わたしが不思議 作詞・武田鉄矢 作曲・菊池俊輔 歌・大杉久美子
「涙を流す」という自分の行為に揺れる少女の心の機敏を優しく歌い上げている。叙情的な歌詞は武田氏ならではのもの。「映画主題歌」と言うよりは「リルルのイメージソング」と言うべきものであり、本編ではエンディング、そして改造を完遂したリルルがしずかと手を取り合いながら光の中に消えていくという感動のクライマックスに使用された。
☆自分勝手な感想
「そして、機械は天使になった…」
この映画は歴代の大長編作品を俯瞰して見ると、かなり異質の物語です。ドラたち5人と鉄人兵団との戦争、という構図は別段珍しいものではないのですが、今作の特筆点は、任務と感情の狭間で葛藤するリルルという一つのロボットの描写でしょう。与えられた命令だけを遂行し、自分の理想と大儀を疑わない単純な機械。それが優しさという「心」で接するしずかに出会った時、人間の感情が芽生え始める。そして自分のなすべき道を見つけたロボットは、笑顔で自分達の歴史を消去した。リルルという名の天使となって…。この悲劇的かつ感動的な描写は大長編史上唯一のもので、それが「鉄人兵団」という作品を際だたせている要因でもあります。
映画で白眉と言えるシーンは、リルルに対するしずかの態度。原作では明確にされなかった「リルルと友達になりたい」という思いを最初からあらわにしており、その思いはラスト、消えゆくリルルへの「あなたはもう、天使になってるわ」というセリフに結実されている。そしてそのすぐ後、余韻も残さずに一瞬で消えるリルル。一種残酷とも思えるこの演出に、リルルという少女の悲しみと崇高さが一層際だちます。そしてエピローグの希望に満ちあふれたラスト。公開当時、あのシーンを見てどれだけの観客が心洗われたことでしょう。「原作のアニメ化」という観点においても、そして「大長編ドラえもん」というカテゴリーの中でも、今作は最高峰に到達している作品だと思います。
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