下校してきたのび太はママの目を逃れてこっそりと部屋に入る。のび太はまた0点を取ってしまったので答案を隠そうとするが、既に答案は机の引き出しがはち切れそうなほどにたまっていた。ゴミ捨て場を出してくれるよう頼まれたドラえもんは「ないしょごみすてホール」を出した。一見するとただの穴だが、その穴がどこかに繋がっているらしく、答案を入れると見事に消えてしまった。ついでに家のゴミまで捨ててしまったのび太はこの穴がどこに繋がっているのか不思議がるが、ドラえもんは笑って答えない。のび太は早速みんなに話し、半信半疑のみんなはホールに石を投げ込んでみて納得した。のび太は捨てるものがあればいつでも貸すと話すが、早速スネ夫が自転車を持ってきた。まだ壊れてはいないのだが新しい自転車を買ってもらうためと言って捨ててしまい、しずかやジャイアン、その他噂を聞きつけたみんながたくさんのゴミを持ってきたので二人は大変になってしまう。飽きてしまったのび太は古本の中から昔話の本を見つけ、仕事をさぼって「天つき地ぞう」という話を読みふけってしまう。その話では、与作という貧乏な木こりがお腹を空かしている母親のために食べ物を手に入れようとするが、隣に住んでいる意地悪な吾作には断られ、仕方なく山の中に入ってみると、道ばたにお地蔵様が倒れていたので立て直してみる。するとお地蔵様は動き出して杖で天を突き始め、すると天から見たこともない食べ物が落ちてきた。与作は喜んで帰るが、それを聞いた吾作もお地蔵様に何か出してもらおうとやって来る。だが今度はゴミが落ちてきて吾作は怒って帰ってしまう。面白がるのび太は本に夢中になるが、ドラえもんは一人だけで仕事を続けていた。しかしほこりだらけになってしまうのでポケットを外してエプロンをつけ、再び作業を開始するがホールにゴミが詰まってしまい、竹竿で突っつくとその時の弾みでドラえもんも一緒にホールの中に落ちてしまった。
昔話はまだ続き、与作は今度は障子を貼り替えるための紙をもらうためにもう一度お地蔵様の所へ向かうが、その後を吾作がつけていた。お地蔵様は今度はたくさんの紙を出し、与作は喜んで帰って行くが、それを見た吾作はお地蔵様から杖を奪い取って強引に天を突き始める。すると今度は大小の石が落ちてきたので吾作は逃げてしまった。そこまで読んだ時にスネ夫がまたゴミを持ってのび太を訪ねてきた。貰い物のお菓子を捨てに来たのだが、のび太はドラえもんがいないことを不思議がる。一方のドラえもんはお菓子が落ちてきた際にホールの穴が空いたのでのび太に助けを求めるが穴はふさがってしまった。この道具は人がまだ住んでいない大昔にゴミを捨てる道具だったのだが、故障していたために全てのゴミが超空間の中で浮遊していた。ドラえもんは脱出するために竿で適当に当たりをつつくが、間違えて出口の方を開けてしまい、地面に落下して気を失ってしまう。そこにやってきたのは昔話の主人公・与作だった。与作はエプロンをつけているドラえもんを地蔵様と勘違いし、立て直してお祈りを始めるが気付いたドラえもんは出口を求めて天を竿で突き始めるが、そこから先程スネ夫が捨てたお菓子が落ちてきた。与作は喜んでそれを持って帰るが、あとになってその話を聞いた吾作がドラえもんの下にやってきた。吾作に脅されてドラえもんも仕方なく天を突くが、落ちてきたのはゴミばかりだったので吾作は怒って帰ってしまう。すると今度は木枯らしが吹いてきたので、ドラえもんは何とか体を温めようとがむしゃらに天を突くが、するとそこから大量の0点の答案が降ってきて、しかもそれをやって来た与作は障子の張り替え用の紙として持って帰ってしまう。複雑な気分になるドラえもんだが、それを見ていた吾作は竿を取り上げて自分で天を突くが、今度は石やブロックが落ちてきたのでまた逃げ帰ってしまった。
物語でも、そして現実の過去でもドラえもん=お地蔵様は天を突くたびに何かを出し、そしてそのたびに与作は宝物と勘違いして持ち帰っていった。ところがそれを羨んだ吾作が殿様に密告し、殿様は与作を捕まえて宝を自分のものにするために家来達を差し向けた。それに気付いた与作は母親を連れてお地蔵様と一緒に逃げだし、何とか国境の近くまでやって来たが、そこには何と隣国の軍勢がこちらへ攻めてきているところだった。油断している隙に一気に攻め落とそうというのだ。この危機を知らせるためにドラえもんは適当に天を突くと、スネ夫の自転車が落ちてきた。ドラえもんは二人を背負って自転車=仙雲車をこいで殿様の下に急行し、与作の知らせで準備を整えた殿様は戦で大勝利する。そしてこのことで殿様からたくさんの褒美を与えられた与作は、感謝の意味を込めてお地蔵様に祠を作ってあげた。だがそれ以降お地蔵様の姿は見えなくなってしまったという。それは、祠を踏み台にしてドラえもんがようやくホールの出口に到達したためで、ドラえもんはやっとの事でホールから脱出することが出来た。何も知らないのび太は読んでいた本を捨てようとするがドラえもんはもったいないと言って怒り出し、急にリサイクル活動を始めてしまった。その様子を見て訝しがるのび太であった。
(解説)現代の消費社会に警鐘を鳴らす作品…とまでは行きませんが、「リサイクル」ということを描いた作品であることは間違いないでしょう。偉そうに説教するのではなく、ほんの少し無駄を抑えるだけで変わっていくと言うことをゆっくり優しく訴えています。ストーリーも絵本の世界と現実(過去の世界ですが)を同時に進行させていくという凝った展開になっていて、虚構と現実が入り交じっているという「すこしふしぎ」な世界を描出しています。後年の「ドラビアンナイト」みたいな雰囲気ですね。
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