| 改造人間大空を翔ぶ 脚本:伊上勝、監督:山田稔 | ||||||||||||||
| 大空をハングライダーで飛ぶ青年、筑波洋。洋は空中から謎の一団に追われている自動車を発見し、乗車している初老の人物の救援に入る。謎の黒ずくめの男達は乗っていたオートバイを使って洋を襲うが、誤って木に激突してしまう。洋が正体を確かめようとすると、その男は煙を出したかと思うと光を放って消滅した。追われていた人物も何も知らないほうが洋の身のためと言って何も語ろうとせず、自動車で走り去ってしまう。 一方洋の帰りを待っていた仲間達は一向に戻ってこない洋を気遣うが、突如周囲が暗くなった。そして闇の中に浮かぶ異形の顔。その「モノ」は洋が自分の部下を殺してしまったことを示唆し、「償い」と称して中間達すべてを地面に引きずり込んでしまった。戻って来た洋は中間達が誰もいないことに不信を抱くが、地面から突き出たままの手を見て驚愕し、地面に埋め込まれた仲間すべてを掘り出す。あまりにも理不尽に殺された仲間の変わり果てた姿を見て、悲しみと憤怒の涙を流す洋。だが仲間の死体は先程の黒い男と同様、光を放って消滅してしまう。その時洋は森の中から誰かが自分を見ていることに気づいた。その人物――叶みどりに近づいて詰問すると、洋が先程助けた男性・志度博士に頼まれて洋のことを見張っていたのだと言う。洋は博士に会わせてくれるよう懇願し、みどりも洋の熱意に圧されて承諾する。 森の中の社に設けられた地下室、そこに志度博士はいた。洋は仲間が殺されたわけを博士に問い、博士は博に話すことをためらうが、洋にはその覚悟は既に出来ていた。意を決した博士は自分を襲い、洋の仲間を殺し、そして日本各地で発生している怪事件を引き起こした首謀者である、影の組織・ネオショッカーの存在を語る。その時別室にいたみどりが悲鳴をあげる。恐ろしい顔を見たと言うのだ。洋が外に飛び出すと茂みの中に怪しい人間を確認した。だが彼は飛田今太というルポライターであり、とても関係ある人間には見えない。博士は怯えるみどりをなだめるが、どこからともなく不気味な声が響き渡る。しかもみどりに化身していた怪物・ガメレオジンがその正体を現した。再びみどりの悲鳴を聞きつけた洋は急いで地下に戻るが、既に博士は連れ去られたあとだった。さらに今太が化け物を目撃したと聞き、急いでその後をオートバイで追う洋。博士を乗せた自動車に追いついた洋だが、窓から姿を見せたガメレオジンの姿に驚き、さらにガメレオジンの舌攻撃を受けて転倒、瀕死の重症を負ってしまう。自らの行為が元でたくさんの若者を死なせてしまったことに深い自責の念を感じる志度博士だが、洋の生存の可能性にかけた博士はガメレオジンに、洋への改造手術の挙行を懇願する。そこへ現れた幹部・ゼネラルモンスターは洋の改造手術を許可した。洋に興味を持ったネオショッカーは洋を徹底的に分析し、結果組織に有用な人材であると決定したのだ。志度博士によって洋の改造手術が挙行される。かすかな意識の中、様々な思いが洋の頭を交錯する。 気がついた時、洋の周りには誰もいなかった。外に出てみると突然襲いかかってくる黒い男・アリコマンドたち。しかし洋はいとも容易くアリコマンドを倒してしまい、自分の体に戸惑いを覚える洋。そこに現れたガメレオジンは洋が自分と同様、改造人間になったということを宣告した。だが博士は洋が改造人間の真なる姿に変わることを望まず、その方法を教えることを拒む。裏切者と認識した怪人は博士を殺そうとするがそれに洋がつかみかかる。襲い来るアリコマンドを撃退する洋だが、そんな最中に偶然にも自分が変わるための起動スイッチ――変身ポーズを取ってしまった。変身ベルト・トルネードが射出され、反射的に跳躍する洋。そして洋は怪人たちの視界から消えた。池のほとりに着地した洋は己の姿を見て驚愕する。水面に映っているのは洋が「変身」した改造人間としての本来の姿だった。洋を追うガメレオジンの前に颯爽と姿を現す「改造人間」の洋。一方ネオショッカーのアジトでは改造手術の分析が終わり、博士が故意に洋に脳改造を行わなかったことが発覚する。大首領の命令の下、危険人物になる恐れのある洋を抹殺しようとするガメレオジン。