央華封神・砕坤篇
第二回
妖の鐘は何処で高鳴るか


【一 出かける時は忘れずに?】

芭蓮  さて、清徳値濁業値の差が2まで開いたことだし、裏成功しまくるかな(笑)。
GM  なんだ、それを我慢してたのか?
芭蓮  結構抑えてたんだぞ。
GM  まあな、近接戦はどうしても裏成功使っちゃうからなあ。
芭蓮  前回はみんな出目がよかったから裏にしなかったけど。カエルでさえ6ゾロ振ってたよ。
GM  うん。特に主人死んでからの出目、良過ぎ(笑)。
香瑠  やっぱ、「ご主人様の仇」もーど?
芭蓮  実は使役獣たちの出目のほうが良いんだけどな(笑)。
GM  それはさておき、もうそろそろいいかな?
英玲  むー?(悩んでいる)
芭蓮  符は作ったかい、みんな?
GM  選択の余地のない人もいるんだけどね。
芭蓮  僕はないぞ。『師匠の一筆』を補充して終わりだし。
凌稀  『護法一撃符』だけ。
香瑠  『禁術符』は補充しないといけないのっ。
灰声  《炎嵐》の符を一枚増やしたよ。
英玲  うー。(芭蓮からアドバイスを受けながら)虎を呼び出す符《誘虎用戦歌》を作りました。
GM  あ。『声送袋』返してね。
香瑠  え、何のこと?  そんな袋なんか持ってないもん。私が持ってるのは『封妖壺』だもん。
灰声  ……の中に入ってるんだよね。
香瑠  だって、おじちゃんが貸してくれるって言ったもん。
灰声  返してくれ、とは言われてないもんね。
GM  う。ナマズの性格だから、忘れてるかもしれんしなあ。
香瑠  ナマズ様に「返して」って言われるか、お師さんに「返して来い、ばか者」って言われたら返す(笑)。
凌稀  借りっ放し……。

【二 道連れと共におつかい】

GM  じゃあ、始めよう。前回の冒険から九ヵ月。今回は、灰声さんの師匠、溟?炎さまから始まる。
灰声  はーい。
芭蓮  そういや、僕たちは何をしてるんだろう?
GM  たぶん、自分の洞で符を書いたりしている。
芭蓮  お師匠様のお手伝いだね。肩を揉んだりお手伝いをしたり。
英玲  私は寿命が有り余ってるので、符を書いた後は遊んでます。
香瑠  お師匠様、きんぎょ〜。(あやとりで遊んでいる)
凌稀  今年はトマトがよく取れた。
芭蓮  お師匠様、早く冒険に出させてください。寿命を稼がせてくださいよー。(←ちびっとしか寿命が延びなかった)
GM  さて、灰声さん。君が《炎嵐》符の仕上げをやっていると、師匠がお声を掛けられるわけであります。
灰声  はい、なんでしょう、お師匠様?
GM/溟欣炎  「えーと、いまさらで申し訳ないんだけど、ちょっと思い出したことがあってね」
灰声  なんでしょう?  外見を止める術はもう教えてもらいましたけど(笑)。
全員  (爆笑)
GM/溟欣炎  「えーと、実は数十年前に……」
灰声  またずいぶんと前の話ですね。
GM/溟欣炎  だから君が師匠に出会うか出会わないかの、そんな頃かな。「通りすがりの邑を助けたことがあってね」
灰声  ゆう?
  邑。古代中国における城塞都市。城壁に囲まれて、中に先祖を祀る廟を有する形態の町のこと。サイズは大きいものから小さいものまで、全部まとめて邑と呼ばれるので、あーる。
GM/溟欣炎  「妖怪に襲われていたので、助けてあげたんだけど。そのときに、変わった拾い物をしてね。持って帰ったりすればよかったんだけど、ちょっと、面倒臭そうだったから、穴を掘って埋めてきたんだ」
灰声  そっかー、地中に消えたんですね。よかったよかった。それじゃああたし、これから符を書かなきゃならないんで、これで失礼しまーっす。
GM  ええーっ?  逃げるんですか?
灰声  いや、そんな。お師匠様を目の前にして(にやり)。
GM/溟欣炎  「それでね、大変申し訳ないんだけど、その後の様子を見てきてもらえないかな、と思うんだけど。いちおう、土に埋めて、その上に塚を築いておいたから、間違いはないと思うんだけど」
灰声  わかりました。お師匠様の命令ってことで……。
GM/溟欣炎  「すいませんねえ、面倒を掛けて」
灰声  いいんですよ。(老け込んで)こんな年寄りを働かせてねえ、げほごほ。
GM/溟欣炎  「ごまかすのはやめなさい」。現在年齢、二桁ぐらい違うんですから。「国の名前は丹邑。風火輪なら2日もあれば飛んでいけるでしょうから、お友達を誘って行ってみてください」
灰声  師匠。その塚の中には、何が埋まってるんですか?
GM/溟欣炎  「あー、えっとね。私はあまり詳しくないんですけど、楽器でした。鐘と言うやつです。吊り下げてぽんと叩く、青銅製の鐘」
灰声  はあ、何でそんなものが突然?
GM/溟欣炎  「妖怪たちが持ってたんです。妖怪たちの根城を突き止めて、それを退治したときに、そこにあったんですけどね」
灰声  じゃあ、それが今も埋まっていれば良いんですよね?  わかりました。埋まってるか埋まってないか、見てきます!
GM/溟欣炎  「え?  いや、……できれば邑の様子とか、見て来てほしかったんだけど、なぁ……」
灰声  帰って来たら、新しい詩集、買ってくださーい(にこにこ)。
GM/溟欣炎  「うん、まあ、そのくらいなら。気をつけてね」
灰声  じゃあ、いってきまーす。ということで、ばびゅん、と出て行きます。

灰声  ひとりで出てきたはいいけど。お友達を誘って、って言われてたし、ひとりだったらこの間みたいに倒れても誰にも助けてもらえないし。
全員  (笑)
灰声  うーん。じゃあ、命の恩人のお師匠様がいる、あそこに行きます。
GM  はいはい。ということで、北岳は九龍山桃花洞、月華公主のお住まいだ。
灰声  こんちはーこんちはー。
GM/月華公主  じゃあ、取次ぎがあって、お部屋に通されたよ。「久しぶりね。傷の具合はどうかしら?」
灰声  はい。おかげさまでー。
芭蓮  ささ、お茶をどうぞ。
灰声  ああ、やっぱり年寄りには熱いお茶がいいねえ(笑)。
芭蓮  はい、お師匠様にも。
GM/月華公主  「ありがと」
灰声  かくかくしかじかな理由で、連れが欲しいんですけど。
GM/月華公主  「それでしたら、どうぞ自由に使って頂戴」
芭蓮  (ぐっと握り拳で)寿命を延ばすチャンスですね、師匠!
GM/月華公主  「今度こそしっかり稼いでくるのよ。もう死んじゃ駄目だからね」
芭蓮  任せてください!  もう『師匠の一筆』はありませんから。
灰声  じゃあ、次は……どうしよっかなあ。
芭蓮  あのー、僕、待っててもいいかな?
灰声  なんで?
芭蓮  乗り物がない(笑)。
灰声  ああ、そっか。じゃあ、まずは乗り物を調達しないと。
芭蓮  乗り物がないと、僕、走って追いかけることになるから。
灰声  んじゃ、こないだ最後までまともだった人のところ。
凌稀  (笑)。
芭蓮  さあて。それじゃ、旅の準備でもしておこう。
GM  では、蓬莱島のどこかのお山(まだ山の名前は不明)、為友女仙のお住まいの虚幽洞だ。
灰声  こんちはーこんちはー。
凌稀  いらっしゃい。トマトはいかがですか?  今年は最高にいい出来なんですよ。
灰声  わーい。あ、おいしいな。つい、和んでしまいます。それから、お師匠様に許可を求めよう。
GM  きっと隣でトマト食べてるのかな?  あの人。
凌稀  たぶん。トマト食べながら庭先で趣味のお絵描きをやっててほしいな。
灰声  じつは、かくかくしかじかで。
GM/為友女仙  (お絵描きしながら)「……うん、……うん。うん……」
灰声  お借りしてもよろしいでしょうかー?
GM/為友女仙  「…………うん」と、聞いてるんだか聞いてないんだかよくわからん返事が返ってくる(笑)。
灰声  れっつごー。
凌稀  まあ、「出掛けていった」ってことだけでも覚えててくれればいいや。

灰声  それじゃ、二手に分かれていっぺんに呼びにいきましょう。
凌稀  そうですね。
灰声  (盛んに棒倒しを試みて)英玲のほうを呼びにいくね、私。
芭蓮  んにゃ。やめといたほうがいい。英玲も乗騎がないから。
灰声  あ、そっか。
  正確には、長嘯術で鳥さんだのを呼んで運んでもらうことができるから、必要ないんですけどね。英玲はまるっきり忘れてますが。
灰声  じゃ、あたし、香瑠を呼びに行きます。こんちはーこんちはー。
GM  はいな。西岳は凌雲山悠遠洞、赤岳芳主様の洞府だよ。
灰声  なに、ここは!  ジャングル?  (香瑠の趣味のせいで、洞府の周りは植物園さながらなのである)
香瑠  怪しい植物の数々を掻き分けて現われるの。あ、灰声おばーちゃん。見て見て、カエルー。
灰声  あ、ほんと、かわいいねえ。カエルには、何故か助けてもらった覚えがあるねえ(笑)。
GM/赤岳芳主  「これは、溟欣炎殿のお弟子さんか」と洞府の入り口のところから声がする。
灰声  あ、お邪魔しておりますー。実は……。
GM/赤岳芳主  「連れて行ってくれ」
灰声  え?
GM/赤岳芳主  「ぜひ連れて行ってくれ、早めに」
香瑠  あ、お師さんだぁ。えへへ、お師さん、カエルカエルー。
GM/赤岳芳主  「頼む」
灰声  それじゃあ、孫と旅に出てこようかねえ。
香瑠  羅香瑠、いってきまーすぅ。
GM/赤岳芳主  「……はぁ……」

凌稀  椅子に乗って洞の前まで乗り付けます。
GM  はいな。葉霆子さまのお住まい、紫針山泰雲洞の門前だ。
凌稀  おじゃましまーす。
英玲  あ、お客さん。
GM/葉霆子  「やあ、これは為友女仙のお弟子さんではないか。まあ、中へどうぞ。ささ、中へどうぞ」
凌稀  いや、そんなに中には。
GM/葉霆子  「まあ、お茶でもどうかね」
凌稀  いえ、今日はお願いがありまして。
GM/葉霆子  「ほう?」
凌稀  これこれで、お弟子さんをお借りしたいんですが。
GM/葉霆子  「なるほど。よろしいですよ。あれの修行にもなりますし」
英玲  う……。
GM/葉霆子  「しっかりやってくるように」
英玲  はい、お師匠様。
GM  ということで、北岳で合流かな。
芭蓮  ごろごろ。
GM  ごろごろするなよ(笑)。
灰声  うちのお師匠様が、何十年か前に、丹邑というところに鐘を埋めたらしい。で、その上に塚を建てたらしいんだけどー、それが埋まってるかどうか、確認するのが我々の仕事だ!
凌稀  ……と、我々はそう聞いた。
GM/溟欣炎  「もっといろいろ言いたかったんだけどなあ、ぶつぶつ」
香瑠  何でただの鐘を埋めたのかなぁ?
灰声  どうもいわくつきの鐘らしい。
香瑠  なるほどぉ。なっとく。
灰声  つうことで、あの夕日に向かってれっつごー!
凌稀  方角は合ってますか?
GM  西に飛んで行かれると、ちょっと困るんだけど……(笑)。

【三 使命達成?】

GM  ばびゅーんと飛んで2日ぐらい。場所はきっとお師匠様が詳しく教えてくれただろうから、迷うことはない。
芭蓮  着きました?
GM  うん。今回は何の障害もなく到着する。ということで、眼下にはこういう地形が広がっているわけだ。(地図を見せる)
芭蓮  どれくらの大きさの邑です?
GM  1000人は超えない規模かな。それでも大きめの町だ。
香瑠  おっきいねー。でもぉ、町にはあんまり関係ないからぁ、塚のところまで行くぅ。
GM  ほい。塚の上空です。まず、知覚判定をするとかしないとか、そういう以前の問題で……。
全員  (ずるっ)
GM  ひと目でわかること。塚が……崩れてますな。
灰声  はあ、崩れてますかー。
凌稀  崩れてどのぐらい経ったかわかります?  草の生え具合とかで。
GM  崩れて、そろそろ1年ぐらいは経とうかと言うところかな。
灰声  それなら邑に聞いてみないと。1年前じゃあわからないよ。
香瑠  自然に崩れたのかな?  それとも鍬とかで掘ったの?
GM  ……みんな、1年前に、何か心当たりはないかい?
香瑠  あ、陣!
GM  その陣を見に行く前に……。
凌稀  地震があったじゃん。
全員  ああああ、なるほどぉ。
英玲  ありましたねえ。
灰声  それは、あたしたちの頭の中で結び付けてもいいの?
GM  いいんじゃない?  地震なんてめったにないし。
灰声  えーっとぉ、この中には鐘はないってこと?  なんかこう、妖気の反応とか、怪しい感じとか、わかります?
GM  うーん、それを感知できる能力者が、いたっけ?
香瑠  そんなことしなくてもぉ、モノが埋まってるかどうかの確認だけしちゃえば?
灰声  うん、そうだね。
香瑠  ということで、仙術をば。
GM  その前に地面に降りて、もっと詳しく調べたほうがいいと思うけど(笑)。
香瑠  ちえー。
灰声  じゃあ、降りて行ってみましょう。
GM  まず気がつくことは、草木がかなり踏み荒らされていること。で、問題の塚なんだが、崩れていて、その周りに誰かが歩き回った跡があります。
香瑠  調べてみる。それ、人の足跡?
GM  人の足跡、もあり。人でない足跡、もあり。
芭蓮  人でない、ってのは動物ってことか?  爪の跡とか蹄の跡とか。
GM  そういう自然の動物ではないね。
香瑠  妖怪系か。じゃあ、塚を調べましょ。
GM  塚の中心を覗くと、道具か何かを使って、中に入っていたものを掘り返した跡があるね。中には何も入ってなーい。
灰声  わー、何も入ってないやー。あー終わった終わった。
英玲  え、でも。
香瑠  だって確認するだけが仕事だもんねー。
凌稀  だもんねー。
英玲  いや、それは……。
灰声  みんなありがとう。帰って「なかった」って報告するよ。
GM  こら、待たんかい(笑)。
芭蓮  どういう効果がある代物だったのか確認しとかないと。お師匠様に聞いてみたら?  悪いものだったら取り返さないと。
GM  といことでだな。「まだ帰るんじゃねー!」というマスターの心の叫びを具現化するかのように、君たちは妖怪に囲まれる。
芭蓮  えっ?  知覚判定もなしに?
GM  ……囲まれるんだよ!(笑)
芭蓮  うおぅ。さあ、炎の嵐を。(←《以火行為炎嵐 焼》の術のこと)
灰声  え、こんなところで?
GM  個体数は四つ。初めての妖怪だね。耳には及んでいるだろう、猩々という下級の妖怪だ。
芭蓮  さあ、恐怖判定を。
GM  こいつらの恐怖値は0だ。
芭蓮  え、難易度が0?
GM  うんにゃ、難易度は変わらず10の意志判定。(ころころ)目標は16。
全員  (ごろごろ)
芭蓮  裏反動の3って?
GM  「やりすぎ。過剰な成功をしたり、余計なことをしたりして災いが起こりうる」つまり、つまり君は怖くないということをみんなにアピールするために騒ぎまくったせいで、敵から狙われるのであろう。
芭蓮  へっ、お前らなんか怖くないぜ!
香瑠  芭蓮おにーちゃん、強がりすぎ。
  「反動」。裏成功を試みて、それが成功すると、無理やり行為を成功に変えたことの「反動」が道士に降りかかります。爆発的に良い結果が出たり、このように悪い結果が出たりします。
  結局、使役獣の蒼玉が精神値ダメージを受けただけ。ま、所詮は雑魚ですから。

