央華封神・砕坤篇
第三回
我が娘 父と呼んでくれないか

  さあ、プレイも3回め。気張っていくぞー、と思いきや、プレイヤー2さん、遅刻です。
GM  さてと、そんじゃあ、腹をくくりますか。
香瑠  じゃあ、成長判定から?
  前回のシナリオで、用意したフル清徳値は4点。けっこうサービス。しかも、師匠の一筆も使っていないので減点なしです。
香瑠  ねえねえお師さんお師さん。貯金ってしていい?  えっとね、九ヵ月帰るでしょ?  お師さんのお手伝いするでしょ?  その九ヵ月は何にも貰わなくていいから、それが九年ぶん溜まったら九年ものの仙宝貰っていい?  だって、ほらほら、いっぺんに九年お仕事するの大変でしょ?
GM/呂彩慶  「(珍しく殊勝なことを言ってるし)よかろう」
香瑠  やったぁ。だって、9年もの以外に欲しいものないんだもん。
GM  そうだよな。禁呪って9年もの仙宝しかないよな。
  9ヶ月じゃ碌なものは手に入らないか、と反省する。
英玲  んーと、何作ろうかな?
芭蓮  えーと、君だと、行使値9の《五行誘唱》が作れるな。
GM  なにぃ!
  前言撤回。9ヶ月をなめてはいけません。
  そうそう、瓢鯰大仙の『声送袋』は、結局かっぱらいっぱなしです。
  もー返さなくていーから、失くさないでね。

【一  故郷が僕を呼んでいる!】

GM  現在の状況ね。前回のシナリオの舞台だった丹邑で鐘を預かって、溟欣炎さまに鐘を押し付けたあと、九ヶ月後の再会を約束して別れたんだけど、約束の日になっても、おばーちゃんだけ来なかった。てなところかな?
凌稀  そうだね。
GM  そういうところからはじめよう。さて、芭蓮くん。そろそろ里帰りの時節だよ。
芭蓮  おお!  では帰らなきゃ。
香瑠  芭蓮のおにーちゃん、どっかにいくのぉ?
芭蓮  遠い目をして。ああ、里帰りにな。故郷に帰るんだよ(笑)。
凌稀  なんで遠い目をしてるの〜っ!
芭蓮  九年ぶりだよ(きらきらぁ)。さあ、帰ろう。
香瑠  ねえねえ、芭蓮のおにーちゃん。「こきょう」ってなあに?
GM  「こきょう」っていうのは、細い首と丸い胴を持つ弦楽器でな。弓で弦をこすって……。
香瑠  それ「胡弓」。
GM  ……。
芭蓮  そうだな、幼い頃、住んでいた場所かな。
香瑠  そっかー、そこに誰かいるのー。
芭蓮  うむ。知り合いや友達、そして、お父さんに「わいふ」。
全員  「わいふ」?(爆笑)
芭蓮  そして、子供までいるぞ。
香瑠  え、わいふってなあに?
芭蓮  妻ぐらい知ってるだろうが!
香瑠  わざと聞いてるに決まってるでしょ!(笑)
GM  じゃ、みんなで里帰りなのかな?
芭蓮  え!  連れて行くの?
香瑠  付いて行くよう。面白そうだもーん。
凌稀  芭蓮お兄ちゃんがどっかに行くらしいよ。ってこそこそと。
香瑠  芭蓮おにーちゃんは行けばいいんだよ。おんなじ方向にたまたま偶然、ちゃんと付いて行くだけだから。
芭蓮  ……よ、よし。まあいい。気がつかない振りをして行こう。
香瑠  どうして「みんなで行こう」って言ってくれないのかな。
GM  では、なし崩しに芭蓮の後を追い駆けて旅をすることになった。てくてくとやって来たのは、央華の南方。もはや南海沿いまで旅してきたと思われい。芭蓮くんは南海に面したとある港町を目指して進んでいる。
芭蓮  いやあ、いい加減に付いて来るのを諦めないかなあ、と思いつつ。
香瑠  ねえ、芭蓮おにーちゃん、仙鳥さんに乗ったら楽だよ?
芭蓮  いや!  歩いて行く!  やはり故郷に一歩一歩近付くという感触が。
香瑠  そんなもの?  じゃあ、芭蓮おにーちゃんの言うことに従って、一歩一歩地面を踏みしめながら……。
芭蓮  あんたの故郷じゃないだろう(笑)。
GM  たどり着いた邑は、央華中原の作られ方とは一風変わった構造をなしている邑だ。港町で、人口は500人くらい。周りは農耕には向きそうにない地形なので、ほとんどが漁業や船関係に従事しているみたい。湾曲した海岸線の中ほどにあって、沖のほうには小さな小島がいくつか見える。立ち並ぶ家の建て方なんかも違った感じがする。まあ、昔の京都みたく「夏涼しけりゃいいや」ってな作りだね。
凌稀  やたらに足の長い高床の家で。出入りははしごを伝って。
香瑠  草で編んだ屋根とか廂とか。
GM  邑の入り口なんだけど、中原とは少し趣が違う。港のほうが玄関口だから、いわば陸路は勝手口から入るみたいな感じ。だからフリーパスで入れるよ。
  邑の中に入っても、やっぱり違った風習の邑である。みんな褐色の肌だし、着ているものは薄着だし。文化の違いを目の当たりにしたお子様、香瑠がまずやらかしたのは……。
香瑠  あの昆布みたいな奴の採取!
GM  あんたはそのまま海に沈んでなさい。
芭蓮  しまった、おみやげがなかった!  戻って買わねば!
香瑠  はい、芭蓮にーちゃん。杏の煮たのがあるよ。
芭蓮  あんたの封妖壺はなんなの?  仕方がない、この町で何か手に入れるか。
GM  町の中をうろついてると、路地の向こうから若い男女と思しき言い争う声がする。
芭蓮  見ますぜ。
凌稀  喧嘩だ喧嘩だぁ。
香瑠  見に行く。
英玲  行ってみよう。
GM  道のど真ん中で言い争いをしてるのが、声の通りの若い男女。男のほうはかなり背があって細面、明るい印象を与える男性。女のほうがぐりぐり目の結構かわいい美人さんだ。
芭蓮  ふんふん。
GM  で、男いわく「頼む、これが最後なんだ」娘さん答えていわく「嘘吐き。もうやらないって言ったじゃない」
凌稀  浮気だ。
GM  12歳児の発想か、それ(笑)。
凌稀  外見だけだし。
香瑠  ……思いっきり「賭博?」とか思った(笑)。
GM  男いわく「嘘じゃない。今度だけは特別なんだ」。娘いわく「何が特別よ」と、かなり怒った風だ。
香瑠  やっぱり賭博!(笑)
GM  男いわく「約束したんだ、あいつらと」娘いわく「わたしとの約束はどうだっていいの?!」「そんなことは言ってない」「もう知らない!」……と、後はぎゃあぎゃあと聞き取れない言葉の応酬だ。
香瑠  ちょろちょろと人だかりの前まで出て行って、「おにーちゃん、博奕はいけません!」
凌稀  いきなり割って入るんだ。袖を引っ張ったりしながら。
GM  突然のことに若者も娘さんもびっくりしてるが。
香瑠  おやぁ〜?
GM  まあ、とんちんかんな割り込みは無視して、喧嘩を続けさせてもらおう。とはいえ、さっきの話の堂々巡りみたいなもんだ。お互いに血が上ってるから。
凌稀  うーん、賭博は違う……。
香瑠  ぽぽん。浮気?
GM  「何が浮気だ!」「浮気って何よ!」
凌稀  違うかぁ。あとは……大酒!
芭蓮  薬?
香瑠  借金?
芭蓮  反応を見てみるに……全然違うな。
GM  全然違うよ(笑)。そのうちに、娘さんがぷちんと来たらしくて、お兄さんの顔をびしっと張り叩いて、「もう知らない」といいながら走り去っていく。
香瑠  行くところを「いけませーん」って。
GM  つかむの?  じゃ、機敏判定かな。このパターンは大抵捕まっちゃうんだよな。こないだの石人もそうだったし。(ころころ)
香瑠  (ころころ)16。
GM  捕まえたけど、どうするの?
香瑠  もうしらない、ってそんなに簡単に人と喧嘩したまま別れてはいけません。いつどんなところで別れが来るか、わから……。
GM  めすっ!  (拳を振り落とす)
香瑠  痛いー(泣)。
凌稀  あーっ。子供に手を上げたー。
GM/若い娘  「あなたには関係ないでしょう!」と言い残して、やっぱり走り去っていく。叩かれたほうのお兄さんは、なにやらぼーぜんとしてるが。
凌稀  ねえ、原因なに?  原因なに?(嬉しそう)
GM  お兄さんは叩かれた顔をさすりながら、「ふう。若い二人にはよくあることさ」だって。
香瑠  浮気?
凌稀  浮気だよねー、そんなこと言われたらそう思うよねー。
GM/若い男  「違うってばよ」
芭蓮  まあ、若いってことはしょうがない事だ。ぽんと、肩を叩いてやろう。落ち込まず、これからも頑張れよ(笑)。
GM/若い男  「で、あんたら何なんだ」
香瑠  通りすがりだよう。
GM/若い男  「通りすがりなら、関係ないじゃないか」
香瑠  でも、喧嘩別れしたまま会えなくなるのは辛いよぉ?
GM/若い男  「……ま、しょうがないときもあるよね」
香瑠  しょうがなくなんかありません!  ……びしすかっ!
GM  なにそれ?
香瑠  手刀を入れようとして全然手が届かないの(笑)。
GM/若い男  「はいはい。俺はもう行くよ」てくてくてく。
香瑠  で、お姉ちゃんとの約束、結局破っちゃうんだ。
GM/若い男  「ぶっ」
凌稀  破っちゃうんだー、破っちゃうんだー。
GM/若い男  「ああ、空が青いなあ(笑)。さ、港に行くか」
香瑠  あ、漁かな?  危険なでかい獲物を狙ってるとか。
凌稀  海に行くし。
GM/若い男  「どうかな。媽祖にでも訊かれたんなら答えてやるけどね」
香瑠  はい?
GM  若者はそんなことを言い残し、港のほうに去って行く。
凌稀  ツバメの巣をとりに行くとか?
香瑠  珍味と言うから。
芭蓮  でも、危ないからね。
凌稀  そうそう、いくら金になるとはいえ。
芭蓮  でも、そんなこと、前に寄ったときに聞いたっけ?(笑)
香瑠  ねえねえ、芭蓮のおにーちゃんの故郷って、ああやって喧嘩別れするのがふつう?
GM  気質としては陰にこもらない。気性もちょっと荒そう。喧嘩はするけど、次の日には仲直り。
凌稀  うーん、さわやか。