怪人は「人にあらざるもの」へと変わった洋を殺そうとするが、あらゆる戦法も改造された洋には通じず、洋が跳躍して放つスカイキックによって致命傷を受ける。そして洋も自分と共に死ぬと言い残して消滅した。と同時に周囲は大爆発を起こし、洋も空中に吹き飛ばされる。その時偶然洋はベルトの両脇についている機械のレバーを下げた。するとなんと洋は自分の力で空を飛んでしまったのだ。その能力に驚嘆する洋。博士は洋が死んだものと思い込むが、そこに洋が姿を見せる。博士は洋の命を救うためとは言え彼を改造してしまったことを謝罪するが、彼は明るい口調で逆に感謝の意を示す。ネオショッカーという悪と戦える力を自分に与えてくれたことを。そしてその力の最たるものとして、洋は先程の飛行能力・セイリングジャンプを博士に披露する。そんな洋に博士は悪と戦う自由の戦士・「仮面ライダー」の名前を与えるのであった。 (解説)前作「ストロンガー」から3年半の月日が流れ、遂に復活した仮面ライダー。その記念すべき第1話は筑波洋という普通の青年が改造人間にされてしまい、そんな彼が個人の拘りを捨てて「仮面ライダー」という戦士になるまでの過程をストレートに、そして丹念に描いた秀作となりました。第1作のリメイクを目指していた本作ですが、その「怪奇アクション」要素もふんだんに取り込まれ、特に洋の仲間たちが地面に引きずり込まれて、手だけが突き出ているというシーンは強烈なビジュアルショックを与えています。ネオショッカーの不気味さと残酷さを明確に伝えると同時に、仲間の死に涙を流す洋のピュアな人間らしさを描くことで、ラストの洋の決意を無理なく描写することが出来たと思います。偶発的な変身や飛行シーンも出来すぎと言えばそれまでですが、これによって視聴者は中だるみすることなく画面を見続けることが出来るので、大目に見たいところです。 (トピックス) ・殺された洋の仲間は男三人、女二人の計五人。最初に洋が掘り出した人物の名前は「遠藤」で、女性のうちどちらかは「しずえ」という名前。 ・洋は絶命したアリコマンドのバイクに乗って戻ってくる。2話以降もこのバイクに乗っているということは、洋はドロボーしたわけか(笑)? ・洋は三年前に事故で両親と妹を亡くしている。最終話時期と設定が合致しないが、あまり気にしないほうがいいと思う。 ・変身した洋、近くにあった石をつかみ、それを握りつぶしている。「人にあらざるもの」を視覚的に表現した名シーン。 ・スカイキックの瞬間、合成によってライダーから見ている視界が挿入される。8話までしか使用されなかったが、個人的にこの演出は好き。 (今週の飛田今太) 今話が初登場。茂みに顔を突っ込んでいる所を、怪しんだ洋に尻を蹴られる。その後ガメレオジンを目撃してその事を洋に告げたあと気絶。最終決戦時にも何故か登場、スカイに蹴られて転がっていくガメレオジンと衝突し、「誰や邪魔すんのは!?」と息巻くが、怪人の顔を見た途端に仰天、殴られて気絶する。 怪奇!クモンジン 脚本:伊上勝、監督:山田稔 | 新たに発足した志度ハングライダークラブに所属するようになった洋は、志度会長、みどり、そして新たに仲間となった杉森ミチと協力してネオショッカーのアジトを探す。その頃ネオショッカーでは新たな改造人間・クモンジンを制作していた。ゼネラルモンスターは怪人に、改造用のスペア人間候補である高森真一を連れ去る命令を下す。真一は弟の健二と共に自動車に乗っているところをクモンジンの糸によって連れ去られてしまい、走行中の車に取り残された健二は通りがかった洋によって救出される。アジトに連行された真一は精一杯の強がりを見せるが、怪人は自身の力をアリコマンドを使って実証し、真一を威嚇する。アジトを探す洋を急襲するクモンジン。だがクモンジンは変身した洋の姿を見て自分の仲間だと勘違いしてしまう。それに乗じたライダーはまんまとアジトに潜入を果たし、真一を救出してスカイターボで遁走する。真一を家まで送り届けるライダーだが、それでも真一の態度は頑なだった。しかし健二はライダーの姿に憧れを抱くのだった。 | しかし自宅に戻った洋は待ち伏せていたクモンジンの迎撃を受け、糸で身動きが取れないまま高所から突き落とされそうになる。それを制したのはゼネラルモンスターだった。ゼネラルモンスターはネオショッカーの目的を洋に語る。