1974年10月19日〜1975年3月29日 全24回
☆主題歌
・オープニング
「アマゾンライダーここにあり」
作詞:石ノ森章太郎 作曲:菊池俊輔 歌:子門真人
・エンディング
「アマゾンダダダ!!」
作詞:八手三郎 作曲:菊池俊輔 歌:子門真人
第1次オイルショックの真っ只中に立たされた昭和49年は、あらゆる面において映画、テレビの特撮作品が被害をこうむった。さらに「マジンガーZ」に代表される数々のロボットアニメ作品が隆盛を迎え、特撮ヒーロー作品は全体として厳しい状況を迎えていた。そんな中で制作されたのが「仮面ライダーX」であったが、数々の新機軸を盛り込んだ意欲作であったものの後続作に影響を与えるまでには至らず、そこで仮面ライダーシリーズは作品当初のテーマ「怪奇アクションドラマ」に立ち返る事を目的とした次作品を制作することになる。それが「仮面ライダーアマゾン」である。
古代インカの秘宝を示す鍵の一つ・ギギの腕輪を十面鬼の手から守るために、アマゾンのジャングルに住む古代インカの血を引く長老バゴーが、ジャングルに住む野生の日本人青年・アマゾンに古代インカの秘術を施し、ギギの腕輪を移植することで誕生したマダラオオトカゲの能力をもつ改造人間。
古代インカ帝国に伝わる秘宝「太陽の石」を動力源とするアマゾンライダー専用のオートバイ。バゴーが設計を行い、その設計図を高坂教授を経て受け取った立花藤兵衛が組み立てたものである。
第1作以来3年も経って自然にライダーに備わってきたヒーロー性を排除し、改めて異形の怪物を主役とすることで作品当初が持っていた怪奇性、神秘性を真正面に打ち出す事にする。これが「アマゾン」における作品の基本理念である。この「自然への回帰」という姿勢は、60年代から70年代前半にあった科学万能主義が批判され、オカルトブームを始めとして精神世界を大切にするという傾向が台頭してきた事と無関係ではない。
出来上がったドラマは歴代シリーズで培った土壌を下敷きにしながらも、狙いどおりの怪奇でアンダーな世界を構築し、同時にアクション面においても洗練された格闘技とは一線を画す異形の怪物同士の文字通りの「肉弾戦」を忠実に描写し、ヒーローとして当時既に完成していた「仮面ライダー」像をある程度破壊し、それとは異なる魅力を生み出した。さらに敵側も今までの科学信仰に伴って発生する軍隊的組織ではなく、1人のカリスマ的存在によって統括されている宗教的組織という、歴代的組織とはまったく異なるイデオロギーを湛えており、それがまた独自の魅力を生み出すのに一役買っていた。
だがそのテーマは必ずしも全編に渡って表現されたわけではなく、序盤において既に怪奇性は一旦影を潜め、歴代シリーズに見られた正統派の作品が頻出する事になる。だが組織交代劇を含めて「アマゾン」の持っている独特の世界観が揺らぐ事はなく、「アマゾン」の世界は確固たるものへと昇華されていく。客演可能な歴代ライダーが5人もいながら1人も登場していないというところも、「アマゾン」という作品の理想的育成上、非常に効果的なものであった。
しかし本作品はシリーズ最短の24話で終了する事になってしまう。これは当時の第1次田中内閣の日本改造論の中で行われた報道機関の統一に起因するもので、仮面ライダーシリーズは関西の毎日放送をキー局としていたが、関東圏での放送局はNET(現・テレビ朝日)であり、こちらは提携局ではなかったので75年4月1日をもって東京での放送局をTBSに移行したのである。このような自体の収拾をつけるために「アマゾン」はわずか24話で放映を終了する事になり、放送局を移動したTBSでは次作「仮面ライダーストロンガー」が始まるわけである。ちなみに「アマゾン」の後番組として制作されたNETの番組は「秘密戦隊ゴレンジャー」であった。
稀に見る異例の事態によって終了する事になってしまった本作品は、その真価を完全に発揮できたとは言い難い。しかし「仮面ライダー」という作品の原点を改めて見返し、それを推敲し直したという点において本作の貢献は決して小さくはない。そしてシリーズは第一期シリーズの最後を飾る「仮面ライダーストロンガー」へと進んでいくのである。
元々幼少の頃からジャングルで暮らしていたために卓越した運動能力を身につけており、それは改造される事によって飛躍的に向上した。特にその敏捷性には注目すべきものがあり、コンドルジャンプと呼ばれるその跳躍に代表される俊敏な動きで相手を撹乱、野獣のようにその牙や爪、腕と足についている鱗カッターを用いての打撃や斬撃で戦闘を行う。背びれは戦闘時に幾度となく上下して威嚇作用を示し、鱗カッターを用いて敵の急所を切り裂く最大の必殺技・大切断は数々の獣人を葬り去っていった。
改造される事で超感覚能力も常人より遥かに高いポテンシャルを誇るが、何よりも長い野生生活を続けたことによって身につけている野生の勘を使って敵の行動を予測する。日本に渡ってからは洗練された格闘技も新たにマスターし、アマゾンキックに代表される多種の技を披露する。さらに愛車・ジャングラーを駆ってのバイクテクニックにも秀でた冴を見せ、それを使って窮地を脱する事もあった。またベルトのコンドラーはロープにすることが出来、緊急時にはこれを使用して高所への登攀や敵の捕縛を行う。
