のび太の部屋に置きっぱなしだったガラスばちの中にタンポポが生えていた。どこからか舞い込んできた種が根付いたのだ。捨ててこようとするのび太にドラえもんは自然を愛する心を教えようと、「ファンタグラス」を出す。のび太がつけてみると、タンポポが人間のように泣いていた。これをつけると植物も動物も人間のように見えるのだ。のび太がタンポポを庭に移しかえると、今度は庭中の草木が水が欲しいと言い出した。仕方なく水撒きをするが、近くのネコにバカにされて止めてしまう。そんなのび太にドラえもんは、ファンタグラスで聞こえる事は、自分が心の底で思っていることなのだと言う。ふてくされるのび太だが、部屋にいたアリまでもがのび太をバカにしているのを聞き、勉強を始める。水をあげてタンポポと仲良くなったのび太だが、ジャイアン達に野球に誘われても居留守を使うのを見て、タンポポは自分から挑戦していくように諭す。のび太の手厚い世話のおかげでタンポポは見事な花を咲かせるが、のび太自身は段々タンポポとの世界に埋没していってしまい、ドラえもんの説得にも耳を貸さない。タンポポは種の子供達を持つようになり、種は風に乗って旅立っていくが、一つの種がタンポポと離れるのを嫌がって旅立とうとしない。夜、心配になったのび太が様子を見ると、タンポポは子供の種に、自分が今まで旅をしてきた事を優しく話して聞かせ、旅立つ事の大切さを説いていた。翌日、風に乗って子供は旅に出た。子供との別れを果たしたのび太は、野球をやっているみんなを見て、自分も入れてもらおうかと考えるのであった。
(解説)タンポポを擬人化することで、物事を克服するために必要な勇気を持つ事の大切さを、分かりやすく、そして優しく語っています。ファンタグラスを通じてタンポポが語った事は、実はのび太の深層意識化の思考でもあり、のび太も本当はこのままではいけないのだと思っているわけで、そうのび太に思わせている事が、「人間の可能性」を大事にしてきた作者らしい描写です。勇気を出して未知の世界の挑む。それはとても辛い事だけど、その勇気だけを失って欲しくない。藤子F先生からの純粋なメッセージとして、僕達も心に刻んでおくべきだと思います。
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