【二  再会、む、娘!】

  気を取り直して、実家へのおみやげ(食糧)を買い求める芭蓮と、それにくっつき虫の香瑠。ちゃっかりライチをおごってもらったりしながら二人で町を歩いていますが、どうも以前に比べて活気がないようです。
芭蓮  ふむ。やっぱり店で俺が料理を作るべきなのか。
GM  そうだろうそうだろう。やっぱり君が料理で町興しを(笑)。
芭蓮  名物料理、復活!  ま、とりあえずライチをみんなに配って、懐かしの味を楽しみつつ、家に向かいましょう。
凌稀  その後ろからぞろぞろぞろと。
香瑠  もう後ろじゃないかもしれない。
GM  芭蓮くんが運ぶ足の行く先には、結構な構えの料理店が立っている。お昼ちょっと過ぎた時間だけど、店の中には客がまだいるようだ。
芭蓮  店の前に立ち止まって、うーん。正面から入るべきか、勝手口から入るべきか。……うむ。ここはやはり、正面からだ。ひとりでこくりと頷いて、入って行こう。
GM  「いらっしゃいませ」ということで給仕さんが現われる。
芭蓮  む、見覚えのない給仕だ、と思ってる(笑)。
GM  その給仕さん、さっき通りで喧嘩しとった娘さんなんだが。
香瑠  あー、さっきのおねーちゃんだぁ。
GM/娘さん  「あ、さっきの嬢ちゃんたちだ。ごめんなさいね、さっきは思い切り殴っちゃって」
香瑠  てへ。痛くなかったから平気。
GM  「中へどうぞ、奥の卓が空いてますよ」ということで案内されるんだが、その途中、娘さんが芭蓮くんの顔をじーっと見て、「あなた……、どこかでお会いしましたっけ?」と訊いてくる。
芭蓮  ?  僕のほうに見覚えは?
GM  面影がなんとなく記憶の片隅にある。年の頃は19、20。
芭蓮  ……おそらく、10年前に来たときに会ってるんだろう。
GM  「10年前?  ……」娘さんはなにやら考え込んでいるが。
香瑠  今ここで言うべきか、言わざるべきか。
GM  そのとき、奥のほうから野太い男性の声がする。「おーい、秋蓮」
芭蓮  秋蓮?(ぴくぴく)
GM  目の前の娘さんが返事をしてる。で、奥から現われるのは、みんなの中で一番背の高いであろう芭蓮よりもさらに背の高い、初老の頑丈なじいちゃん。
香瑠  いい人だ。(何を基準に判断した、君は?)
芭蓮  お義父さん!
GM/文隆  「おお、不良息子。帰ったか!」
芭蓮  じ、じゃあ、この子は……!
GM  娘さんも驚愕の顔で、君の顔をじーっと見て、くるっと向きを変えて奥に駆け込んでいく。
凌稀  嫌われたー嫌われたー。
香瑠  ねー、今のおねーちゃん、もしかして芭蓮おにーちゃんの奥さん?(笑)
英玲  わたしは、娘だと思うんだけど……。
芭蓮  こくり。ちょっと落ち込みつつ。
GM  奥に引っ込んだ娘さんが、取って返して、「ばかったれ〜」と言いながら中華鍋を投げるんだが(笑)。
芭蓮  甘んじて受けます!(笑)
全員  (爆笑)
GM  運良く飛距離が足りなくて、君の足元にずごぉんと落下。
芭蓮  むむ。鍋を拾って、「道具は大事にしないと」と思いつつ。
凌稀  まず思うことは、それか(笑)。
芭蓮  調理場に入って行きましょう。
GM  調理場の中にいたのは、年の頃40手前の、楚々とした感じの女性だ。芭蓮くんの顔を見ると、しずしずと「お帰りなさいませ」と言う。
芭蓮  おおー、会いたかったぞー、と涙しながら、中華鍋を脇に置いて(笑)、両手を広げて、がばっと抱く。
GM  奥さん(蓮花さんという)もそれに応えているね。それを見ていた娘さん(秋蓮という)は奥に引っ込んでしまったけれど。
香瑠  一部始終を机に頬杖つきながら、わくわくと眺めてる(笑)。

