小説ラリえもん
第30話「非日常的な日常」

 前回までの大体のあらすじ・・・そろそろ自分も定職に就くべきではないか・・・・・。ふとそんな疑問を抱いたラリえもん。職探しのため、一路ハローワークへ。柳生課長と肩を並べつつ職探しに励むのであった・・・・・。
「・・・ガードマンか、冬は寒そうだからパス。これは・・・女がいなさそうだからダメ」
切羽詰まってそうなわりには、激しいえり好みぶりを見せつけるラリえもん。果たしてこのメカには本当にまともに就職する気があるのだろうか・・・・・。
「お客さン、そんなことじゃダメネ。もっとハングリーなル。じゃないと道、開けないヨ。」
どこからともなく現れた、どう見ても中国系の怪しい男が声をかけてきた。それにしても、「お客さん」とはどういうことだ?疑問を持ったラリえもんであったが、周りを見回すことによりようやく自分の置かれている状況を把握した。ここは他でもない、自分の行きつけの飲み屋であった。いつものように飲み、いつものようにヤッたため、いつものようにイッてしまっていたようである。
「しかし今日のはいやにリアルだったな・・・・・」
どこか正夢っぽい雰囲気を醸し出した夢を、なおも引きずっている様子である。何を思ったのかいきなり「就職せねば・・・」と、ハローワークを訪ねる自分。図らずも出会った柳生課長(元)。めくるめく熱い恋の予感が・・・・・。
「おおっと、ブルった
こういうことだったのか・・・・・。どうやら、途中で目が覚めてしまったのは、自分の中に組み込まれている自己防衛プログラムが作動したためらしい。なんとか断片的な記憶を繋げることに成功したラリえもんは、スモーカーが一段落したときにタバコをくゆらすように、一握りのコカ○ンを無造作に口に放り込み、味わった。
「きぃぃぃーーーたぁぁぁぁぁーーーーー!!!」
よく来るメカではある。それにしても相変わらず分からないのは、何が来たのか、である。麻薬中毒者は、よくライオンやらトラやらに代表される猛獣が来る幻覚を見るらしいが、ラリえもんのそれはどうも趣が違う。彼が「来た」と言うときの表情は明らかに愉悦に満ち満ちている。どう見ても猛獣におびえるような表情ではないのだ。例えるならば、ダブルソーダを買ってみたところ、二本当たりが出たときのような、そんな表情である。
「バババハハァ〜〜・・・・・」
解説を加えている間も、より深遠なるトリップへと誘われているようである。その深さを地球上で例えるならば、もはやマリアナ海溝の最深部・チャレンジャー海淵しかないであろう。いや、それでもまだ不足か・・・・・。いずれにせよ、彼が我々人類が持つ英知の及ばないところまでイッてしまっていることは、疑いようのない事実である。それにしてもいぶかしいのは、客が凄まじいまでのレベルでイッてしまっているのに、眉一つ動かさないマスターと他の客達だ。ラリえもんがトリップしているのが、まるでうまか棒はうまい棒のパクリであることが明白なくらい当たり前に受け止められている。これじゃ「喫茶 魔の巣」だよ・・・・・。
 こうしてラリえもんの1日は過ぎていく。

(つづかせよう)
作:MOS


(作者注・・・この作品は、文章の常識等というものとはかけ離れていますので、多分に不条理で投げやりな表現が用いられています。ご了承ください。なお、子供に夢を与えている某青色猫型ロボットとは、微塵も関係ありません。)
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