【四 猩々を倒そう】

─1ターン表。

灰声  あたしが振りますね。(ころころ)こっちが先攻だよ。
芭蓮  仙術で攻撃するんなら、そっちを先にしよう。その後で直接攻撃する人が続く、という方向で。自信がある人から順にどうぞ。灰声は最後のほうがいいだろう。
香瑠  いきまーす。《禁爪則不能傷》。
GM  ぐあー、来るなー。
香瑠  大丈夫だよ、自前だもん。(ころころ)おお、12。
GM  (ころころ)駄目じゃあ。何してもダメージを与えられなくなった。
芭蓮  芭蓮、天転、蒼玉。3体で攻撃。まずは俺から(ころころ)8。
GM  (ころころ)これは回避。
芭蓮  次、天転(ころころ)6。
GM  (ころころ)それも回避。
芭蓮  次、蒼玉(ころころ)4だ。
GM  (ころころ)避けたけど。
芭蓮  どうだ、名付けて「じぇっとすとりーむあたっく」だ!
GM  全然効いとらんが(笑)。
  はなはだ低調子の1ターン目は、凌稀の『二竜剣』が1匹を降冥させたのみ。

─1ターン裏。

GM  斬り合うしかないでしょう。
凌稀  はいはい。(ころころ)受けられなかったです。
GM  8点のダメージです。……死なないでね(笑)。
凌稀  大丈夫。
GM  残ったdは、あぴーるの人に。
芭蓮  あぴーるの人って?
GM  君だよ。(ころころ)えーと、12です。
芭蓮  う、さっき、調子に乗って受けを使ってしまったからなあ。
香瑠  割り込んだほうがいい?
芭蓮  いや、大丈夫でしょ。かーいひ、(ころころ)はい、駄目。あたたたた、ダメージブロックがあと4つしかない。
  ちょっとルールにうるさくなってきたので解説。
  敵の攻撃をかわすのには、「受け」「回避」という二つの手段があります。「受け」はたいてい数値が高くて1ターンに1回しか使えない、「回避」はたいてい数値が低いけど何度でも行える、という技能です。
  「割り込み」というのは、味方を庇って攻撃を受け止めたり(たまに体で(笑))、あるいは仙術で攻撃を妨害する、なんてことができます。割り込んだ人は次のターンの行動がなくなっちゃうんですけど。
  芭蓮は典型的に受けが高く回避が低かったのですが、香瑠の割り込みの申し出を断って、自分で回避を試みて、失敗した、と。
  このターンの猩々反撃はこれでおしまい。

─2ターン表。

芭蓮  天転、蒼玉、ごう!  まず天転が(ころころ)9。
GM  回避。(ころころ)ああ、受けるって言っとけばよかった。
芭蓮  ダメージは5点。連続攻撃行きます。(ころころ)10。
GM  回避しかできないからなあ。二撃目も食らったよ。
芭蓮  次は(ころころ)7。これは避けられたな。ならばカエルごう!  
GM  これを、確実に受ければいいんだな。(ころころ)はい、受けた。
芭蓮  ふつう、逆じゃないかぁ?  蒼玉の攻撃/受け、0だぞ(笑)。
GM  間違えたんだよお。
  このターン、再び香瑠の《禁爪》が決まり、さらに1体が無力化。英玲の『琴弦弓』が更に1体を葬ります。

─2ターン裏。

  禁呪を受けて逃亡する猩々a、それでも攻撃するbとc。そんな涙ぐましい反撃も一向に効きません。

─3ターン表。

香瑠  Cに《禁爪則不能傷》。(ころころ)14。
GM  (ころころ)ああ!  これで全員無力化じゃないか。
香瑠  なんだぁ。じゃあ、行使値を上げて符を作ったのって、結局ボス専用になっちゃうのかなあ。回数増やさなきゃよかった。
  以上、今回の功労者のコメントでしたっ。
  英玲がさらに1体を屠り、芭蓮が逃亡中の1体を追い討ち、凌稀は『二竜剣』の不始末に手づから止めを刺し、あえなく猩々は倒されてしまいました。

【五 遠足じゃないよ】

GM  今回は楽勝だったね。
凌稀  『二竜剣』、1回も当たらなかった……。
灰声  こういう人たちが出てくるってことは、ただものじゃないってこと?
香瑠  ただごとではないですっ。ま、細かいことは気にせずにぃ。そういえば、どんな効果の鐘だったかわかんないかなぁ?
灰声  訊いてないですねー。
英玲  訊かずに出てきたんだ。
GM  師匠の話も聞かずに出てきたからな。
芭蓮  訊きに帰りましょうか。
GM  洞府まで帰るのに2日。それから戻ってくるとしたらまた2日。合わせて4日かかるよ。
灰声  うーん、どうしようか。このまま独自に捜査を続行します?  いわく付きのものらしい、という事しかわかりませんけど。
GM  ちなみにこの猩々、いろんなものを持ってたりしますよ。布っきれとか、小汚い袋とか。
英玲  調べてみましょう。
凌稀  袋から。
GM  袋の中から出てくるのは、豆です。
凌稀  食料持参!(笑)
灰声  猩々は、豆が好物、なのかな?  「バナナはおやつに入りません」状態?
香瑠  布を調べてみる。
GM  普通の邑人が着るような、粗末ーな衣服、の切れっ端。
香瑠  逃げちゃだめだよぅ、きっと村が襲われてるんだ。
GM  よくよく見ると、辺りにいろいろ散らばっているようだよ。
香瑠  じゃあ、これは猩々の持ち物じゃないということで、いろいろ集めて丁寧に布に包むの。
GM  知覚判定をしよう。難易度は6で、(ころころ)目標値は14。
香瑠  (ころころ)19。
GM  1D振ってみて。
香瑠  (ころころ)4。
GM  えーと、木簡を見つける。まあ、ばらばらになってるけど。『某月某日  ○○邑にて』。あとはお金の単位が書いてある。
香瑠  これ、強奪されてるのかなあ。
英玲  その邑の名前はわかんないんですか?
GM  聞いたことがない。少なくとも、丹邑ではない。
香瑠  他に落ちてる木簡があったら、組み合わせるよっ。拾いながらあれこれ読んでみる。
GM  似たような内容だね。『○○邑で注文』とか。
凌稀  ……人が猩々に変わってたら嫌だなあ。
芭蓮  僕は邑にでも行こうかな。それじゃ、先に行ってまーす。
灰声  他に、金目の物を探してみます。
GM  そりゃカラスの仕事かも。じゃあ、難易度6の知覚判定だ。
灰声  (ころころ)16です。
GM  じゃあ、1D振ってください。
灰声  (ころころ)1。
GM  それはとても運がよろしい。土の中に半分埋まっている棒のようなものを見つける。なんだろうと思って引き抜いてみると、鞘に納まった剣です。切れ味の良さそうな上等の剣だね。
灰声  わーいわーい!  ぶんぶん振り回して喜ぶ。
全員  ばあちゃん、危ない危ない(笑)。
香瑠  駄目だよ、拾ったものは持ち主に返さないとぉ。
灰声  それじゃ、かちんと鞘に収めておきます。いやいや、持ち主に届けるために、あたしが携帯しておこう。
GM  えー、大変良い物を見つけたおばあちゃんは、同時にとても悪いものを見つけてください。
灰声  え〜。見つけるのね?
GM  茂みの中に、衣服の切れ端がちらりと見えるんですが。
灰声  あー、行っちゃうんですねー。
GM  そこには、人がひとり、倒れてるんだ。
香瑠  巫蠱〜!
芭蓮  え?  僕はすでに邑に向かってるんだが。食料の買出しに。
灰声  その人、腐敗してる?
GM  すでに死んでると決め込んでるな。確かに死んでるけど。全身が黒ずんでて、死後2日ってとこだ。
凌稀  生き返ってもらったら喋れるかな?
GM  ちなみに死体は、小太りした男性のもののようだ。ただし、顔や二の腕、おなかの辺りなんかは、まあ要するに食われていて、身元はよくわかりません。
芭蓮  (遠方から)切り傷でしょうか?
凌稀  咬み傷とか。
GM  切り傷引っかき傷ですね。
香瑠  猩々っぽいのかな?
灰声  身元がわかりそうなものはありませんか?
GM  ちょっと見当たらないね。
灰声  身体的特徴はありませんか?  指が1本なかったりとか、体のどこかに傷があったりとか。
GM  いやもう、いっぱい(笑)。
灰声  あの、古い傷で。
GM  それはないですね。
香瑠  服の裾をぺろっとめくるとお名前が刺繍してあったり?
GM  ないですなあ。
灰声  身なりは良さそう?
GM  んにゃ。ごく普通の邑人だ。
英玲  行商人っぽいのかな?
GM  旅人ではないね。格好が、その辺からちょっとやって来たような、そんな感じ。長旅に耐えられるような格好じゃない。
灰声  ここで見つけたんだから、いちおう邑のほうに連絡しておかないとね。先に芭蓮も行ってるし、何か掴んでくれてるかもしれない。人がいなくなったのなら、騒ぎになってるだろうし。皆さん、それでよろしいでしょうか?
凌稀  その前に、ちゃんと葬りますぅ。
GM  (ころころとサイコロを振って)おばあちゃん。あなたはとても運がいい。もう1体、見つけてしまった。
灰声  やったー。(全然うれしくなさそう)
凌稀  かなり、転がってるってことかな?
GM  うんにゃ。周りに見えるのは2体だけ。後から見つけた1体はちょっと離れたところに倒れている。こちらは細身で頭髪に白いものが混じっている。それで、指に手当てをした跡がある。
灰声  手当てねえ。ふうん。それじゃあ、葬っていきましょう。なんか、そのままほうっておいてもいいような気がしたりするんですけどね。土葬の仕方とかわかんないですし。
GM  基本的には穴掘って埋めるだけでいいですけど。本当に邑の人なら、連れて帰ってあげるって言うのもひとつの案だよね。
灰声  おいとこうよ〜。邑の人がきっと後から拾いに来てくれるよ〜。
凌稀  そうなんですけどぉ、ほうっておくのもまずいし……。
GM  『迷える霊魂を……』という戒律もあるしね。
芭蓮  頑張れ、召鬼。
凌稀  遺族にむちゃくちゃな死体見せるのも酷いことだけど、かといって、死んでましたって報告だけっていうのも人としてどうかと思うし。
香瑠  じゃあ、遺体の一部を残してぇ、あとは土に返すっていうのはぁ?
灰声  ど、どんなのよ、それ〜(笑)。
GM  たぶん、遺髪とかそういうものを言ってるんだろうけど、この子が言うと腕一本とか(笑)。
灰声  (手首を掴んでぷらぷらさせながら)これがお宅の……。
芭蓮  僕は生首かと思った。
香瑠  どうして〜(泣)。
英玲  じゃあ、背負っていくというのは……。
灰声  うわああ、駄目駄目!
凌稀  背負っていくと、あらぬ誤解を受けそう。
香瑠  それにぃ、こういうむちゃくちゃな死体を見せるのはよくないと思うぅ。
凌稀  背負うんじゃなくて、板とかあれば、寝かせて、布をかけて……。
GM  板ならあるじゃないか。(『飛来椅』を指差す)
香瑠  ではではっ。布を取り出して体に巻きつけてっ。
GM  えっと、ごめん。どこから取り出すの?
香瑠  ……女の子には秘密が多い(笑)。
GM  まあ……まあよかろう、まあよかろう!  たとえ袖の中から1丈巻きの反物が出てきても驚くまい。ああ驚かないさ(笑)。
香瑠  失礼だなあ!  ちゃんと『封妖壺』の中に……。
凌稀  それだと、『封妖壺』に紐をくくりつけて、肩から下げてそう。
GM  『封妖壺』って名前の四次元ポケットじゃないんだからさあ。
香瑠  で、布に包んだ後に『仙鳥』に乗せて邑まで運ぶ。
凌稀  『仙鳥』を出されたら、『飛来椅』を出さないわけには。
GM  仲良く1体ずつ運んでちょうだいな。
灰声  じゃあ、邑に向かいましょう。
英玲  あの、木簡とかは持って行くの?
香瑠  こくん。