改造人間としての能力、エネルギーはすべて左腕に装着されたギギの腕輪に司られており、その神秘の力は失明したアマゾンの視力を回復させたり、身体を高熱で包み込むと同時に背びれや鱗カッターを振動させて障害物を突き破るなど、様々な局面で真価を発揮する。この腕輪を無理に外される事はアマゾンの死を意味する。
十面鬼率いるゲドン、そして謎の支配者によるガランダー帝国を相手に、慣れぬ土地である日本で善戦を続け、最終的には腕輪の片割れ・ガガの腕輪を取り戻し、2つの腕輪のエネルギーを用いた最後の技・スーパー大切断で支配者を撃退、使命を終えて第二の故郷であるアマゾンへと帰国していった。
アマゾンライダーの顔を模したカウル、グライディング飛行も可能とする背部の大きな一対の翼など奇抜なデザインを持つが、太陽の石を動力源とすることで半永久的に走行することができる。アマゾンの脳波を探知する事も出来、それによる遠隔操縦も可能。跳躍能力も高く、その形状に似合わぬ高速移動を可能としている。
最高時速は300キロで、それによる体当たり攻撃を行う時もあり、さらにカウル部分から銛を発射して牽引を行う事もある。
☆登場人物
アマゾン・仮面ライダーアマゾン(演:岡崎徹)
山本大介の本名を持つ日本人青年。赤ん坊の頃に南米アマゾンの奥地で飛行機が墜落事故を起こし、その自己の唯一の生き残りが彼である。以来23年間をジャングルの中で生活してきた。アドレナリンを急激に分泌する事で細胞組織を組み替えて、改造人間である仮面ライダーアマゾンに変身する。改造時にバゴーにかけられた催眠暗示の下、高坂教授に会うために祖国の日本へと旅立った。
ジャングルの野生動物によって育てられてきたため、常人を遥かに上回る感覚能力や運動能力、さらに野生の勘を有し、その怪力はオートバイを素手で持ち上げてしまうほどである。だが文明社会から一切隔絶された場所で育ったため、当初は一切言葉を話す事が出来ず、まさひこの指導のもとでようやく日本語をマスターした。バイクに関しても天性の才能があるようで、見たばかりのバイクを果敢に操ってまさひこを救出したりもしている。
動物を相手に育ってきたためか本来はとても純粋な気持ちを持つ若者であり、争い事は好まない。「トモダチ」のサインを親愛の印として使い、まさひことは唯一打ち解けあった、日本で最初の友達である。しかし純粋であるが故に人間の暗部を理解する事が出来ず、一時はホームシックになって使命を達成する前にアマゾンへの帰国を願う事もあった。
温和な性格の反面、自分の平和な生活を脅かす敵に対しては容赦のない怒りを示し、野獣の闘争本能そのままに獣人たちに立ち向かっていく。バゴー達古代インカの末裔とも知己だったためか、古代インカに関する知識も持ち合わせており、インカの縄文字も自分で解読した。また独自の薬草を調合する事もできる。
ゲドン、そしてガランダー帝国を壊滅させて古代インカの秘宝を守り抜き、戦いを終えた彼は仲間たちに別れを告げ、第二の故郷であるアマゾンに帰還して行った。
岡村まさひこ(演:松田洋治)
高坂教授の甥でもある小学二年生の少年。元気で明るく、好奇心が旺盛というごく普通の少年だが、港の倉庫の中で偶然アマゾンに出会い、そこでアマゾンと「トモダチ」のサインをかわし、以来アマゾンの第一の親友となった。アマゾンが仮面ライダーを名乗るようになったのは、彼が変身した姿を初めて見た時のまさひこの言葉に由来している。
両親は既に亡くしており、現在は姉のりつ子と2人暮し。日本では全くの孤独であるアマゾンの良き理解者としてアマゾンを精神的に支えていく。最終話では旅立つアマゾンと固い握手をして別れた。
岡村りつ子(演:松岡まり子)
まさひこの姉で、無茶をする弟を心配する平凡な女性。当初はアマゾンが日本へ来た事がゲドン襲来の理由だと勘違いし、そのためにアマゾンを憎む一面もあった。しかしその感情をカニ獣人に利用され、命をかけて自分を救出してくれたアマゾンに恩を感じ、それ以降は良き協力者としてアマゾンを見守る。
9話ではアマゾンのために冬服用の上着をプレゼントしていた。
モグラ獣人(声:槐柳二)
元ゲドンの獣人。地底を移動するのを得意としているが地上においても俊敏な動きを見せ、そのスピードを利用して残像による撹乱術も行う。アマゾンによって致命傷を受けて敗走し、その罰として拷問死の宣告を受けてしまう。しかしその最中をアマゾンに助けられ、以後はゲドンを裏切ってアマゾンと行動を共にするようになった。
地底移動能力などを駆使しての情報収集に力を発揮し、幾度となくアマゾンを支援した。まさひこ達を守って獣人たちとの戦いも経験している。最期はキノコ獣人の撒く最近の解毒薬を作るために獣人に接近するが、逆に獣人に最近を浴びせられてしまい、アマゾン達に見とられながら息絶えた。
立花藤兵衛(演:小林昭二)
1号からXまでの5人の仮面ライダーを育ててきたトレーナー。現在は再び現役のレーサーとして活躍していた。3話でのカマキリ獣人の襲撃においてアマゾンと初めて出会い、彼が「仮面ライダー」である事を知ってからは全面的に協力するようになる。
アマゾンにオートバイの重要性を諭し、4話では知己の間柄であった高坂教授の遺していた設計図を下にジャングラーを制作している。それ以後はアマゾンのオートバイ指導を行う傍ら、事件現場にも愛用のジープを駆って積極的に向かうようになった。