ストーブの灯油がなくなったため、野比家は当分ストーブを受けられなくなってしまった。寒がるドラえもんは万物に宿る精霊を具象化できる「精霊よびだしうでわ」を使って火の精を呼ぶが、火の精はカーテンを燃やそうとして騒ぎを起こす。しかし一階でパパがタバコの火を消すと同時に精も消えた。近くにその物がないと具象化していられないのだ。外では雪が降ってきたためドラえもんは布団に入り、のび太はせっかくだからと腕輪をつけて空き地へ向かう。だがのび太が『このひどい寒さは雪のせいだな。』と呟いて腕をこすったとき、こすれた腕輪から「雪の精」が出てきた。雪の精に頼んで雪をたくさん降らせてもらったのび太は二人で楽しく遊び、のび太に雪をぶつけるジャイアン達を追い払ってもらう。そこへストーブがついたとドラえもんが知らせに来るが、雪の精がいることを知って大変なことになるとささやく。しかし精によってドラえもんは吹き飛ばされ、二人は吹雪に乗って空を飛ぶ。精は雪がなくなると消えてしまうので春を来させないと言うが、時間が遅くなったのでのび太は家に帰る。だが家についた途端、のび太は熱を出して寝込んでしまった。しかし大雪のために医者も家まで来ることが出来ないという。その夜、眠るのび太の横に雪の精が現れ、のび太の熱を吸い取りはじめた。熱を吸い取れば自分が消えてしまうのを承知の上で、雪の精は好きなのび太のために熱を吸い取っていく。そんな精に、のび太も一緒に遊んでいて楽しかったと話すのだった。そして朝、のび太の熱も下がり大雪も嘘のように消えていた。やがて来る春の風を感じながら、のび太は遠い空を見上げるのだった。
(解説)「冬」という季節を人間にしてしまうと言う、F先生ならではの擬人法で、季節の移り変わりを優しく、情緒豊かに描いています。ラスト、のび太のために熱を吸い取って消えていく雪の精には一抹の寂しさと共に、これが永遠の別れではないことを示唆しているような気もします。これが「鉄人兵団」のクライマックスの原点、と言ったら言い過ぎでしょうか?そして最後のコマ、表情少なく静かに空を見上げるのび太の姿が、またたまらなく良いです。蛇足ではありますが、今話のアニメ版もアニメ独自の解釈を加えた名編に仕上がっていることを付け加えておきます。
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