【六 誰もついて来てませんね?】

GM  では芭蓮くん。丹邑に到着したよ。中規模の邑で、塀の高さは1mくらい。南門がご覧のとおり2つあって、西側のほうが古い門、東側のほうが新しい門。で、両方にひとりずつ見張りが立っている。
芭蓮  じゃ、南門に回ろう。
GM  で、南門なんだが、閉めてあるよ。昼間なのにね。
芭蓮  閉めてある?  えーと、たのもーぅ。
GM  では塀の上の見張りが、「どなたですかー?」
芭蓮  薬売りでーす。
GM/兵士  「この邑に御用ですかー」
芭蓮  はいー、行商に来ましたー。
GM/兵士  「……誰もついて来てませんねー?」
芭蓮  えーと、見てのとおりですー。
GM/兵士  「開けますので、ちょっと待っててくださーい」
芭蓮  はーい。
GM  しばらくして、門の裏で閂を外す音がして、「周りに誰もいませんねー」
芭蓮  うん……。使役獣のほかには誰もいません。
GM  では、ぎぎぎと門が開いて、兵士が2人ほど顔を覗かせる。君の周りを特に警戒してから、「は、早く入ってください。さあ、早く!」
芭蓮  あぁあぁ。じゃあ、たったったと入りましょう。
GM  では、ぎぎぎぎぎ。ばったんがっしゃん。「ふぅー」。
芭蓮  何かあったんですか?
GM/兵士  「いや、じつは、この間から妖怪がうろついていまして。3日前くらい前からなんですが、あなたは危なくなかったですか?」
芭蓮  いえ、わたしは道をたどってきましたけど、特には。
GM/兵士  「そうですか。それは良かった。そういえば、薬売りとおっしゃってましたが」
芭蓮  ええ。主に虫除けの薬を売っております!(笑)
GM/兵士  「あのー、傷薬とかはどうでしょう?」
芭蓮  ええ、いくつか持っておりますが。
GM/兵士  「実は、王様の客人に怪我をされた方がおられまして。旅の行商人の方で、呂文際という方なんですが。妖怪に襲われて怪我をなさって、王様の屋敷で養生なさっておられるのですが、よろしかったら看て頂けませんか?」
芭蓮  わかりました。行ってみましょう。……食糧を買いに来ただけなんだけどな。
灰声  もちょっと遅れて邑に着きます。たのもーたのもー。
凌稀  『仙鳥』ってどの高さに飛んでるんだろう?  下手したら、邑の内側に降りたり、とか。
灰声  変死体を乗せて?
GM  まあ、「たのもー」と来たんだから、真正面から普通に来たものと判断しよう。「どなたですかー」
灰声  いきなり名乗って良いのかな?  こういうときに仙人だって名乗っちゃうのは、プラスになるの、マイナスになるの?
GM  そのへんは戒律とかに従って、好きなように。まあ、状況によりけりですね。隠したければ隠しちゃってもいいですし。
凌稀  いや、姿を見たら、明らかにおかしいと思う。
灰声  なんかでかいものが怪しいものを運んでいるのだけど。
芭蓮  というか、見た目からして怪しいよな。全員女性だし。
GM  向こうは『仙鳥』やら『飛来椅』に気付いちゃって、「うわああっ」
香瑠  あれっ?
GM  見張りの人は塀の向こうに降りてしまった。
灰声  おーいおーい。
GM  門の向こうでがやがや。
灰声  訊いてみます。丹邑の皆さんの中に、行方不明になった者はいないか?
GM/兵士  「ざわざわ」
灰声  ここに来る途中に、2人拾った。
GM/兵士  「ざわざわざわ」
凌稀  で、体の特徴とか言ってみる。
灰声  我々はどうなっても構わない!  この哀れな者たちを、君たちの中に引き取ろうとは思わないのか!(きらきらぁん)
GM/兵士  「周りに誰もいませんねー」
灰声  周りに誰もいない、って言うのがどういう状況なのかはわからないけど、とりあえず自分たち以外には誰もいないよ。
GM/兵士  「じゃ、開けますね」ぎぎぎぎぎと扉が開いて、兵士さんが4人ほど現われる。で、君たちというか『飛来椅』というか『仙鳥』というか、にびっくりして……じゃきっ!
英玲  大丈夫です、危害は加えませんから。
GM  怪しい、絶対に怪しい、と思っている。
芭蓮  (笑いながら状況を見てる)
灰声  何が怪しいものか!  本当に怪しい者ならば、この同志の遺体を食ってしまっておろう。仙たる我らをなんと心得る!
GM/兵士  「ははぁ〜、これは失礼いたしました」ということで、中に案内される。できる限り早く中に入るように促されて、またばったんと門が閉じられる。「先程は失礼いたしました。邑人の亡骸を持ち帰っていただいて、まことにありがとうございます」
灰声  この遺体はこの町の人のものか?
GM/兵士  「たぶん間違いないと思います。2日ほど前に邑を出たっきりの者がおりますので」と言ってるうちに、遺族である奥さんや子供が連れてこられてご対面ということになる。家族の人も、体つきやなんかでなんとなくわかるという状態。
灰声  しかし、こういうことが続いているとすれば、ずいぶんと物騒なところではないか。しかも、外から来る者に対してひどく警戒していたようだが。
GM/兵士  「いえ、3日ほど前から急に妖怪が現れるようになりまして」
灰声  何か被害があったのか?
凌稀  これこれ。(遺体を指差している)
灰声  でも、人が消えたくらいでそんなに警戒するほどのことなのか?  もしかしたらただの蒸発だったかもしれないし。(それもどうかと思いますが)
GM/兵士  「いえ、邑の周りをうろうろしていたり、実は一度、塀を乗り越えて進入してきたことがありまして」
灰声  ほう。
香瑠  そう言えばぁこの豆とか木簡とかはこの邑のものなの?
GM/兵士  「木簡はきっと呂文際さまのものでしょう」
香瑠  りょぶんさい?
GM  「この邑に親しくしている商人さまでうんぬんかんぬん」いま怪我をして王様の屋敷にいらっしゃいますよ、ということを教えてもらえる。
灰声  先に来ていたはずのあやつが居らぬ。さきほどここに、20歳前後の怪しい者が来なかったか?
凌稀  カラスを連れてるんだけど。
GM/兵士  「怪しい方ですか?  いえ。旅の薬師さまなら」
灰声  薬師?  くすっ。笑ってみる。
GM/兵士  「でも、きちんとした身なりの方でしたよ。何故かカラス連れてましたけど」
香瑠凌稀  それです。
灰声  どこに行ったかわかります?
GM/兵士  「あの方なら呂文際さまの怪我を見ていただくようにお願いいたしましたので、きっとお屋敷のほうに。あ、たぶん屋敷に行かれたら王様からご挨拶がありますでしょうから、どうぞ。お屋敷まで案内いたします」
灰声  あ、もうひとつ訊きたい。この邑の裏手に、塚があるのは知ってたか?  あの塚が崩れてたようだが。
GM/兵士  「はい。あの塚ですね。崩れてましたか。それは残念だなあ」
凌稀  残念というのは?
GM/兵士  「あそこは野草がいっぱい生えてますし、よい狩り場でしたので重宝してたんですけどね」
灰声  あの塚は、どんな謂れがあるんだ?
GM/兵士  「え、あの塚の謂れですか!」(にやり)「昔々に仙人様がおつくりになられた素晴らしい塚だそうですよ」(笑)
灰声  (ばったり)
凌稀  素晴らしい塚……。
灰声  あ、ありがとう。それじゃ、屋敷に向かいましょう。

【七 落し物は持ち主に】

GM  芭蓮が案内されたのは、王の家。同じ通りに並んでいる旧宅、古い作りの屋敷よりも20%増しに豪華なお家。で、「ご主人様に取り次ぎますのでしばらくお待ちください」ということで、待ってるうちに、灰声たちが追い着いた。
灰声  おお。傷を治したとか、治さないとか。
香瑠  芭蓮おにーちゃんだぁ。ねえねえ、いい食材見つかった?
芭蓮  まだまだ。直にこっちに来たから。
GM  そんなこんなやってると、王様が奥から現われる。40歳ぐらいのおじさんで、ちょっと目鼻立ちがきつい感じを受ける。お客が増えているのにびっくりして、兵士からあれこれと聞いてから、「この度はうちの邑の者の亡骸を持ち帰っていただいて、ありがとうございます」
灰声  いえいえ。
GM/丹王  「差し出がましいお願いで申し訳ないのですが、この邑を襲っている妖怪を退治していただけませんでしょうか?  お礼は差し上げますので」
芭蓮  ええ、おまかせください。
香瑠  礼なんかいらないですよぉ。
芭蓮  それで、呂文際さんのところに行きたいんですが。
GM/丹王  「隣の屋敷に泊まって頂いておりますので、そちらへどうぞ」  他の人はどうします?
灰声  あ、あたしも付いて行きます。
香瑠  ついていこー。
凌稀  あう、置いて行かれるぅ。
英玲  わたしも付いて行きましょう
香瑠  宴会の話はまた今度、と言うことで。
GM  はあ。嵐のように現われて、嵐のように去っていったな。
芭蓮  ところで、傷を治すだけなのに、どうしてみんなでついて来るの?
凌稀  いやあ、なんとなく。
灰声  呂文際のものだという拾い物をしたので、それがほんとに呂文際のものかどうか確認をしたい。そうじゃなかったら、この剣をわたしが持っておける。
芭蓮  火尖槍持ってるじゃないか(笑)。
灰声  片手に剣、片手に槍。
GM  はいはい。旧宅は、むかし王様一家が住んでたんだから、部屋数はたくさんある。それらの中で、奥のほうの一室に呂文際は泊まっている。で、召使いさんが「怪我をしている方なので……」と断った上で、部屋に案内される。寝台に寝転がっていたのはひとりの男。年の頃は30過ぎ。結構元気な顔をしているが、右腕を妖怪にやられて怪我をしている。「わたしはこの丹邑に良くして頂いております、呂文際と申します旅の商人でございます」
芭蓮  ふんふん。
GM/呂文際  「このたびこの邑に立ち寄りまして、こちらに薬草のよく取れる塚というのがございまして、毎回贔屓にしているのですが、今回邑人のお手伝いを連れてそれらを取りに行きましたところ、妖怪に襲われまして。結局その時は妖怪に襲われて、自分ひとり逃げ帰ってきたのですが……」
凌稀  何人で行かれたのですか?
GM/呂文際  「3人です」
凌稀  ちょうど、か。
灰声  ひとつお伺いしたいのだが、これは貴殿の持ち物か?
GM/呂文際  「おお、それは!  私が次に行く邑で頼まれていたものなのですが、いったいどこで?」
灰声  いや、あそこの塚で。
GM/呂文際  「なるほど。やはり急いでおりましたので、落としてしまったのでしょうね」
灰声  そっか、貴殿の剣か。何か謂れがありそうな剣だが、重大なものなのか?
GM/呂文際  「そういうわけではないのですが、さる邑の名工から買い求めました剣でして」
灰声  そうか……。ち、残念だな(笑)。返却します。
香瑠  あの変で散らばっていた荷物はぁ、きっとあなたのものでしょうからぁ、集めておきましたので確認してください。
芭蓮  では、この薬を飲みなされ。金丹です。
GM/呂文際  ということは、傷は全快しちゃうのな。「何から何まで、本当にありがとうございます」
芭蓮  なんなら蝦蟇の体液でも良かったんだが(笑)。
GM  で、2人の遺体が見つかったことは話すの?
灰声  傷も治ったことだし、いいんじゃない?
香瑠  知らせてあげたほうがいいよ。
芭蓮  僕はその話を知らないんだけどね。
香瑠  かくかくしかじかだよ、おにーちゃん。
芭蓮  おお、死体がなんと2体も。
灰声  お連れさんと思しき人をあたしたちが連れて帰ったんだけど。
GM/呂文際  呂文際は申し訳なさそうな顔をする。「そうですか。では、わたしは遺族の方に会ってまいります」と言ってお部屋を出て行く。
灰声  その妖怪の様子を教えてほしいのだが。何がどのくらい居たのだ?
GM/呂文際  「と申されましても突然のことでしたから、爪のひどく鋭い、口の大きな化け物が……」簡単に言うと、猩々にいきなり襲われて、何がなんだかわからない。
香瑠  そのとき、猩々さんたちはぁ、手に何か持ってなかった?
GM/呂文際  「と申されますと?」
香瑠  例えばぁ、そういう化け物が持つにはちょっとおかしげなもの。立派な剣とかぁ、馬とかぁ。(←馬を手に持ってたのか?  猩々は巨人なのか?)
GM/呂文際  「さあ、そこまでは詳しく見ておりません」
灰声  何か統率が取れているような動きでしたか?  どこかに命令する者がいて、下が動いているとか。
GM/呂文際  「すいません。わたし、そういうことに疎いものですから」
灰声  そうですか。
芭蓮  どのくらいのペースであの塚に訪れるんですか?
GM  たくさんの邑をほぼ順番で訪れているから、塚で薬草が取れる季節に訪れて、3日ぐらい滞在。
芭蓮  つまり、半年前だな。その時には塚は崩れていたの?
GM/呂文際  「え、塚は崩れたんですか?」
灰声  呂文際の知ってる塚の形態は、多分埋まってる状態だよね。
GM/呂文際  「やはり崩れていましたか。3日前に行ったときは見間違いと思いましたが」つまり、3日前に行ったときには崩れてたらしい。
芭蓮  半年前は?
GM  崩れてなかったらしい。
灰声  じゃあ地震とは関係ないのか?
芭蓮  そうでしょう。
GM  ……え?  あれ?  失礼!  半年前は崩れてます。訂正。
  こら。さらっと嘘を言うんじゃない。塚が崩れたのは9ヵ月前の地震のせいなら、呂文際が訪れた半年前に崩れてないとおかしいじゃないか。
凌稀  それじゃ、豆な袋を渡そうかな。
GM/呂文際  「おお、これはわたしの保存食。大好物の豆ではありませんか」
凌稀  大好物なんですか?
GM/呂文際  「ええ。何でしたら豆の苗もありますが」
凌稀  あ、それは欲しい。
芭蓮  いい豆ですね、料理を作りましょう。
灰声  そうですか(笑)。

【八 鳩は日数を数えられるか】

GM  そんなこんなで、呂文際は部屋を出て行くよ。
灰声  (唐突に)王様に話を聞きたい。
芭蓮  また戻るのか。誰か屋敷に居ろよ。
灰声  まず、妖怪について、どんな被害が起きてるんですか?
GM/丹王  「殺された者もおります。邑に入ってきたこともあれば、目撃される回数もどんどんと増えております」
灰声  それは3日ほど前から、ということですか?
GM/丹王  「そうですね、唐突に」
灰声  相手は何匹ぐらいなんですか?
GM/丹王  「たいていは3、4匹でうろついておるのですが、昨日は10匹ほどの集団を見かけたという者もおります」
灰声  どこから来た、とかは?  例えば森の方から来る、とか。
GM/丹王  「とてもとても。怖くて確かめられません」
灰声  じゃあ、何をもって退治したと言えばいいの?
GM/丹王  「邑に来なくなるに越したことはないんですが」
香瑠  3日前ということは、1年前からとかだんだん被害が増えていったとか、そういう姿をよく見るようになったとか?
GM  央華世界だからね。まったく姿を見ないというわけには行かないけど、邑に入り込むようなことを始めたのは3日前。急にそんなことをはじめたんだから、これは異常だよね。
灰声  3日前、って何なんだろうね?
凌稀  あの鐘を掘り返した奴がいる。
芭蓮  それを使って猩々を操って、とか?
香瑠  薬草がよく取れるのも、あの鐘が埋められてた影響だったり、とか?
英玲  ……塚の辺に、鳥さん、いるかな?
GM  そりゃ、呼ばなきゃわかんないよ。何を呼ぶの?
英玲  えーっと、うーんと、鳥……。
GM  鳥でいいんですな。鳩じゃなくていいんですね?
英玲  え、じゃあ鳩にする。
GM  そのほうがいいね。修正の付く楽器を作ったんだから。《鳥群誘歌》の難易度は2+2D。君は自分の行使値+楽器の修正の1+2D。
英玲  (ころころ)12。
GM  (ころころ)じゃあ12ぴったりで術は成功。いつ来るかは不明だから、呼び出し表を振って決めよう。仙術行使値は4、状況は「周囲にいる」だろうからマイナス4でプラマイ0。2Dそのままを振ってちょうだい。
英玲  (ころころ)7。
GM  ほい。では笛をぴろぴろと15分くらい吹くとやっと来てくれるぞ。
英玲  疲れるなあ。
芭蓮  途中で飽きそうだ。
GM  来たよ、くるっくぅ。
英玲  《鳥音》を使わなきゃいけないんだよね。
GM  くるっくぅ。
芭蓮  かぁ!
GM  くるっくぅ!(笑)
芭蓮  かぁ!(笑)
英玲  (ころころ)成功したよ。
GM  次は魅力判定で言うことを聞いてくれるかどうか。難易度6で判定。
英玲  (ころころ)16。
GM/鳩  (ころころ)「はいはい、何でございましょ?」
英玲  この塚が崩されたのはいつ頃?
GM/鳩  「この、塚?」
英玲  あ、えーと、ここに山が盛ってあったのはいつ頃?
香瑠  ここは邑の中だよぅ。
英玲  この邑から外に出たところの獣道があって……。
GM  (頭を抱えている)
英玲  ちょっと待って。この鳩を塚まで連れてっていい?
GM  つまり、鳩さんを笛の音でぴろぴろ操ったまんま、ひとりで、塚まで行って帰ってくる、ということで、いいんだね?
灰声  それなら着いて行く。塚まで行くんなら。
英玲  あう。塚まで行きます。
香瑠  彩慶、乗せて行ってあげるがよろしかろぉ。
GM  つまり香瑠は行かないんだね。
香瑠  だって彩慶に乗れるの、2人だもん。何かあった時、わたしじゃなくって、灰声おばーちゃんがいたほうがいいよぉ。
灰声  『風火輪』、あるよ。
香瑠  ぽん。いってらっしゃーい……行きますぅ。
GM  はいはい。じゃあ、塚だよ。
英玲  ここに土が盛ってあったのは覚えている?
GM/鳩  「あったかもしれないですね」
英玲  いつまで盛ってあったか覚えている?
GM/鳩  「……えっ?」
芭蓮  素晴らしい。トリ頭に聞くところがなお素晴らしい(笑)。
灰声  あたしも質問していいの?
GM  いえ、英玲はくるっくぅって言ってるだけですが。鳩もくるっくぅって言ってるだけで。
香瑠  ねえ、灰声おばあちゃん。何話してるのかなあ?
灰声  わかんないよう。あの、この辺りで、妖怪のようなもの、人以外のものを見ないかどうか聞いてくれる?
英玲  わかりました。この辺りで人間以外のものを見たことがないかしら?
GM/鳩  「……それはやっぱり狼さんとか?」
英玲  いや、あのー。
GM/鳩  「(ま、これ以上困らせても何だし)つまり妖怪さんね。あの山にいっぱいいるのを見たことがあるよ」
灰声  どこの山じゃ?
GM  びしぃ!  (地図上の裏山を指差す)
灰声  それは、1種類だけ?
GM  (通訳は省いて)1種類かもしれない。
灰声  かもしれない。その中に人間は混ざってるか?
GM/鳩  「さあ、それは」
香瑠  その猩々たちが、こういう鐘を持ってるかどうか。聞いて欲しいな?
英玲  その猩々たちが、吊り下げる鐘のようなものを持っていたのを見たことがあるかないか?
GM/鳩  「こんなのって、どんなの?」
英玲  こう……何て言うのかな。人間が手に持って、鳴らす……。
香瑠  板切れを拾って、ばばっと鐘の形を書いて、こんなの、と見せる。
GM/鳩  「さあ、知らないなあ」
英玲  見たことがないって。
灰声  そう、ありがとう。つまり、あの山にいるってことじゃない?  ま、とりあえず、帰ろうか。
英玲  それじゃあ、帰ってもらってもいいかな?
GM/鳩  「はいな、ばさばさばさ」