【三  これは寝すぎたしくじった♪】

GM  ここで、ちょっと時間を止めて。……状況説明です(笑)。
灰声  はーい、すいませーん。遅れましたー。
  ということで、前回のシナリオの結末をざっと説明。困ったのは件の鐘の後始末。
灰声  うーん。みんなは、どうするって決めたの?
GM  あなたのお師匠様、いわば元凶に戻すしかないって。
灰声  そうよね。うちのお師匠様だよね。じゃあ、うちが引き取ります。
GM/溟欣炎  「お帰りなさい。ほんとにご苦労様でした。すいませんね、お手数かけて」
灰声  (ぼそっと)ほんとだよ(笑)。
GM/溟欣炎  「結局、持って帰ってきちゃったんですね」
灰声  うん。もらえるものは貰っておこうと思って(笑)。
GM/溟欣炎  丹邑での出来事をひととおり聞いて、「やっぱり、まずいものですね」という。
灰声  (師匠を指差して)元凶(笑)。
GM/溟欣炎  「じゃ、これはお預かりしましょう。それで、灰声さんも一所懸命やってくれたことですし、お詫びによいものをあげましょう」
灰声  わーい。
  灰声さんがもらったのは、新しい詩集と『保温玉』。
GM/溟欣炎  「あ、それから。弟弟子が増えました。友達といろいろ話したんだけど、結局引き取ることになっちゃって」
灰声  ははあ、わかった。
GM  で、連れてこられるのが、例の石人、なんだけど(笑)。
灰声  ああ、よしよし。やはり兄弟というものは、兄には逆らってはならないよなあ(笑)。せいぜいこき使ってやろう。
GM/石人  「心を入れ替えました。よろしくお願いします」
灰声  ああ、よしよし。とりあえずパン買ってきて(笑)。
GM  「でええええっ!」(笑)。彼は、灰声さんとは違って、五遁土行を学ぶことになった。「まあ、何かあればお使いに行かせる事もあるでしょうし、よろしくお願いしますね」とお師匠様。
灰声  頑張りまーす。
凌稀  「はい」と言わないところがポイント(笑)。
GM  白貴霊厳大真君という名前はどうにもよろしくないので、字を取って霊貴という名前を新たに貰いましたので、よろしく。
香瑠  真ちゃん。
GM  真ちゃん違う(笑)。ということで、成長判定をやってくださいませ。
  一行の後を追いかけようと、香瑠の残した伝言に従って、風火輪は一路、南を目指します。
GM  央華の南海沿いまで来たところで、とある邑を見つけます。そこが芭蓮くんの故郷だそうだ。港の近くに料理店があって、そこで昇仙前の芭蓮くんが生活してたとか。
灰声  ほほお。じゃあ、人目に付かないところで降りる。そこにいるってのはこっちもわかってるんだよね?
GM  まあ、その辺の人に訊けば。こんな怪しい風体の人だし。
凌稀  みんな薄着なのに、ごっそり着てる集団。
GM  はい。ということで、芭蓮くんの苗字そのままに『曖酒家』という額のかかった料理店の前まで来たところで、中華鍋が地面に突き刺さる轟音が(笑)。
灰声  柱の影から、そーっと覗いてみます。妻という言葉も聞こえるし。
GM  ああ、やっと時間が繋がった。それでは、奥さんの蓮花さんが……
灰声  所帯持ちだったの?!
芭蓮  (頷く)
GM/秋蓮  「みなさんもようこそ。ごゆっくりなさってください。これから料理をお出ししますので」ということで、卓に案内されるよ。
英玲  ……作らないの?
芭蓮  作るさ。当然作るさ。
灰声  お店なんだよね?  何気なく入って行きます。こんちはー。
GM  給仕の娘さんがいなくなっちゃったんで、奥さんが「いらっしゃいませ」。
香瑠  あ、灰声ばーちゃんだ。ばーちゃん、こっちだよう。
灰声  え?  だれだい、灰声って。あたしゃ知らないねえ(笑)。
凌稀  呆けるには早いですよぉ。
香瑠  卓の上に手をついて、ぶんぶん手を振るのぉ。
灰声  ばあちゃん、よく目が見えなくてねえ(笑)。
GM    連れです、って言わなければ、別の卓に案内するけど?
灰声  どうしよっかなあ。
香瑠  ばあちゃんが、今すごく邪悪に見える(笑)。
灰声  ……まあ、連れです。
GM  じゃ、同じテーブルに案内される。で、芭蓮くんも久しぶりに自分の家で、文隆のじいちゃんと並んで料理の腕を振るう。
芭蓮  おうよ。
GM  じいちゃんは10年前の帰省のときに、君の名前が変わったことを説明してあるんだけど、未だに君のことを「十宝」としか呼ばないから(笑)。
芭蓮  おう(笑)。
GM/文隆  「十宝。旅っちゅうのはどんなもんだ?」
芭蓮  ええ、なかなか楽しいこともありますね。珍しい食材とも出会えますし。
GM/文隆  「おお。で、なんだったかな。寿命は延びたのか?  とりあえず元気そうだが」
芭蓮  ええ、増え方がちまちましてますが(笑)。
GM/文隆  「そりゃあいかんな。この爺のように長生きせにゃあいかんぞ」
芭蓮  見習いたいものです(笑)。じいちゃん、今の僕より寿命が多い〜。
GM  そうこうするうちに料理が出来上がる。蓮花さんが料理を運んでいく。
芭蓮  そうだね。一緒に運ぼう。
凌稀  とりあえず、冷やかし攻撃。
GM  じゃあ、皆さんの前に、ふたりが料理を並べてくれる。蓮花さんは、さっきの娘さんの行動をみんなに詫びる。
灰声  出張中に、娘が父親の顔を忘れるっていう、あれかい?
芭蓮  いえ、あのー。赤ん坊のときに一度、10年前に一度会ったきり。これが3度めの顔合わせみたいなもんだから……。
灰声  じゃあ、「知らないおじちゃん」だよね〜(笑)。
GM  奥さんができた人なので、父親のことは話してあるだろうし、10年前に帰って来てるんだからきっと覚えてるでしょう。
香瑠  それって、きっとお父さんに捨てられた、とか思ってるんじゃぁ?
灰声  思ってるだろうねー。
凌稀  父さんは家を捨てて出て行ったんだ、いまさら帰ってきて!  って感じなんだろうね。
GM  その真相は、飛んできた鍋だけが知っている(笑)。
香瑠  このままではよくないことですっ。
凌稀  そうそう。
芭蓮  ひとつひとつの言葉に傷ついて、なーんとなく、その辺にある壺を磨いてたり(笑)。……さて、娘に会いに行くべきだろうかね。でも、どこに行ったかわかんないしな。
灰声  そういうのを探すのが父親の役目だろ!  さっさと行っといで!
凌稀  ぶ〜。
芭蓮  いや……。心当たりがないのにどこ行ったらいいんだ?
灰声  10年前にあんたが遊んだような場所さ。って10年前はもう大人か。
GM  ちなみに年齢を確認しておくと文隆さんは60歳。
灰声  あ、年下(笑)。
GM  蓮花さんが39歳、秋蓮さんが19歳。
灰声  年頃だし、メインは買い物だろう、買い物。
凌稀  どうかなあ。
灰声  あと、ゲーセンと賭博ね(笑)。
芭蓮  賭博!  なんてことだ、娘がそんなことに……。まさか、あの若い男が!  お父さんは許さないぞ!(笑)
灰声  何言ってるんだい、若い頃のあんたにも覚えがあるはずさ。
芭蓮  ぎく。
香瑠  ということはぁ、あの若いおにーちゃんはぁ、芭蓮おにーちゃんの娘さんのぉ、恋人?
灰声  もう少しで「息子」って呼ぶことになるかも。次に帰ってきたときには孫がいるね(笑)。
凌稀  いくら喧嘩をしたとはいえ、やっぱり頼るのは男のところ。海だよ。
芭蓮  ぴくぴく。くそう、あの男の素性も確かめねばならん。ということで僕は港に行く!
英玲  いってらっしゃーい。気をつけてねー。
GM  芭蓮は港に向かってダッシュして行った。
灰声  行くでしょ?  行くでしょ!(笑)
香瑠  すごいおもしろそー。
凌稀  ちょっともったいない気が。でも、あっちも楽しそうだし。
英玲  わたしは食べようかなぁ。三口ほど食べてついて行く。
  食欲すら凌駕する好奇心!  蓮花さんに見送られて、ぞろぞろと芭蓮(秋蓮)を追って港のほうへ。
灰声  ところで、娘さんには男の影がちらついてるのかい?
香瑠  そうなの。表通りでね、「もうこれっきりにして」とかぁ。「わたしとの約束を破るの」とか、大喧嘩してたんだよ。
灰声  やばいねー、それはそれは……修羅場だね(笑)。
GM  今、事実の歪曲があったような(笑)。それに近いことは言ってるが。
芭蓮  しまった。さっき男の浮気は仕方がない、みたいなことを言ってしまった。くそう、あの男め。会ったら一言言わねば(笑)。

