1972年4月7日〜1973年3月30日 全52回
☆主題歌
「ウルトラマンA」
作詞:東京一 作曲:葵まさひこ 歌:ハニーナイツ、少年少女合唱団みずうみ
昭和46年に華々しく復活を遂げた「帰ってきたウルトラマン」は、作品的にもテレビ番組的にも成功を収め、必然的に次の作品を制作する流れとなった。新作が放映される昭和47年は前年に放送が開始された「仮面ライダー」が大人気を博していたことにより、第二次怪獣ブーム、いわゆる「変身ブーム」が絶頂を迎えていた時期である。そんな時流にあわせて制作側は「帰マン」が打ち出したリアリティと、ウルトラマンが元来持っている神秘性とを掛け合わせ、尚且つ様々な新機軸を加える事でヒーロー作品の決定打となるべき作品を創造しようとした。それが「ウルトラマンA(エース)」である。
身長40メートル、体重4万5千トン。地球から300万光年離れた位置に存在しているM78星雲・光の国の出身で、宇宙の平和を守るための大部隊・宇宙警備隊に所属しており、その中のエリート集団であるウルトラ兄弟の五番目である。
身長45メートル、体重4万5千トン。ウルトラ兄弟の長兄であり、ゼットンに敗れた初代ウルトラマンを救うために初めて地球を訪れ、その際は宇宙警備隊の隊員であったものの、後に隊長に昇格している。
身長45メートル、体重4万5千トン。宇宙警備隊の大隊長であり、隊に所属しているすべてのウルトラ戦士から実の父のように慕われている。
本作は前作「帰マン」で打ち出されたリアリスティック路線を基本路線として継承しているが、それと同時にウルトラマンという作品が元々内包していたファンタジー性への回帰という命題も作品内に含まれており、それはかつて「ウルトラセブン」に参加し、独自の幻想性を取り入れることを作風とする市川森一がメインライターとして参画した事からも顕著である。さらに本作独自の新機軸としては男女2人によるヒーローの合体変身、一作を通じての共通の敵や怪獣を越える生物兵器・超獣の存在、主役ヒーローであるエースを「ウルトラ兄弟の五番目」とすることでウルトラマンのファミリー化、擬人化を促し、歴代ウルトラ戦士のゲスト出演を容易にする、などが挙げられる。これらの要素をふんだんに取り入れた純然たる娯楽活劇の要素を湛えてウルトラマンAは制作される事になる。本作の制作開始段階では著作権問題によるタイトル変更、俳優の負傷による主役交代などの問題もあったが、無事に放映を開始することとなった。
第1話からウルトラ五兄弟が勢ぞろいしたり、前作以上にアクションを派手で見栄えのあるものにするなど見所は随所に見られる本作だが、早くも放送開始直後の時点で視聴率的には苦戦を強いられてしまう。これには様々な要因があるが、最大の理由としてはやはりリアリティとファンタジーを同一世界観の中におく、その方法論が完全に構築されていなかったことによるものだろう。そのために当初1クールは全体的に消化不良の感は否めない。早くも第5話でエースと共闘する事になるウルトラ兄弟についても、メインターゲットである児童には良いサービスとなったものの、逆にエースの弱さを印象付けてしまっているのもまた事実である。
だが第2クールに入って始まった「夏の怪奇シリーズ」以降は本作の基本コンセプトであるファンタジーの路線を忠実に展開するようになっていき、従来以上にTACのメンバーのストーリーを描いたり主人公側の青春ドラマを描くなど、きめ細かい人物描写を増やす事でリアリスティックなドラマを維持してもいる。さらにウルトラ兄弟に関しても2クールでは登場を控えるようになり、第3クール以降はあくまでエースの補助的立場として登場するにとどまっている。これはエースと言うニューキャラクターを育成する上での理想的措置の一つとも言えるだろう。