【九 お疲れですか?】

GM  えーと、邑のほうは何か行動は?
芭蓮  僕は虫除けの薬と交換で、食材を求めましょう。食料を買出しに行くとともに、町で話を聞いて見ましょう。
凌稀  そうだね。
GM  ちょうど、この新しいほうの大通りが市場になってるから。
芭蓮  野菜と、肉は駄目な人がいるから、代わりに小麦粉でももらって。肉は駄目なんだったら、肉汁はいいよな?
香瑠  うん。(それはどうかなあ?)
芭蓮  塚関係の話と、妖怪が本当に3日前頃から出てきたのか、その辺をしっかりさせておこう。
GM  妖怪が現われるようになったのは、やっぱり3日前。それ以前には、ほとんど現れていないね。「昔々に、わしの死んだじーさんが見たとか見ないとか」ぐらいで。
芭蓮  ありゃりゃ。つまり、仙人の時代の話ってことか。なるほどなるほど。
GM/邑人  「ちょうど3日前に、呂文際さんが襲われたのが先触れみたいなもんでして」
凌稀  ……。
GM  (凌稀に)何かしてみるかい?  なければ、なし崩しに時間を進めちゃうけど。
凌稀  うーん、何も思い付かないよ。たぶん、他の人に聞いたって変わんないだろうし。後は呂文際を疑ってみるくらいしかない。
灰声  そうだよねー、怪しそうだよねー。
GM  うん。それはいいことなんだけど、専門職という自覚は持ってね。
凌稀  ?
芭蓮  心を探るんだよ。
凌稀  ああ、そんな術もあったねえ。
GM  (じたばた)
凌稀  だってぇ、ここ最近、央華のルールブックなんか読んでないし(笑)。
  こら。僕の後輩には、基本ルールブックからゲームマスターブック、追加ルールブックまで全部読破してからキャラクターで参加したという殊勝な奴が居るのだぞ。元気かな、N君。
凌稀  だって、お誘いがあってから、「ルールブックなんて何年読んでないかなあ」って準備したんだもん。しかも読んでない。
GM  召鬼やるのは初めてだっけ?
凌稀  そんなことはないけど。
GM  じゃあ、土地神とコンタクトを図るっていう選択肢は、敢えて無視してるんだね?
凌稀  ……そんなこともあったねえ。土地神のところに行こう。
GM  さて、祠に行くには、この細い道の行き止まりにあるところの門から出て、しばらく歩いてもらうことになる。
凌稀  飛来椅に乗って短縮しよう。。
GM  では土地神様の祠に到着だ。お祭りはきちんとされている。王様の豪華な家に比べると、何だか質素だなあ、という気がする。
凌稀  仕方ないね。で、何するんだっけ?
GM  特に判定ということもないから、普通にご挨拶をすれば出てきてくれると思うよ。
凌稀  では、普通の手法で、丁寧に丁寧に挨拶をして。
GM  ほい。しばらくすると、祠の奥のほうから、もやもやとした霊体が現われる。死んでるから青白い顔なんだけど、あったまぼさぼさで、よれよれの格好をしていて、例えて言うなら3日ぐらい徹夜した後のような顔をしてます。「はあ、どうも、この度は、ようこそのお越し……うえ」(笑)。
凌稀  えっと。そのお姿は?
GM/土地神  「いや、すいません。ちょっと忙しくて」
凌稀  そうなんですか。じつは、少々伺いたいことがありまして。実はそちらにある邑が妖怪に襲われてるって言うのと、ここにある塚が崩されて埋められていたものが掘り出されたこととが、何か関係があるものと思いまして。
GM/土地神  「はあはあ。ようよう存じております。というか、わたしが忙しいのもそれでして」
凌稀  そうですか。
  土地神とは、その土地の王族の祖霊である。その土地の陰陽の気、早い話がプラスとマイナスのエネルギーを司っていて、邑を栄えさせたり祟ったりする。この能力を使って、妖怪を寄せ付けないようにする、なんてことも可能だ。
  この土地神は、その仕事にかかりきりで、オーバーワーク中なのだ。
香瑠  じゃあ、塚が崩れたら急に陰陽の気が乱れた、ってこと?
GM/土地神  「塚は、溟欣炎とおっしゃる偉い仙人様が、この邑をお救い下さった時に作って行かれた塚でございます。その折に現われていたのも猩々でございました」
凌稀  あの鐘の効果について、何かご存知ですか?
GM/土地神  「はあ、わしもよくは知らぬのです。仙人様が埋めた鐘の形だけはわかるのですが、何分体がございませんので絵筆を持つこともできません」
凌稀  肉を付すのは《祈願  付霊鬼肉》か。成功するまでやるよ。
GM  では、土地神様に久しぶりの体の感触を与えて、かきかきと鐘の形を書いてもらいった。僕は絵が下手なんで、その絵は省略させてもらうよ(笑)。普通の鐘とは装飾性が違って、ど真ん中に饕餮紋がばんと入ってたりするので、他の鐘と見間違うことはないね。生前はわからなかったんだけど、土地神になってこの土地を詳しく知るようになってから、埋まっているものの形がわかったという次第。
凌稀  誰がその鐘を持っていったのか、わかりません?
GM/土地神  「恥ずかしながら、それがわからないのです」
凌稀  それがわからなくて右往左往してると?
GM/土地神  「いえ、それを探すよりも何よりも邑を守ってやるほうが手一杯でして。しかも、私にも限界というものがございまして、もうもちそうにありません」
凌稀  うーん。
GM/土地神  「それと何か関わりがあるのかもしれませんが、猩々とは少し違う、強い陰気の存在をときどき感じるのですが」
凌稀  それはどの辺りでしょう?
GM/土地神  「少し前に、塚の辺りでちらりと感じたのですが、それからはとんと見分けがつかなくなりまして」
凌稀  お忙しいところ、お邪魔をいたしました。
GM/土地神  「いいえ。どうか子孫たちをお救いくださいませ」
凌稀  できる限り早く解決しますから、倒れないでね。

【十 葬儀にて】

英玲  灰声さんと一緒に芭蓮さんを探しているんですけど、まだ見つかりませんか?
GM  そのうち見つかるだろう。虫除けで交易してるだろうし。
芭蓮  なあなあ、もう少しおまけしてよ(笑)。
GM  そんなやり取りの中でわかるんだけど、この邑の人たちはとっても気さくな性格。今は妖怪におびえてはいるけれど、だからといって閉鎖的にもならない、愛想のいい人たちだ。
灰声  あ、いたいた。
香瑠  芭蓮にーちゃんだ。これあげる。塚の辺りで取ってきた、おいしそうな山菜さんっ。
芭蓮  《草調知》(笑)。
GM  振らんでいいよ。その辺のワラビとかゼンマイとかだから。
芭蓮  うん。それじゃ、料理に使おう。さて、どこで料理するかなあ?  やっぱ、王様のところの厨房を乗っ取って作るしかあるまい。あ、王様の家族の分も作ってしまおう。
灰声  いちおう、状況説明はしておきます。これこれこうだった。ときに。凌稀さんは何処に行ったんだ?
芭蓮  さあ。いつの間にか僕の後ろから消えてた。買い物に付き合ってくれるような素振りを見せながら、いつの間にかいなくなっていたよ。
灰声  大丈夫なのか、あんな子供を1人歩きさせて(笑)。
香瑠  そうだ、せっかくだから遺族のところに線香上げにいってこよーっと。おばーちゃん、お線香上げに行って来るね。
灰声  そうかい、気をつけて行くんだよ。ところで今、何時?
GM  まあ、夕方ですかね。
香瑠  芭蓮おにーちゃんと、英玲おねーちゃん、行ってきまーす。
灰声  あとで、王の屋敷で合流しましょう。
GM  なんか楽しそうに行くなぁ。では、お亡くなりになったのは「楚元」さんと「方羅」さん。
香瑠  まず、楚元さんのほうに行こうかな。
GM  えーと、遺族はお嫁さん1人にちっちゃい子供が1人。で、お葬式の最中かなあ。近所の人がお悔やみに来てる。嫁さんは、目を泣き腫らしているよ。
香瑠  えっと、こんな立場ではないのですが、死者の冥福をお祈りしたいのでお線香を上げさせてください。
GM  はい。その辺は結構こだわりないみたい。
香瑠  お嫁さんと話がしたい。えっと、お辛い気持ちはわかりますが、いくつか質問させていただいてよろしいでせうか?
GM/楚元の妻  「あなた、どちらからいらしたの?」
香瑠  …………、あっち(笑)。
GM/楚元の妻  「親御さんは?」
香瑠  生きてるのかなあ?
凌稀  あっち、でいいんじゃない?。
芭蓮  冥界ですか?(笑)
香瑠  じゃ、あっち。
GM/楚元の妻  「そうなの。今は何処に厄介になっているの?」
香瑠  お師さんのところだよ。でね、お師さんに言われて来たんだけど、なんだか妖怪のことを聞くのはとっても大事なことなんだって。
GM/楚元の妻  「はあ」
香瑠  楚元さんって、いっつも呂文際さんと塚に行ってたんですか?
GM/楚元の妻  「ええ、呂文際さまが来られる時にはお手伝いをして、手当てを頂いていました。普段は農夫でしたが」
香瑠  ついていくのは、いっつも2人?
GM/楚元の妻  「ええ、決まっていました」
香瑠  呂文際さんがどんな人か、楚元さんから聞いたことないですか?
GM/楚元の妻  「けちけちしたところがなくて、丹邑の人にはとても優しい方です。何か買い物をしても、支払いを待ってくれて」悪く言えば、人気取りには熱心だった。
香瑠  例えば楚元さんが何かこぼしてなかった?
GM/楚元の妻  「旅の商人ですからお金回りもよろしくて、亡夫の話では、行く行くはこの邑の宰相を目指しているとか」
灰声  凄いなあ。
香瑠  心のメモにめもめも。その話は、楚元さんにしかしなかったの?
GM/楚元の妻  「そうですね。穿った見方をされる方は、陰でそんなことをおっしゃってたかもしれませんが」
香瑠  なるほどぉ。辛いところに辛いことを訊いてごめんなさいです。……あ、懐からごそごそと。
GM  今度は何が出るんだ?(笑)
香瑠  え、香木だよ。
GM  なるほど。……なんで出てくるんだ?
  方羅さんの家にもお焼香に行く香瑠だが、収穫は特になし。呂文際はずいぶん前にお悔やみに来て、お金を置いて帰って行ったそうですが。