【四  親ってなぁに?】

GM  じゃあ港でござんす。停泊している船の数が多いような印象を受ける。で、陸には船乗りさんだの漁師さんだのがごろごろしている。
芭蓮  あの男のことを調べるにも、名前もわからんしなあ。
香瑠  人相風体を言って、愛酒家の娘さんと付き合ってる奴って言えば?
芭蓮  付き合ってるなんて、そんな!  まだ事実が確認されたわけじゃない!
GM  ぱぱとしては認めがたいものがあるわけよ(笑)。
芭蓮  ま、まあいい。取り敢えず秋蓮を探していれば、そのうちわかるかもしれない。認めたくはないが(笑)。ということで秋蓮のことを尋ねて回る。評判はどうかとか、男の影があるか、とか。
GM  秋蓮さんの評判。美人だし、酒家の看板娘だから、土地の人には人気。若い男が二、三人言い寄って来たりしたこともある、
香瑠  これで全くない、っていうのも、また傷つくよね。
芭蓮  うんうん、特定の男性は?(笑)
GM  噂には、船乗りの若いのと付き合っているとかいないとか。
灰声  いるとかいるとか(笑)。
芭蓮  船乗りか……。結婚するなら、船から降りてもらわねば。
凌稀  店に入ってもらわないと。
灰声  料理がうまくないとね。
香瑠  お父さんより強くないと駄目だよねー。
芭蓮  うむ!
  あれこれとみんなが突っ込んでいるので、もう面倒だからみんな合流させています。そのほうが面白いし。
GM  そのうちに芭蓮くんは、秋蓮さんが港の桟橋の先にいるのを発見したよ。
英玲  わたしは全然別の方向を探してる(笑)。
灰声  娘さんはひとり?
GM  うん、ひとりで体育座りして海を見てます。
凌稀  おお(笑)。
芭蓮  近付き難いものもあるが、親としては近付かねばなるまい。少しずつ近寄っていく(笑)。
GM  近付いたところで、はっと振り返る。身構えた感じで君を見ている。
芭蓮  戸惑いながら「秋蓮」と呼びかける。
灰声  どきどき。
香瑠  どきどき。あ、おばーちゃん、このお饅頭、おいしいよう。
灰声  あんたはいい孫だねえ。次のシーンが楽しみだよ(笑)。
凌稀  ドラマ見てるみたい(笑)。
芭蓮  会いたかったよ、秋蓮。
GM/秋蓮  「この10年間、何してたの」ときつい口調で尋ねてくる。
灰声  相当怒ってますよ、あれは。
芭蓮  額に汗にじませながら、「りょ、料理修行」。
GM/秋蓮  「へえ」と、突き放したような言い方をする。「お母さんを捨てて行くくらい、大事な修行なんだ。ふうん」
芭蓮  うぐ……。
灰声  即答できないみたいよ。
芭蓮  横に座りつつ、「恨んでるか?」と訊こう。
灰声  あ、いい感じになってきたねえ。
GM  秋蓮はすっと立ち上がって、くるりと背を向けて「そんなの……、わかんないわよ」と言い残して、桟橋を去っていく。
芭蓮  ……。
灰声  きーらわれたーきらわれたー(笑)。
芭蓮  近くの石を掴んで海に投げ込む。ちくしょー(笑)。このまま日暮れまでここにいようかなあ。それとも、場末の酒場かどっかに転がり込んで、酒でも飲んでようか。
香瑠  この上、若い娘に嫌われるポイントを稼いでどうする!
凌稀  男の素性を探るんじゃなかったの?
灰声  もうどうでも良くなってきたんじゃない?(笑)
英玲  そろそろ合流しよう。(ひとりふらついてたらしい)
香瑠  このままでは良くないもとい面白くないから……(笑)。お姉ちゃんは?
GM  秋蓮さんは桟橋の根元まで歩いて来て、君たちが覗いているのに気がついて、ふっと顔をそらして立ち去っていくよ。
香瑠  たったったったったとお姉ちゃんに付いて行く。
凌稀  付いて行ってみようかな。
GM  秋蓮は君たちが付いて来るので、町の中をうろうろしてみたり、港に戻って黄昏てる芭蓮を見つけてまた戻ってみたりしながら、最終的には曖酒家に戻るようだ。
灰声  ああ、待っとくれ。ばあちゃんにはこんな早足はきついよ。
GM/秋蓮  「……」
灰声  あんた、芭蓮さんとこの娘さんだろ?
GM/秋蓮  「……」
灰声  もとい家族だろう?(笑)  娘って言いたくないかもしれないけど。
GM/秋蓮  「なんですか」
灰声  な、に、って訊かれても困るんだけど。取り敢えず、ご飯おいしかったよ、ありがとう(笑)。
GM/秋蓮  「それは……、おじいさんとか、お母さんが教えてくれるから」
香瑠  よし、ここは単刀直入に言おう。ねえねえ、おねえちゃん。芭蓮……おにーちゃん?(笑)
GM/秋蓮  「……」
香瑠  芭蓮おにーちゃんのこと、お父さんって言いたくないの?
GM/秋蓮  「どうして、あなたにそんなこと言われなきゃいけないの?」
凌稀  だって、芭蓮さん、すっごく落ち込んでるし。
香瑠  なんのかんの言って、生きてる間って短いでしょう?  あんだけ思ってくれるお父さんがいて、でも10年放って置かれたからってそのまんまずるずるだったら、結局和解できないまんま終わっちゃうでしょう?  そんなのよくないなーって思って。
灰声  更に言うなら、我々は仙人だ。どちらかと言うと君のお父さんの立場にあるのじゃ。他人事じゃない。あたしとしては放っておけぬなあ。
GM/秋蓮  主語を省いて「仙人修行をしてるのは知っています。知っていますけど……」
香瑠  お母さんとか、自分のことを放っておいたのが許せない?
GM/秋蓮  「……お母さんは気にしてないみたいですけどね」
香瑠  他の子にはお父さんとお母さんがいるのに、自分だけお父さんがいないのが嫌だった?
GM/秋蓮  「……おじいちゃんがいましたから」
灰声  そうだよなー。突然帰ってきてあんなのがお父さんだって言っても嬉しくないよねー(笑)。
GM  おばあさんにちょっとだけ、非難するような目を向けるよ。
灰声  うん。だってねえ、若い割にはいまいちこう、ぱーっとしない感じだしねー。なんつうか、料理馬鹿だし、口下手だし、娘に向かっていい言葉の一つも言えないし、港で石投げてるような奴だしねー。
芭蓮  ……あーあ(笑)。
GM/秋蓮  怒った感じで「もういいですか?」と訊いてくる。
凌稀  でも、帰ってこないより、良かったんじゃない?
GM  くるりと向きを変えて、すたすた。ぴたりと足を止めて、それから、すたすた。
香瑠  てふてふと並んで、あのね、お姉ちゃん。
GM/秋蓮  「……?」
香瑠  近くに10年いて空気のように無視されるのと、遠くにいてもずっと思い続けてもらえるのとどっちがいいのか、っていうのは人それぞれだけど。お姉ちゃん贅沢だなあ、って思うよ。
GM/秋蓮  「……」。
香瑠  もう、追いません。
灰声  あたしも追わない。でも、全然脈なしっていう感じでもないよね?
香瑠  まだおにーちゃん、石投げてるかな?  わくわく。
芭蓮  こうなれば!
灰声  こうなれば?
芭蓮  帰って娘のために料理を作ろう!  これまでの成果を見せるのだ!
  燃えるお父さん、芭蓮。そして平然と彼の家にまた上がりこむ仙人たち(まあ料理店だからいいけど)。
  家庭の平和は、大丈夫かなあ?

【五  何しに来たんだっけ?】

GM  夕方。芭蓮くんは厨房にこもりきり。よくできた奥さんは、芭蓮くんの姿をそっと見守るよ。
香瑠  妻を呼んで、「秋蓮の好物はなんだ?」と訊いてみよう。
全員  いじましーい(笑)。
灰声  まるっきり年頃の娘を持つ父親じゃないか〜(笑)。
香瑠  慣れない手でお父さんがケーキを焼いてるみたい。
GM/蓮花  「海老なんか好きみたいですよ」
芭蓮  ふんふん。ならば、腕によりをかけて!
GM  ちなみに言っておかねばならん。曖酒家は曖一家で寝るといっぱいだから、君たちが寝る場所はないよ。食堂の土間で雑魚寝、というのもアリだけど。
灰声  宿屋探します?  それとも、土間で雑魚寝?
香瑠  面白いから一晩中成り行き見守るっていうのも。
凌稀  うん。楽しいからね(笑)。
灰声  家族水入らずのところ、邪魔しちゃ悪いでしょう。
凌稀  でも何かあったら、すぐに駆けつけられるよ。
  この場合の「何か」って、絶対修羅場のことだと思う……。
GM  宿屋は曖酒家の並びに何軒かあるよ。あとはセオリーどおり、王の屋敷に堂々と泊めてもらうとか。
灰声  面倒だなあ。泊めてあげる代わりに厄介ごとを頼まれても……なんて言っちゃいけないのかな、仙人が。
GM  厄介ごとを頼まれて、それを解決すれば清徳が稼げるわけだから、時間を食い潰すよりはいいかもね。
灰声  うーん、いちばん寿命を稼ぎたい人が、いまは料理に熱中してるし(笑)。
香瑠  それに、村を救うのも、一家族の絆を修復するのも、おんなじくらい大事だと思う。
灰声  じゃあ、一番近い宿屋に泊まりましょう。
GM  というか、その宿屋しか空いていなかったりするんだな。他のところは船乗りさんたちが占領しているという形なので。
芭蓮  もしかして家に止めてもらえないかもしれないから、部屋取っておいて。
灰声  ええーっ!  あんた、なんつう弱気な!(笑)
芭蓮  娘が「帰るのがいや」とかほざきやがったら、やっぱり、宿に行くしか。
灰声  背水の陣っていう戦法があるだろ?  駄目なら土間で寝るくらいの根性を見せなさい!
GM  宿屋だ。「相すみません。3部屋しか空いておりませんが」
芭蓮  一部屋で何人泊まれるの?
GM  まあ、2、3人だね。
香瑠  じゃあ、2部屋取っておけば大丈夫だね。
GM  いいの?  衆人の目があると思うんだけど。
芭蓮  ばあちゃんと同じ部屋なら問題ないだろう。
灰声  失礼な(笑)。覚えとけよー。
GM/宿屋の人  「すいません。ここのところ、船乗りさんたちが居続けしていらっしゃるんで」
香瑠  なんで?  漁に出ないの?
GM/宿屋の人  「なんでも最近、海賊が良く出るらしいですよ。まあ、海賊自体は昔からいたんですけどねえ(もごもご)」
香瑠  その、昔からいた海賊さんが、すっごく活躍してるの?
GM/宿屋の人  「海賊で活躍ってのもないでしょう。何でも通り掛かる船を片っ端から沈めるとかで」
凌稀  頭が変わって、方針が変わった。
英玲  アタマじゃなくて、カシラじゃないでしょうか。
GM/宿屋の人  「わたしにゃ海賊の知り合いなんていませんから、わからないですけどね」
灰声  ほら、あれあれ。娘さんの彼氏。
香瑠  もしかして、海賊行為?
凌稀  それだと、「これが最後」ってけっこう合うよね。
香瑠  「奴らが待ってる」っていうのが海賊仲間なんだよ(笑)。
灰声  足洗うのに揉めてるんだよ。
香瑠  秋蓮おねえちゃん、かわいそう(笑)。
灰声  腕っ節が強そうだからねー。「娘さんをください」「いや」って言ったら、ばがーんと(笑)。
英玲  でも、料理がうまいかどうかは……。
  秋蓮の彼氏についてひとしきりだべった後、曖酒家に取って返して、晩御飯を食べることに。
芭蓮  え?  家族の団欒が……。