人口過多による食糧危機。それを回避するために選ばれた優秀な人材だけを改造人間として存続させ、それ以外の人間を滅ぼすことが彼らの目的だったのだ。その上でゼネラルモンスターは野望完遂のため、洋を組織に戻そうとする。しかし命の尊厳を踏みにじる卑劣な行為を洋が認めるはずはない。断固として断わる洋を処刑せんとゼネラルモンスターは炎を浴びせるが、炎と高所からの落下によって糸の拘束から逃れた洋は変身、飛行することで難を脱する。飛行能力を持つ仮面ライダーの姿に驚愕するゼネラルモンスター。ライダーは急いで真一の家に向かうが、時既に遅く健二がさらわれてしまっており、交換に真一を差し出すように条件が出された。だがそれでも人生に絶望している真一は耳を貸さない。そんな真一にライダーは真摯な説得を行う。人生に命を賭けるようにと。 ネオショッカーのオートバイ部隊をスカイターボで蹴散らすライダー。そのスキに真一は交換場所に到着したが、逆にクモンジンに捕まってしまう。そこへ乱入したライダーは真一、そして健二を救出。糸を使って攻撃してくるクモンジンだがその糸で逆に自分の動きを封じられ、怪人はスカイキックを受けて消滅した。再会に喜ぶ兄弟に幸福が訪れることを、ライダーは空から祈るのだった。 (解説)今話は1話の補完ということで、ライダーの愛車であるスカイターボが初登場したり、1話ではわからなかったネオショッカーの目的と言うものが明確に語られています。その目的も単なる「世界征服」ではなく、優良主たる改造人間のみを残し、それ以外の生物を死滅させるというショッカー的な発想は、セリフ倒れと言われればそれまでですが、第一作に匹敵するほどの恐怖感と不気味さをかもし出しています。中盤のライダーお説教はちょっと間抜けな感じがしましたが、逆を言えば改造人間であるからこそああいう説教にも説得力があるような気がしますね。ただ怪人に強烈な個性がないのが残念でした。全然「怪奇」じゃないんだもんなあ…。 (トピックス) ・今話のサブタイトルはもちろん第一作の第1話、「怪奇蜘蛛男」をパロっている。 ・クモンジンに改造されたスペア人間のナンバーは105。 ・真一は高校野球で名の通った男らしい。冒頭で見る限り、バッターとして有名だったようだ。しかし大学受験に3度失敗している。 ・洋の自宅はマンションの一室。一介の大学生が住むには広すぎるマンションだが、最終三部作の設定を見るとそれもわかる気がする。 ・ライダーが空を飛ぶのを見てゼネラルモンスターは仰天する。っておい、あんた自分らで作った改造人間の能力も知らんのか…。 (今週の飛田今太) 逃げるライダーと真一、それを追うアリコマンド。その最中に突如出現。何が起こっているのか確かめようと望遠鏡で見てみると、視界に入ったのはクモンジンの目。仰天した所に頭に一撃食らって気絶。さらに最終決戦時にも唐突に現れ、飛ばされたアリコマンドの下敷きになって悶絶する。 勇気だ!コウモリ笛の恐怖 脚本:伊上勝、監督:田口勝彦 | 公園で仲良く散歩する親子。しかし一緒に連れていたイヌがどこかへ行ってしまい、それを追いかけた子供ののぶ子はとある廃墟に近づく。するとどこからか聞こえてきた笛の音に誘われるように廃墟の中に入ってしまい、現れたコウモルジンによって冷凍状態にされてしまう。追って来た母親はのぶ子が冷凍車の中に入れられているのを目撃し、そこへ偶然現れた洋が冷凍車を尾行する。尾行に気づいたアリコマンドによって洋は崖から落とされてしまうが、ライダーに変身して窮地を脱出、アリコマンドを撃退して少女を救出しようとするが、トラックの中から出てきた爆発コウモリに足止めを食らい、そのスキに冷凍車は逃げてしまう。母親と一緒にいた会長は現れた公園の管理人に文句を言うが、戻って来た洋から事情を聞いた母親は泣き崩れる。その姿を見てネオショッカーへの怒りを露わにする洋。ネオショッカーは子供の血液にしか含まれていないRHBという物質を摂取し、それによって特殊毒ガスを生成する作戦を遂行していたのだ。洋は必死に子供たちの行方を追うが、深夜コウモルジンの襲撃を受ける。コウモリ笛の音色によって戦うことが出来ない洋は痛めつけられるが、偶然現れた今太のカメラフラッシュに驚いたコウモルジンは逃げていった。 | 洋は誘拐事件が公園の周辺で起きていることに気づくが、そんな中、洋は友達から弱虫とバカにされているさとる少年と知り合った。しかしそのさとるが管理人に化けているコウモルジンが子供たちを誘拐する所を目撃してしまう。さとるの様子を心配した洋は話し掛けるが、恐怖に怯えるさとるは何も話そうとしない。洋はそんなさとるに、どんなに弱くてもいざという時には勇気を出さなければいけないと優しく諭す。それを聞いたさとるは目撃した一部始終を洋に話した。秘密を知るさとるを襲うコウモルジンだが、そこにライダーが駆けつける。しかしライダーがアリコマンドと戦っている間に怪人はさとるを連れ去ってしまった。会長があらかじめつけていた発信機を頼りに後を追うライダー。 アジトに連行されたさとるは危うく血液を抜かれる所だったが、そこにライダーがライダーブレイクで乱入し、スーパーライトウェーブでコウモルジンを怯ませてコウモリ笛を破壊する。だが子供たちを助けなければならないライダーは戦いに専念することができない。その時勇気を振り絞ったさとるが採血装置を破壊した。子供たちを解放したライダーはコウモルジンとの最終決戦に臨むが、飛行能力のある怪人に高空まで持ち上げられ、そこから投擲されてしまう。しかし子供たちの声援を背に受けてライダーはセイリングジャンプからのスカイキックを敢行。怪人は火花を散らして消滅するのだった。 (解説)ストーリーとしては可もなく不可もなくと言ったところですが、今話では2話に続いて洋の説教シーンがありました。今回はライダーの姿ではなく洋の姿での説教だったのであまり違和感なく見ることが出来ますね。弱虫の少年が自分の心に勇気を持つ。それは心ある人間であればこそ。その人間の存在を否定するネオショッカーとの戦いにさらに闘志を燃やす洋の姿は、当たり前ではありますが決して忘れてならないヒーロー像と言えるでしょう。洋が子供に深い情愛を示すのも好印象です。そしてやっぱりラストの対決シーン。子供たちの声援を背に受けながら戦うヒーローってのはいつ見てもカッコいいですねえ! (トピックス) ・サブタイトルを中江真司氏が読む時、「勇気だ!」の部分は読まれない。脚本段階ではその部分はなかった? ・のぶ子が飼っているイヌの名前は「タロ」もしくは「太郎」。 ・今話からユミ初登場。前話のミチと同じく、クラブに入った具体的な理由は不明。 ・ネオショッカーに怒りを燃やす洋が力を込めたために、握っていた灰皿を握り潰してしまい、改造人間である己の体に戸惑う描写あり。本郷猛を彷彿とさせるシーン。その場は志度会長のフォローで事なきを得る。 (今週の飛田今太) 深夜に洋とコウモルジンが戦っている所に現れ、「特ダネや」と言いながらカメラのフラッシュをたく。しかし浮かび上がった怪人の姿に仰天し、ご丁寧に「ば、け、も、の」と呟いてから気絶した。しかもカメラは洋が怪人を追い払うためにそのあとも勝手に利用されてしまった。 2つの改造人間 怒りのライダーブレイク 脚本:伊上勝、監督:田口勝彦 | ロボット工学の権威・本田博士の下に怪人を向かわせるゼネラルモンスター。本田博士はネオショッカーへの協力を拒んだために、女性に化身して侵入したサソランジンに殺されてしまう。その断末魔の悲鳴を偶然聞いた洋は急行するが、既に怪人は逃げたあとだった。ところが洋はその近くで出会った女性に不信を抱く。サソランジンはゼネラルモンスターによって遠隔操作される「誘導改造人間」であった。この暗殺怪人を使ってゼネラルモンスターは次に城北大学の石渡博士を抹殺しようとする。 | 大学に現れた女性を見てさらに不審を抱く洋だが、その女性に女の子が「お姉ちゃん」と言って抱きついてきたために人だかりが出来てしまい、ゼネラルモンスターは作戦遂行を断念する。洋がその少女・可也に尋ねてみると、あの女性は自分の姉の美也であり、登山中に行方不明になっていたのだと言う。だが洋は可也に見せてもらった写真の美也にはペンダントがついていないことに疑問を抱く。そして夜、石渡博士を襲うサソランジンだが、博士は会長の変装であり、そこにはライダーが待ち構えていた。だが怪人はゼネラルモンスターの指示の下に的確な攻撃を行い、ライダーを追い詰める。