【十一 不審火、大歓迎】

  日が暮れて、王の屋敷に戻ってくる一行。芭蓮の料理ができるのを待つ間に、土地神のことや呂文際の噂など、手に入れた情報を交換します。
芭蓮  よし、料理終了。(ころころ)20。
GM/丹王  結構おいしい料理が出来上がった。王様一家も喜んでいる。「さすが道士様の作られる料理は違いますなあ、もぐもぐ」
香瑠  おにーちゃんは料理修行してるんだから、わたしたちとも違うよう。
芭蓮  僕、一般人ですから。やることなすこと(笑)。
GM/丹王  「きっと道士様のことですから、怪しい術とかでおいしい料理が、もぐもぐ」
香瑠  失礼な事言ってるぅ。
灰声  裏のお山に猩々がたくさんいるってことはわかった。3日前から急に何かが起こり始めている。しかし、塚はずっと前から崩れていたのに、なぜ3日前なんでしょうか?
芭蓮  その鐘がなくなったからでしょ?
灰声  でも、塚はずっと壊れてて……。
凌稀  塚は壊れてたけども、掘り出されたのは3日前、とか。
灰声  その間、ずっと塚の中にあったのかな。
芭蓮  昔、仙人様が来て塚の中に埋めた、という伝説の頃には、やっぱり猩々が現われていて、鐘を埋めたらいなくなった、というような感じだったし。
香瑠  王様にもいちおう聞いてみようよ。
GM/丹王  「ああ、あの塚の話でございますね。昔、先祖が治めておりました頃に仙人様がいらっしゃって、妖怪を退治してあの丘をお作りになったという話ですな」
香瑠  そんだけ?
GM/丹王  「なんか埋まってるという話もありますが、わたしはよく知りませんな」
香瑠  そういうことを一番よく知ってる人は?
GM/丹王  「さあ、わたしはあまり気にしておりませんから。親父やじーさまはえらく気にしておりましたが」
香瑠  ……ねえ、この村って、凄く良くしてればぁ、流れ者の商人さんでも、偉くなれるの?
全員  (笑)
GM/丹王  「は?  ……ひょっとして、呂文際のことですな」
香瑠  ううん(笑)。
GM/丹王  「……呂文際のことでしょ?」
香瑠  …………たとえ話(笑)。
GM/丹王  「お嬢さんもその辺の大人にだまされたんだね」
香瑠  うん。
GM/丹王  どっちなんだ(笑)。「まあ、確かに呂文際がうちの宰相になりたいとか、そういう話を聞いたこともありますがね。はっ。どうせ旅の商人なんて胡散臭い奴ですからね、わたしはそんなことは知りませんよ」
灰声  ほほお。
香瑠  王様、呂文際のおじちゃん、嫌い?
GM/丹王  「さあねえ」
香瑠  なんか隠してるぅ。
灰声  なんかきな臭いじゃないですか(嬉しそうに)。
香瑠  おじちゃん、嘘ついたらいけないんだぞぅ。
GM  あんたに言われたくねえ(笑)。「は、わたし?  嘘なんて付いておりませんよ」
香瑠  じぃーっ。
GM/丹王  「向こうが好意的なら、わたしも好意的になりますけどねえ」
香瑠  じゃあ、今は好意的じゃないんだ。
灰声  その割には、呂文際を家に泊めたりしてるけどね。
凌稀  まあ、客人だし。
香瑠  やっぱあれじゃないかな。嫌いだからって追っ払ったら、人気が一気に下がるから。
  さすがにまずい質問だったかな、とは、露ほども反省しない一行。さっさと部屋に戻って作戦会議です。
灰声  明日どうします?
芭蓮  山に登りましょう。
灰声  どこの山?
芭蓮  裏山でしょ。猩々のいる。
GM  この際全然関係ない山に登っても。
灰声  真ん中の山に登ろー!  って、山を制覇(笑)。
英玲  山登りが好きだねえ。
芭蓮  夜になったら門番のところに、差し入れとして飯を持っていこう。
GM  じゃあ、君が支度をして屋敷を出たところだ。「妖怪が出たぞー」という声が、西側の小門のところであがる。
芭蓮  門番はいるの?
GM  各門に常時2人ずつおりますけど。
芭蓮  うーん、行っても……しょうがないかなぁ。行ったら、みんなが片付けてそうだしなあ。ま、いいや、塀がぐるりと繋がってるだろうから、塀をよじ登って、その上を走っていこう。
香瑠  迷わず直行する。
灰声  うん。
英玲  まあ、ついて行きましょうかねえ。
GM  あんた、余裕だな。
芭蓮  乗り物がある奴は乗り物に乗ってさっさと行けよ。
香瑠  あ、じゃあ仙鳥に乗ってしゅぱんと行く。
英玲  徒歩でーす。(←走れ!)
GM  塀の上まで猩々がよじ登ってきて、塀の上にいた兵士さんを1人突き落としたところで、君たちが門のところにたどり着く。10丈以内に入りましたので、先制権を振ろう。
  あっさりと先制権を取られた猩々たち。塀にしがみついた者は『二竜剣』に斬り落とされ、塀の上にあがった者は『琴弦弓』に撃たれ、あるいは駆けつけた芭蓮に斬り倒される。
たった1ターンでぼこぼこにされた猩々たちは、何の反撃もできずに撤退。
芭蓮  天転に跡を追わせよう。ちょっと暗いのが心配だが。
GM  「うわぁ、道士様ってすげえなあ」と兵士たちの中から感嘆の声が。
芭蓮  薬をばら撒こう。何人分?
GM  1D人分としておこう。
芭蓮  (ころころ)やったぁ、6人分だ(笑)。
GM/兵士  「ありがとうございます。傷まで治していただいて」
芭蓮  感謝するがいい。そして飯を食うがいい!(差し入れの包みを突き出す)
GM  いままでのGM経験で、「飯を食わせてくれ」って奴ばっかりだったから、とっても新鮮(笑)。
  もしかしたら、また猩々が来るのではないか、と考えた一行は、手分けして東西と南の二門、合わせて四門を見張ることにしました。灰声ばーちゃんは一人、屋敷に戻って呂文際の動きに注意を払うことに。
香瑠  えっとね、ここの門(北側の門)のところで寝る。
GM/兵士  「お嬢ちゃん。こんな所で寝てたら、風邪ひくよ」
香瑠  だって、家の中より外のほうが、妖怪さん来たときにわかるでしょ?
GM/兵士  「いや、そうだけど……、危ないよ」
香瑠  細かいことは気にしなぁい。じゃ、何かあったら起こしてね。
GM  芭蓮くんが西門で待っていると、天転が帰ってきた「猩々たちは、裏山のほうに向かって逃げていきましたわ。後は暗くてちょっと……」
芭蓮  ほい。今度は兵士たちにこの邑の王様の事を聞きましょう。
GM/兵士  「それなりに遣り手っていうんですかねえ。でもねえ、ケチなんですよ。お金を集めることには必死で、お金を出すことについてはものすごく渋るんです。代替わりして作った新しい家だけは豪勢なものですけどね」
芭蓮  なんで、呂文際を旧宅に泊めるの?
GM/兵士  「正直なところ、泊めたくないんでしょうけど、体裁とか体面とかがあるんでしょうね。ほら、呂文際さんの人気取りが気に入らないみたいで」
芭蓮  じゃあ呂文際のほうが人気は上ってことか。
GM/兵士  「そうですね。でもまあ、呂文際さんには土地神をお祭りすることができませんから」
香瑠  もし、祀れるようになったら……?
凌稀  直系の祭りが絶えたら、あの土地神様、もっと頬がこけそう(笑)。

【十二 帰還、そしてばーちゃんの名演技】

GM  では、夜中ごろ。灰声さんは起きていますか?  
灰声  んー。年寄りは、小さな物音にはうるさいから?(笑)
GM  仕方ないですね。難易度8の知覚判定で許して差し上げましょう。(ころころ)あ、13。
灰声  (ころころ)楽勝〜。
GM  では、どこかで「ぱたん」という音がしたよ。
灰声  誰かが機を織ってるのかな?  じゃあ、扉に近寄って、扉を細めに開けて向こうを覗いてみます。
芭蓮  きっと呂文際が機を織ってるんだ(笑)。
GM  とりあえず、誰もいませんよ。
灰声  足音がしないかどうか、伺ってみますけど?
GM  足音はしないようだ。代わりに話し声が、廊下からじゃなくて、隣の部屋からするよ。「わざわざこんな遅くに届けてくれて、ありがとう」。
灰声  ひとつは呂文際だよね。
GM  もうひとつは聞いたことの無い声。
灰声  若い男の声と見ましたが?
GM  うん、若い男だ。「あなたのためなら……」「それにしてもお前……」「いやあ、運がよかったですから……」
灰声  このまま廊下の様子を、薄目に開けた扉から窺ってます。
GM  しばらく話が続いて、「わたしはこれで……」 「夜道には……」と言い交わして、隣の部屋の扉が開いた音がする。
灰声  何とかその姿が見たいです。
GM  まだ死角だから待っててね。「奥さんが勘違いしてるから、早めに帰ってあげたほうがいいよ」 「ぜひそうします」というやりとりがあって、来客は廊下を歩いて外に向かいます。その後姿が、開いた扉から見れる。線の細そうな、20代くらいの若い男のようです。
灰声  ふぅ〜ん、なるほどねえ〜。
香瑠  嫁が気にしてる?
凌稀  誤解するって……。
灰声  そりゃ、死んだと遺族の人が思ってるんじゃないのかな?  ……うーん、追跡するとかそういう術がないからなあ。
芭蓮  出てみたら?  「およ、ここはどこでしたかいの?」って。
灰声  じゃあ、つけます。
GM  では、機敏+2Dを振ってくださいな。
灰声  (ころころ)えっと、13。
香瑠  裏返さないの?
GM  (ころころ)じゃあ、男はそのまま玄関先までてくてく歩いてきて……くるり。「おばあさん、どうしたんですか?」
灰声  ……あんた、真ちゃんだね!  真ちゃん、真ちゃんじゃないかい!  あんた、大きくなって!(笑)
全員  (爆笑)   うまい、うますぎるよ、ばーちゃん。
灰声   (はっとした顔をして)あんた。あれだね、行方不明の……。
GM/若い男  「ええ、そうです。運良く助かったんですが」
灰声  それにしても、死体が見つかってかなり経つじゃないか。今までどうしてたんだい?
GM/若い男  「実は迷ってまして……。裏山のほうまで逃げて行ったら、帰って来れなくなって……」
灰声  まあ。もうひとりのお連れさんはどうしたんだい?
GM/若い男  「途中で別れちゃったんで、わからないんですよ」
灰声  そうかい。まあ、早く帰って安心させておあげ。
GM/若い男  「ええ。おばあさんも夜遅いですから、早くお休みなさい」
灰声  呂文際さんのところに、こんな夜中に来なくてもよかったのに。
GM/若い男  「何とか今日中に邑に帰れましたので、呂文際さんの荷物をお渡ししておこうかと」
灰声  命さえ危なかったのに、荷物まで届けるなんて。さぞかし大事な荷物なんだろうねえ。
GM/若い男  「ちょうど逃げるときに預かりっぱなしでしたので」
灰声  ほお。そんな価値のあるものなのかねえ?
GM/若い男  「さあ、わたしにはあんまり価値はないんですけどね。じゃ、わたしはこれで」
灰声  待ってくれぇ(笑)。荷物は重かったかい?
GM/若い男  「いや、僕にはそんなに重くはなかったですよ」
灰声  ああ。それはもしかしてわたしが呂文際さんに預けた、爺さんの形見の鐘じゃないのかい?(笑)
GM/若い男  「違うでしょう。その辺の詳しいことは聞いてませんけど。……ま、おばあさんも早く寝たほうがいいですよ。今、物騒ですから」
灰声  そうだね、あんたも早く帰っておあげ。
GM/若い男  「じゃあ、お休みなさい」
灰声  お休みなさーい。……呂文際さんのところに行きます。
GM  はい。すでに消灯してますが。
灰声  がんがんがん。呂文際さーん。
GM/呂文際  「何です、いったい?」
灰声  何でも、死んでたはずのお仲間が生きてたんですって?  よかったねえ。
GM/呂文際  「そうですよ。よくご存知で」
灰声  ああ。さっきそこの廊下でねえ。懐かしい真ちゃんによく似た(ううっ)。
GM/呂文際  「は、はあ。まあ、立ち話もなんですから」
灰声  うう、げほごほ。年寄りは夜になると喉が渇いてねえ(笑)。
GM/呂文際  「しょうがないですねえ」ということで、寝床の側にあった茶器からお茶を出しましょう。
灰声  ち。部屋にあるんかい。
GM  中国風なら、たぶんあるでしょう。ぬるい奴ですけど。
灰声  部屋の中を見回して、彼が持ってきた荷物があるかどうかわかります?  きっと汚れてたりすると思うんですけど。
GM  部屋の中には一人用の葛篭みたいなのが置いてある。きっとその中にしまってあるんあろう。
灰声  そういえば、さっき真ちゃん、おっと違った(笑)。……に聞いたんですが、大事な大切な荷物を預けていたそうで。よく戻ってきましたねぇ、さぞ大事な荷物なんでしょうね。ちょっと拝見したいわぁ、冥土の土産にぃ。
GM  (芸が細かいなあ)「勘弁してくれよ、こんな夜中にばあさんの世迷言かよ」てなことを内心で思いながら。魅力判定でもしてみましょうかね。
灰声  魅力+2Dね。(ころころ。出目は10)
芭蓮  婆の魅力に参った!(爆笑)
GM  きっと死に別れたお母さんの面影を思い出したんだよ。「しょうがないですね」といいながら取り出してくる。このくらい(30センチ立方)の、布に包まれた物体ですね。紐を解くと、中から青銅製の鐘が出てまいります。
香瑠  ぶっ。
灰声  ほほぉ。これはまた……。
GM/呂文際  「次の次に回る予定の邑で頼まれていた品物なのですが」
香瑠  ねえ、饕餮紋とか入ってたりする?
GM  ……えっと、仙術抵抗を試みていただけますか?
灰声  はい。(ころころ)ひっくり返して13です。
GM  (ころころ)はい、承りました。
灰声  反動は振らなくていいの?
GM  いえ、結構ですよ。ごく普通の鐘だ。文様がちょっと気を引くけど、それ以外はいたって普通。
灰声  ふうん。この鐘は何か特別な謂れのある品なんですか?
GM/呂文際  「いえ、修繕を頼まれてたんですよ。わたしが行きつけの邑にそういったことが得意な方がいらっしゃいますので、お願いしていたんです」
灰声  触ってもよろしいかな?
GM/呂文際  「壊しちゃ駄目ですよ」
灰声  ひっくり返してみたり、がんがんと叩いてみたり。
GM  やっぱり普通の鐘だな。ぴんと来るものはない。それ以前に、ぴんと来るような仙術もないし。
灰声  いやいや、冥土の土産にいい物を見させて頂きましたぁ。
GM/呂文際  「なに、喜んでいただけてよかったですよ」
灰声  じゃお休みなさい、って部屋を出ます。
香瑠  ……じゃあ、わたしたちが連れて帰ったのっぽの兄ちゃんの死体は何?

