スネ夫が、自分の従兄弟がスキューバダイビングのベテランだという話を切り出した途端、ドラえもんは駆け出して行ってしまった。不思議に思ったのび太が追いかけて聞いてみると、ドラえもんはあの後スネ夫が自分もスキューバを始めることを話し、それを聞いてのび太がうらやましがるであろうことを察して、スキューバをこの場で行う準備をするために家に帰ってきたのだ。ドラえもんは「架空水面シミュレーター・ポンプ」、「架空水体感メガネ」、「かなづち用足ひれ」を出し、メガネと足ひれをのび太につけさせる。するとおもむろにドラえもんはポンプを動かして水を出し始めた。慌てるのび太だがこの水は架空水で、メガネをかけていない人には体感することは出来ないのだ。自動で動くポンプをそのままにして二人は空き地へ行き、空き地の木に魚のえさになる「トトスキー」をつけ、さらに海へ行って「架空海水まきぞえガス」のタンクを落とした。このガスを浴びた魚は架空水の中でも泳げるようになるのだと言う。そして夜。メガネと足ひれをつけて夜の町に飛び出した二人は、水浸しになっている町を見渡す。空き地まで泳いで行ってみると魚がトトスキーに集まってきており、満月を背に泳ぐ魚の群れや流れてきたヤシの実を見て楽しむ二人。二人はスキューバの様子を写真に取るが、その時大きな悲鳴が聞こえたので行ってみることにする。そこでは酔っ払いがサメを見たと警官に話しており、もちろん警官は信じないがそれを聞いた二人は急いでサメ探しを始める。途中でのび太は受験勉強中の学生の部屋を通るが、それを見た学生は不思議がって外に飛び出してくる。しかし今度はそこにサメが現れ、学生は仰天して逃げ出してしまう。ドラえもんはショックガンを使ってサメを海に追い返し、のび太はポンプのスイッチを切って架空水面を消してしまった。学生はサメを見たことを話すがもちろん誰も信じてはくれなかった。そして翌日、ガスに触れたために架空水に流され、とある家の屋根の上に漁船が乗っかっている様子を見ながら、のび太は学校へ向かうのであった。
(解説)「空中を海の中のように泳ぐ」という発想を具現化した道具は古いものでは「ソーナルじょう」がありますが、今話登場の道具はその集大成と言うべきものでしょう。空中に完全な海の世界を作ることで、水中とも空中ともつかない幻想的な世界を作り上げています。中盤まではそうなのですが、後半の展開は少しありきたりになってしまった感も否めませんね。ですがラストの不条理感あふれるオチはドラらしいオチで楽しいです。
|