しかし攻撃によってペンダントが外れるとサソランジンはコントロールを失い、人間態である美也の姿に戻って気絶した。人の意思を抑制して人形のように操る。あまりにも非道なネオショッカーの行為にライダーは憤る。 作戦が失敗したという大首領に、怪人はコントロールを失っても時間が来れば改造人間本来の姿に戻ることを説明するゼネラルモンスター。洋は美也をバイクで送るが、その間に美也は失っていた記憶を徐々に取り戻し、同時に自分の体のことも自覚した。そんな彼女は妹にはもう会えないと泣き崩れる。彼女を励ますために洋は自分も改造人間であることを明かし、改造人間・仮面ライダーの姿を見せる。そして例え改造人間であっても心は人間のままであることを力説し、美也を励ました。姉妹の再会を外から見つめるライダー。そんなライダーにゼネラルモンスターの無気味な忠告が響く。そしてついにタイムリミットがやってきた。怪人の姿に戻ってしまった美也はハングライダークラブの事務所から逃げ出してしまい、それを聞いたライダーは空から美也を探す。 完全に怪人の姿になってしまった美也はもう妹にも会えないことを自覚し、せめて自分と同じ悲劇を食い止めるためにゼネラルモンスターを倒そうとする。しかし一矢を報いることも出来ず、アリコマンドのボウガンによって倒されてしまう。ライダーもようやく駆けつけるが時既に遅く、今際の際に人間の姿に戻った美也は妹を頼むと言い残して跡形もなく消滅した。遂に怒りを爆発させたライダーはゼネラルモンスターにスカイキックを放つが、それは立体映像だった。迫るアリコマンドを一蹴したライダーはライダーブレイクでアジトに突入。人の心を持たない悪魔に怒りのパンチを食らわす。だがアジトはゼネラルモンスターと共に爆発してしまった。ネオショッカーを倒す決意を新たにするライダーだが、既に敵は新たな改造人間を作り上げていたのだった…。 (解説)第4話にしてこれほどの高水準ドラマを生み出してしまっているのだから、当時のスタッフの力を決して侮るわけには行きませんね。敵側の怪人が主人公側に付くという展開で言えば「アマゾン」のモグラ獣人がありますが、今話の持つ重さはモグラ獣人とは比べ物になりません。美也は決して洋のように世界平和のためとかいう大義を持っているわけではなく、ただ妹と幸せに暮らすことを望んでいました。しかしそれさえも叶わないという絶望の中で、「これ以上の悲劇を作らぬため」にゼネラルモンスターに戦いを挑むというストーリー展開は実に巧み且つ丁寧に構成されており、視聴者の美也への感情移入が容易になります。それ故に最後の目的さえも果たせず、他の怪人と同様に消滅した美也を見て純粋な怒りを露わにするライダーの姿、そしてゼネラルモンスターにパンチを浴びせるシーンにカタルシスを感じることが出来ます。もしかしたら美也の運命は洋が辿るかもしれなかった、もしくはこれから辿ることになるかもしれない運命。洋=ライダーのミラーイメージとして作られた美也のキャラクターは今なお鮮烈なものになっています。こういうストーリーが作品中に一つ存在しているかしていないかで、作品全体に対する印象がかなり変わると思います。 (トピックス) ・美也は「だいば山」という山で遭難したらしい。漢字でどう書くのかは不明。 ・石渡博士はネオショッカー科学陣に参入することを拒んだために命を狙われた。 ・城北大学のキャンパスが登場。ついでに洋の友人でもある山本も登場している。山本は石渡博士の研究室に在籍しているらしく、博士がここのところ部屋に閉じこもったきりであることを心配していた。 ・石渡博士の専門分野は「人類生存学」。 ・絶命寸前の美也の下に駆けつけたライダー。刺さったボウガンの矢を引き抜き、彼女が絶命した瞬間、怒りで持っていたボウガンの矢をへし折る。 (今週の飛田今太) ライダーとサソランジンの対決場所(熊谷?)に突然出現。例によって特ダネを探すが、突如視界を遮ったサソランジンの腕に驚き、さらにサソランジンの凶悪な顔を見て仰天し、大声を張り上げて気絶する。この時の表情は歴代でも一、二を争うほどに絶品(笑)。 翔べ!少女の夢をのせて 脚本:伊上勝、監督:山田稔 | 成田空港に向かう電車に乗りながら、洋はある事を回想する。