【十三 怪しいなあ……】

GM  では、次の日の朝だけど。
灰声  老人は朝が早い!  2人のうちの片方、背の高いやせ細の人のほうへ行きます。朝から訪ねたりせずに、様子を窺います。
GM  朝なのでひっそりとしてる。
灰声  うーん、戻る。
芭蓮  昨晩のことはちーとも知らずに。さあ、猩々の山に行こう!
灰声  みんな合流しましょう。
GM  香瑠なんか、起きたら詰所の中だよ、たぶん。
香瑠  うにゅう?  気がついたら体の上に毛布がいっぱい。起き出して、兵士さんたちにお礼を言うの。
GM/兵士  「今日はおうちに帰るんだよ」
香瑠  うん。ところで、夜の間に変なことなかった?
GM/兵士  「いいや」
香瑠  あー……。王様のおうちに戻るの。
GM  はいはい。
灰声  みんなに、昨日、かくかくしかじかなことが、と報告。
GM  報告されたよ。
香瑠  呂文際さんって、何か嘘吐きな感じがしますっ。
灰声  いや、老人の世迷言を聞いてくれた、いい人かも(笑)。
香瑠  灰声ばーちゃん、しっかり!  でも、そしたらさ。あののっぽさんの死体はなんだったの?
灰声  実は呂文際さん、ってことはないよね?
凌稀  呂文際さんのサイズはどんななの?  えーと、体格とか?
GM  決定的なことをひとつ。呂文際は白髪が生えるような体質ではありません。もっと脂ぎってて、白髪になるより先に直滑降で禿げるタイプ。身の回りに心当たりがあろう?
香瑠  ……ああ。じゃあ、あののっぽのおにいちゃんは白髪が混じってたから、禿げること確定の呂文際とは間違えないかぁ。
GM  そのうちハゲとしか呼ばれなくなりそうだ(笑)。
香瑠  あれ?  楚元さんって、若かった?
凌稀  死体は「白いものが混じってた」としか。
香瑠  昨日の夜の兄ちゃんは?
凌稀  20歳そこそこみたいな感じの表現で。
GM  奥さんは若かったよ。
香瑠  ということは楚元君も若かったはず。昨日、あれだけ話したんだよ。おばーちゃん、わかるよね?
灰声  年寄りは物覚えが悪くてねぇ(笑)。でも、いくらなんでも、白髪が頭にあったら、こいつはうちの旦那じゃない、って話になるんじゃないの?  昨日あった若い奴と楚元さんの死体の印象って違った?
GM  暗かったので白髪についてはわかりませんが、体つきはよく似てた。
灰声  ほうほう。
芭蓮  ばあさんの呆けっぷりだけは聞いた。さあ、飯でも作るか。
灰声  そういえば、どっから帰ってきたのよ?  あんなに夜遅く。
香瑠  4ヶ所の門にはわたしたちがいたんだし。
灰声  みんなで手分けして聞きに行きましょう。
GM  その結果、当たりが出たのは西門に行った凌稀さん。
凌稀  昨日も見張りしてたのに、何で気が付かんかったんかな?
GM  ……寝てたんじゃない?(笑)
凌稀  ……寝てたんですか。
  すいません。凌稀さんが見張りに立ってたこと、すっかり忘れてました。勘弁していただきたい(汗)。
灰声  帰ってきたんだ?  夜遅く?  それって、凄く変じゃない?  なんて言って帰ってきたの?
GM  (内心かなり弱っている)
凌稀  誰か来たぞ、から始まって(笑)。
芭蓮  近くに怪しい人はいませんね、って。
灰声  でもー、ね?  猩々に追われてた人が、「やあ」って帰ってくるわけ?
凌稀  お前、死んだんじゃなかったのか?  ってなやりとりが、かなり騒ぎになると思うんだけど?
GM  (うぐぐぐぐ)
全員  ……。
灰声  まあ、じゃあ、門から一人で歩いて帰ってきたんだ。
GM  そういうことになりますね。
  迂闊ですよねー。きわめて重要なNPCに、とても不自然な形で「不透明な事象」を付与してしまいましたからねー。これが例えば、「どこの門も気が付かなかった」となれば、逆にあからさまに怪しむべき要素として納得してもらえたんでしょうけどねー。PCの行動を無視した形になってしまって、凌稀さんはじめPCの皆さんに悪いことをしたなあ、と反省しています。
香瑠  じゃあ、帰ってきた楚元くんちに行ってみようか?
GM  はいな。楚元くんと嫁さんと子どもが、楽しそうにしている。まるで何事もなかったみたいだ。
香瑠  じゃ、明るいところで。楚元くんには白髪ありですか?
GM  ありますな。
香瑠  あれ?  えーと、お葬式の準備は?
GM  もちろん取りやめ。生きてるんだもん。死体は、正直扱いに困ってる。
香瑠  面倒くさいなあ。嘘つけない体にしちゃうぞ。
芭蓮  なんか怪しいから、心を読んでしまえ。
凌稀  そーだね。
灰声  楚元は何にも知らない可能性もあるよね?
芭蓮  だから、心を読んじまったほうが、話が早い。
凌稀  じゃあ、深層心理を探ります。……って、《祈願  三尸探心》の術、行使値4じゃん。足りない。
GM  深層心理は7のほうかな?
凌稀  探れませんっ!
芭蓮  符を作るか。9時間ぐらいかけて。
GM  その時には精神値が1点減るけどもな。
芭蓮  それともか、まっとうに聞き込みして回るか?
GM  ちなみに楚元くんの顔を見た方は、いちおう仙術抵抗を試みてくれるかな?  昨日の夜に見た灰声さんはいいや。
芭蓮  あのー、1しかないんですけど。
GM  そんなことは知らん(笑)。
全員  (ごろごろ)
GM  はい。承りました。反動はなしでいいですよ。
灰声  よっぽど高い数値でなにか設定されてるんじゃない?
香瑠  目がないんじゃないかな?
  そんなことはにゃあよ。9+2Dでしたから。裏を使えませんので(こちらが難易度決定Dになるので)、最低値11なら、芭蓮でも10以上を出せば抵抗できる。逆に言うと、こっちが8以上振ってしまうと、PCの最大抵抗値が4だったので、2Dで6ゾロ振っても抵抗できないんですが。
芭蓮  うん。僕は出目がないね。はっきり言って。
GM/楚元  「僕の死体らしきを拾っていただいたみたいで、ありがとうございます。それにしても、この方、誰なんでしょう」
灰声  さあ。
芭蓮  で、どこのほうを迷い歩いてたんですか?
GM/楚元  「あの後……」
香瑠  すとっぷ。心が読めんなら禁呪をかけーる。《禁舌則不能嘘》
GM/楚元  「なんですか?  そのおまじない、みたいなのは?」
香瑠  ただのおまじないです!  (ころころ)うむ。迷うことなく裏で16。これで抵抗したら、問答無用でどついてやる。
GM  (ころころ)……はい。
灰声  喋れるかなあ?
GM/楚元  「えーと、ご質問は何でしたっけ」
香瑠  ……仙術の反動が来ないってことは……。
芭蓮  抵抗したのか!  なんてこった、俺より仙術抵抗が高いぞ!(←大抵の人は君より高い(笑))  で、どこをほっつき歩いてたんだ?
GM/楚元  「塚の辺りで妖怪に襲われて、夢中で逃げた方向が裏山だった、というわけでして」
芭蓮  なんで邑に逃げなかったんだ?  塚からなら近いだろうに?
GM/楚元  「妖怪に追っかけまわされて、邑の方向へ行けなかったんです。裏山のほうでも、慣れない道に入り込んで帰れなくなってしまったんです」
芭蓮  猩々がこの辺り(裏山)に巣食ってるって聞いたんですが。
GM/楚元  「それは……。道理でたくさんいたわけですね」
芭蓮  何か見ませんでしたか?
GM/楚元  「えっと、夢中で逃げてましたので。何度か襲われそうになったんですが」
灰声  強運ですね、ずいぶん。
香瑠  ねえ、3日間も逃げながら、どうやって生きてたの?
GM/楚元  「蕨を食って」
全員  ……。
香瑠  風水になればよかった。そしたら陰陽の気で、こいつがナマモノかどうかわかったのに。
  風水・卜占の仙宝『照妖鑑』は、妖怪の正体を見破ることができます。香瑠が「ナマモノかどうか」と言っているのは、楚元のことを幽鬼だと思っているからなんでしょう。確かに幽鬼なら照妖鑑で見破れますが……。
凌稀  帰ってきた楚元が本人だったら、陰の気が強いよね?
GM  そうですな。(死体ってことならね)
芭蓮  陰気の感知でもするの?
凌稀  「隠れているもの」じゃなくて「幻を使っているもの」に近い感じで。《祈願  見気顕正》(ころころ)10。
GM  (ころころ)もやもやもや。陰気だな。
芭蓮  強い?
GM  弱くはない。その辺に転がってるような陰気じゃないね。
芭蓮  本人からだけ?
GM  そうだね。それから、転がってる死体からは、あまり陰の気を感じません。魂魄が離れきったってことだからね。
凌稀  本人が陰気に包まれていて、「猩々とは違う陰気があった」って土地神が言ってた。その陰気の存在が、今目の前にいるって考えたほうがいいよね?
灰声  倒してみます?
GM  嫁さんと息子のいる前で?
香瑠  酷いかも知れないけど、これは掟に反してる存在だよ!
凌稀  し、しかし……。子どもさんの将来も心配だし……。
香瑠  親はなくとも子はそだーつ!(笑っている、いちおう)
芭蓮  ぐはっ!(肺腑を抉られている。彼は生まれたての子どもを故郷に残してきたのだ)
GM  そんなタイミングで、牧羊地のほうで騒ぎが起こる。
灰声  騒ぎのほうに行きます。
凌稀  視力を付した使鬼をお家に置いて行こう。
GM  「なんだなんだ?  行って見てくる」と立ち上がる楚元。
香瑠  じゃあ、一緒に行こう。問答無用で仙鳥に引きずり上げる。
GM/楚元  「いいですよ、そんな。私、歩いて行きますから」
香瑠  一緒にしゅぱん、と!
GM/楚元  「い、いやですよ、わたし」
香瑠  却下!
GM  じゃあ、丁寧にきっぱりお断りする。
香瑠  じゃあ、入る?  (『封妖壺』を指差す)
GM/楚元  「……人をなんだと思ってるんですか?」
芭蓮  封印ですか、唐突に!(笑)  なんだかそれで問題解決のような気もするけど。
灰声  一足先に行く。騒ぎはなんなの?
GM  猩々がやってきたらしい。羊の柵を壊しにかかってる。羊さんは恐れをなして逃げ回っている。それを抑えようとする人と、猩々から逃げようとする人で、辺りは大変な騒ぎだ。
灰声  まあ、じゃ、斬っときますか。何体いるの?
GM  猩々は8匹。羊は40頭。
香瑠  羊はいいから(笑)。
GM  それから羊飼いさんが4人と、邑人がたくさん。
香瑠  いや、それもいーから(笑)。
英玲  戦力になるのは?
GM  うーん。羊?  いや、ならんなあ。
芭蓮  操って戦う気だったのか。
英玲  うん、できたら、と思って。
GM  そういう術を使うには行使値が足りないし、羊さんたちは壊された柵から逃げて行ってるよ。
芭蓮  む。うまそうな食材が。では、猩々に襲いかかりましょう。
  猩々たちは端から仙人たちを無視して、羊を抱えて逃げ出したり追い掛け回したりしている。
  もはや猩々との戦いにも離れた一行。香瑠までが白兵戦に参入する余裕っぷり。
香瑠  なんか妖怪退治してるのか、弱いものいじめしてるのか。
凌稀  ある意味、狩りだよね。
   なんて余裕をかましてたのに。
凌稀  えーと、反動が5ゾロの10。
GM  「体力または機敏が永遠に1ポイント低下」。
凌稀  ……機敏かなあ。はあ、悔しいから前の数値に×を付けておこう。
  事故ってのは起こるもんです(笑)。
GM  生き残った猩々は、羊を抱えてすたこらさっさと逃亡。
灰声  追います。
芭蓮  僕も追おう。天転を先行させて、それを目印に。
香瑠  目の前の奴が全然倒れてくれないから、攻撃を続行するしかないよぅ(泣)。(ころころ)13。
GM  はい。それで死んだな。
英玲  羊を抱えてる7番を『琴弦弓』で撃ちます。(ころころ)15。
GM  う、いて。羊を落としてしまった。
凌稀  それに追い討ちで『二竜剣』。(ころころ)だめだなあ。自前で(ころころ)命中。
GM  んぎゃ。それで倒れた。で、辺りを羊が走り回ってるけど。
英玲  《獣群誘唱》。(ころころ)11。
GM  (ころころ)君は演奏をミスってしまった。こんな演奏を葉霆子さまに聴かれたら……。
英玲  こわいよう。もう1回。(ころころ)12。
GM  (ころころ)うむ。散って行こうとしていた羊たちが、あなたの元に寄り集まってくる。めーめーめー。
英玲  じゃあ、柵のところまで誘導します。
香瑠  羊は英玲さんに任せるとして、『仙鳥』で猩々を追いかけます。芭蓮おにーちゃん、乗ってく?
芭蓮  え?  僕はとっくに先に行ってるけど。
香瑠  う。……何を目印に追いかけたらいいんだろう?
凌稀  どうするべきかな。怪しい人は邑の中にいる。山の中に全員で行ってしまった場合、その後が怖い。そういえば、置いて来た使鬼はどう?
GM  異常なしかな。家の中では奥さんと息子が大人しくしている。「大変だねえ」なんて言いながら。
凌稀  あれ?
GM  楚元さんはさっきの騒ぎのときに、一緒に表に出たからね。今はどうなってるのか知らないけども。
凌稀  はうぅ。じゃあ、楚元を探して邑をうろうろ。
香瑠  置いて行かれたら、邑に残るしかないじゃないかぁ。呂文際のおじちゃんを見張りまーす。
GM  じゃあ、猩々はあちこちに寄り道して、カラスが追い駆けていることに気がついて、さらに逃亡する。結局、塚のあった場所まで逃げてきたよ。
灰声  うーん、さらに追いましょう。
芭蓮  こうなったら、根競べだ。いつまでひとりで逃げられるかな?  できるなら、仲間のところへ行きたいだろう(にやり)。
GM  んじゃ、途中で3匹の猩々と合流した。のんきに羊の奪い合いなんかやり始めた。でもまだカラスが追い駆けてくるので、さらに逃げる、と。
芭蓮  どうもしない。さらに追う。

【十四 犯人はお前、かなあ?】

GM  ここで切り替えよう。えーと、まず呂文際だね。
香瑠  はいはい。
GM  彼は自分の部屋でじっとしてるよ。傷が治っても本調子じゃないからね。
香瑠  うーん、隣の部屋が一番見張りやすいんだけど、誰か来たときに見づらいからなぁ。壁に穴開けたら怒られるだろうし。仕方がないから、縁の下に隠れて。で、誰かに怪しまれたら、お得意の「ありんこさん〜」で誤魔化す。床下なら話し声も聞こえるはず。
GM  あんたは猫か。ま、いいけどね。では、英玲さん。羊はちゃんと捕獲できたけど、どうする?
英玲  芭蓮たちが塚のほうへ行ったのはわかってるから、塚のほうへ行く。
凌稀  二次遭難しそう。
芭蓮  襲われたらどうすんの。僕は使役獣がいるからひとりで行くけど。
灰声  私は風火輪で逃げるし。
GM  俺はやるよ。まあ、いつ来るかわからん虎を頼りに突き進むのも一興。
英玲  (笑)。邑に戻りますよ。
GM  えーと、凌稀さん。楚元を捜してるんだよね。
凌稀  そう。
GM  見つからんなあ。
凌稀  うーん。
芭蓮  実は変化の使える猩々で。
香瑠  もしかして、あの鐘が、死体を生き返らせる鐘とか。
灰声  でも、死体は2つあるのに、生き返ったのが片方だけってのはちょっとおかしいよね。
芭蓮  案外ただの旅人だったとか。
凌稀  うー。あちこち聞きながら楚元を捜す。
GM  「あ、楚元なら……」と世間話レベルから始まるが。
凌稀  えーと、さっきの猩々騒ぎを見に、一緒に出たまではよかったんだけど、途中で見失ってしまって。
GM/邑人  「そういや、さっき見かけたような気がするんだけど、どこに行ったんだろうね」
凌稀  う……。
GM/邑人  「そうそう、楚元の奴が言ってたけど、呂文際さんが、すごい鐘を持ってるらしい、って」マネーじゃなくてね。
芭蓮  すごいカネを持っている(笑)。
凌稀  そっちとは思わなかったけどね。
GM/邑人  「後は、私はこうして生き延びた、みたいな感じで、妖怪の恐ろしさを吹聴して回ってました」
凌稀  はあ。そういう人だったんだね。それはいつ頃?
GM  さっきの騒ぎにみんなが飛び込んで行った頃。
芭蓮  何ゆえ騒ぎが収まりつつあるときに、そんなことを言わねばならんのだ?
凌稀  身の安全が確保されたから……?
香瑠  その話の中では、どうやって猩々から逃げてたの?
GM  とにかく走り回ったってさ。時には話が大きくなるから、勇敢に戦ったりもしたでしょう。
凌稀  他の人にもいろいろ聞き回ってみるけど?
GM  やっぱりそんな感じだ。


