CPU総論
(Introduction to CPU)

科目番号:1001
開講年次:1 単位数:2
ジョン・カリキュレ


・講義目標及び講義概要

 パソコンの中枢、頭脳の役割を担うもの、それがCPUだ。ここではCPUの構成要素について触れてみる。
 CPUの性格を決める要素には様々なものがある。性能、消費電力、発熱、コアチップの大きさ、そしてそのアウトプットとしての価格などである。これらの大雑把な、CPUの性格を決定する要素は非常に細かく分けられるが、それらは具体的に1つ1つまとまりを持っており、体系的に捉えることができるものだ。この講義では、それらのひとまとまりごとについて技術論、経済論の側面から考察を加える。


・講義計画

1.「CPUが動く理屈」について考えてみる
 CPUが動く理屈、これは基本的に昔(と言ってもほんの20年ほど前だが)と変わっていない。しかし現行のCPUは昔のCPUにはない様々な技術が投入されている。計算の行程1つとってもあらゆるところで工夫が成され、旧来の技術は塗り替えられている。そこでここでは現行、つまり最新式のCPUの動く行程をごく簡単に追ってみる。

2.クロック周波数
 これはCPUの動作するスピードの指数である。具体的には「Hz」(ヘルツ)単位で表され、現行のCPUは大抵「MHz単位」で表される。この数値は一体何を意味しているのだろうか。

3.接続インターフェイス(差込口)
 差込口、と言われてもピンとこられないかもしれない。これはCPUと、パソコンのメイン基盤(マザーボード)との接点のことを示し、わかりやすく言えば電気コンセントと差込口のような関係にある。これは大きく分けて2つの規格があり、それぞれ「Slot」「Socket」という名称を持っている。

4.ベースクロックとクロック逓倍率
 クロック周波数は、具体的にはどうやって決定されるのだろうか。その鍵となるのが「ベースクロック」、「クロック逓倍率」である。

5.キャッシュメモリ
 パソコンのシステムでは外部メモリ(メインメモリ)へのアクセスが発生する。これらのスピードはCPU内部より数段遅く、CPUは長い時間待たされるようになるのだが、このことを軽減しようとするのがキャッシュメモリである。

6.製造プロセス技術と集積トランジスタ数
 これはそれぞれCPU構成部品のサイズ基準と、構成部品数のことを示している。前の方で「自動車産業の発展とは異なり、半導体産業ではこの製造技術を微細化することによって性能を高めていくことができる」と述べたが、その単位となるのがこの製造プロセス技術である。

7.動作電圧・消費電力
 この言葉に特別な説明はいらないだろう。CPUも一応電気で動く「電化製品」の1つである(少々表現が乱暴だが)。当然動作する際に、「適正動作電圧」というものが存在し、それぞれ特有の消費電力を持っている。

8.処理単位(ビット数)とアーキテクチャ(RISC、CISC)、互換性
 CPUを設計する上での形式、それがアーキテクチャ(設計思想)である。これは10数年ほど前まではCISC型という、複雑な命令群を扱うCPUが一般的であったが、1990年あたりからRISC型という、単純な命令群を扱うCPUが登場し、一気にCPU産業においてその地位を高めていった。

9.新たな技術
 現代のパソコン性能向上の鍵となる「新しい技術」。ここでは、「スーパースケーラ技術」、「パイプライン技術」、「命令順序制御技術」、「投機実行技術」という4つを取り上げてみたい。

10.拡張命令
 この言葉が示す意味合いとしては、「従来のものでは不足してきたので、新たに拡張する命令」というのが正確なものだ。CPUは様々な計算処理などをこなすために、内部で様々な命令コードを持っているが、基本的にパソコンの用途が拡大していけば、今までの命令体系では効率が悪くなる、というようなことが起こってくる。

11.整数演算能力と浮動小数点演算能力
 CPUの演算系統には、整数演算ユニットと浮動小数点演算ユニットの2つがある。整数演算ユニットが単純な計算作業を、浮動小数点演算ユニットが複雑な計算作業を行うのだが、基本的にこれらは独立した作業ユニットを持っている。それぞれが完全に別のものなのだ。なぜこのような機構を持っているのだろうか。

12.単価
 CPUを製造する上で掛かった全ての費用、それにメーカーの利益分を加えたものが単価であるが、ここにはCPUメーカーの様々な思惑がある。

13.著作権と供給体制
 これらは直接CPUの性能に影響するものではない、が、ちょっと考えてみて頂きたい。著作権などの問題で、CPUが出荷できなくなってしまう、つまり製造に「待った」をかけられてしまった場合、どんなに性能の良いCPUを作っても意味はなくなるのではないか。

14.ノートパソコン用CPU
 本論では基本的にデスクトップパソコン用のCPUを扱っている。しかしCPUは当然ノートパソコンにも搭載されているので、デスクトップ用のとは異なった、ノートパソコン専用CPUが存在するわけである。デスクトップ型のものと比べてノートパソコン型のCPUは、どんな点で異なっているのだろうか。

15.総合性能について
 「コストパフォーマンス」=価格性能比、CPUの総合性能を決めるのは、私はこれだと思っている。いくら性能が良いCPUでも価格が高ければ、消費者に訴えることはできない。前段まででCPUの様々な高速化の技術を述べてきたが、これらは大抵、コストとの引き替えで実現されるものだ。

テキスト:
アンドリュー・S・グローブ著「おいしい目玉焼きの作り方」 主婦の友社 1989
参考書:
嶋正利 著 「次世代マイクロプロセッサ」 日本経済新聞社 1995年
石井孝利 著 「パワーPC 巨大連合の逆襲」 東洋経済新報社 1995年
ソフトバンク社 「Oh!PC」、「Hello!PC」
日経BP社 「日経パソコン」、「日経バイト」、「日経エレクトロニクス」
成績評価:
基本的になし
備考:
履修の前提となる科目=なし
同時に履修することが望ましい科目=なし

つゆだく。