ある夜、洋はネオショッカーに追われている男を助け、男は「OAL404」という言葉を残して絶命したのだ。そんな時、洋は電車の中で絵美という少女と知り合う。その頃OAL404便は、ネオショッカーの要塞島から放たれた光線によって捕獲されてしまう。消息を絶った飛行機には絵美の父親である田代博士も搭乗していた。泣き崩れる母親に絵美は夢で父親がどこかの島に連れて行かれるのを見たと話す。親子は警備員に化けたアリコマンドに連れ去られそうになるが、車の運転手に化けていた洋が正体を現し、二人を助ける。そこに現れるドクバチジン。めまい毒によって意識が朦朧とする中、洋はライダーに変身して窮地を脱する。ネオショッカーは飛行機の乗客をスペア人間選定テストにかけ、不適格な者を容赦なく抹殺していった。怪人はそれを田代博士に見せて、人間改造学の権威である博士に協力を強要するが、博士は断固として拒否する。 | 関係各所が飛行機の行方を追う中、洋は再会した絵美から夢の話を聞き、絵美の純粋な想いを信じた洋はライダーとなって絵美とともに空を飛び、目的の島を探す。そしてとうとう夢と同じ島を発見した。島に降り立った二人をアリコマンドが襲い、その最中に絵美は博士に化身したドクバチジンにさらわれてしまう。絵美の命と引き換えに組織への協力を強制する怪人。だがライダーは自身の超感覚で絵美の居場所を知り、ライダーブレイクで突撃した。するとそこには死んだと思われていたゼネラルモンスターが待ち構えていた。博士や人質を救出された怪人は口からの針攻撃で善戦するがスカイキックの前に敗れ去る。そして島には救助の巡視艇がやってくるのであった。 (解説)前話がとにかく衝撃的な内容だったためか、至って平凡なストーリー展開に見えてしまうのが難点といえば難点です。しかし「島」にスカイターボを呼び寄せるイメージショット、群がるアリコマンドをぶっ飛ばしてライダーブレイクを強行するなど、今話でもライダーのカッコよさは健在ですね。「夢」については賛否両論、と言うか批判的な意見が多いとは思いますが、その是非はともかく、子供の真摯な想いに答えようとして協力するライダー=洋の姿はいかにも彼ならではのもので好感が持てます。一人の少女の夢を叶えるために行動する仮面ライダーがいてもいいではないですか。 (トピックス) ・飛行機の機長を演じたのは中屋敷鉄也氏。だからもちろんライダーの人質救出シーンには姿は見えない。 ・今話の前半は今までに比べてアクティブな洋の行動が印象的。親子を連れ去った救急車の運転手に成りすまし、「女子供を追いかけるとは、ネオショッカーの名が泣くな!」などと見栄を切る。城茂のようだ(笑)。 ・ゼネラルモンスターが登場している時間は1分もない。何のために出てきたんだ? ・スカイキックは両足蹴りバージョン。個人的にはあまりしまりがない印象。 (今週の飛田今太) Aパート、アリコマンドに追いかけられる田代親子と、自転車に乗りながらすれ違う。そのあとアリコマンドに自転車の進行を止められてしまい、アリコマンドの顔を見るや悲鳴をあげて自転車ごとぶっ倒れる。しかし親子とすれ違った場所には水たまりがあったのだが、今太は濡れなかったのか…? キノコジン!悪魔の手は冷たい 脚本:平山公夫、監督:山田稔 | 悪魔がいるという噂のある悪魔峠。その噂にネオショッカーの影を感じたライダーは空から調査する。その頃ネオショッカーでは悪魔峠で300年間成長し続けたキノコのエキスを用い、新たにキノコジンを作り上げていた。目的はライダー抹殺である。ドライブ中にキノコジンに襲われる洋の知り合い・三田雪江。キノコジンは気絶した雪江とそっくりに化身すると姿を消した。雪江が看護婦として勤めている病院では、洋と仲良しの少女・久美子が入院していた。かいがいしく世話をするみどりと弟のシゲル。洋と久美子は雪江と共に散歩に行くが、久美子は雪江の手がいつもより冷たいことを気にする。その雪江はキノコジンが化身したものであり、怪人の巻く胞子によって意識を失った洋は階段から転げ落ち、久美子も高所から落下して怪我をし、失明の危機に陥ってしまう。 | だが暖かい手を持つ雪江を信じる久美子を見て、真実を探ろうとする洋。そんな洋の前にキノコジンが姿を現した。変身の間を与えない周到な計画と怪人の戦闘力に圧倒される洋だが、機転を利かせて何とか相手を撤退させる。