1971年4月3日〜1973年2月10日 全98回
☆主題歌
・オープニング
「レッツゴー!ライダーキック」(1話〜88話)
作詞:石ノ森章太郎、作曲:菊地俊輔、歌:藤岡弘(〜13話)、藤浩一(14話〜88話)
「ライダーアクション」(89話〜98話)
作詞:石ノ森章太郎、作曲:菊地俊輔、歌:子門真人
・エンディング
「仮面ライダーのうた」(1話〜71話)
作詞:八手三郎、作曲:菊地俊輔、歌:藤浩一
「ライダーアクション」(72話〜88話)
作詞:石ノ森章太郎、作曲:菊地俊輔、歌:子門真人
「ロンリー仮面ライダー」(89話〜98話)
作詞:田中守、作曲:菊地俊輔、歌:子門真人
「ウルトラマン」によって牽引された第一次怪獣ブームも終焉し、業界が新たな実写ヒーローを模索する中で東映が製作した等身大仮面ヒーロー作品の決定版。当時「サイボーグ009」など、一連のSFマンガ作品で高い評価を得ていた漫画家・石ノ森章太郎(当時『石森章太郎』)氏に原作を委ね、様々な新機軸を盛り込みながらも、「月光仮面」以来の伝統的仮面活劇の系譜を受け継いだ、言わば現代の「仮面ヒーロー」である。
城北大学生化学研究室に所属している青年・本郷猛が、悪の秘密結社・ショッカーによって改造されてしまった姿。脳改造寸前に恩師でありショッカーの犠牲者でもある緑川博士によって救出され、以後は大自然よりの平和の使者「仮面ライダー」となって、人間の自由のためにショッカーと戦うことを決意する。
裏切り者・仮面ライダーを抹殺するため、ショッカーは新たな仮面ライダーを製作することを決定し、一文字隼人を被験者として改造手術を実行するが、脳改造の寸前に本郷ライダーに救出され、新たに仮面ライダーの名前を与えられた仮面ライダー第2号。ショッカー・ヨーロッパ支部を殲滅するべく旅立っていった本郷の意志を継いで、日本をショッカーから守り抜く決意をする。
本郷猛の改造手術と同時期にショッカー科学陣が製作した、仮面ライダー専用の高性能オートバイ。通常は本郷の常用バイクとなっているが、ハンドル部分のレバーを動かすことでサイクロンに変形する。
あらゆる面において従来のサイクロンを凌駕する、新設計のオートバイ。立花藤兵衛が設計、製作を担当している。
と言っても今作に登場するヒーロー・仮面ライダーは決して明朗快活なヒーローではなく、むしろアンチヒーローの度合いが強い主人公であった。市井の人間がある日突然改造人間という非人間になってしまい、それに対する悲しみや怒りを仮面の下に隠し、世界制覇を目論む悪の秘密結社とただ1人孤独な戦いを続ける。悩むことのない既存ヒーローの設定を裏返したかのようなこの設定は「ヒーロー」というものが単なる一面的な英雄ではない、1人の人間であるという事実を明確に描いており、新鮮に受け止められた。
だが本作最大の特徴はやはりクライマックスに挿入されるアクションであろう。大野剣友会に所属している諸氏によって演じられたライダー、怪人、戦闘員などの胸のすくアクション、トランポリン、バイクチェイスなど、30分の子供番組とは思えない贅沢なアクションシーンが毎度毎度展開されていったのである。さらにそれら被り物の「仮面劇」を支えた、善悪双方を演じた俳優陣の存在も忘れてはならない。
しかし本作は最初から前途多難であった。主人公・本郷猛役の藤岡弘が撮影中の事故で全治六ヶ月という怪我を負ってしまい、さらに作品世界全体をアンダーな空気が覆っていたために、メインターゲットである子供から高い人気を得ることが出来なかった。そこで製作陣は第二の仮面ライダー・一文字隼人を創生し、さらに番組自体を明るい作品へと路線変更していく。スタッフの様々な努力によってやがて本作は押しも押されぬ大人気番組となり、第二次怪獣ブームを引き起こす原動力とまでなった。このブームが俗に「変身ブーム」と呼ばれるのは、無論本作によるものである。
やがて藤岡も番組に復帰、再度の主役交代劇を経てますます人気は高まっていき、結果的に全98話という大作番組となった。本作の成功によって数多くの亜種作品、そして続編シリーズが生み出されることになり、「ウルトラマン」と双璧を成す特撮ヒーロー番組として認知されているということは、もはや周知の事実であろう。
風力をエネルギーとしており、ベルトの風車・タイフーンから風力エネルギーを蓄えて自身の力に変換する。エネルギーを溜めた状態では5万ボルトの高圧電流にも耐えることが出来る。その他、赤外線による暗視機能を備えたキャットアイ、改造人間を探知するOシグナル、人間の十数倍の効力を持つ聴覚、傷も瞬時に治してしまう治癒能力、強靭な体を生成する人工筋肉や人工骨格など、常人を遥かに凌駕する身体能力を発揮する。