【六  親父と料理】

  その頃、厨房では。
芭蓮  うおー!  (ころころ)意地でも高くしよう。裏にして20だ!
GM  おお。反動もなしか。料理人曖芭蓮、会心の作だな。
芭蓮  家族の食卓に料理を運んでおいて、店の料理を手伝おう。
GM/文隆  「どうだ十宝。親子の語らいはできたか?」
芭蓮  いえ、いまだ。
GM/文隆  「まあ、難しい年頃だからなあ」と豪快に笑う。
芭蓮  これからも鋭意努力をします。
GM/文隆  「そうそう。それが親ってもんだ」
香瑠  確かにこのおじいちゃんがいたら、お父さんいらないかもしれない。
GM  酷いこと言うな!(笑)
英玲  それはちょっと……。
GM  秋蓮さんは日が暮れると帰ってくる。芭蓮の姿を見て、なにやら言いたげだが、何も言わずに店の仕事を手伝う。そのうち、秋蓮さんがみんなの注文を取りに来るね。なにやらばつの悪そうな顔をして「昼間はどうも」という。ま、その辺はさっと流して、注文を聞いて奥に行くよ。
灰声  注文は10年ぶりに帰ってきた仙人に付けといてね。ほら、酒持ってこーい(笑)。
英玲  おばあちゃん……。
香瑠  お肉とお魚と酒の入ってない料理なら何でもよろし。
凌稀  酒の入ってない料理?
芭蓮  君の料理には慣れてるから、僕が作ろう。もう、ひたすら奥で料理作ってよう(笑)。
GM  曖酒家は料理がうまくて評判なので、ご飯時ともなればけっこうな繁盛ぶりだ。船乗りさんとか邑の人たちが晩御飯食べに来てたりする。
香瑠  おねーちゃんの彼氏さんいないかなぁ?  見回してみる。
GM  じゃあ知覚判定。難易度7で振ってみよう。
芭蓮  僕は絶対気付かない〜!  例え隣にいたとしても気付かない〜!(笑)
香瑠  (ころころ)裏にして19。
GM  残念ながらそれらしい人影は見当たりませんでした。
香瑠  ちえー。いたら血の雨が降るかなーって思ったのに。
芭蓮  お父さんと勝負だ、肉切り包丁で!  盾として中華鍋もあるぞ(笑)。
GM  お客さんの顔触れは、半分が腐ったような顔、半分が疲れたような顔をしている。「今日はだめだったなあ」というような会話をしている人もいるよ。
香瑠  おばーちゃんがさっきお酒注文してたから、そのお酒をそっと一本拝借して、おじちゃん、お酒あげるぅ、って言う(笑)。
GM  それは12歳の発言かぁ?  「あんだい?  嬢ちゃんは」
香瑠  えっとねー、旅の人。
GM/漁師  「はあ?  お父さんは?」
香瑠  うんとね、厨房。
全員  えーっ?(笑)
芭蓮  包丁投げていいか?  更に家庭環境を悪化させる気か。(ぷるぷる)
灰声  「香瑠、香瑠〜」と呼びながら、そこへ近付きます。家の孫が迷惑をかけて!  この子、父親がいないばっかりに……。素敵な男性を見ると、お父さんだと思ってお酌をしたがるんですよぅ。どうかその心を汲んで、お酌させてくださいな。(うっうっ)
GM/漁師  じゃあ、兄ちゃんはもらい泣きなんかしながら「そうかい……、それじゃ、ありがたくいただくよ」
香瑠  なんか、すごく疲れた顔してるけど、大丈夫、おじちゃん?
灰声  遠慮しないで「おとうちゃん」と呼ばせてもらいなさい(はらはら)。
香瑠  じゃあ、ちょっと小首をかしげて「おとう……さん?」
GM  (ぐぐっと涙をこらえて)「呼ぶんじゃねえ!  呼ばれたら、俺ぁ涙が出ちまうよ」(笑)
灰声  ええ話やねえ(ぐすぐす)(笑)。
GM  ……なあ、こんな茶番劇がやりたかったのか?(笑)

【七  海賊事情】

灰声  まあ、とりあえずは彼女の問いに答えてあげなよ。
GM/漁師  そうだった。「おいちゃんはな、今日は海に出てきたんだ」
香瑠  うい?  ……海賊さん?
GM  ぶーっ!(笑)
英玲  香瑠さん、早とちり過ぎ……。
灰声  香瑠、あまり失礼なことを言うんじゃないよ。
GM/漁師  「ばかをいっちゃあいけねえ。俺は海賊なんて情けねえ真似はしねえ。俺ぁただの漁師だ」
灰声  そこら辺に座っている人も、みんな漁師さんなのかねぇ?
GM/漁師  「そうさ。ここんところ……噂の海賊だ……あいつらがのさばってるのさ。今までは漁船なんか襲わなかったんだけどな。襲ったって積荷は魚しかねえもんな。でまあ、今までにも何隻か沈められたり行方不明になったりしててさ、俺たちで有志を募って、そいつらを探しに行ってたのさ。海賊には出会わないようにしなけりゃいけないし、探さなきゃいけないし、海だってのに漁はできないし。というわけ」
灰声  そりゃあ変な話じゃないかい?  海賊が、来る船来る船沈めて、行く船も来る船もいなくなっちまったら、海賊は獲るものがなくなるんじゃないかい?  ふつう、通行料なんかを払って、なあなあで通らせてもらったりするもんじゃないかねえ?
GM/漁師  「そう。昔は、そりゃ悪いことはしてたそうだよ。金品は奪うし、抵抗すりゃ沈められるし。でも、抵抗しなけりゃ荷物の何割かを奪って終わりとか、通行料を分捕って通してくれるとか。で、奪った金品も……、ここだけの話ね、邑に流れてきたりもするわけよ。邑にとっちゃあ、悪い奴だけど、いて困るわけじゃない。結構うまくやってきたんだけど……。1ヶ月くらい前になって、突然そんなふうに無茶をやり始めたわけだ。ま、海賊どもが何考えてるのか、俺たちは知らないけどよう」
灰声  ふーん、そりゃ大変だねえ。かわいそうだねえ、ほら、香瑠。お酌で慰めておやり。
香瑠  おじちゃん、おつかれさまー。
灰声  おとうちゃん、だろ?(笑)
GM/漁師  「言うな、それを言うんじゃない!」(笑)
香瑠  そういえばねえ、捜索隊の中に、こういうおにーちゃん、いる?  って、昼間のおにーちゃんの特徴を話してみる。
GM/漁師  「昼間、港で見たような気がするなあ。夕方、港に帰ってきたときは見なかったけど」
灰声  例えば、海賊と一般人を区別する合図のようなものは決まってるのかねえ?  海賊なら刺青が入ってるとか。
GM/漁師  「俺も海賊に知り合いがいるわけじゃないから。合言葉とか何とかまではわからねえ」
灰声  そうかあ。不景気だねえ。
GM  そのうちにひとりふたりと客足が引いていって、そろそろ店じまいだよ。
凌稀  それでは、デザートの杏仁豆腐を。
香瑠  あ、このライチっておいしー。
灰声  娘さん、ってそこにいるんだよね?
GM  後片付けとかしてるんじゃないかな。
灰声  では、いけしゃあしゃあと……「しぇふ」を呼んどくれ(笑)。
GM/秋蓮  じゃあ娘さんもいけしゃあしゃあと「おじいちゃんですか?」
灰声  いやあ、最近、味が変わったような気がするんだよねえ。
GM  娘さんは厨房に入って行って、芭蓮の側まで来ると「……呼んでるよ」。
芭蓮  ?  誰が?
GM/秋蓮  「……お連れさん」
芭蓮  じゃ、行こう。
灰声  やあやあ。で、娘さんはいるよね?
GM  厨房の入り口のところで、様子を伺ってるよ。
灰声  いやあ、あんたの料理は超おいしい〜!  とか、べた褒めしてみる(笑)。
英玲  「超」って、おばあちゃんの台詞じゃないなあ(笑)。
芭蓮  あんた、旅してる間に何度も食ったでしょうが。
灰声  あんた!  あたしが気を遣ってやってるのに、何て言い草だい!  いやあ、この料理は絶品だよ。こんな料理が食べられる「家族!」は何て幸せなんだろうねえ。
芭蓮  (溜息ついて)帰ってください(笑)。
全員  (爆笑)
灰声  ったく、冷たい男だねえ。代金は回しといたからね!  あたしゃ帰るよ、腹が立ったから!  と逆ギレ(笑)。
英玲  わたしのぶんくらいは自分で払いますけども……。
芭蓮  ……はあ。
GM  じゃあ厨房のほうでも小さな溜息が聞こえて、気がつくと秋蓮さんの姿が消えている。
香瑠  押し花コレクションの中から、一番綺麗そうなのを選んで、芭蓮おにーちゃんに、はい!
芭蓮  ……なにこれ?
英玲  これを秋蓮さんに渡せってことじゃないのかな?
灰声  素晴らしい!  あたし、「哀れまれてる」と思った(笑)。
芭蓮  俺は慰められてるのかな、と思った(笑)。
香瑠  おんなじ奴をもう一つ。片方が芭蓮おにーちゃんので、もう片方が秋蓮おねーちゃんの。渡してきなさいっ。仲直りをするのですっ。
芭蓮  ぬう……機会があったら渡そう。
灰声  娘のために料理を作ったんじゃないのかい?  早く持って行かないと冷めるよ。
芭蓮  もう作っておいてある。暇な時間帯にそれぞれで食うから。
香瑠  じゃあ、秋蓮さんの席に置いておくとか。
  んなことやってる間に店じまい。芭蓮を残して、一行は宿へと帰っていきます。
灰声  帰ってきたら父親失格だからね〜。
芭蓮  鋭意努力します。
灰声  あ、取ってある部屋の代金はあんた持ちだからね。
芭蓮  出費がかさむよー。ちくしょー、なんでこいつら来たんだ?(笑)