GM  さて、呂文際。
香瑠  うにゅ。
GM  呂文際の部屋にお客さんがどがどがやってくるよ。
香瑠  ふみゅ。んで?  聞き耳立ててみる。
GM  詰問するようなきつい語調で「呂文際!  うんたらかんたら」と。
香瑠  聞いたことのある声?
GM  うん、王様の声だ。
香瑠  じゃあ、縁の下からちょろちょろと出て。周りに人がいないのを確認してから、呂文際の部屋にへばりつく。
GM  「なんだってあなたにそんなものを見せなきゃいけないんだ」と呂文際の声。 「いいから出せ。土地神様のお告げがあったのだ」とは王様の声。「まったく、あんたという人は仕方のない方ですな」と呂文際の声がして、ごそごそと物音。「さ、御覧なさい」と呂文際。どうする?
香瑠  とても中に入りたい欲求に駆られるんだけど、いいかな?
芭蓮  止める人は誰もいないよ。
香瑠  ここで入ると、まるっきり本能の人みたい。
GM  あんた、五遁のほうが向いてたんじゃないのか?(笑)
灰声  「欲望を憎まず、それを枷とせず、活力の源とせよ」
香瑠  「義を尊び、律を守り、礼に従い……」従ってないじゃん。
GM  じゃあ、悩んでる間に。 「ほら、見ろ、やはりそうだったか、呂文際」「馬鹿なことをいうな、こんなことがあってたまるか」
香瑠  すぱぁんと入っちゃる。
GM  あんた、さっき散々悩んでたのはなんだったんだ?(笑)  室内では、兵士に取り囲まれた呂文際が包みと鐘を持っている。それに指を突きつけた格好の王様が、「は?」と君を振り返る。
香瑠  扉を後ろにぱたんと閉めて。
GM/呂文際  「あなたは……」
香瑠  ……、それ、なあに?
GM/丹王  「よくぞ訊いてくれました。この呂文際が所持している鐘こそが、妖怪を呼び寄せる鐘なのです」ともはや断定口調で王様が言う。
香瑠  なんで?  何でそんなに決め付けるの?
GM/丹王  「土地神様からのお告げがあったのです。この邑に、妖怪を寄せ付ける、鐘がある」と。
香瑠  土地神様の顔って、どんな顔?
GM/丹王  「はあ、爺様によく似た顔でしたが」
香瑠  4日ぐらいぶっ続けで徹夜したような?
芭蓮  君はそれを見てないんじゃないのか?
香瑠  教えてもらってるもん。
GM/丹王  「なにやらよれよれとはしてらっしゃいましたが」
香瑠  その鐘をどうするの?
GM/丹王  「そりゃ、こんなおっかない鐘は邑の外に捨てるに限ります。それもさることながら、このような禍々しい物を持ち込んだ呂文際も罪に処さねばなりますまい。ん?」
香瑠  ねえ、王さまぁ。ひとつ訊きたいんだけどー。
GM/丹王  「はい?」
香瑠  大嫌いな呂文際さんを、陥れるちゃーんす、とか思って、裏を取らないでやってるんじゃない?
GM/丹王  「(嬉しそうに)そんなことはないぞ!  鐘の形も、土地神様から送って頂いたいめーじ映像そのままですし」
凌稀  電波だ。
香瑠  絶対間違いない?
GM/丹王  「わしの目に狂いはないですな」
香瑠  いや、すでに狂いっぱなし、って気もするけど(笑)。呂文際のおじちゃん、ほんと?
GM/呂文際  「いや、私はこんな鐘は知らない!」と言っている。「わたしが持っていた鐘は、こんな形や模様ではなくて、もっとここがこんなふうに……」と主張している。
香瑠  じゃ、今ある鐘をじっくり見てみよう。
GM  饕餮紋がばーん。いかにもといった禍々しい感じがする。
香瑠  あれー?
  ちょうどそこへ、羊を片付けた英玲が帰ってきます。
香瑠  あ、英玲おねーちゃん。
GM  まあ、さっきまで説明してたような状況だ。
香瑠  にゅ。改めて問う、呂文際。汝が持っていた鐘というのはどういった形なのだ?  図にして見せるがよいっ!。
GM  呂文際はへにょへにょと鐘の絵を描く。昨晩、灰声さんに見せたのとほぼ同じ図柄で、それを所持していた理由も、昨日おばあさんに話したとおりだ。
香瑠  それは確かにお前の荷物なのか?  聞いたところによると、昨夕、死んだはずの楚元が持ち帰ったそうではないかぁ?
GM/呂文際  「はい、おっしゃるとおりです」
香瑠  それは本当に楚元だったのかぁ?
GM/呂文際  「は?」
香瑠  お前は方羅と楚元を見捨てて逃げたとそう言ったではないかぁ。
GM/呂文際  「はい……、さようにございます」 (しょんぼり)
香瑠  そのとき、楚元に預けたのはその鐘だったのかぁ?
GM/呂文際  「そのときは無我夢中でしたから。確かに、塚に行くまでに荷物を手分けして持ち歩いてはおりましたが」
香瑠  では仮に、昨夕お前が楚元から預かったのが、まことにお前の描いたような鐘だったとして、これはどういうことなのだ?
GM/呂文際  「どうもこうも、私にはさっぱりです」
香瑠  わかんないの?
GM/呂文際  「わかる訳ないじゃないですか。いま袋を開けたら、わたしが持っていた鐘の代わりに、見たこともない鐘があるんですから」
香瑠  では、お前が持っていた鐘は、本当にただの鐘なのかぁ?
GM/呂文際  「ど、どういうことですか?」
香瑠  頼まれ物だと言ったなぁ?
GM/呂文際  「ええ、回っている邑から頼まれたものだと申し上げてるじゃないですか。塚で妖怪に襲われたときになくしてしまって、それを昨日、楚元が持って帰ってくれたんですって」
香瑠  ……お前は今日、ずっとこの部屋にいたのかぁ?
GM/呂文際  「まあ、そうですね。騒ぎがあったので、ちょっと表まで見に行きましたが、すぐに帰りました」
香瑠  じゃあ、まあ、間を取って。
GM/呂文際&丹王  「はあ」
香瑠  この壺は私が預かろう。
GM  なんでじゃあ!(笑)(壺ではなく、鐘なんだよ)
香瑠  だって妖怪を呼び寄せる鐘で、王様としては邑内に置いておけない。呂文際としては、これは商品とは違う、落し物。
GM/呂文際  「そうですな。楚元が持ち帰ってくれなかったら、この鐘は妖怪に奪われたままなのですから」
香瑠  妖怪に取られたの?  この鐘が?
GM/呂文際  「もともとの鐘が、です。まあ、はじめから無くなったままだと思えばしかたないですな」と呂文際。 「他のところに持って行ってくれるのなら、それに越したことは無いですな」と王様。
香瑠  まあ、罪は罪として置いておくとして。
凌稀  置いとくんですか?
香瑠  でも、罪ありと断じるには、まだわからないことが多すぎるっ。早計ではないのかぁ?
GM  「では、夕方まで待ちましょう」と王様。
香瑠  つまり夕方になったら、嬉々として呂文際を処刑するんだ。
GM/丹王  「いやあ、まことに遺憾ではありますが」
香瑠  言葉を飾るなぁ、このうつけぇ!
GM  かわいくないがきだなあ。で、鐘はどうするの?
香瑠  『封妖壺』の中。
芭蓮  何でもありだな、その壺(笑)。
GM  壺の中に入れるときに、わずかにかちん、と音が出たよ。
香瑠  できる限り音がしないように入れておく。
GM  そのときにぴんとくるのだが、英玲さん。
英玲  はい?
GM  この鐘には、『弱音器』がついている。
英玲  あれ?
 弱音器。現実の世界にもありますが、央華世界ではれっきとした仙宝です。長嘯術で使う楽器に取り付けることで、その音色が周りに聞こえるのを抑えます。しかし長嘯術の効果範囲は変わらない、という、どうしても目立ってしまう長嘯術士を助ける便利なアイテムなのです。
 つまり、「かちん」という音が……
香瑠  英玲さんには何かわかったみたいだけど、私にはちっともわかんないから、そのまま壺の中に収める。じゃあ、夕方まで、呂文際さんは軟禁状態?
GM/丹王  「さよう。道士様にも、異論のないところでございましょう」
香瑠  異論はいろいろあるけど、黙っとこう。

【十五 鐘の音に導かれて】

芭蓮  本隊と合流するのはいつになることやら。早いところ、猩々たちを倒して、邑を平和に導かないと。
灰声  そうよねー。
芭蓮  ああ、間違ってるかも、僕たち(笑)。
GM  お待たせ、塚のほうへ行った2人。
芭蓮  あ、回ってきた(笑)。
GM  それまで羊を分け合って遊んでいた猩々3匹だが、突然にふいっと邑のほうを向いた。で、羊はそのままに、邑のほうへと走っていく。
灰声  追いますよ。
GM  猩々たちは邑のほうへと走っていく。途中で1、2匹と合流して総勢6匹になった。そのまま邑になだれ込む。邑のほうでは塀の上で見張っていた兵士さんが「妖怪だぁ」と言いながら、猩々を迎え撃つ構えだ。猩々たちは外壁に飛びつき始めたよ。
灰声  突きまーす。
芭蓮  兵士に「挟み撃ちにするぞ!」と言いながら斬りかかる。
  兵士の叫び声を聞きつけて、邑に残っていた凌稀、英玲、香瑠も表に飛び出します。ところが妖怪が現れたのは東門だけでなく、南門のほうにも姿を現していました。東門は2人に任せて、3人は南門へと急行します(ひとり、えっちらおっちら歩いているのもおりますが)

GM  では、東側。猩々たちは兵士を突き落としたりしながら、邑の中に飛び降りた。4匹が大通りの辺りまで走って行く。
芭蓮  何と。挟み撃ちにすると言っておいたではないか!
GM  ただの兵士さんだもん。で、南側の猩々はがしがしと塀の上によじ登って……塀の上で6匹、みんなして香瑠が来るのを待ち構えてる。
香瑠  う。
凌稀  飛来椅で飛んできたんだけど。
GM  相手にはされてないみたい。
凌稀  う。
  いざ、猩々どもを蹴散らそう、と意気込んだ時。
灰声(のプレイヤー)  ……ごめん、あたし、タイムリミット。
GM  はい?
灰声(のプレイヤー)  門限が……。もうすぐ事件解決しそうなんだけど、ちょっと厳しい。あと、よろしくお願いしますぅ。
GM  仕方ないか。でも、どうなっても恨まないでね(笑)。
灰声(のプレイヤー)  誰か、コントロールお願い。
  と言うことで、以後、灰声さんは香瑠のプレイヤーが操作。
凌稀  鐘のあるところに集まろうとしてるわけよね?
香瑠  わたしが『がろん』って鳴らせば、みんなこっちに集まるってこと?  いい案だ、それ。
凌稀  た、だ。鐘の効力とか範囲がわからないし……。
芭蓮  別の妖怪軍団を引き寄せるってこともありうるから、やめといたほうがいいんじゃない?
  取り敢えず目の前を、という感じで攻撃する一行。灰声が火尖槍で1匹を葬り、凌稀が裏成功しながらも1匹を倒します。
GM  反動ね。「体力または機敏が1D日間、1ポイント上昇」
凌稀  機敏だろうね。さっき、永遠に下がっちゃったし。
GM  暫定、往時のわたし。
  後の人は移動してたりスカったり。猩々に囲まれた香瑠は、やっぱり外して終わり。
GM  そんなとき、南門の上に、猩々でないでかい奴がばん、と現われる。
芭蓮  狒々か?  僕らは追い付いてないんじゃないのかな?
GM  まあ、10丈範囲内ということでよかろう。さ、恐怖判定でもやろうかね。(ころころ)目標値は17ね。
芭蓮  しなきゃならんのか。
全員  (ごろごろ)
GM  失敗したのは?
全員  はーい。
GM  全員か!
芭蓮  僕の場合は蒼玉だけだけど。
GM  精神値ダメージ行くよ。香瑠9点、灰声8点、凌稀8点、蒼玉に11点、英玲に6点。
芭蓮  精神値マイナス2だ。どんとこい!  (ころころ)
GM  「一瞬の放心、直後の判定は自動失敗」で、最大精神値の1D×10%ほど、精神値が回復ね。さて、狒々は戟という武器を構えている。これをぶんと一振りすると、6個ほどそっくりな戟が出現する。猩々たちはその戟を1本ずつ装備するです。
英玲  あらあらあら。
芭蓮  『枝分剣』ですか、要するに。

─1ターン表。

GM  というところで、改めて先制権を振りなおそう。
香瑠  あたしのでいいの?  (ころころ)うう、負けた。
GM  狒々は跳躍かまして……香瑠さん、行くよ。(ころころ)15。
香瑠  あたし?  死んだかも。
凌稀  『二竜剣』の割り込み、とかは?
GM  いいよ、まだ防御のサイコロを振ってない……。
香瑠  えいっ!(ころころ)
GM  振るな!(笑)  凌稀さんの割り込みを無視しちゃだめでしょ。
香瑠  あ、そっか。
凌稀  ていっ。(ころころ)9。
GM  じゃあ、何事もなく『二竜剣』は通過。他に誰か割り込む?
芭蓮  割り込みませーん。というか、割り込めませーん。
香瑠  (ぽんっ)自分で《禁手則不能持》。(ころころ)19。
GM  高いなあ。(ころころ)はわっ!  裏にできん。武器を落としてしまったではないか。
香瑠  ぐっばい、狒々。今日一日は武器を拾えないよ。
GM  已む無し。攻撃/受け4で殴るしかない。(ころころ)。
香瑠  『仙鳥』に乗ってるから回避が6まで上がって……。(ころころ)避けたの。
GM  (平目で回避を試みてもよかったんじゃないかぁ)外れたね。じゃあ猩々1匹目。(ころころ)10。
香瑠  (ころころ)避けた。
GM  猩々2匹目。(ころころ)11。
香瑠  避けた。
GM  3匹め。(ころころ)7。
香瑠  避けるわ、1ゾロで!
GM  仕方ない、4匹め。(ころころ)6でどうだ(笑)。
香瑠  すでに避けてるよ(笑)。
GM  5匹めじゃあ。(ころころ)13。
香瑠  これも、(ころころ)裏にしよう。反動は6。
GM  不完全な防御じゃあ!  半分ダメージじゃあ。
香瑠  かきんっ。
GM  ……。
香瑠  だって紫綬仙衣着てるんだもん(笑)。
  こっちは集中攻撃しかけてるんだぞ。逆に戦力ダウンさせてどうするんだ、わたしは。むう、禁呪の鉄壁神話を作ってやっただけのような気がせんでもない。
  しかもその神話、ずっと続くのです。
芭蓮  なるほど、生命値の低いところはそれでカバーか。
GM  えーと、東門から侵入して生き残っている4匹が、南門のところまで走ってきて、塀にしがみついた。これでこっちの行動は終わり。

