必殺からくり人 富嶽百景殺し旅
1978年8月25日〜1978年11月24日 全14回
☆オープニングナレーション
神や仏がいなさって
悪を罰してくださると
小さい時に聞きました
それはやさしい慰めと
大きくなって知りました
やさしさ頼りに生きてはきたが
やさしさだけでは生きてはいけぬ
早く来てくれからくり人
(作:早坂暁 語り:吉田日出子)
☆主題歌
「夢ん中」
作詞:阿久悠、作曲:森田公一、編曲:EDISON、歌:小林旭
からくり人シリーズの最終作品となるシリーズ第13作。主演の山田五十鈴以外の登場人物が異なっているものの、本作は11作「新必殺からくり人」の正当な続編作として制作されており、それゆえに「新からくり人」での設定を継承して今作でも描かれるのは「殺し旅」である。今回は葛飾北斎の「富嶽三十六景」の中に隠されている悪人達を始末するからくり人たちの活躍が描かれる。
あまりにも「新からくり人」のエッセンスを素直に継承しすぎたためか、どうしても「新からくり人」と比べると見劣りしてしまう部分はあるが、「仕置屋」以来の沖雅也の復帰や、より派手に、よりケレン味を重視するようになった殺し技など、見所は満載である。中でも北斎と娘のおえいのやりとりは好評を博した。
これまでからくり人シリーズにずっと携わってきた(除く「血風編」)早坂暁の脚本や世界観構築も冴え、史実を巧みに織り交ぜたストーリー展開は、最終話で描かれる北斎の末路によって最大限に発揮される事となった。からくり人シリーズはこれで終焉を迎える事になるが、この「殺し旅」という秀逸なアイデアは、後年の「仕舞人」シリーズへと受け継がれる事になるのである。
☆登場人物
出雲のお艶(演・山田五十鈴)
出雲太夫一座の座頭を勤めているが、裏ではからくり人の元締。かつては「東海道五十三次殺し旅」を行った事もある。裏稼業においてもベテランであり、悪党を相手に一歩も引かない気風のよさも持っている。常に弱者の立場に立っているその情から、一座の面々からは絶大な信頼を寄せられている。
得意な芸は三味線であり、殺しの得物も通常は三味線の撥を使用。だが状況に応じて三味線の竿に仕込んだ針や糸巻きの尖らせた先端で急所を刺したり、三味線糸で絞殺したりするなど、臨機応変に対応する。葛飾北斎の絵を売り出している版元・西村永寿堂の依頼を受け、「富嶽三十六景」の中に描かれた14件の仕置依頼を実行するために、一座と共に旅立っていく。
最終話では欲にかられて北斎を殺した外道どもを始末し、唐十郎と別れて再び旅に出て行った。
お役者唐十郎(演・沖雅也)
容姿端麗な美青年だが、その素顔は西村永寿堂の配下の殺し屋。仕置を依頼した出雲一座を援護する役目を受け、一座の用心棒として殺し旅に加わる。伸縮自在の釣り竿の先端につけた針で敵を刺殺するのが基本技で、場合によっては二人の標的を串刺しにする形で一気に止めを刺すことも可能。釣り竿を手足のように操る事で相手と立ち回りを演じる事もある。
二枚目の見た目からクールでキザな印象を受け、そのため当初は宇蔵などから反感を持たれていたが、実際は情に厚い好青年である。
元々は板前だったが、自分の働いていた店の主人に許婚を奪われてしまい、主人に包丁を向けた事から島送りになっていた経歴を持つ。その主人と元許婚との去就は第4話において語られた。
最終話において梅屋一味を始末した後、一座とは袂をわかって一人姿を消した。
どじょうの宇蔵(演・芦屋雁之介)
出雲一座の番頭的存在で、裏稼業においてもお艶の良き配下である。どじょうすくいなどの芸を持ち芸としているが、裏ではそのどじょうすくいに使うビクを標的の頭にかぶせ、締め付けて頭蓋を破砕して止めを刺す。
普段の性格は気のいい人情家で、裏表関係なく仲間からは頼られている。医学についての知識も多少持ち合わせているらしい。
虫の鈴平(演・江戸屋子猫)
動物の鳴き声などを真似る芸を得意としている気のいい青年で、裏では密偵を努めている。探索活動はお手の物で、標的に気づかれそうになった時は物真似を生かして危機を脱する事もある。
うさぎに気があるようで、そのためうさぎが感心を持っている唐十郎に最初は反感を持っていたものの、次第に仲間意識が芽生えて、良き兄貴分として唐十郎を慕うようになる。
出雲のうさぎ(演・高橋洋子(1〜4話)、真行寺君枝(5〜14話))
一座の踊り子であり、メンバーの中では最年少。鈴平とともに密偵も努めており、火縄をつけたざるを使って相手を撹乱する事もある。唐十郎に想いを寄せていたようだが、最後には別れる事になってしまった。
葛飾北斎(演・小沢栄太郎)
「富嶽三十六景」で知られる著名な版画家。しかし実際は版元・西村永寿堂の依頼で、絵の中に殺しの標的を隠していた。破天荒な性格で、無理なことを言っては娘のおえいを困らせている。最終回でお艶に偽装殺人を依頼して江戸から姿を消し、人物画を描き始める。だが版元の梅屋は自分の意に反して「東州斎写楽」という名前を使用して発表したので、真実を暴露しようとしたために殺されてしまう。
おえい(演・吉田日出子)
北斎の娘。無茶な事ばかりをしようとする父を止める事が多い。父を亡くしたあとは一人で旅立っていった。
西村永寿堂与八(演・奥田英次)
表向きは浮世絵の版元だが、実は裏稼業の大元締。北斎に各々の土地の悪人を示唆する「富嶽三十六景」を描かせ、殺しを出雲一座に依頼する。昨年に安藤広重が行った「東海道五十三次殺し旅」の事実も知っており、裏稼業におけるキャリアもそれなりに長いらしい。
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