【七  妻の心、海の心】

GM  その夜の芭蓮くん。娘さんとはあれから何度か顔を合わせたけど、敵意むき出し、というほどでもない。
芭蓮  調理場の掃除でもしよう。
GM/蓮花  その掃除を蓮花さんが手伝いながら「そういえば、あなた。今日が何日か、ご存知?」
芭蓮  ……えー……。
灰声  記念日らしいよ、あたしたちは知らないけど。
香瑠  おねーちゃんの誕生日か、奥さんの誕生日か。
芭蓮  ……何日だったかな?
GM/蓮花  「じゃあ、あの日から何日経ったか、ご存知?」
芭蓮  え、あの日って?
GM/蓮花  「あなたが前にこちらに帰って来られてから、10年と5ヶ月と15日経ちました」
凌稀  こ、細かい……(笑)。
芭蓮  うぐ……。も、もう、そんなに経ったのか。
GM/蓮花  「ええ」
芭蓮  そ、そうか、待たせたな(たらぁり)。
GM/蓮花  「そういえばお連れの方に、女の方が多いのはどうしてかしら?」
全員  (笑)
芭蓮  う……む……。いや、ほら、老人と子供ばかりだし……ひとり違うけど……う。ただの仙人仲間だから……。
GM/蓮花  「そうですよね」(にっこり)
芭蓮  あの、その、な。あー、秋蓮は、この10年間、どうだったんだ?
香瑠  さりげなく話題そらしてる(笑)。
GM/蓮花  まあ、蓮花さんも意地悪はやめて、「素直な良い子でしたよ」
芭蓮  で、昼間、こういう男を見たんだが、何か知らないか?
GM/蓮花  「時々見かけますね。うちにご飯を食べに来たこともありますし」
芭蓮  し、秋蓮は付き合ってるんだろうか?
GM/蓮花  「そうですね。わたしの目から見れば、仲が良い、と言うところでしょうか」
芭蓮  何をやってる奴なんだ?
GM/蓮花  「さあ。わたしは船乗りと聞いていますけど」
芭蓮  ぬう。な、名前は?
GM/蓮花  「礼さんとおっしゃるそうですよ」
灰声  10年ぶりに帰ってきた父親が、娘のボーイフレンドについてあれこれ聞いてたら、そりゃうっとおしいよ(笑)。
芭蓮  そ、そうか。お父さんは、元気でやってるようだが。
GM/蓮花  「ええ、相変わらずです」
芭蓮  この10年間、病気とかにはかからなかったか?
GM/蓮花  「ほとんどしませんでした。あなたが教えてくださった料理のおかげで」ほら、仙人の食い物って、健康食っぽいところがあるじゃん?
芭蓮  しばらくここに留まるべきか。何週間か経ったら、と思っていたけど、何ヶ月か留まることをここで決意。ところで今、この店はどうなっているんだ?
GM/蓮花  「秋蓮が手伝ってくれるようになりましたから、わたしも楽をさせてもらってます」
芭蓮  うん。
GM/蓮花  「ああ、それから……。秋蓮のことは、あまり気にしないでくださいね。ちゃんとあなたのことは話してありますし、わかってくれていると思いますから」
芭蓮  そうか。そういえば、この街の雰囲気がちょっと変わったようだが。
GM/蓮花  「変わったのは、ここ1ヶ月のことですね」と件の海賊の話を。
芭蓮  海賊……海賊かあ……うーん。調べてみる必要があるか。明日から、知り合いのところへ行ってみよう。家族関係も気にしながら(笑)。
GM  まあ、後は蓮花さんと積もる話でもしてあげてくれ。
芭蓮  ここに泊まっても構わんかな?  秋蓮は気にしないかな?
GM/蓮花  「何をおっしゃいます。あなたの家ですよ」
全員  ええ話やあ〜(笑)。
芭蓮  天転。俺はこっちに泊まると、あいつらに伝えてきてくれ。
GM/天転  「はい、わかりましたわ」ばさばさばさ。

