助け人走る
1973年10月20日〜1974年6月22日 全36回
☆オープニングナレーション
どこかで誰かが泣いている
誰が助けてくれようか
この世は人情紙風船
耳をすませた奴は誰
泣き声目指して走る影
この世は闇の助け人
(作:早坂暁 語り:山崎努)
☆エンディングナレーション
助け人の存在を証明する記録は 何も現存していない
ただ 江戸の庶民達は彼らを義賊という名で
あるいは世直しという名で 密かに語り続けた
伝えられる闇の助け人の総数 26人
(作:野上龍雄 語り:山崎努)
☆主題歌
「望郷の旅」
作詞:安井かずみ、作曲:平尾昌晃、編曲:竜崎考路、歌:森本太郎とスーパースター
佐賀潜の短編小説「清兵衛流極意」を基本として、現代で言う人材派遣業、簡単に言えば何でも屋の「助け人」達の表と裏の活躍を描くシリーズ第3弾。
俗に言われる「仕置人殺人事件」の余波を受け、タイトルからは「必殺」の文字が抜け、作風も前2作とは趣を変えたものとなっている。彼ら助け人はあくまで苦しんでいる人間を合法、非合法問わずに「助ける」ことが使命であり、最初から「殺し」を前提として行動しているのではない。「助け仕事」の付加として、悪人を殺しているのである。最初から「殺し」を行うために行動しない助け人は、ナレーションにもある通り「義賊」的な扱いを受ける事となった。
しかし、やはり必殺本来の味である「情念のドラマ」、「悪人殺しの爽快感」と「義賊」を両立させる事は難しかったらしく、初期作品において既に殺しを前提とした助け仕事が描かれるなど、製作者側も困惑していた時期があったようだ。しかし、前2作にも増して描写される事となった助け人達の日常は元気よく、爽快感溢れるものとなった。特に初期作では助け人達はとにかく走り回っている印象があり、元締制を復活させた事もあって、配下である助け人が自由に行動できる布石が出来たとも考えられる。他にも、正月第一弾の12話「同心大疑惑」においては、中村主水がゲスト出演するなど、ファンサービスも充実していた。
だが、番組中途において、助け人世界は突然の変貌を迎える事となる。24話「悲痛大解散」において、闇の稼業の存在が奉行所に知れてしまい、シリーズ初のレギュラー死亡を経て、チームは解散状態に陥ってしまう。しかしそれでも助け人達はそれぞれの立場で苦悩しながらも、裏稼業の人間として生きる道を選ぶ。そこからは再びシリーズの真骨頂と言うべき、人間の情念や業をまざまざと描き、その中で嘆き苦しむ市井の人間に代わって悪を裁く従来のスタイルに転換された。
助け人の世界は、シリーズ中で最も変遷が激しい作品といえるかもしれないが、前2作で培われた「必殺シリーズ」としてのエッセンスはふんだんに盛り込まれており、尚且つ、次なる新しい物を模索したスタッフの英知の結晶とも言えるであろう。
☆登場人物
中山文十郎(演・田村高廣)
居合を得意とする、由緒正しい素浪人。ドブさらいから妾のボディガードまで、表の助け人稼業を楽しみながらこなすが、大の男がやる仕事ではないと、妹のしのにいつも文句を言われている。
裏の仕事ではその剣技を存分に振るって、悪人を地獄に送る。普通の刀の他、「兜割り」と言われる異形の短刀、そして「鉄心の大刀」と言われているらしい、刀の形をした鉄棒を使って相手の骨を砕いたりもする。剣の腕前は主水と互角の勝負を展開するほど。
遊ぶのが好きだが、妹の手前もあってか平内ほど遊んではいない。それでも酒は大好物で、しょっちゅう他のメンバーとつるんで酒を飲んでいる。お吉とは口ゲンカばかりしてしまうが、憎からず想っている。
自分が裏稼業に手を染めている反動からか、しのを溺愛しており、由緒ある家に嫁がせるために決して男を近づけさせないが、最終話で利吉との仲を認めた。
辻平内(演・中谷一郎)
助け人として市井の中で暮らしているが、元は辻家の投手である武士であった。侍の矛盾した世界に嫌気が差し、家を捨てて今では気ままな生活を送っている。
文十郎とは悪友と言った感じで、仕事以外でも一緒にいて何かをしている事が多い。文十郎以上に遊び好きで、特に女には目がない。更にヘビースモーカーで、家には様々な種類の煙管があり、結構なこだわりがある模様。
家を捨てたものの、妻の綾(小山明子)のことは忘れてはおらず、毎月八の日には生活費を送っている。しかし裏稼業が露見した事により、本当に辻家と縁を切らざるを得なくなってしまった。
得物は煙管の中に仕込んである太い針で、これを脳天や脊髄など、相手の急所に刺して止めを刺す。
島帰りの龍(演・宮内洋)
20話から登場した一匹狼の助け人。表の仕事を持たず、裏稼業のみで生きている。無口でクールな性格で、あまり仲間とも付き合わない。別口で依頼された件から、始めは清兵衛とも敵対していたが、清兵衛の実力、そして器量にふれ、清兵衛配下の助け人となる。
普段何をしているのかは仲間も知らないほど、私生活は謎に包まれている。特定の家も持たず、神社の床下を借りて定住している。
武器は一切使わず、その怪力と格闘術を持って相手を仕留める。止めの際にはジャイアントスイングや脳天逆落としで相手の首骨を砕き、息の根を止める。他にもその格闘術で、雑魚との大乱闘を演じる事もある。
最終話において仲間を逃がすために捕り方と大乱闘を演じ、最後には役人を道連れに川に転落、そのまま行方不明となってしまい、生死不明のまま。
清兵衛(演・山村聡)
大工の棟梁で、表、裏双方の助け人の元締。今でこそ引退したものの、かつては「幻の清兵衛」と謳われたほどの盗賊。番頭である利吉や為吉は盗賊としての部下でもある。
常に後方から助け人達をサポートするのが主な仕事だが、現在でもその腕は衰えておらず、敵地への潜入や探索、時には愛用のノミを使っての殺しを行うこともある。
油紙の利吉(演・津坂匡章)
助け人の番頭と密偵を勤める。軽い性格だが根は真面目。チームが解散状態になり、清兵衛が江戸を去っている期間は、彼が依頼人との仲介を勤めた。
しのと恋仲にも関わらず文十郎には認められていなかったが、最終回でやっと許しを得、二人で旅立って行く。
為吉(演・住吉正博)
助け人の密偵で、利吉の弟分。利吉不在の時は番頭も勤める。実は家族がいるが、自分のしている行為のため、子供には自分が父親だと思わせないようにしている。
24話で奉行所に捕らえられ激しい拷問を受けるも、最後まで仲間の秘密を守ったままで、死んでいった。シリーズ史上初のレギュラー殉職者。
お吉(演・野川由美子)
文十郎に惚れている芸者。しかし合うと口ゲンカをしてしまうことが多い。5話で偶然から裏稼業の事を知り、以降仲間となって助け仕事の手助けを行う。
最終話、旅立つ文十郎と共に江戸を離れる。
中村しの(演・佐野厚子)
文十郎の妹。明るく爽やかな茶屋娘で、周囲からの人気も高い。本人は利吉と惚れあっているのだが、文十郎に反対されるので表立って交際はしていない。25話で兄の裏稼業の事を知ってもなお文十郎を信じるという、強い心の持ち主でもある。
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