人に一人程度の頻度。関係ない者から見ればすごいが、関係者としては当たり前程度。
2  かなり優秀。衆に秀でている。数百人〜数千人にひとり。関係者から見てもなかなかすごい。
3  圧倒的に優れている。卓越した能力。出身地の経験以外に3がついていることは、かなりまれ。ある組織でのトップクラス。数十万人〜数百万人にひとり。
4  普通の意味での人の域を超えている。非常識。一般的には表に出てきにくいぐらい凄い。3までとは桁が違う。
5  まさに神の域に達している。ほんとの神々以外では、ほとんどいない。世界に数人程度。

 取得できる特徴の数に制限がありません。極端に矛盾があったりしない限り、何十でも何百でも設定できます(それだけ考えつくかは別にして)。

 誰もが持っている特徴として、出身地と現在の地位があります。
特徴名 特徴値 イメージ
出身地 3  出身地に関する知識など。適宜特徴名を変えてください(例:大阪府出身:3 など)
地位 1〜3  現在の地位の高さを表します。これも適当に名称を変えてください。白翼学園の生徒であれば、普通の生徒の特徴値は1、生徒会役員などは2、生徒会長などは3を設定します(例:白翼学園高等部3年生:1、生徒会長:3 など)。

 では、一ノ瀬美里ちゃんの特徴を設定していきましょう。

 美里ちゃんは埼玉県出身ですから、「埼玉県出身:3」になります。また、普通の生徒なので「白翼学園高等部1年生:1」という特徴を設定します。もしクラスまで決定しているなら「1年B組」のように表記しても全然問題ありません。
 では、先ほど決めた設定から特徴になるものを落とし込んでいきましょう。
 身長145cmと小柄です。これも特徴になります。「背が小さい:1」としておきましょう。胸が控えめという設定も考えましたね。これも特徴にいれておきましょう(「かなり控えめな胸:1」)  彼女は白翼学園内でも1、2を争うほどに可愛いです。ファンクラブが乱立するほどですから、相当可愛いのです。「とてもかわいい:3」「自分のファンクラブが乱立している:2」「ファンクラブのことに気づいていない:1」という特徴を取りました。
 ほかには「明るい:1」「周りを和ませる:1」「とろくさい:1」「守ってあげたくなる:1」なんてのも取ってしまいます。
 理数系が大の苦手ということなので、「理数系苦手:1」という特徴を取りました。このシステムでは、通常不利になるような特徴も有利な特徴と同様の方法で取得します。
 あとは料理が好き、でも不器用でケガが多いので、「料理好き:1」「包丁でよく切り傷:1」なんてのも取得しました。


 特徴は、キャラクターの作成が終わって、プレイ中にもどんどん追加・変更・削除していくことができます。たとえばプレイ中に足を捻挫してしまったとしたら、一時的特徴の欄に「足を捻挫:1」という特徴を加えたり、その捻挫が治ったら削除したり、ひどくなったら「足を捻挫:2」に修正したりするわけです。また「実はオレ、とある大企業の御曹司なんだ」という設定が必要になったりする場合、気軽に「大企業の御曹司:1」みたいな特徴を付け加えてもかまわないのです。思いつくままにどんどん特徴欄を修正していきましょう(一応マスターにお伺いをたててみましょう。そしてマスターはできるだけ許容してあげましょう)。