博は久美子の言葉から偽者の雪江がいると察知、その頃ニセの雪江は久美子に洋に飲ませるようにと飲み物を渡した。それを飲んだ洋は意識を失って倒れてしまう。機が熟したとそこに乗り込んでくるキノコジンだが、それは逆に洋の仕掛けた罠であった。雪江達の前でその正体を現すキノコジン。だが洋は胞子を浴びて幻覚を見せられてしまい、それに誘われるままに海に没してしまう。しかしその刹那、海水で胞子が洗い流れた洋は水中変身を敢行、卑劣な策を擁する怪人をスカイキックで葬り去った。久美子の目は無事に回復し、自分を助けてくれたライダーに思いを馳せるのであった。 (解説)通常のストーリーにミステリー的な要素を交えた作品です。久美子にさりげなく「手の冷たさ」を言わせておき、それを伏線にする展開は良く出来ており、加えて前半部では洋に変身させないなど、あくまで人間ドラマを中心に話を進めていった姿勢は好感が持てます。ただ文句がないわけでもなく、冒頭の探索シーンとメインの話が全然リンクしてないことや、前評判?の割にはキノコジンが全然強くなかったことなどが失敗点だと思います。まあキノコジンは策略家であって実戦に強いタイプではないんでしょうね。そういう意味ではタコギャングみたいな扱いにしても良かったのでは? (トピックス) ・久美子の親は院長先生の親友で、今は外交官の仕事で海外に行っている。 ・今話からシゲル初登場。姉を差し置いて最終話まで出演することになるとは、この時期誰が連想しただろうか(笑)? ・胞子によって階段から転げ落ちた洋も本当はかなりの重症だったらしい。さりげなく「改造人間」であることを示唆している。 ・ラストシーンがライダーの飛行シーンで終わるのは第2話以来。 (今週の飛田今太) 今回は戦闘には不参加。病院の窓口で雪江から薬をもらい、ルポライターの仕事を聞かれて「腰ばっかり抜かしてますからな」と言ったために雪江に変な目で見られてしまう。その後ニセ雪江とすれ違い、「ワシ、目も診てもらおうかな」。 カマキリジン悪魔の儀式 脚本:伊上勝、監督:田口勝彦 | ヨーロッパで開かれたネオショッカーの連絡会議。各支部長は「人間減らし計画」が着々と進行していることを報告するが、大首領は日本支部だけが仮面ライダーのために計画が遅延していることに憤っていた。そこで各支部長は満場一致で、日本支部に強力な改造人間を増援として送ることを決議する。東京港を見張る洋はネオショッカーを見つけて尾行するが、見事にまかれてしまう。ヨーロッパからやってきたカマキリジンは手始めにドライブ途中の男女を殺し、サタン堂で祈りを始めた。サタンへと祈ることでサタンカマキリの卵を孵化させ、それによって無差別殺人を実行しようとしていた。計画を早期に実行させようとするゼネラルモンスターに、怪人は13歳の兄と7歳の妹を生贄にすれば卵は早く孵化することを伝える。 | 学校帰りのシゲルたちの前に現れたピエロ。ピエロは13歳の兄と7歳の妹がいないかと聞いてまわり、シゲルの話から会長はそれがネオショッカーの者ではないかと考える。ピエロはドリームランドで満、京子の兄妹を見つけるが、現れたライダーに阻止される。二人を家に連れて帰る洋達だが、そこに現れたネオショッカーにユミがさらわれてしまった。そして洋が後を追うスキにカマキリジンが乗り込み、子供たちを連れ去ってしまう。サタン堂で儀式が始まる中、ライダーは空から探索して居場所を探知、ライダーブレイクで突撃する。人質は救出され、カマキリジンも必死に抗うがスカイキックの前に敗れ、同時にサタンカマキリの卵もアジトごと大爆発するのであった。 (解説)うーむ、4話までは絶好調のスカイだったのに、この地味さは一体何なのだ?やはり肝心の怪人に魅力がないのが一番の原因だと思いますね。強力怪人と言われてもほぼ祈ってるだけなのであまり説得力が感じられません。冒頭でネオショッカーの巨大さを見せつけたりいい所もあるのですが、やっぱりダメですねえ。13歳の兄ちゃんも演じている子役がどうしても13歳に見えないとか、枝葉末節だとは思いますが不備が目立ちます。アクションは2話以来のバイク戦があったりして楽しいですが。 (トピックス) ・連絡会議はパリで開かれた。