最大の特徴はバッタをモチーフとして改造されたその脚力であり、改造されて間もない時期のデータでも、垂直跳び15m30cm、幅跳び48m70cmという驚異的な数値をはじき出している。この脚力を生かして放つライダーキックは最大の必殺技であり、数多くの敵改造人間を葬り去っていった。しかもこれら特殊能力は、訓練いかんによって無限の発展が可能である。さらに専用オートバイ・サイクロンを用いての運転技術も巧みで、数々のバイク戦を展開している。
13話での戦いを終えた後、同じ改造人間となってしまった一文字隼人を救出、彼を第二の仮面ライダーに任命してから自身はヨーロッパのショッカーを壊滅させるために渡欧。以後、幾度かの一時帰国を経て南米へ旅立った隼人の後を受けて再び日本に戻ってくる。その際、自身の体を大幅に強化しており、仮面の色も初期のダークグリーンから淡いメタリックグリーンに変更、手袋とブーツは銀色となり、体側面に二本の銀色ラインがつくことになった。同時にその能力も大幅に強化され、当初は主にオートバイに乗りながら風力を得なければ変身できなかったが、隼人同様に特定のポーズをとって、自由に変身することが可能になった。さらに「技の1号」という俗称が示す通り48種もの技を会得、これらを存分に生かしてショッカー、そしてゲルショッカーと戦ってゆく。
数多の死闘を乗り越え、2号と共についに首領も滅ぼしてゲルショッカーを壊滅させることに成功した。
基本能力こそ本郷ライダーと変わらないものの、いくつかのマイナーチェンジが施されている。その最たるものは自分の意志で自由に変身出来るようになったということであろう。特定のポーズをとることによって体内に収納されているベルトを射出し、そのまま跳躍することで高空の風圧下に身をさらし、それによって風力を得て変身するのである。
隼人が本来持っていた格闘術を生かし、本郷ライダー以上にダイナミックな戦術を展開し、場合によっては戦闘員との剣戟も披露する。そのパワーは絶大であり、大幹部・ゾル大佐への止めの技にキックではなくパンチを使ったほどである。また俗に言われる「改造サイクロン」も併用し、多様な戦術を展開する。ただしこれも隼人の能力と相まって、バイクの技術そのものは本郷ライダーよりも劣る。
その後、南米支部に転任した死神博士を追って日本を離れ、ショッカー大攻勢の際には随時帰国するが、その時の姿は1号同様にパワーアップしたものとなっており、手袋とブーツは赤色となった。1号と比較して「力の2号」という俗称もこの頃に定着し、パンチの連打だけで怪人を爆死させるなどダイナミックな戦術を披露する。
最終決戦時にももちろん帰国、1号と協力してヒルカメレオン、そしてゲルショッカー首領を倒し、世界に平和を取り戻した。
200馬力のジェットエンジンを搭載しており、最高時速300キロ、ジャンプ力30メートルを誇る。高所からの着地にも微動だにしない頑強さを持ち、その頑強さを生かしての体当たり攻撃も存在する。ライダーのベルト脇についているコントローラーで遠隔操作も可能である。
隼人が活躍するようになってからは俗称「改造サイクロン」も併用されるようになり、こちらは傾斜角90度の壁を移動する能力、カウル部分からワイヤーロープを射出する能力などを保有している。
最高時速は500キロ、ジャンプ力は50メートルと大幅にパワーアップ。それ以外の基本性能は大差ないものの、新たにカウルの両側から高速走行時の安定用ウイングが射出されるようになり、同時に高速走行の際のブレーキを補佐するパラシュートブレーキも搭載されている。
今まで通り本郷の常用オートバイが変形するが、ショッカーライダーとの戦いで2号が帰国した時は2号もこれに乗っており、さらにショッカーライダーも偽サイクロンに搭乗していた。
☆登場人物
本郷猛・仮面ライダー(演:藤岡弘)
城北大学(2話からは『城南大学』)生化学研究室に所属している若き天才。スポーツ万能で知能指数は600もあると言われ、その類稀な能力をショッカーに見込まれてしまい、最高級の改造人間に改造されてしまう。しかし強制的に協力させられていた恩師・緑川博士に脳改造寸前に救出され、以後、改造人間となった己の肉体に苦悩しながらも、その心を仮面の下に隠し、人間の自由のために戦う戦士・仮面ライダーとして戦い抜くことを決意する。