《技能》
 技能は、そのキャラクターのできること、行動能力を表します。そのキャラクターが外的・内的に行使できる能力と思ってください。AngelHeartの一番重要な設定である「能力」もこの技能に含まれます。  技能は、基本的にイメージが許す限りひとつの技能でなんでもできます。たとえば「料理」という技能は、普通に料理を作るだけではなく、毒見をしたり、料理に関する本を執筆したり、果てはしゃもじなどを使った格闘の判定なんかにも使用することができます。つまり「この技能でできるんだ!」という(無理矢理でも)理由があれば、どんなことでもすることができるのです。
 レベルである技能値は、異なる技能でも技能値が同じであるかぎり、同等の価値を持ちます。先ほどの例であれば「料理:12」と「格闘:12」はまったく等価ということになります。
 技能のうち最大のレベルのものを「最高技能」と呼び、キャラクタ作成時には最高技能の値がいくつであるかだけを指定します。そして、最高技能値以下の技能であれば、いくつ技能を取っても、どんな技能を取っても(基本的には)かまいません。すべての技能を最高技能値で取ってもまったく問題ありません。つまり、最高技能値が12という設定であれば、技能値が12以下の技能はそれこそ何十個でも何百個でも取得していいし、すべての技能を12にしてもいいのです。
 以下に、技能値と熟練度との対照表を示します。
技能値 熟練度のイメージ
6  初心者。やったことのない人間。
7  へたくそ
8  入門者。本格的に習い始めたところ
9  一応基礎ができたあたり。なんとか見よう見まねで処理できる程度
10  すごくうまいというほどではないが、一通りのことはこなせるレベル
11  普通のプロ。一応その分野の専門家と名乗れる最低ラインか
12  本物のプロ。まともな教授や院生クラス。その分野の進展になんとか貢献できる
13  非常に有能であると衆目の一致するところ
14  その世界でも屈指のプロ。その技術には驚嘆せずにいられない
15  突出したプロ。普通のプロができることは片手間にこなしてしまう
18  異能の域に達している。人間業ではない
20  非常識な能力。超伝奇級
24  もはや神の所業


 初期技能として誰もが以下の技能をもちます。キャラクタの個性にあわせて名前を変えたり別の技能に吸収したり、技能値を最大技能値以内で変更してもかまいません。
技能名 技能値 イメージ
運動能力 10  一般的な運動能力。走ったり登ったり。
格闘 8  殴る蹴るしばく。受け止める避ける。
自律 8  精神系攻撃への抵抗。努力できるかどうか
学業 10  学校で習うようなことに対する知識
一般常識 10  普通に生活していれば知っているであろう知識を思い出す。
雑学 9  生活には特に必要ないような知識。トリビア。
母国語 10  母国語による会話。白翼学園の生徒のほとんどは日本人。

 では、美里ちゃんの特徴を設定していきましょう。
 今回は、最大技能値を12としました。

 まずは運動能力です。美里ちゃんは鈍くさいイメージなので、「運動能力:8」にしました。殴りあいなんてもってのほかです(「格闘:6」)。
 精神的にタフかと言えばそういうわけでなく、かといって脆弱すぎるというわけでもないので「自律:8」ぐらいにしておきましょう。
 設定で勉強が苦手ということになってます。なので「学業:8」。一般常識と雑学も普通よりちょっと下にしておきましょう(「一般常識:9」「雑学:8」)
 あと美里ちゃんは日本人なので、母国語として日本語を取得しておきます(「日本語:10
 これで必須の技能は取りました。あとは設定からイメージできる技能を取得していきましょう。
 まずは料理。同室の子たちの食事を毎日作っているわけですから、さぞかし料理は上手なことでしょう。ちょっと高めに「料理:11」としておきます。あと掃除や洗濯も率先してやってるのかもしれませんね。これも「掃除:10」「洗濯:10」としておきましょう。


 技能も特徴と同様に、プレイ中どんどん追加していくことができます。たとえば演劇発表会の代役を探しているような場面で、「実はわたし、演劇経験があって……」といって「演劇:10」の技能を加えたりしていいわけです。ただし、技能を加える場合は必ず「最高技能値」以下で取得してください。

《「能力」》
 「能力」は白翼学園の生徒のほとんどが使える、人ならざる力の総称で、いわば魔法のようなものです。現在、そのメカニズムは解明されていませんが、とりあえずそういう能力が使えるんだ、と思っていただければ結構です。実際に使ってる人間たちも「だって使えるんだからしょうがないじゃん」って言ってるんですから。
 AngelHeartでは、この「能力」も技能のひとつとして扱います。つまり、どのような能力をとってもよいが、最大技能値以下に抑えなければならない、という制約がつきます。
 「能力」は思いつくままに設定してかまいませんし、何種類でもかまいません。

《余力》
 余力は、そのキャラクターがどれだけ自分の能力を発揮することができるか、を示す数値です。詳しくは判定の項で説明しますが、この数値が高ければ高いほど、よりいろんな行動が成功しやすい、と思ってください。
 余力には「体力」と「集中力」、そして「余力総計」があります。
 余力総計は、最大技能値によって決まります。
技能値 余力総計
9〜11 10
12〜14 15
15〜16 20
17〜19 25
20〜22 30


