必殺仕舞人

1981年2月6日〜1981年5月1日 全13回



☆オープニングナレーション
箱根八里は馬でも越すが
越すに越されぬこの世の峠
西が曇れば涙雨
東が曇れば恨み雨
どうせこの世は生き地獄
かわって晴らそう女の涙
この世の苦しみ仕舞人
    (作:工藤栄一、山内久司 語り:中条きよし)

☆主題歌
「風の旅人」
作詞:山口洋子、作曲:平尾昌晃、編曲:竜崎孝路、歌:本田博太郎


 前々作「うらごろし」以来、約2年ぶりに登場された非主水シリーズであるシリーズ第16弾。
 今作はからくり人シリーズ後期二部作で描いた「旅もの」を復活させ、同時にそのテーマの集大成的作品とすることを前提とした。スペシャル「恐怖の大仕事」で主水と共闘し、既に一般視聴者へのアピールも済んだ京マチ子演じる板東京山を元締に据え、メインキャラを演じる俳優陣もベテラン俳優を揃えて、前作「仕事人」後期から次第に失われていった渋みを出す事にも貢献した。
 作品そのものは、駆け込み寺に寄せられる女達の恨みを晴らすという、従来通りの恨み晴らしがメインになるのだが、仕舞人メンバーの表の顔が民謡手踊り一座という事もあって、作品世界に独特の明るい雰囲気を漂わせる事にも成功していた。また全話に渡って被害者側を「女性」とすることにより、視聴者の感情移入を容易なものにし、仕舞人たちの殺しにさらなるカタルシスを与えるのにも役立っていた。
 旧来のからくり人シリーズと同様に当初から13話ものとして企画されていた作品ではあるが、「仕事人」の爆発的な人気が巻き起こっていたにも関わらず、独自の世界観を作り上げた事は特筆に価する。そしてこれ以降、主水シリーズとその中休みととして間に入る13回シリーズ、という構成が通例となっていくのである。


 ☆登場人物

 板東京山(演・京マチ子)
 諸国民謡手踊り一座「板東京山一座」の座長を務める女性。しかしその裏の顔は凄腕の殺し屋であり、5年前に足を洗っていたが善行尼に乞われ、仕舞人として日本諸国をめぐる殺しを請け負った。殺しの際には黒装束に身を包み、合気道などを使って標的を追い詰め、得物の長簪で急所を突く。
 本名をお京といい、15年前に男に裏切られて娘を失って本然寺に駆け込んで以来、殺し屋としての活動を繰り返していた。表向きは鎌倉本然寺の修復のための勧進興行として諸国の駆け込み寺を回っており、一部の仲間以外の座員達はもちろん裏の秘密は知らない。
 一座のメンバーからは母親のように慕われており、情に厚い女性ではあるが、裏稼業においては誰よりも厳しく、そして悪党への怒りも誰よりも強い。最終的にその役目を終えて、おはなと共に巡礼の旅に出た。

 晋松(演・高橋悦史)
 善行尼が雇った殺し屋。以前暮らしていた佐渡で惚れた女の仇を殺したために追われる身となり、その後は越後柏崎で寺男として暮らしていたが、佐渡へ渡ろうとしていた京山と会い、以後は一座と行動を共にする。
 メンバーの中では参謀役的存在であり、一足先に目的地へ行っては情報収集することも多く、京山の良き相談相手でもある。人間的にも落ち着いた風格のある大人であり、若さゆえに突っ走ってしまう直次郎を叱責する事もままあった。ぜんまい型の鋼を仕込んだ腰縄が殺しの得物で、これで敵を絞殺したり鋼を抜き取って頸動脈を切り裂いたりする。
 最終話では敵の攻撃を受けて重傷を負ってしまうも、それを仲間に隠して最後の仕置を行い、チーム解散後に1人倒れ伏してしまう。それでも生に執着しながら立ち上がるシーンは屈指の名シーンである。

 直次郎(演・本田博太郎)
 やくざに憧れている明るい陽気な若者だが、食い逃げで捕まりそうになったところを偶然京山に救われた事から、一座と行動する事になり、京山を襲った刺客を撃退した事から仕舞人の存在を知って、仲間に加入する事になる。
 長ドスを使った一発勝負の居合斬りを殺し技としており、自分のギリギリの極限状態にまで追い込み、腕の未熟さを天性のセンスと奇襲戦法で補って標的を仕留める。
 陽気な性格で一座のムードメーカーだが、若さゆえに思い入れも強く、被害者に必要以上に感情移入してしまうこともあった。最終話では最後の仕置を終え、チーム解散に伴って一座を離れた京山達を見送り、一座と共に旅立って行った。

 おはな(演・西崎みどり)
 一座の踊り子の1人で、踊り子達の中でのリーダー的存在。行き倒れになりかけたところを助けてくれた京山に恩義を感じており、実の母親のように慕っている。当初は裏稼業のことは知らなかったが、偶然殺しの現場を目撃してしまい、晋松に口封じされそうになるが京山の口添えで一命を取りとめ、以後は仕舞人の仲間として活動する。
 情報収集や敵の陽動が主な役目で、京山達の密談を他の座員たちに聞かれぬように見張りを努めたりもした。最終話でチームが解散してからは京山とともに巡礼の旅に出た。

 善行尼(演・原泉)
 駆け込み寺・本然寺の庵主であり、全国の駆け込み寺124ヶ所も束ねる老尼僧。女達のつもり積もった恨みを晴らすべく、足を洗っていた京山や晋松に働きかけて仕舞人として旅立たせる。

 春海尼(演・宮田圭子)
 本然寺の尼僧。善行尼の指示を受けて、旅先の京山に依頼料や依頼の情報を届けたりする。



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