基本的に冷静な性格ではあるが、敵の冷酷さを目の当たりにした時は隠しようのない怒りを発露することもある。戦士となる道を選んでからも苦悩を捨て去ることは出来ず、絶えず孤独の影を背負ってしまっている。さらに通常時でも改造人間であるが故の超人的な能力を発揮することが出来るが、そのために子供の手を強く握りすぎて泣かせてしまうこともあった。
元来文武両道ではあるが、特にオートバイの運転技術に天才的な技能を発揮し、立花藤兵衛の下で練習に励んでいる。本人もグランプリレースでの優勝が夢であり、改造人間となってからも積極的に各種レースに参加している。また科学者としての知識と人脈を生かし、ショッカーの策略をいち早く見抜くことも多かった。
13話での戦いを最後に、日本の守りを隼人に任せて単身ヨーロッパに渡り、ヨーロッパ各地に存在するショッカー支部と戦っていた。40、41、52話などで一時帰国した後、今度は南米に旅立った隼人の後を受けて日本に帰国した。その頃にはかつての「孤独の戦士」といった面影は消え、世界平和の使命に燃える戦士としてたくましく成長していた。ヨーロッパ滞在中も現地のレーサーと腕を競い合っていたらしい。
数々の死闘を乗り越えてついにゲルショッカーを滅ぼし、長い苦悩の日々に終止符を打ってからは平穏な日常に戻っていった。
一文字隼人・仮面ライダー(演:佐々木剛)
本郷猛を抹殺するために新たに製作されることになった「仮面ライダー」。その被験者として選ばれたのが彼である。だが脳改造の寸前に本郷によって救出され、ヨーロッパに旅立った本郷の後を継いで日本を守ることを決意する。
スポーツ万能であるが、中でも格闘技に精通しており、柔道五段、空手六段という腕前の持ち主である。職業はフリーのカメラマンで、改造後も時々カメラの仕事をこなしているらしい。改造人間であることを感じさせない陽気な性格で、初対面の人ともすぐに打ち解けることが出来る。しかし天涯孤独の身の上のためか、時としてクールな発言をすることもある。だが真の姿は使命感に燃える熱い男であり、自分が傷つこうとも果敢に戦いを挑む不屈の闘志を持っている。
立花オートコーナーによく顔を出し、本郷同様にレースに出場することもあるが、バイクの腕は本郷ほどではない。強力怪人を撃破するために1人で特訓に励んだりと自分に厳しい面も持つが、仮面ライダーに憧れる子供たちのために、ライダーに変身した状態でサンタクロースの扮装をして子供たちにプレゼントを届けるなど、茶目っ気溢れる部分もある。
劇場版第一作の戦いを最後に南米へ転任した死神博士の後を追って単身渡米。その後もショッカー、ゲルショッカーの大攻勢の折には随時帰国して本郷を援護した。
ゲルショッカーを滅ぼした後は、以前の職であるカメラマンに戻ったようである。
立花藤兵衛(演:小林昭二)
本郷のレーシングトレーナーであり、スナック「アミーゴ」のマスター。かつては自分もオートレーサーであり、現在はメカニックとしてバイクの設計、組み立てに従事、夢はグランプリレースでの優勝である。
当初は本郷の正体を知るただ1人の人間であり、精神面において彼を支える重要な存在である。周囲の人間からは主に「おやっさん」と呼ばれており、時には優しく、時には厳しく接する態度は多くの仲間たちに慕われている。場合によっては本郷や隼人の特訓にも付き合い、新必殺技開発のアドバイスを行う。
自称「変装の名人」であり、様々な変装をして諜報活動を行う時もあるが、その代わりに人質になってしまうことも多い。
14話からは「立花オートコーナー」というバイク洋品店を設立し、そこの会長として活躍。74話から設立された「少年仮面ライダー隊」の会長にも就任する。それに伴って店の方は閉鎖したらしい。
滝和也(演:千葉治郎)
11話で初登場した、レースでの本郷のライバル。だがその実態はショッカーの調査、及び壊滅を目的としてFBIから派遣されてきた特命捜査官である。
藤兵衛と共に本郷や隼人の正体を知る数少ない1人であり、主に戦闘面でのパートナーとして活躍する。隼人と同じ陽性の性格であり、バイクの腕は隼人以上。11話で結婚式を挙げているが、これが偽装結婚だったのかは不明。
本部からの指令に基づいて独自に行動をすることも多いが、少年仮面ライダー隊発足後は隊長に就任し、ライダーのサポートに徹する。意外と綺麗な女性に弱い。
最終話でゲルショッカーは滅び、任務を全うした滝は多くの仲間に見送られてアメリカへと帰っていった。
緑川ルリ子(演:真樹千恵子)