【八  遊びに来た、わけじゃないよ】

  芭蓮を残して宿に帰ってきた一行は、入り口で騒いでいる人だかりに遭遇します。話を聞いてみると、王様が民間から船と船頭を調達したいらしいのです。
灰声  出しゃいいじゃないか?
GM/船乗り  「だってさあ、海賊が出るんだぜ、海賊。しかも王様が船を調達だろ?  碌な話じゃないって」
香瑠  海賊退治にぃ、船長と戦力つきで、……ははぁ。
GM/船乗り  「ばかやろう、俺はただの漁師だ」
香瑠  ねえねえ、それいつの話?
GM/船乗り  「明日の昼までだってよ」
香瑠  ねえねえ、おばーちゃん。ここはひとつ、やってみるべきだと思わない?
灰声  今わたしも思ってたんだよ。誰か仲間内で船の漕げる奴いたっけねえ、って(笑)。(言いつつ芭蓮を見る)
香瑠  港町育ちのおにーちゃんとか(笑)。(言いつつ芭蓮を見る)
芭蓮  ……。
GM  何人かがやる気になったらしい。明日、王様のところに行くみたい。
香瑠  その人たちを注意深く観察して、知った顔がないかどうか。
GM  ないっ。
香瑠  ち。
灰声  部屋に帰って相談しよう。どうする?
凌稀  明日王様のところに行って、正体をばらしちゃえば、絶対に「行け」って言われると思う。
英玲  一般人の振りをして、王様に志願しに行くのは……。
灰声  無理だよねー。お子様もいるのに「行ってきまーす」なんて言ったら。
英玲  見た目で判断されちゃうのかなあ。
GM  そりゃ、人間だもの。12歳児が「すごいっ」って力説してもねえ。
凌稀  その「すごいっ」が、仙鳥に乗ってる「すごいっ」ならいいんだけどね。
GM  あやとりしながら「すごいでしょ」って言われてもねー(笑)。
灰声  押し花差し出して「はいこれー」って言われてもねー(笑)。
香瑠  えへへー。って、それ全部あたしじゃん!(笑)
灰声  でも、仙人だって言ったほうが詳しい話が聞けるだろうし。どうせ、暇つぶしする気だったろ?  で、海賊の中であの若い奴を探してみようとか思ってなかった?  思ってたのはばあちゃんだけかい?(笑)
凌稀  思いっきり思ってました。
香瑠  それでね、海賊退治したら、邑の人が喜ぶでしょ?  でね、海賊退治したのが芭蓮おにーちゃんだって言うことにすれば、娘さんからの株も上がると思うの。
芭蓮  ぶっ!(笑)
灰声  あんたは偉い子だねえ。あたしはせいぜい「いやあ、自分の寿命が延びるかな」くらいしか考えてなかった。
  で、夜中。
凌稀  土地神さんのところに行って、世間話でも。
GM  ちょっと違った造りだけども、きちんとした祠があるよ。
凌稀  あ、きちんとやるんだ。こちらとしては、端折ってもらっても一向に構わなかったんだけど。
GM/土地神  まあ、いろいろあってな。君が来たら、土地神のほうから姿を現す。「これは、遠路はるばるようお越しくださいました。ごらんの通りの邑ではありますが、どうぞごゆっくり……」
凌稀  ありがとうございますぅ。うーん、特に訊くことなかったんだけど(笑)。
芭蓮  海賊のことでも訊いてみたら?
凌稀  1ヶ月前から海賊の動き方が変わったと聞いてるんですけども。
GM/土地神  「ええ。そのおかげで邑の活気も失われてしまいました。それにもうひとつ、気になることがありまして」
凌稀  それはなんでしょう?
GM/土地神  「海賊と直に関わりがあるのかどうか判然といたしませんが、実はここ1月の間、海のほうから陰の気が強く漂ってまいります」
凌稀  いやあ、ぴったり期間が一致しますねえ(笑)。
香瑠  海賊さんたち、人間だといいなあ。
GM/土地神  「わたくし、海のほうにはあまり詳しくありません。海のことでしたら、天上聖母に聞かれるのがよろしかろうと存じます」
凌稀  天上聖母……?
GM/土地神  「おお、天上聖母と言うてもお分かりになりませんな。人の間では媽祖とも呼ばれておりまして」
凌稀  媽祖ですかぁ。
GM/土地神  「媽祖廟は、沖にある島々の中にあるといいます。船乗りたちに聞けば、詳しい場所を教えてくれるでしょう」
凌稀  どちらにしても明日ですね。帰って、みんなに話そう。
香瑠  そういえば、あのおにーちゃんも媽祖がどうとか。
凌稀  媽祖に聞かれたら答えてやるよ、とかなんとか。
灰声  ほう。信仰の対象かね?  それとも偉い人かね?
香瑠  土地神様が言うんだから、海の神様なのかなあ。
  灰声ばーちゃんが念のため、夜の海に様子を伺いに行きましたが、沖に浮かぶ小島のあたりで、ちらりと灯を見ただけでした。
  ざぱーん。だぷーん。

【九  朝の挨拶】

  港町の朝は早い。仙人たちも早くに起き出して、船乗りさんを捕まえて媽祖のことを訊き出します。
GM/船乗り  「媽祖って言ったら、そらあんた、海の神様だよ。昔は人間で、神通力で何隻もの船を助けたとかで、死んでから神様になったんだそうだ。媽祖にお祈りすれば、嵐とかの水難で死ぬことはないってよ」
凌稀  お社とかはどの辺に?
GM/船乗り  「沖に小島がたくさん見えるだろ?  あの真ん中にある大きめの島。行きゃあわかるよ」というとってもアバウトな教え方。
凌稀  うわお。
香瑠  芭蓮のおにーちゃんは誘わなくていいの?
灰声  じゃあ、様子伺いに。お店はまだ開いてないの?
GM  開いてませんね。仕込みの途中でしょうか。
凌稀  裏口から回って……。
灰声  朝飯食わせてくれぇ。
GM  じゃあ、中から秋蓮さんが出てくるところと鉢合わせ。「あ、おはよう」
全員  おはようございまーす。
GM/秋蓮  「えっと、……御用?」
灰声  いい天気だねぇ。
GM/秋蓮  「そうですね」
灰声  ……ちょっと、鎌かけていいかな?  と周りに合図をぴぴっと送ってみるけど。
英玲  わたしは考え込んでます。
香瑠  おっけー。
灰声  おっけー。いやあ、王様のお達しは知ってるかい?
GM/秋蓮  「お達しって、なんですか?」
灰声  なにやら海賊退治するらしいっていうみみにおはなしむにゅむにゅ……(笑)。
香瑠  おばーちゃん、しっかり。
灰声  それにあたしたちも手伝おうかにゃむにゅにゅ(笑)。
GM  (ころころ)秋蓮さんは見た目何事もないような顔をして「そうですか」。
灰声  もにゅもにゅ。それで、あんたのお父さんにも手伝ってもらおうかなぁ、なんて思ってるんだけど、父さんはいるかい?
GM/秋蓮  「……待っててください」と奥に入っていく。
芭蓮  おう、仕込みの最中だ。文隆の父さんと並んで働いてる。
GM  じゃあ、肩をちょんちょんとつつかれる。
芭蓮  ん?  と振り向くと……。
GM/秋蓮  娘さんが立っているわけだ。で、君を上目遣いにみながら「あの……」
芭蓮  出鼻をくじくように「お、おはよう」と(笑)。
GM/秋蓮  「お、おはよう。……勝手口で呼んでるよ、お連れさんが」
芭蓮  (がっくり)なるほど、話しかけてくれたのはそのせいか……、そのくらいでしか話しかけてくれないよなぁ。
GM/秋蓮  「あ」
芭蓮  ?
GM/秋蓮  「えっと、お、おはよう……」
芭蓮  ……お、おはよう。
香瑠  ぎこちないなあ。
芭蓮  じゃ、取り敢えず、出て行きましょう。
灰声  おお〜(ぱちぱち)。
芭蓮  う?
灰声  あたしは娘さんに「お父さんを呼んでおいで」って言ったのさ。
凌稀  ちゃんとお父さんが来たよ。
灰声  良かったねえ、あんた。おじいちゃん呼んでこられたらどうしようかと思ったよ。で、これこれしかじかで、海賊退治に出ようと思ってるんだけど、あんたどうするね?
芭蓮  構わないけど……。僕も今日一日は情報集めをしたい。昨日は料理作ってた記憶しかないから(笑)。
灰声  今日行くかもしれないよ。
芭蓮  じゃ、午前中だけでいい。
灰声  わかった。じゃ、お昼に合流しましょう。
GM  朝ごはんは?(笑)
芭蓮  わかったわかった。店に入れ、店に。
GM  (ごろごろ)凌稀さんと灰声ばーちゃんは、その会話の最中に、店の奥で何者かが立ち聞きしているのに気がついたよ。
芭蓮  僕が中に入れ、って言ったときに気付いたんでしょ?
灰声  それなら、立ち去る足音とかでわからない?  娘さんか、奥さんか、それとも爺さんか(笑)。
GM  体重の軽い、若い足音だな。
灰声  そりゃあ一人しかいないねえ。
GM/文隆  「わしのことか?」
灰声  あたしよりは若いね、たぶん(笑)。
芭蓮  取り敢えず朝飯を食べさせてあげよう。
GM/文隆  「なんだ、十宝の知り合いはいろんなのがおるなあ。ばあさんもおるし、がきんちょもおるし」
灰声  あんたにばあさんって言われたくないね!(笑)
芭蓮  とても「いい仲間」とは言われませんが。
香瑠  ひどいなあ。
GM/文隆  「ま、そういう嫌なことは飯を食って忘れるんだな」
香瑠  おじーちゃん、このご飯おいしいよう。
GM/文隆  「だろう?  ま、近頃は十宝の作ったほうがうまいがな」(がはははは)
凌稀  豪快なじいちゃんだ。
灰声  それじゃ、あたしたちはお城に行きますか。
芭蓮  蓮花さんとお父さんに、今日は海賊のことで出かけてくるから、よろしくお願いします、と。
GM  奥さんはにっこりと「行ってらっしゃいませ」、じいちゃんは「そうか、頑張って来いよ」と君の肩をばしばし。
芭蓮  はい、頑張ります。
英玲  うちのお師匠様みたい。
GM  あ、秋蓮さんは朝ごはんが終わってから、どこかへ出かけたみたい。
芭蓮  ん。それじゃ、昔の海賊仲間のところに行きます。
凌稀  お前、若いなあ、って言われるよ(笑)。
芭蓮  たぶん。でも知ってると思うから。

