ワルハラ(正しくはワルハル)は戦死者の広間の意で、オーディンが、戦場で敗れた 勇士らを迎える館。天上の神々の世界アスガルドでも第一に荘麗な館で、屋根や壁は 金銀の楯や槍でできていて、戦士たちが死後に赴く天国にあたる。それは天上の<喜 びの国>という所にあり、六四〇の扉をもち、その一つ一つの扉は九六〇人の戦士が 並んで出入りできる広さをもつ。この館で戦士たちは日ごと祝宴をはって、館の上に のび広がっている宇宙樹の間に住み、その葉を食べては乳房から無限に密酒を流れ 出させる山羊ヘイドルンの乳をのみ、同じくそこに住む猪セーリムニルを殺して その肉を食べては、武器をとって戦う。 しかし夕方になると、この戦いで敗れた者もまた起き上がって一緒に祝宴の席につき、 翌日はまた戦いあう。こうして戦いはラグナレクの日が釆るまで永遠に続き、 猪セーリムニルも日ごとに生き返るので、御馳走がつきることもない。ワルキュリエた ちが、その接待にあたる。 ワルハラに迎えられない死者、つまり老年や病気で死ぬことは<藁の死>と呼ばれ て不名誉なこととされ、死後は女王ヘルの治める陰湿な地下の国に行くらしい。個人的見解としては仏教の修羅界と大差ないようである。