小説ラリえもん
第9話「羅刹来訪」

 前回までの大体のあらすじ・・・久しぶりに対峙するジャイヤンとラリえもん。のぴ太を捨てゴマに使ったラリえもんであったが、ジャイヤンには通じない。仕方なく自ら出馬するも、ジャイヤンのパワーに圧倒される。すかさず反撃に移ろうとした瞬間、大地の鳴動が始まる・・・・・。
「久々に長いあらすじじゃねぇか」
あらすじに突っ込みを入れる余裕のあるラリえもん。しかしそれも束の間、すぐさま視線を裏山に移す。一方のジャイヤンは、惚けたように目を瞬かせていた。
「・・・何の音なんだ?」
初めて目の当たりにする大自然の息吹に、本能的に恐怖を覚えたジャイヤン。握りしめた拳がかすかに震える。しかし、それでも口元には笑みを浮かべている。両者とも全くスキだらけであったが、どちらもそれに気づくことはなかった。それほど激しく、すさまじい大地の鳴動だったのである。
「ま、まさか!!」
突然のジャイヤンの絶叫に、たちまち現実世界に引き戻されたラリえもん。どうやらトリップしていたらしい。実はラリえもん、脳内麻薬を自由に分泌できるのである。
「どうした?」
コンマ3秒で現実世界を認識すると、ジャイヤンの絶叫に応えた。その問いかけがジャイヤンに届くか届かないかのところで、鳴動を続けていた裏山から一つの影が飛び出した。
ドォォーーーーーーン!!!
まるで「喪黒福蔵」ばりの効果音と共に飛び出した影、それは紛れもなくのぴ太であった。何故裏山からのぴ太が現れるのか訳がわからない、と言った表情のラリえもん。彼の記憶中枢は常人の12%になっているので、それも無理はない。他方でジャイヤンは、音の主がのぴ太だと理解すると、一挙に安堵しそして傲然とうそぶく。
「なんだ、さっき片づけてやったゴミがまだ残ってたのか」
彼も、少しは語彙力が付いたようである。今までのような稚拙な売り言葉ではなかった。しかしその刹那の後、のぴ太の拳がジャイヤンの豊満な腹をえぐる
「グフッ!」
腹を抱えくずおれるジャイヤンを後目に、激しく咆哮するのぴ太・・・・・。
「グオオオオォォォォォォォォーーー!!!」
自分の採った作戦がことごとく裏目に出るとは・・・・・、と言った表情で苦々しげにのぴ太の咆哮を、聞くともなく聞いているラリえもんは、目の前で猛り狂う生命体が自分の味方なのか敵なのか、判断しかねていた。しかし、その問いに対する解答は、のぴ太の一つの行動によって明らかにされた。
「シャアアアァァーー!!!」
悪鬼のような形相でのぴ太が襲いかかる。咄嗟に防御しようと手を出したが、のぴ太はまるで意に介さない。防御しているラリえもんの腕の上から、恐ろしく速い回し蹴りを見舞う。すさまじい衝撃により、20メートルは吹っ飛んだ。的確にこめかみをやられたため、足が言うことを聞かないラリえもん。地面にはいつくばっている2人を一瞥し、満足げな咆哮をもらすのぴ太。
「ウガアアアァァァーーーーー!!!」
・・・・・空はいつの間にか晴れ渡っていた。

(つづけるべきだろう)
作:MOS


(作者注・・・この作品は、文章の常識等というものとはかけ離れていますので、多分に不条理で投げやりな表現が用いられています。ご了承ください。なお、子供に夢を与えている某青色猫型ロボットとは、微塵も関係ありません。)
back next