前回までの大体のあらすじ・・・ラリえもんはついに、禁断の秘技である「5次元ポケット」を解放してしまった。しかし、「組曲ジャイヤニズム」に陶酔しきっているジャイヤンには効かない・・・。そのため、ラリえもんは「ビッグライト」を使い、自分を戦隊ものよろしく巨大化させた。それにより、ようやく地球最強の生態兵器・ジャイヤンを木っ端微塵に打ち砕くことに成功した。
「フン、俺の力を持ってすればジャイヤンの1体や2体、バラすのはわけない」
冒頭から不穏な言葉を発するこの猫型ロボットは、横になって日刊工業新聞を読みながらそう言った。ジャイヤンとの激闘から3日、まだラリえもんの傷は完全に癒えてなかった。そのため彼は、家で安静にして養生に励むの他ない状況に追いやられていた。やり場のない怒りを抑えかね、鬱屈した不満をかこつのも無理はない。
「クソッ、思うように体が動かねぇ・・・」
そんな彼に追い打ちをかけるような情けない声が響く。
「ラリえもぉーーん」
彼は露骨にイヤな顔をしたが、それでもバカ・・・もとい、のぴ太の言い分を聞いてやる姿勢をとった。のぴ太は言う。
「今日またジャイヤンに[のぴ太のくせに生意気だ!]って言われて、金属バットでメッタ打ちにされたんだ。どうにかして仕返ししたいんだけど」
ラリえもんは内心「金属バットで殴られたら死ぬだろう」と思ったが、そこは記憶中枢が常人の12%になっているラリえもん、すぐに忘却の彼方。それにしても、ついこの前ジャイヤンと闘って名誉の負傷をした自分に、「ジャイヤンを何とかしろ」などという無理難題を押しつけるのぴ太に対し、ふと「どう殺してやろうか」という残忍な怒りを持ったのは確かであった。しかし、ジャイヤンという共通の敵に立ち向かうことにより、かろうじてその感情を抑えた。
「これを使え」
と、寝っころがったままの状態で、無造作に三次元ポケットからとある小瓶を出した。中には、いかにも怪しげな液体が入っている。いつものような「ホニャララ〜」というアクションがないのは、負傷のためかのぴ太への倦怠感からか。いずれにしても、のぴ太はある質問をラリえもんにぶつけねばならなかった。
「これって何なの?」
かねて予期していたのであろう、ラリえもんは眉一つ動かさず、
「クスリだ」
とぶっきらぼうに言った。すかさずのぴ太が、「何の薬なの」と言いかけたところへ、
「もうやばい、と思ったときに使え」
と重ね、それっきりであった。このためのぴ太は不承不承ながらも、その怪しげな薬を手にジャイヤンがいるであろう、土管の空き地へと向かった。
「グォォオウウ・・・」
そこには、人間とは思えぬような咆吼をあげている一つの肉の塊があった。言うまでもなくジャイヤンである。一瞬のぴ太は怯んだが、すぐに自分を鼓舞し、果敢にもジャイヤンに向かい宣戦布告とも言える一言をぶつけた。
「おい、この音痴野郎。今日がお前の命日だ」
と、ストUのベガよろしくポーズを取った。ラリえもんがこの場にいれば、「この弱虫なかなかやるな」と思ったであろう。一方のジャイヤンは人語が理解できるらしく、この言葉に敏感に反応した。
「何だとぉぉーー!のぴ太のクセにぃぃぃぃーー!!!」
目にもとまらぬ、とはこのことであろう。ジャイヤンは座っていた土管を足場にし、のぴ太へ向かって跳躍した。その反動で、土管は粉みじんである。その直後、のぴ太の悲鳴が辺りを駆けめぐった。ジャイヤンの一撃で、のぴ太の左腕は木の葉のように宙を舞い、やがて地面に落ちた。
「グェッヘッヘッヘ・・・」
ジャイヤンらしい不気味な笑いをたたえ、ペロリと自分の爪についたのぴ太の血をなめる。のぴ太は生命の危機を感じた。「ヤツは僕を殺す気だ」と思ったが、当のジャイヤンは殺すだけではなく、その後どのような料理にして喰ってやろうか、ということまで考えていた。
「使うしかない。あの薬を・・・」
一抹の不安はあったが、死ぬよりはマシだ。そう考えたのぴ太は、懐から瓶を取り出すと一気に飲み干した。と、みるみるのぴ太の体に変化が現れた。
「おおおおおーーーー!!!」
あれほど晴れていた空が、いつの間にか泣き出しそうになっていた。
(続けよっかやめよっか考え中)
作:MOS
(作者注・・・この作品は、文章の常識等というものとはかけ離れていますので、多分に不条理で投げやりな表現が用いられています。ご了承ください。なお、子供に夢を与えている某青色猫型ロボットとは、微塵も関係ありません。)