川辺で襟巻きのようなひれをつけたカエルを見かけたのび太。しかしカエルはすぐに逃げてしまい、のび太はその事をみんなに話すが当然誰も信じてはくれない。
そこにある老人が現れ、のび太達を自宅へと招待する。珍しい動物の標本を集めるのが趣味だと言うその老人は自分のコレクションを4人に見せ、さらにもっと珍しい動物のはく製を集めたいと言う自分の夢を語ったところで、エリマキガエルを捕まえて自分に渡してくれれば百万円払うという条件を言ってきた。のび太は喜んでドラえもんに知らせるが、ドラえもんは今まで様々な動物が人間の手によって絶滅してきた経緯を話し、万一エリマキガエルが絶滅した場合は、その責任がのび太にあると断じる。
後悔するのび太と共にカエルを見つけようとするドラえもんだが、既に噂が町中に広まってしまったようで、川辺にはカエルを捕まえるためにたくさんの人が押し掛けてきていた。ドラえもんは「あっちこっちテレビ」を使ってエリマキガエルを探すが、そんな中で見つかったのはカエルなどではなく、何と小人のような新種の人間だった。ドラえもんは「お医者さんカバン」で手当てし、のび太はしずかから人形の家を借りてきて、小人をその家のベッドに寝かせる。ところが目を覚ましたその小人はのび太達に驚いたのか、部屋中を逃げ回ってしまう。2人はスモールライトで小さくなって改めて話をすることにし、そんな2人に小人はドンジャラ村のホイと名乗った。
ホイにドラやきをご馳走する2人はホイから事情を聞くことにする。ホイは最近急速に開発が進んだ青葉ヶ丘という所に住んでいたが、開発が進んだために住んでいる場所である森が少なくなり、新しい土地を求めて旅に出たのだが、どこへ行っても大人族の街ばかりで困り果てていたと言う。2人はホイを連れてどこでもドアで青葉ヶ丘に向かうが、何と既に森が消えてしまっていた。村がなくなってしまったことにショックを受けるホイだが、2人はホイを励ましてドンジャラ村探しに出発する。その時ツバメを見つけたホイはカバンから、先程エリマキガエルがつけていた襟巻きのようなものを取りだしてツバメにくっつけた。これは「万能手綱」と言って、これを使うことで小動物に乗って旅をするのだと言う。先程のび太が見たのはホイがカエルにこれをつけていたものだったのだ。
空から森を探す3人は団地の近くに森を見つけてそこに降りてみるが、そこは子供たちの遊び場になっていたために他を探すことにする。車の往来が激しい道路を必死に渡ったり、手綱をつけたネズミに乗ることをドラえもんが拒んだり、犬に吠えられたりと色々な目にあったものの、結局村は見つからない。
3人はまた明日探すことにして、とある家の庭先の木に「みの虫式ねぶくろ」を使ってくっつき、眠りにつく。夜もふけた頃、その家の床下からこっそりと小人が出てきた。その小人はねぶくろで寝ているホイを見て驚く。その子はホイの妹のクンだったのだ。やっと家族と再会することが出来たホイはドラえもん達を床下の家に招待する。ホイの父からも礼を言われる2人だが、2人は自分達大人族が今までしてきたことを謝る。他の村人はちりぢりになって家の床下に隠れ住んだらしく、2人はホイたちと一緒に夜の公園に出かけていく。公園で遊び回るホイたちを見つめながら、父親は自分が子供の頃のドンジャラ村での想い出を2人に語る。そこへ同じ小人族がやって来るが、住んでいる家が翌日にシロアリ退治をするので、消毒薬を使うために住めなくなってしまうからと言ってその人達は新たな家を探しに旅立っていった。
広い地球で自分達が安心して住める土地がなくなったと悲しげに呟く父親を見て、家に帰ってきた2人は小人族のための土地を探すことを決意、「リクエストテレビ」で目的の土地を探す。そして見つかった土地は、アマゾン川流域の未開のジャングル。ミニハウスで家も造った2人はホイ達小人族をどこでもドアで連れていった。その広い土地を見て様々な夢を巡らすホイ達を見て喜ぶのび太達は安心して帰ってきた。
2人はこのことは絶対口外しないと誓い、エリマキガエルも見間違いだということになった。のび太はジャイアン達にいじめられながらも秘密を守り、そんなのび太をドラえもんは誉める。そして、遠いアマゾンのジャングルに出来た新しい村で、平和にドンジャラ祭りを行っているホイ達に想いを巡らすのび太とドラえもんであった。
(解説)当時流行の「エリマキトカゲ」、そしてこの作品が掲載された翌月から連載が開始される「宇宙小戦争」を意識しながらも、本作は「さらばキー坊」と同様、自然保護を色濃く訴えたメッセージ性の強い作品になっています。絶滅していった様々な動物を「ホイ」というキャラクターを通して擬人化し、のびドラとの交流を通じて、「自然を守る」事の真の意味とはどういうものかを読者に考えさせる筋になっています。もちろん我々はドラえもんではないのだから、ドラえもんのような芸当は出来ません。そんな我々に出来ること。それはラストののび太のように、ほんの少し意地を張ることではないでしょうか。大上段から「自然保護」を声高に叫んでいるのではなく、あくまで読者である子供の視点で自然を守ることを訴えている、ドラえもんらしい作品です。
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