虹野沙希ちゃんへの想い
僕が虹野沙希という女の子に出会ったのは1997年の7月のことだ。当時僕はコンビニでバイトをしており、珍しく金銭的に余裕があった時だった。別に欲しいものもなく、使い道を漠然と考えていた時、「巷で噂の『ときめきメモリアル』でもやってみっか。」と思い、サターンのデラックス版を購入したわけである。
まず最初にクリアしようと思っていたのは最初から沙希ちゃんだった。以前ゲーム雑誌で沙希ちゃんを見たことがあり、その時から「かわいいなあ」と思っていたからである。どうも僕には「髪の毛が青色系でショートの娘」に弱いという傾向があるようだ。そのためにかつては水野亜美ちゃんに転んだこともある。綾波にはなぜか転ばなかったのだが。で、沙希ちゃん狙いでゲームを一回クリアした。・・・・・・落ちた。ハマった(笑)。こんな魅力的な娘に会ったのは久しぶりだった。
僕にとって幸運だったのは、翌月の8月に「虹色の青春」を購入できたことだ。「沙希ちゃんって、ゲーム外の世界ではこんな娘なんだろうな」という自分の思いが結実していた感じがした。基本的にドラマシリーズというのは、「この娘はこういう生活をしているんだろうな」というファンの想いに対する製作者側の一つの解答だと思うのだが、沙希ちゃんに関する限り、僕の抱いていた想いと全くズレは無かった。自分の事よりもまず相手の事を考え、そのために行動してくれる娘。たとえ何があっても、最後まで信じ続けて、雨の神社でいつまでも待ち続け、駆けつけた主人公に笑顔を見せてくれる。
そして留守番電話。『もし良かったら、私を国立競技場に連れていって下さい。』。このセリフを聞いた時、僕には大反転スカイキックと三点ドロップを連続で食らって爆死したグランバザーミーの気持ちがよくわかった(笑)。それくらい衝撃を受けたのだ。「信頼」という見えなくか細い、しかし強い想いを信じて、沙希ちゃんは応援し続ける。完全に僕は参ってしまったといっても過言ではないだろう(古い表現だな)。
その当時の僕の精神状況は、あまり良い物ではなかった。自分のせいではあるものの受験に失敗し浪人の身。女性に関しても、丁度僕が高校生だった頃は「コギャル」という生命体が全盛を極めていた頃で、僕は恋愛というものに一種諦めの感を抱いていた。当時ファンになった必殺シリーズに、男女の性から来る悲劇の話が数多く存在していたことも、それに拍車をかけていた。正直、かなり荒んでいた状況だったのだ。
そこに清涼剤のように現れたのが沙希ちゃんであった。僕はこの娘に出会って、「努力」とか「根性」という、青臭く、今更信じるようなものではないものをもう一度信じてみる気になった。現実の恋愛というものについてももう一度考えることが出来た。努力しても必ずしも報われる事は無い。でも彼女の事を思い出すたび、努力すれば報われるということを信じてみようという気分になる。
僕はこれからも彼女を想い続けるだろう。彼女がそこにいるのなら、そこには華麗な虹が光り輝いているのだから…。