本郷の恩師である緑川博士の娘であり、城北大学文学部に通っている。偶然父の最期を目撃し、誤解から父を殺した犯人が本郷だと疑ってしまうが、2話の蝙蝠男事件においてその疑いも晴れ、それからは罪滅ぼしの意味も込めてアミーゴで働くようになり、本郷の良き協力者としてショッカーに立ち向かっていく。
謎の戦士・仮面ライダーに思いを馳せる時もあるが、そのライダーの正体が本郷であるとは知る由もない。本郷には複雑な想いを抱いているらしいが、詳しいことは不明。
13話以降、ヨーロッパに旅立った本郷の後を追って渡欧してからの消息は不明。
野原ひろみ(演:島田陽子)
ルリ子の親友で、同じ城北大学文学部に通っている。ルリ子がアミーゴで働くようになってからは自分も一緒にバイトするようになる。
好奇心が旺盛でルリ子と一緒に事件に首を突っ込むこともあった。ルリ子が日本を離れてからは立花レーシングクラブ、及びオートショップに出入りするようになる。その際にマリ達を連れて来た所から見て、交友関係は広いらしい。
34話を最後に姿を消した。
史郎(演:本田じょう)
アミーゴで働いているバーテン。気が弱くておっちょこちょい、その上女性に甘いという、典型的な三枚目。ムードメーカーとしてアミーゴ内に存在していた。
藤兵衛がオートショップを開店してからも、少しだけは働いていたようだが、15話を最後にいなくなってしまった。
ユリ(演:沖わか子)
ひろみの紹介で14話よりレーシングクラブに入会した女性。バイクに関してはまったくの素人だが、空手初段の腕前を持ち、それを生かして当初は戦闘員と肉弾戦を演じることもあった。近所の子供達に空手を教えることもあり、後に三段に昇格したらしい。
一緒に入会したマリたちが去ってからもレーシングクラブに残り、最古参メンバーとしてゲルショッカー壊滅までを見届けた。
マリ(演:山本リンダ)
ひろみの友人で、14話よりレーシングクラブに入会した。ユリと同様バイクを運転することは出来ないがフェンシングが得意で、木の棒を使って戦闘員を相手にする時もあった。
結局バイクは運転できずじまいだったようだが、本人は39話をもって退場した。
ミチ(演:中島かつみ)
ユリやマリと同じく、ひろみの友人として14話よりレーシングクラブに入会した。初期メンバーの中ではただ1人、90ccオートバイを乗りこなすことが出来る。
25話まで登場した。
石倉五郎(演:三浦康晴)
ユリたちの入会と同時にオートショップに出入りするようになった少年。大変明るい現代っ子で、クラブのムードメーカー。兄弟のいない隼人や滝にとっては弟のような存在である。
意外にも成績は優秀で交友関係も広い。子供特有の自然な発想が事件解決の糸口になることもあった。65話を最後に退場する。
エミ(演:高見エミリー)
本郷のスイスでの助手。40話でショッカーの極秘計画書を携えて来日した。合気道を使うことが出来、さらに暗号解読も行うことが出来る。
一緒に行動していたミカが去ってからも藤兵衛たちの下に顔を出していたが、68話を最後に姿を消した。
ミカ(演:杉林陽子)
エミと同じくスイスで本郷の助手を務めていた女性。40話でエミと共に来日する。エミと比べるとおっとりした性格で、大きなトランプを使ってのトランプ占いが得意。さらにそれを手裏剣のように敵に投げつけることもある。
52話を最後に姿を消した。
トッコ(演:中島真智子)
53話で多摩動物公園に現れたジャガーマンに襲われた所を助けてもらい、以後クラブに出入りするようになる。
あまり目立たない存在だったが、68話を最後に姿を消してしまった。
ナオキ(演:矢崎知紀)
五郎の友人として62話より登場した少年。腕白な少年で友達の間でもリーダー的存在である。
その後は発足した少年ライダー隊の中心メンバーとして活躍、情報収集に努めるが、時として危険な目にあうこともあった。最終話まで残留し、ライダーとゲルショッカーの戦いを見届けた。
ミツル(演:山田芳一)
ナオキと同じく62話より登場した少年。ナオキに比べると優等生的な面が目立つ。
ナオキと共に少年ライダー隊の中心メンバーとなって活躍、最終話で爆死したと思われたダブルライダーのサイクロンの爆音を聞いた時は、ナオキと一緒に喜んでいた。
ヨッコ(演:中田喜子)
ユリの知り合いとして70話より登場。少年ライダー隊発足後は、本部の通信係を務めることになる。基本的には周りにつられて動くタイプである。
チョコ(演:ミミー)
ヨッコと同じく70話より登場した女性。ヨッコやユリに比べると子供っぽい性格で、見かけによらず食べることが好き。後に少年ライダー隊の事務を担当することになる。