だが2クールから3クールへの移行時期に本作は共通の敵であるヤプールの退場、主役の一人であった夕子の退場、新レギュラーの梅津ダンの参入など大きな路線変更を行う。作品も半年を過ぎてようやくその世界観が視聴者に根付いてきた矢先の事だけに、この路線変更には少々疑問の余地も残るが、結果としてはヤプールと言う敵に縛られる事のない自由な作劇が可能となったのも事実であり、既存設定に縛られないバラエティに富んだ作品が続出する。また、前半ほどではないもののウルトラ兄弟の客演も頻繁に行われ、さらにウルトラの父や南夕子の再登場、冬の怪談シリーズといったバラエティ編なども立て続けに企画され、その豪華さには目を見張るものがある。
様々な紆余曲折の下に、最後に拠り所となるものはウルトラマンと言う力ではなく、人間の善性そのものであるというテーゼを伝えた最終回を迎えることで完成した本作は、一年間の長期作品としては散漫になってしまったという印象がある。しかし本作が神秘性を湛える謎の宇宙人であったウルトラマンを人間に近い存在であるヒーローとして脱皮させたのは事実であり、これが事実上、第二期ウルトラシリーズの方向性を定めたとも取ることができる。そしてその「ヒーローであるウルトラマン」の路線は次作「ウルトラマンタロウ」において頂点を迎える事になるのである。
異次元人ヤプールが地球征服を企んでいる事を知り、4人の兄と共に地球を来訪、超獣の猛攻から子供たちを守るために命を落とした勇気ある青年・北斗星司と南夕子に銀河連邦の一員である事を示すウルトラリングを授け、2人がリングの啓示に従って合体する事によってその姿を現す。
必殺技は赤、青、黄の極彩色を湛えるメタリウム光線で、それ以外にもパンチレーザー、タイマーショット、ウルトラスラッシュなど歴代戦士以上に技が豊富であり、中には変身前の2人の生命にまでダイレクトに影響を与えてしまうエースバリヤーなる荒技も持っている。特に切断系の技を得意としており、必殺のウルトラギロチンはそのあまりの威力から使用を禁じられていたほどである。その応用技としてバーチカルギロチン、サーキュラーギロチン、ホリゾンタルギロチン、ギロチンショットなどがある。実体剣であるエースブレードを使用する事も可能で、緊急時には頭部の穴部分から太陽エネルギーを吸収する。兄弟や母星と連絡を取る際にはウルトラサインというものを使用し、これを使っていかなる場所にいても兄弟と連絡を取り合うことができる。
弱点は歴代戦士と同じく3分間の活動制限。そのために妖星ゴランに太陽光を遮られてしまった時は大苦戦を強いられた。他には寒暖の気温差がないM78星雲で育ったため、極端な寒さに弱く、超獣の冷凍攻撃によって氷づけになってしまうこともあった。
数々の戦いを兄弟たちや地球人たちに助けられながら乗り越えていき、最終的には宿敵ヤプールを撃退することに成功、任務を終えた彼はヤプールの妖計にかかって人を信じる事が出来なくなってしまった子供たちに、どんなに傷ついてもいつまでも信じる心を失わないで欲しいとメッセージを残し、夕陽の空を背に故郷へ向けて飛び立って行った。
兄弟のリーダー格として兄弟を支える立場にいるが、その戦闘力は絶大で、数多くのウルトラ戦士の中でも唯一87万度の光線を発することが出来、そこから必殺技・M87光線の名前が生まれた。それ以外にも本作中ではウルトラコンバーターやウルトラマジックレイなどのアイテム類を多用してエースを救出している。しかし本作では極寒のゴルゴダ星やヒッポリト星人の不意打ち攻撃などにあい、存分に実力を発揮できなかった面もある。弱点はウルトラ戦士の例に漏れず、活動時間の制限と極端な寒さ。
