私は時々、自分の散らかった部屋を眺めながら
「こんな時、マルチが居て、掃除してくれたら、どんなに幸せな事だろう?」
などと、思う事がある。 現実問題としては、そんな事は、まず有り得ない
のだが、もしかしたら? などと、つい不必要に考え込んでしまう。
夢のような生活。
それを現実のものとするには、いろいろと、やらなくてはならない事がある。
例えば、来栖川のお嬢様と仲良くなって、1体分けてもらうとか、自分でロ
ボット工学に精通して、自力で製作するのとかが、とりあえず思いつく所であ
るが、前者は何だか情けないし、かといって後者は物凄く面倒そうだ。
どちらかと言うと楽なのはもちろん前者なのであるが、私の意見としては、
「他人に頼るな! 一人の人間として、自分の実力で何とかしろ!!!」
といった所である。
ここで誤解して欲しくないのは、私は決して後者を推奨している訳ではない
という事である。 ちなみに、後者に対する私の意見は
「やれる物ならやってみろ! 出来もしない事を口にするな!!!」である。
それでは一体、どうすればいいのか? 最近になってから気づいたのですが、
「世界の王」になってしまえばいいんです。 と言っても、ダイエーの監督に
なれと言っている訳ではありません。 あの人も確かに世界の王なのですが、
今から、真剣で素振りしたり、ホームラン868本打ったり、ピッチャー鹿取
と連呼したりするのは、かなり大変だし、そうした所で世界は手に入りません。
「世界の王」...男だったら(女でも)誰でも一回はなってみたいと思った
事があるでしょう。 少なくとも、私はなりたいと思った事があります。
しかし、世界の王というのは、かなり忙しそうです。 朝から晩まで、激務
に追われ続けるような毎日では、せっかくマルチに部屋を掃除してもらっても、
その様子を録画したビデオを見るのが精一杯でしょう。
たとえ世界の利権を手中に収めても、それでは、何の為に世界の王になった
のか分かりません。 少なくとも、自分の時間は確保できないと、意味が無い
のですが、「世界の王」なのですから、そんな事も言っていられないでしょう。
そこで、私は「闇の帝王」を目指す事にします。 と言っても別に「ギース様」
や、「クラヴィス様」になろうと言ってる訳ではありません。
ギース様は、確かに「闇の帝王」なのですが、あの御方は、世界の王よりも
忙しそうですし、圧倒的な腕力に物を言わせて、大切な「闇の帝国」の平和を
脅かし続ける「運命のハンサムボーイ」との戦いが大変そうです。
また、クラヴィス様は、闇の守護聖であっても、闇の帝王ではありません。
私にとっての「闇の帝王」とは、世界の支配者という意味での権力を持ってい
て、更に自分の時間も持てるような身分です。
これだと、マルチの入手方法の辺りで言っていた事と矛盾が発生するような
気もしないではないですが、気にしないで下さい。
人は、何も好き好んでイバラの道を選んで進む事も無いでしょう。
闇の帝王になってしまえば、どんな望みも叶います。
例えば、見晴さんに「シフォンケーキ」を「はい、あ〜ん」してもらったり、
真奈美さんに「讃岐うどん」を「はい、あ〜ん」してもらったり、綾さんに
「クリームシチュー」を「はい、あ〜ん」してもらうなど、思いのままです。
ちょっと、これだけではワンパターンなので、他の例も挙げておきます。
例えば...そう、見晴さんに「膝枕で耳掃除」してもらうとか、真奈美さん
に「膝枕で耳掃除」してもらうとか、綾さんに「膝枕で耳掃除」してもらう...
って、またワンパターンになってしまった。 さらに付け加えるなら、やたら
にプラトニックな方面に偏っています。 せっかくの「闇の帝王」なんだから、
もっと、こう...。 う〜ん、別にこれでいいや。 私はこれで充分です。
ちょっと話が脱線してしまいましたが、つまり「闇の帝王」とは、言うなれ
ば、ファンタスティックでトレビアーンな、ステイタスなのです。
しかしながら、我々の様な一般庶民が、その様な大それた野望を実現できる
のかという問題がのしかかってきますが、意外と簡単に実現できるんです。
例えば「未来の自分に、未来のスポーツ年鑑を持ってきてもらう」といった
方法があります。 何だかどこかの映画であったような話ですが、気にしては
いけません。 「闇の帝王」を目指す人物として、あまり細かい事を気にしな
い方が、それらしいです。 というか、決して気にしてはいけません。
自分の周りに「いかにもなマッドサイエンティスト」が居たら、要チェック
です。 彼と仲良くしておけば、かなりの確率で「未来への旅」に招待してく
れる事でしょう。 そうなってしまえばこっちのものです、彼に隠れて念願の
スポーツ年鑑をゲットしちゃいましょう。
後は、これを人に見つからない様に隠しておきつつ、悪用しましょう。
まあ、日本では賭けの対象になるスポーツ自体が少ないですが、あまり問題は
無いはずです。 これで、日本の公営ギャンブルの全ての利権はあなたのもの
です。 これを元手に「闇の帝王」への道を突き進みましょう。
あなたを、素晴らしい未来旅行へと導いてくれた、マッドサイエンティスト
の処遇ですが、もう用済みだし、簀巻きにして川に放り込んでも良いのですが
それでは少しばかり不義理です。 元々、彼らのような人種は、研究施設さえ
与えておけば、あなたの秘密を暴露しようともせずに研究に没頭する事でしょ
う。 「闇の帝王」というイメージからは、ポアしてしまう方がそれらしいの
ですが、私は別に人殺しを目指している訳でも、推奨している訳でも無いので
彼は、生かしておいてあなたの役に立つような研究でもさせておきましょう。
ひょっとしたら、タイムマシンの他にもあなたの役に立つ発明をしてくれる
かも知れません。
それに、歴史を辿ってみても、人を殺しまくった支配者というものはろくな
最後を遂げません。
こういった間違った先人の行動などにも注意を払って「闇の帝国」の存在を
より安全なものにしましょう。 そうすればもう、理想郷の完成は目前です。
みなさん一人一人が思い描くそれぞれの理想郷。 その実現に向けて、全力
で走って行きましょう。