出席した支部長はそれぞれインド、モスクワ、北京、エジプト、ポーランド。恐らく進行役がパリ支部長だろう。しかし北京ってヨーロッパに入るのか? ・今話は第一期シリーズのように、サブタイトルのバックが青い。このようなサブタイは今話と9話のみ。 ・東京港で見張っていた洋と会長。会長は作業員に変装していた。 ・予告やOPテロップではなぜか「カマギリジン」となっている。 ・Bパート、バイクに乗りながら変身する洋。変身シーンをネガポジ変換を使って効果的に表現している。 (今週の飛田今太) ドリームランド内で特ダネを求めて走り回り、その最中にカマキリジンとばったり出会って仰天して倒れる。すると倒れた所にアリコマンドがやってきて、計7人のアリコマンドに踏んづけられて気絶。 ムカデンジンの罠!謎の手術室 脚本:伊上勝、監督:田口勝彦 | 改造手術を行うネオショッカー科学陣。しかしその最中に突然の事故が発生し、機械が停止してしまう。そしてそれによって目を覚ました被験者・進堂誠は逃走してしまう。一方アリコマンドの目撃情報をもとに空から探索していたライダーはその様子を見つけて加勢する。しかし誠はその場をすぐに去ってしまった。脱走者を始末するよう命じる大首領だが、策があると言うゼネラルモンスターに任せることにする。町で偶然誠を見かけた洋が後を追うと、誠は銀行の村上頭取と会い、ネオショッカーが彼の命を狙っていると忠告した。果たしてその夜、頭取の家をムカデンジンが襲撃するが、待ち伏せていた洋と誠によって追い払われる。だがそれでも誠は頑なな態度を崩さない。誠は帰り道にアリコマンドの待ち伏せを受けてしまうが、そこにライダーが駆けつけてアリコマンドを一掃する。怪我を負いながらもライダーの正体が洋であることを知った誠は協力を申し出る。そして敵の次の作戦を告げた。 | 毒薬・ノムコロンをダムに散布しようという作戦を阻止すべく二人はダムに向かい、作戦遂行中のアリコマンド、そしてムカデンジンを撃退する。そしてさらに誠は、自分の知っているネオショッカーアジトに乗り込む作戦を立てる。途中、オートバイ部隊の攻撃をかわし、アジトに潜入を果たした二人は警護装置をかいくぐって遂に改造手術室に到達する。だが逆に二人はその部屋に閉じ込められてしまった。これまでのことは全てゼネラルモンスターの仕組んだ罠だったのだ。だがしかし、ライダーはそれを全て看破していた。その上で改造手術室を破壊するため、わざと罠にかかったのだ。そして誠の正体がムカデンジンであることも察知していた。正体を露呈した怪人はライダーを閉じ込めて攻撃するがライダーは抜群の跳躍力とパワーで脱出、スカイキックで怪人を葬り去り、手術室をアジトごと破壊するのであった。 (解説)今話は様々な技巧を張り巡らせて、ちょっと見では先の読めない展開になっていますね。大首領にまで真実を告げずに作戦を実行するゼネラルモンスターの不敵ぶりも見物ですが、すべてを知りつつ乗り込むライダーには絶対の自信があると同時に、それを実際に乗り切ることができるパワーが自分にあることを暗に示しているようにも思えます。ネオショッカーアジトの描写も今の視点から見ると古臭さは拭いきれませんが、潜入の過程を丁寧に描くことで組織の強大さをもしっかり描いていますね。あとは釣りルックのアリコマンドにも注目ですか(笑)。 (トピックス) ・進堂誠は空手の名手。もっと強くなりたいという願望をネオショッカーにつかれ、改造された。 ・釣りルックのアリコマンドは麦わら帽子を爆弾として利用する。すごい兵器だ(笑)。 ・「進堂君」と呼ぶ洋に「誠って呼んでくれ」と返す誠。…なんか変だな(笑)。 ・アジトには赤外線探知装置が仕掛けてあり、ライダーはディメンションアイでそれを探知する。そうかと思えば頭上から網が降ってくるという、やけに原始的な罠をセットしていたりもする。 ・手術室に閉じ込められたライダーはマシンガンで攻撃を受ける。 (今週の飛田今太) ダムでのムカデンジンとライダーの戦いを目撃。「やれ、もっとやれ!」とけしかけるも、こちらに投げ飛ばされた怪人の顔のアップを見て悲鳴をあげ、さらに殴られて気絶する。しかもそのすぐ後、ライダーに蹴られた怪人が倒れかかってきたので「また出たー!」と叫んでまた気絶する。 |