戦闘の際にはイニシアチブを執ることも多く、後に発生したウルトラキー強奪事件においては兄弟の陣頭に立って犯人と目されるアストラを庇うレオと戦った。別の話では勇士司令部に所属しているウルトラマンネオスと、そのお目付け役としてウルトラセブン21を地球に派遣してもいるようだが、詳しい事は不明。
勇猛で戦闘力も非常に高く、ウルトラアレイなどの道具も縦横にこなして敵を撃退する。さらに後の話であるが、落命した生物を蘇生させるという超常的な能力も有する。しかしヒッポリト星人に敗れた五兄弟を救うために初めて地球を訪れた際は、ウルトラの星から急いで駆けつけたためにエネルギーの大部分を消費してしまっており、そのためヒッポリトに追い詰められ、結果的にカラータイマーにこめた最後のエネルギーをエースに託すと同時に死亡した。
しかしその後復活して、クリスマスに暴れるナマハゲとスノーギランを撃退するためにサンタクロースの扮装をして夕子と共に地球を訪れた。それ以降も直接姿を見せる事はほとんどないものの、常に地球で戦うウルトラ戦士を見守っている。
☆登場人物
北斗星司隊員(演:高峰圭二)
元は広島県福山市でパン屋の運転手をしていた青年。ベロクロンの襲来を受けたにも関わらず、パンの到着を待つ子供たちの下へ向かうために超獣へ立ち向かい、その最中で偶然出会った夕子と共に命を落としてしまうも、ウルトラマンエースの命を受けて蘇生、TACに志願入隊して正隊員として活躍する。
血気盛んな熱血漢であり、悪い事は絶対に許せない熱い心を持っている、悪く言えば子供っぽい面を持っているが、反面とても純粋な気持ちも持っており、事件に巻き込まれた子供たちともすぐに打ち解ける事ができる。若干無鉄砲でもあるのでしばしば暴走してしまう事があるが、ブレーキ役となっていた夕子が冥王星へ旅立ってからは次第に冷静さを持ち合わせるようになり、成長のあとを窺わせている。
笑顔が似合う好青年だが、父親の記憶がないという過去を夕子に話す時もあった。パートナーである夕子にはあくまでパートナーとして接し、それ以上の感情は持ってはいなかったようである。
最後にはヤプールの罠によって正体を明かさなければならなくなり、自分の子供たちへのメッセージをエースに託して伝え、エースと一体化したままでウルトラの星へ帰って行った。
南夕子隊員(演:星光子)
元は広島県福山市で看護婦をしていた女性。ベロクロン襲撃の際に車椅子の少女を助けようとして逃げ遅れ、その際に出会った北斗と共に命を落としてしまうが、エースから銀河連邦の一員の証であるウルトラリングを授かり、北斗と共にTACに入隊してヤプールとの戦いに身を投じる。
普段は美川隊員とともにオペレーター業務をすることが多いが、緊急時には前線へ赴いて積極的に戦闘にも参加する。落ち着いた心優しい性格の持ち主で、暴走しがちな北斗のブレーキ役になることも多く、同じエースの力を持っているために北斗の理解者になることが多い。
血液型はO型で、O型女性失踪事件においては地底へ乗り込むために自らが囮になったりもした。誕生日は北斗と同じ7月7日で、あくまでパートナーとして接する北斗に対し、女性として微妙な心情を抱いていたようでもある。
実ははるか昔に超獣ルナチクスによって滅ぼされた月星人の末裔であり、仇敵を撃退したあと、冥王星で復興活動をしている生き残りの月星人の手助けをするため、北斗にウルトラリングを手渡して地球を去って行った。
竜五郎隊長(演:瑳川哲朗)
TAC日本支部の隊長。鬼隊長の異名を持つほどに任務には厳しいが、基本的には沈着冷静な性格で、尚且つ行動力も兼ね備えている人物。責任感の強い人間であり、危険な任務であるほど部下任せではなく自分自身で作戦を遂行しようとする。パイロットとしての腕も一流。
