机に座ってボケっと外を眺めるのび太。ドラえもんは外へ遊びに行くように言うが、のび太は足を挫いてしまって三日も学校を休んでいるのだった。機嫌を損ねたのび太のためにドラえもんは「窓けしききりかえ機」を出した。他の家の窓から見た景色を映し出すことが出来るのだ。それを使って、庭で焼き芋を焼くしずかや、部屋に忍び込もうとしているジャイアンを見るのび太達。さらに二人は日本庭園が見える窓や高層ビルの窓、飛行機の窓などの様々な景色を楽しむ。次に遠いところを選んでみると、どこかの農家の庭先に出た。するとその窓に向かって一人の男性が歩み寄ってきた。ヒデキというその男性は、これから東京へ働きに行くので、この家に住んでいる桃枝という女性に、彼女が留守でありながら、お別れと自分が今まで抱いていた彼女への想いを吐露して去って行った。どうしようもないことだが気になってしょうがない二人。二人はその家へ行ってみることにする。そこではちょうど桃枝が帰ってきた所だった。話をしようとするのび太を制したドラえもんは「まどビデオ」に録画しておいた先程の映像を投影し、ヒデキ自身に話をさせる。一応目的を果たした二人だが今一つすっきりしない。「自動ついせきアダプター」を使ってヒデキが乗っているはずの汽車の窓からの景色を映してみると、丘の上に桃枝が立って、ヒデキに手を振っていた。その様子を見て安堵の笑顔を見せるのび太とドラえもんであった。
(解説)中期(僕は勝手に黄金期と呼ばせてもらいますが)の「ドラえもん」の中で何がすごいかと言えば、今話や「影とりプロジェクター」のように、のびドラが純粋な主役でない話でも、きちんと「ドラえもん」の世界として話が成立している点です。今話ものびドラは主役ではなく、道具を使って他の誰かを助けるという第三者的な役割を担っています。そこにはのびドラ達レギュラー陣だけでなく、その世界にいるすべての人たちにドラマがあるという、作者の考えがあるような気がしてなりません。そして、同様の話全てに言えることですが、のびドラは「第三者的」であり、やはり「主役」なのです。「天才」としか形容しようのないその作品構成を、今話では存分に堪能できます。
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