Under the Clear sky


「クラピカ、またここにいたの。」

クラピカの前に立つ、深いグレーの髪に綺麗な翡翠色の眼ををした少女。

「...ヒスイ」

「綺麗な所ね。ここは。―風も綺麗。」

ヒスイはクラピカの母親の親友、ライアの娘だった。その親友はクラピカも幼いころ
から世話になっていたが、ヒスイと知り合ったのは、本当に最近だった。

なぜなら、ライアは風希族のところへ人質として嫁いだ。ヒスイはそこ(風希の村)
から最近クルタの村に移ってきたからだった。

だが、ヒスイは純粋なクルタ族だった。ライアとクルタ族の男の間の子。ライアは、
嫁ぐ前にヒスイを身ごもったのだった。



―クルタ族は、クルタの民をいたぶる風希族を許せなかった。けど、戦いでは圧倒的
に奴等の方が強かった。風希族は風を操れる民族だったから。

ライアは、自分が嫁ぐ代わりにクルタ族を開放させたのだった。クルタの村で一番美
しかったライア。風希族もその条件をのんだ。


「風希の村へ、帰りたいか?」

ずっと風希の村で育ったヒスイにとっては、そこの方が過ごしやすい..とクラピカ
は思った。

「どっちも 別に変わらない。」

「そうか。」

「父様も、母様もいないし。―いいえ、いるけど、傍にいてくれない。」

「お前の 本当の父親もか?」

「本当の父様は...」

はあ、とため息をついたあと、ヒスイはその続きを言おうとはしなかった。

きっと、「本当の父様は風希族の父様。」と、言いたかったのだろうとクラピカはお
もった。

「でも、本当に綺麗な場所よね。」

「お前と一緒に初めに遊びに来た場所だったな。」

「クラピカはいつも本読んでるだけだけだったど。」

ここはクラピカの秘密の場所だった。誰にも教えるつもりはなかった。ましてや、女
の子になんて。

女の子はいつもずっと喋ってたり、遊ぼうといってくる。本など読んでる暇はなかっ
た。

でも、ヒスイは違った。ただ、吹いてくる風と遊んでいる。風希族同然に育てられた
ヒスイは、風を操ることも出来たから。

今日もいつも通りに過ごしていた。静かな時が流れていた。明るく蒼い空の下で。け
ど、その日はヒスイの様子がおかしかった。

いつもは少し微笑みながらいるのに、今日は微笑むどころか、哀しい顔をしていた。

声をかけようとしたその時ヒスイが言った。

「...今日、風希族を滅ぼすって母様が言ってた。私を使うんだって。『里帰り』
なんて嘘。私を人質にするって。―まあ、言葉上でね。仲間意識が強い風希族がどう
するかは、クラピカもわかるよね。」

泣こうともしない、寂しそうな表情。自分には、何もいえなかった。励ます言葉も出
てこなかった。

「なぜ、人って傷つけあうんだろ。」

何か、何か言ってあげないと...

「皆、同じ人なの.....に....」

声がかすれていた。涙は出ていない。代わりに彼女の眼は緋色がかかっていた。

めったに感情を高ぶらせることがなかったヒスイ。その彼女の眼が点滅するように
なっていた。

何も言ってあげられなかった自分がとても恨めしくて....

「!ク...」

気づいたら、クラピカはヒスイを強く抱きしめていた。ヒスイはクラピカの隣で体育
座りをしていた為、バランスが不安定になった。

「―クラピカ、苦しいよ...」

薄い、はっきりとした蒼い空の下で、二人はずっとそうしていた。










がさっという音と共に、一人の男性が木々の間から出てきた。

「ヒスイ...」

彼は、ヒスイの義理の父親。怪我を負ってる様子だった。

クラピカはヒスイを離した。すると、その父親が何かヒスイに囁いた。

その直後、彼は息を引き取った。

「ヒスイ、彼は何と...?」

彼を弔ったあと、クラピカは聞いた。

「『ヒスイ...愛してる...私の大事な娘 ...』  ...唯一...私の
ことを...愛してくれる人が...いなくなった..」

「っ私がいる!」

何も映さない翡翠色の瞳に必死にクラピカは訴えた。その時やっとクラピカは自覚し
た。彼女のことが好きだという事を。

「私がいるよ....ヒスイ...」

クラピカはまた彼女をやさしく、強く抱きしめた。




                



















                                      
 











あとがき





キルア 「っつーか、絶対ヒスイってJade からとってるよなー。」(ダメージ2 0)

レオリオ 「は?どーゆうことだ?」

キルア 「Jadeって英語で翡翠ってゆー意味なんだよ。」(20)

ゴン 「相当すきなんだね...」

レオリオ 「まだ続くんだろー?これ。」

キルア 「ああ、今度は『あの日』の話らしいぜ。」





...合計 40!




From Jade