人命を何より尊重しているが、その人命を守るために隊員の命を犠牲にする考え方も否定しており、ゴルゴダ星衝突事件では上層部と対立する事もあった。情にも厚く、隊員たちが何らかのミスをした場合でも臨機応変にその処分を解除して任務にあたらせる事もある。
家族がいるかどうかは不明だが姉が1人いるらしく、ヤプールによる子供失踪事件では姉の子供も異次元にさらわれてしまっていた。
山中一郎隊員(演:沖田駿一)
TACの副隊長的立場にいる隊員であり、戦闘においては実質的な戦闘隊長となって現場の指揮をとることも多い。射撃の腕が超一流で、常に二丁のタックガンを携帯しており、その二丁拳銃を自在に使いこなして標的をしとめる。
非常に現実的な性格をしており、さらに頭に血が上りやすい性格をしているので、自分の感性のままに突っ走ろうとする北斗と対立することが多い。メトロン星人Jrの罠によって婚約者であるマヤを失っている。
今野勉隊員(演:山本正明)
小太りの体型で、隊の中ではギャグメーカーで通っている隊員。その容姿からは想像もつかないが実はロケット工学の権威で、任務に対する使命感は人一倍強い。九州のお寺出身であり、そのためか何かと言うと「ナムアミダブツ」と呟く癖がある。
出撃直前にトイレに行くなど緊張感に欠ける面もあるが、その人懐っこさと明るさはTACになくてはならない存在。女性には優しく、一時はカメラマンの鮫島といい仲になっていたようだが、進展は不明。
吉村公三隊員(演:佐野光洋)
温和な性格の隊員だが、宇宙生物や機械類に詳しく、戦闘においても射撃の腕を存分に振るう。しかしやはり真骨頂はその豊富な知識であり、ゴラン事件の際に突如出現したムルチの正体を瞬時に看破したり、バッドバアロンの変化した気球の正体を見抜いたりと、その知識を最大限に発揮してTACの作戦遂行を有利に導く。
岡山出身で家は小さな雑貨屋を開いている。
美川のり子隊員(演:西恵子)
TACの紅一点であり、主に夕子と一緒にオペレーター業務を努めるが、実は爆弾に関するスペシャリストであり、高性能爆弾や小型の時限スイッチなどを常時携帯している。戦闘に参加する際は主にタックファルコンやタックスペースのサブパイロットを努め、竜隊長のサポートを行っている。
ガラン事件において偏執的な愛情を抱くマンガ家に監禁されてしまうという難儀を味わっている。
梶隊員(演:中山克巳)
TAC兵器開発部の主任技師で、冷静さにかけては竜隊長とほぼ互角なほど。その専門的知識を生かしてタックガンのアダプターや超獣粉砕ミサイル、ゴラン迎撃ミサイル・マリヤ1、2号の設計開発まで様々な仕事をこなす。それ以外にも超獣の特性や能力の分析にも長けており、作戦会議にもよく参加してメンバーをサポートする。
メトロン星人Jrによって消失してしまったマリヤ2号の設計をすべて記憶しているなどの天才ぶりを披露することもあるが、ヒッポリト星人戦においては自分から最前線での戦いを志願し、果敢に戦いを挑んだ。
梅津ダン(演:梅津昭典)
北斗と同じアパートに住んでいる少年。普通の人間でありながらウルトラの星を見ることが出来、そのため「ウルトラ六番目の弟」を自称している。父親はギタギタンガ襲撃事件の際、少女を助けようとして死亡している。
極めて普通の子供らしく元気で明るい少年で、彼の行動力が事件解決の遠因となることもあった。
梅津香代子(演:宮野リエ)
ダンの姉で、北斗と同じアパートに姉弟2人で暮らしている。ファイヤーモンス事件ではファイヤー星人が化身した叔父・三郎にだまされてしまう一幕もあった。