 そしてこの余力総計を「体力」と「集中力」に割り振っていきます。例えば、余力総計が15なら、

  体力 + 集中力 = 15

となるようにします。余らせても意味はありませんから、全部割り振りましょう。

■ 行動判定 ■
 なにかアクションを起こす際、それが完全に成功する保証のない難しいことの場合、行動判定を行います。
 行動には、自分から能動的に起こすものと、外的要因により受態的に起こすものがありますが、基本的に手順は変わりません。

《手順》

1.行動を宣言する / GMによって行動を強制される
 あなたがなにをしたいのか宣言を行います。状況によっては、マスターによって行動を強制されることもあるでしょう(相手が殴り掛かってきた、など)。
 能動的に行動を行う場合は、具体的にどういう行動をするのか説明します。

2.使用する技能と特徴を宣言する
 することが決まったら、次はキャラクターシートの技能欄を見て、自分がしたい行動に一番近い技能をひとつ選択します。
 技能が決まったら次に、特徴欄から状況に見合ったもののなかで有利に働くもの不利に働くものをひとつずつ選びます。

3.技能値を「目標値」と「効果値」にわける
 判定に使用すると宣言した技能の技能値を効果値と目標値に分けます。効果値とは、どのぐらいの強さ(威力・効果)でその技能を使うのかというレベルです。
 受動的に判定を要求される場合は、マスターから行動の難易度を提示されます。また能動的行動であっても難易度が提示させることがあります。その場合は効果値が提示された難易度以上になるように割り振ってください。
 効果値を割り振るときは、自分がどれほどの効果を及ぼしたいか、というのを考えます。効果値と効果の対照表を示しますが、効果値以上の効果を対象に及ぼすことはできません。
難易度/効果値 行動内容の程度 効果の程度(例:格闘)
1 簡単な行動 ガラスを割る
2    
3 プロならこの程度までは楽にこなせるはず 板を割る
4    
5 プロが全力を尽くせば可能であろうもの  
6   厚い板くらいなら割れる
7    
8 プロでも無理があるもの。本物のプロなら何とかなるかもしれない  
9   壁を壊す。石を砕く
10 飛びっきりのプロでも困難  
11   家屋を破壊できる
12 飛びっきりのプロが全力を投じても失敗必至  
13    
14   ビルを破壊できる


 割り振ったら、次に選択した特徴で効果値を修正します。有利に働く特徴はレベル分プラス、不利に働く特徴はレベル分マイナスの修正がかかります。

4.ロールを行う
 最終的な目標値と効果値が決定したら、いよいよ判定です。
 2D6を振って目標値以下の目が出れば成功です。
 もしダイス目が目標値より大きければ……2つの選択肢があります。
 ひとつは「あきらめる」。これは単純。自分の行動が失敗したことになります。
 もうひとつは「余力使用による再ロール」です。これは「体力」か「集中力」のうち、行おうとしている行動により近いほうの余力を1点消費することによって、もう一度判定をやり直す、というものです。「余力使用による再ロール」は余力が0になるまで何度でも行うことができます。
 また、ひとつの判定に対しては、「体力」か「集中力」のどちらかからしか消費することはできません。

5.無力化判定
 マスターから難易度を提示されなかった判定の場合、行動の対象になった目標は「無力化判定」を行うことができます(行わなかった場合は自動的に効果が適用されます)。
 無力化判定の手順は、先ほどとほぼ同様で、判定の難易度は「成功した行動の効果値」になります。
 この無力化判定に成功したら、どのような行動も無力化してしまえます。逆に失敗したら、効果が適用されることになります。
 この無力化判定でも「余力消費による再ロール」は可能です。

6.効果適用
 行動に成功し無効化に失敗した場合は、効果が適用されます。どういう状況であろうと、効果値以上の効果にはならないことに注意してください。
 もし「余力消費」によって余力が0になってしまった場合は、以後余力が回復するまで行動不能の無抵抗状態になります。体力が尽きたのなら、体が疲れ切って力が入らず動けない状態、集中力が尽きたのなら、精神的に消耗しきって何も手につかない状態であると考えてください。決して0になったからといって、即、死というわけではありません。