─1ターン裏。

芭蓮  行け、すべてに『ふぁいあ』じゃ!
香瑠/灰声  《以火行為炎嵐  焼》まず狒々から(ころころ)ひっくり返して18。
GM  目がない。次。
香瑠/灰声  反動は?
GM  後でまとめてやるから。猩々のも先に振っちゃって。
香瑠/灰声  (ごろごろ)どう?
GM  うん、全部だめだ。んじゃ、反動振りましょーね。
香瑠/灰声  (ころころ)10。
芭蓮  しかも5ゾロ。預かり者のキャラクターなのに。
GM  あんた鬼だ。「仙骨以外のいずれかの能力値が永遠に1ポイント低下」
香瑠(プレイヤー1)  ごめんなさい〜(泣)。
芭蓮  影響が少ないと言ったら、魅力しかないだろう。五遁には魅力は関係ないからな。
GM  まあね。眉毛が燃えたとか(笑)。
香瑠(プレイヤー1)  あう〜(泣)。
GM  魅力を削ったな。じゃあダメージをくれ。
香瑠/灰声  (ころころ)狒々に12。猩々たちには……(ごろごろ)。
GM  ほいほいっと。……一匹だけ生き残った。
  狒々の仙術抵抗の低さを知ってか、英玲の『琴弦弓』、芭蓮の《睡眠香》が立て続けに飛んできますが、どちらも抵抗。
  サイコロ運に救われた、とほくそえんだのも束の間。
芭蓮  ちきしょー。僕の命を削った9ヵ月ものだったのに。しかしまだだよーん。天転が(ころころ)11。
GM  (受けるしかないな)(ころころ)ぴったりだ。
凌稀  そこで狒々に『護法一撃符』。
GM  あんたは鬼だ。いいさ、来いよ。
凌稀  何か?(笑)  では、召喚から。(ころころ)
GM  その出目なら召喚成功だな。……なあ、護法の一撃を回避1で避ける可能性って、あるかなあ?
香瑠  奇跡じゃない?  (護法の攻撃で1ゾロないし3を振り、狒々の回避で6ゾロを振る確率。3/36×1/36=1/432。9回連続で投げるコインが必ず表になる確率。ま、まず無理だぁね)
凌稀  (ころころ)18。
GM  ダメージくれ。目がない。
凌稀  (ころころ)14点。
GM  いってー。

  ─2ターン表。

GM  ほいじゃ、こっちだね。なんかもー、無駄っぽいけど、《変化半虎闘》。ていっ。(ごろごろ)……。ぐは、失敗してる。
香瑠  なんだ、割り込もうと思ったのに。
  サイコロ振って自滅するのを見届けといて、割り込みもなかろーに。 微妙なところだけど、「割り込み!」あるいは「ちょっと待て!」と言われた時だけ、僕は「割り込みなの?」と聞くことにしてる。一撃全滅の術を使うような場合は確認するけどね。
GM  已む無し。では生き残りの猩々が香瑠に攻撃(ころころ)。
香瑠  4以上ね。(ころころ)回避。
GM  勘弁してくれよ(笑)。

  ─2ターン裏。

芭蓮  では、《痒々膏》を天転の足につけて、攻撃ごう!
GM  えーと、ちょっと待て。それ、ルール的にはマイナス3の素手攻撃扱いにすると思うんだがなあ。
芭蓮  そーか。鉤爪だよ?
GM  むー。別に傷つけることをためらうわけじゃないしな。そのままでいいでしょ。
芭蓮  ということで、(ころころ)裏にして11。
GM  受けとこ。(ころころ)かんっ。
芭蓮  じゃあ自分、続けて蒼玉。(ごろごろ)。
GM  (ごろごろ)回避であります。
芭蓮  さあ、攻撃してくだされ。受けは使わせましたので。
凌稀  『二竜剣』、ごう!  (ころころ)14。ダメージ8点。
GM  う、目がない。もらったよ。
凌稀  自分で、(ころころ)15。ダメージ9点。
GM  目がないってば。痛いですねー。
英玲  術使っても失敗しそうだから、やっぱり『琴弦弓』。
GM  (ころころ)ぱきんっ。
英玲  あう、だって仙術行使4しかないし。
  本人はそう言ってますが、この数値、宿業を食らう値です。つまり、仲間内で最大値の仙術行使です。どこが「しか」なんだ?
芭蓮  じゃあ、武器で攻撃すれば?
英玲  『琴弦弓』以外の武器、持ってない。
芭蓮  ……持てよ、何か!(笑)
香瑠  さっき、この狒々、術使おうとしたね?  《禁人則不能話》。
GM  (ころころ)ふんっ。
香瑠/灰声  『火尖槍』。(ころころ)性懲りもなく裏返したりして。(←ほんとだよ)
GM  (ころころ)ふんっ!

  ─3ターン表。

  狒々は最後の足掻きとばかりに《変化虎頭剥牙》を使って攻撃/受けを伸ばします。ひとり生き残った狒々は、相変わらず香瑠に襲い掛かっていますが、全然当たりません。防御の裏反動でも「普通の成功」。
GM  たまには面白いもの食らってくれ〜。

  ─3ターン裏。

芭蓮  それじゃ、僕が受けを使わせますか。(ころころ)11。
GM  それは受けるしか。(ころころ)かん。
芭蓮  回避だけになったところで天転。(ころころ)14。確か目がなかったな。連続攻撃いきまーす。
GM  うわ、やばい。
芭蓮  (ころころ)3点。2点。わ、これは当たらん。
GM  それはさすがに。
芭蓮  仕方がないな。んじゃ、蒼玉(ころころ)8。
GM  おい(泣)。(ころころ)これは避けんとな。
凌稀  『二竜剣』から。(ころころ)あう、7。
GM  (ころころ)裏じゃ裏じゃ。9で「ふつうの」防御。
凌稀  自前で……11。
GM  (ころころ)駄目っす。って、え?
凌稀  ダメージ9点ね。
GM  死んだぁ!
芭蓮  後は猩々1匹のみ(笑)。
GM  ふつう逆だよな。割り込みさせるの忘れてたよぉ。
香瑠  じゃあ猩々に、えい。(ころころ)14。
GM  駄目じゃ、残り生命値も1しかないから、もう駄目じゃ〜。
  結局、狒々と猩々ごときでは禁呪の鉄壁は破れませんでした。
  狒々、撃破!

【十六 立つ鳥の後始末】

芭蓮  勝ち鬨じゃあ(笑)。
英玲  何にもできなかった。
香瑠  あー、あの時鐘を鳴らしたからかにゃ〜?  じゃ、みんなが都合よく集まってくれたんで、今までにあったことを、かくかくしかじかでぜーんぶ話す。
芭蓮  なんと!
香瑠  この鐘のことはぜんぜん聞いてないから、知らない。なんかねー、カランって鳴らしたら妖怪さんが来たの。だからたぶん、禍々しいよ、これ。
凌稀  説明の中に、王様の話があるんなら、「妖怪を呼び寄せる鐘」っていう表現があるはず。
香瑠  で、土地神さんのことも、ぜーんぶ話す。
GM  灰声ばーちゃんが昨日見た鐘とは、やはり違う形だ。
香瑠  おばーちゃんが昨日見たのはこの鐘じゃなくて、呂文際の言うような鐘だって、おばーちゃんが言った。
芭蓮  で、元の鐘はどこに行ったの?
香瑠  呂文際のおじちゃんは、ないって言ってたの。おじちゃんの言い分を信じるなら、袋の中に収めていた鐘が、勝手にすりかわった、って言うこと?
芭蓮  じゃ、誰かがすりかえたんでしょ。あるいは自分か。もしくは幻術がかかっていたか。
GM/邑人  「妖怪のほうは、どうなりましたでしょうか?」
芭蓮  見てのとおりだ。
GM/邑人  「じゃ、じゃあ、もうこの邑に妖怪が来ることはないんですね」
芭蓮  うむ。きらりと歯を光らせて言おう。大丈夫だ(笑)。
GM  邑の人たちは大喜びだ。上を下への大歓声が起こる。
香瑠  そんな保証のないことを言っちゃあ……。
英玲  駄目じゃないですか。
芭蓮  そうか。原因である鐘を手に入れたんだし、狒々は倒したし、もう大丈夫なんじゃない?
凌稀  この邑に来る理由はないね。
芭蓮  ってことで、その鐘、お師匠様に届けてもらおう。
香瑠  でもその前に、呂文際のおじちゃんの言い分を証明してあげないと、罰せられちゃうよ。
芭蓮  ああ、その件があったか。
香瑠  それに、2人に増えちゃった楚元のおにーちゃんが……。
凌稀  探し回ったんだけどね、まだ見つかってないのだ。
芭蓮  基本は家か、この屋敷か、だな。まず、家に戻ってみよう。
GM  えーと、家には帰ってきていないそうです。
芭蓮  あの時出かけてから?
凌稀  行方をくらましたと見るべきか。
香瑠  そういえば、なんで急に土地神様が夢枕に立ったんだろう?
凌稀  叩き起こして訊いてみましょう。
GM  叩き起こして聞いてみるに、結局彼の結界はもたなかったんだ。そのために狒々が来ちゃったんだけど。その代わり、結界を張っても無駄なんだから、他の作業ができるようになって、そのときに妖怪を呼び寄せる鐘の形とか居場所を感じ取ったらしい。
凌稀  ふんふん。
GM/土地神  「この鐘は確かに妖怪を呼び寄せてしまいますが、妖怪に対して好意的な音ではないようです。むしろ逆に、好ましくないものだったから潰しに来たのではないでしょうか」
香瑠  だから、この鐘を塚に埋めておくと陰陽が保たれたわけ?
GM  まあ、仙宝だから、多少なりと陰陽に影響を与えるからね。
香瑠  じゃ、間違いなくこの鐘が埋まってたんだね。
GM/土地神  「はい、それに間違いないでしょう」と土地神さん。「つまり、もう一つ鐘が出てくれば、商人の疑いが晴らせるわけですね。それなら、もう一度塚を探してみるのはいかが?」
芭蓮  まあいい。羊を拾いに行くとしよう(笑)。
凌稀  いないんじゃないか?
GM  塚だ。羊さんは荒らされていない草をもしゃもしゃ食っている。
芭蓮  よし、じゃあ羊を連れて帰りますか。
香瑠  そのついでに、鐘を探してみよう。
GM  ほい、じゃあ難易度6の知覚判定で探してくれ。
芭蓮  知覚か?  任せろ、大得意だ。(ころころ)11。
英玲  22。
GM  全然得意じゃねーじゃねーか(笑)。
芭蓮  しかし、カエルは成功してるぞ。
GM  見つかったもの。保存食の余りと、木簡の余りと、薬草摘みに使う籠と、袋入りの謎の物体。
香瑠  開ける。
GM  ほい。中には飾り気の少ない鐘が入っている。
香瑠  にゅ〜?  おばーちゃん、これ?
GM  灰声さんはうんうんと頷いている。呂文際が説明し、見せてくれた鐘と寸分違いまへん。
香瑠  呂文際も利用されてた、ってことになるのかな?
凌稀  まあ、そういうことにはなるけど。
英玲  とりあえず、羊を連れて邑に帰りませんか?
芭蓮  うん。帰っていいんじゃない。
  ただの鐘を抱えて邑に帰った一行は、早速それを王様と呂文際に見せます。
  灰声の証言もあって、呂文際は釈放ということになりました。
GM/呂文際  「疑いを晴らしていただき、ありがとうございます。お礼と言うのも恥ずかしいものですが、皆様に拾っていただいたこの剣を差し上げたいと存じます」
凌稀  おばーちゃんが喜ぶね。
GM  丹邑の皆さんは君たちを迎えて大宴会をやろうということにしたようだ。まあ、王様は乗り気じゃないかもしれんけどね。で、呂文際はそれにいちおう顔を出した後、早めにこの邑を出て行くそうだ。王様に嫌われてるしね。
香瑠  その宴会のときに、楚元さんはいる?
GM  いないよ。
香瑠  奥さん、心配してるでしょう。
GM  うん、すっごく。
芭蓮  これはもう、偽者と見ていいんじゃない。
凌稀  真実を告げちゃったほうがいいと思うんですけど。
香瑠  それをどうやって奥さんに告げるか、だよね。
GM  がんばれ、召鬼。
芭蓮  そうだ、頑張れ。僕は巫蠱だ(笑)。
凌稀  でも、この状態の人を生き返らせるわけにもいかんし。
GM  あの、『魂還石』って、ゾンビ状態で生き返らせるわけじゃないよ。
凌稀  え、ほんとに?
GM  うん。生前の能力を使えるまでに復活するんだから、綺麗になると考えよう。そもそも、体じゃなくて魂魄が腑肉を得るのかもしれないしね。今なら一瞬だけでも生き返るんじゃない?  死後2日経ってるとかなり厳しいけど。
凌稀  じゃあ、『魂還石』で蘇らせる。自分であることを証明してもらおう。
香瑠  奥さんに会わせてちゃんと話をさせてあげたほうがいいんじゃない?
GM  だろうね。じゃあ奥さんを連れてきて、凌稀の『魂還石』の力で、本当の楚元君の魂が帰ってくる。
芭蓮  墓を暴いてな。
GM/楚元の魂魄  帰って来た楚元くんは、奥さんに死んでしまった時の経緯なんかを語って聞かせる。で、「短い間だったけど……」という別れの挨拶を奥さんと交わす。それから君たちに、 「わたしが死んだ後、わたしの体を、あなたたちとは別の誰かが動かしたような気がします。その後、その誰かがどうなったかはわかりませんが」
芭蓮  なるほど。
GM  それだけを告げると、楚元君の魂は冥界に帰っていく。奥さんは泣きながら、君たちにお礼を言うよ。
芭蓮  さて、この鐘はどうしましょうか?
香瑠  やっぱり、灰声ばーちゃんのお師匠様に。
GM  押し付けるのね。
芭蓮  押し付けましょうか。
香瑠  この鐘の力とか、こんなことがあった、とか、事細かな説明つきでね。
GM  はい。じゃあ、その後の顛末については、灰声さんのプレイヤーがいたほうが話が早いので、次の機会に語りましょう。
全員  うーい。
芭蓮  徳値は、忘れないでね(笑)。
  師匠の後を始末して、さっさと帰る筈だった。
  妖怪たちをなぎ倒し、気楽に帰る筈だった。
  故人の姿を盗みしし、陰気の者は何者か。
  ぬぐえぬものを胸中に、彼ら大地を踏んで行く。

〈一人閑話〉

  はい。『央華封神・砕坤篇』第二回でございます。別に「前の夫とは別れたのよ」ってのとは関係ありません。
   ……さて!
  うーん。今回はねえ。GMの目論見としてはほぼ狙ったとおりの結末になったんだけど……。
  譬えるなら「コースアウトしたままアウトロードをぶっちぎってゴールした」感じ。
  それがGMの目論見を打ち破って、という意味なら良かったんですが、今回はどうもGMの「誘導ミス」でございます。ニセモノ楚元くんが帰ってきたところの下りは、もはや「大ちょんぼ」だと笑うしかない。いや、笑ってどうする。
  シナリオがうまくできたからと言って、プレイが無事に終わるわけじゃないんですね。
  本来は、「ちょんぼ」をやらかさないためにシナリオを組む必要があるわけでして。
  ……反省します。
  いつか、ニセモノ楚元くんとの決着もつけましょう。
  ま、今回は「灰声ばーちゃんとその仲間たちの活躍」をこそ、ほめてやってください。
  うにゅれー、脱へっぽこ! VIVELA、俺! 以下次回!

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