【十  仙人のお仕事】

GM  王様の屋敷。朝からどたばたしてます。
灰声  そういえば、まだ考えてるの?
英玲  後ろでぶつぶつ言いながらついていきます。
GM  怖いよ、君(笑)。
英玲  いや、さっきの「ふま」と「いんのき」と、「海の神様」って言葉が繋がらないかなあって。
GM  フナとインコ?  なんだ、そりゃ?
英玲  「ふま」。じゃないや、媽祖だ。媽祖と、陰の気。
凌稀  どうせ繋がってるとは思うんだけどねー。
英玲  うーん。
芭蓮  深く考えないほうがいい。大抵外れてるから。思い込んだ考え方は危険だよ。別の方向に行っちゃうから。柔軟に考えるほうが大事。
灰声  いいこと言うね。あたしゃ繋がってると思い込んでるんだけど(笑)。
  僕はあんまり複雑な謎を仕掛けない(仕掛けられない、に訂正)。考えるのは大事だけど、それでゲームが止まってしまうのは勿体無いしね。GMによって違うと思うけど、僕は「足で稼ぐ」「口で稼ぐ」スタイルを結構重視する。行動することで謎が解けるタイプね。だから、悩むよりまず行動。ま、軽挙妄動は困るけど(笑)。
GM  船乗りさんたちが門前にたかっている。「金はどれくらい出るんだ?」という奴から「俺に行かせてくれい」という奴まで、いろいろだ。
凌稀  ということは後ろで「おーい」と叫んでも気付いてもらえない。
  恐れを知らぬ12歳児、凌稀。いきなり飛来椅に乗っかって、驚きおののく人だかりの間を、悠々と進んで行きます。
凌稀  取り敢えず、朝の挨拶から。おはようございます。
GM/兵士  「あ、いえ、あ、あど、お、おは?」
香瑠  わたしは赤岳凌雲山悠遠洞、赤岳芳主様の下で修行を積む者なのですが、この邑で困ったことがおきていると聞き及びましたので、微弱ではありますがお力になれることがありましたら、何なりと申し付けくださいっ。
凌稀  以下略。
灰声  同文。
GM/王  衛兵さんはあわてて奥に駆け込んだ。で、奥から30代くらいの男性が現れた。この人が王様らしい。線の細い人だ。「仙人様のお運びとお伺いいたしました……が」
香瑠  ?
GM/王  「が」
灰声  やあ。
GM/王  「が」
英玲  ……。
GM/王  「がぁああああ!」(笑)
凌稀  いつまでも椅子に乗ってるわけじゃないよ。低空飛行。
GM/王  「あわただしくて申し訳ございませんが」ということで、奥に通されるよ。
灰声  船を集めているのは、海賊退治を思ってのことか?
GM/王  「さようでございます。そろそろ市井に出回る物の中にも足りないものが出てまいりましたので、このままで一向に埒が明きませぬゆえ。これまでは必要悪と思って目を瞑っておりましたが、今度ばかりは」
灰声  向こうから何か要求してきたりはしないのか?
GM/王  「いえ、一切ございません」
灰声  こちらから連絡は取れないのか?  例えば、こちらから、これまで以上の課税を払うからいままでどおりにしよう、とか連絡できれば……。
GM/王  「今までこちらから連絡をつける、ということはございませんでしたので……」
灰声  奴らの拠点はどこなの?
GM/王  「おそらく近海であろうと思いますが、積極的に確かめたことがございません」
灰声  どのくらいに人数だという見当はお付きか?
GM/王  「噂では、3、40人ほど」
灰声  それがみな、手練れの者と。
GM/王  「そうですな、兵士たちより……いえ、どっこいどっこいかと(笑)。
灰声  情けないことを言うでない(笑)。
香瑠  そういえば、ひと月ほど前から急にやり方が代わったと聞いたんですけど、何かきっかけになるような心当たりは?
GM/王  「いえ、わたしたちにはとんと心覚えがございません」
灰声  まあよい。無駄に人死にを出すこともあるまい。我らが打って出てやろう!(笑)
芭蓮  偉そう。
GM/王  「さ、さようでございますか。ありがとうございます。ですが、仙人様だけで、単身海に出て行かれるおつもりで?」
灰声  まあ、あたしは飛べるんだけど。
芭蓮  乗り物があるでしょ。船でもいいけど。
英玲  えっと、わたしは……。
GM  泳げ(笑)。
香瑠  船を一艘お借りしたいのですが。
GM/王  「それでしたらこちらで工面いたしましょう」
香瑠  仲間に心当たりがありますので、船頭さんは結構です。
芭蓮  (お、俺か?)
GM/王  「わたくしどもでも人手を集めましたが、ご助力いたしましょうか?」
灰声  そうだな、考える時間が欲しい。昼過ぎには答えを出そう。
GM/王  「分かりました。それまでは人集めとご用命の船の件を進めておきましょう」
灰声  それじゃ、相談しに、っていうかお昼を食べに戻りましょうか(笑)。
香瑠  うい。
英玲  もう、難しく考えるのやめた。
凌稀  近海の地図が欲しいな。
GM  じゃあ王様が用意しよう。

【十一  変わらないもの】

GM  一方の芭蓮。港の側のぼろっちい漁師小屋に、「海鷹」という目端の利く男が住んでいた。いまも住んでいるはず。
芭蓮  じゃあ、訪ねよう。
GM/海鷹  中から現れたのは、偏屈そうなおじさん。君の顔をまじまじと見て「……十宝か?」
芭蓮  久しぶり。聞いてるだろう、僕が仙人になったことは?
GM/海鷹  「ああ。しかし仙人ってのは便利でいいなあ。いつまでも若作りでよう。俺も仙人をやってみようかなあ」(笑)
芭蓮  お前に仙骨があるかどうかが問題だな(笑)。
GM/海鷹  「ふん、言いやがる」
芭蓮  今日来たのは、最近の海賊騒ぎについてだ。ずいぶんと、やり方が変わってないか?
GM/海鷹  「変わるも何も、ありゃ、半分以上、俺たちのやったことじゃないからな」
芭蓮  代替わりしたのか?  それとも別の海賊が?
GM/海鷹  「代替わりはしてねえ。相変わらず海虎の親分が仕切ってるが……。俺は、もうひとつ、海賊が出てきたんじゃないかと踏んでるね」
芭蓮  そいつらの居場所は?
GM/海鷹  「それが皆目つかめない。今、仲間が船を出してあちこちを捜してるんだがな。ここひと月の汚いやり口は、そいつらの仕業だろう」
香瑠  海賊に「汚いやり口」って。
凌稀  やっぱりあるんだって。人は殺さねえ、とか。
GM  いや、殺しまくってました(笑)。
凌稀  あれ?  必要な分だけしか盗らない、とか?
GM  その辺ならあるけどね。
芭蓮  別の集団か。名乗ったりはしないのか。
GM/海鷹  「それがな、俺たちの知らないところでばかり悪さをするのさ」
芭蓮  じゃあ、お前たちの前には現れないのか。
GM/海鷹  「触れず触らずってところだな。俺もこないだの連絡を受けただけだから、もしかすると新しいことが分かったかもしれん。海虎親分に会いに行ったほうがいいかもな」
芭蓮  ……一度、会うべきだな、親分に。
GM/海鷹  「そりゃいい。本拠の場所は変わってないからな。漕いで行けよ」
芭蓮  船はあるか?
GM/海鷹  「俺のぼろ舟でよけりゃ貸してやるが」
芭蓮  借りて行きましょう。
GM  本拠の場所は、媽祖廟のある島の隣の島だから(笑)。
香瑠  今、吹きそうになった。媽祖廟って、海賊が建てたのかな?
芭蓮  ぎっちらこっちら。昼までに帰れるかな?
    小船に乗って海を行く芭蓮。
    一方の灰声さんたちは、お昼まで時間が余ったので、先に媽祖廟に行ってみよう、と思い立ち、海の上を乗騎で飛んで行きます。すると、当然……。
GM  ……眼下に小船が一艘。
香瑠  危ないなあ、海賊が出るのに、と思って降下してみる。あのぉ?
芭蓮  海はぁ〜よぉ〜、海はぁ〜ヨォ〜(笑)。
GM  ご機嫌で漕いでるが(笑)。
香瑠  芭蓮おにーちゃん、何してるの?
芭蓮  う。ちょっとばつの悪い顔をしながら……。べつに歌ってたことが、じゃないよ(笑)。
灰声  いや、音痴なことは気にするな。いいぞ、気持ちよく歌え(笑)。
芭蓮  何してんだ?
凌稀  媽祖廟にご挨拶。
芭蓮  おう、そりゃご苦労なこった。僕は昔の友達に会いにな。ぎっこぎっこ。
香瑠  ねえ、途中まで乗って行かない?
芭蓮  いや、この船を置いていくのはちょっと。殺されるかもしれんし(笑)。
香瑠  袖縛紐を出してね。舳先にこれ結ぶでしょ?  椅子の足にこれ結ぶでしょ?  引っ張るぅ。
芭蓮  ぼろ舟が壊れる!
GM  超高速で波にばんばんぶつけるんじゃなあ。
芭蓮  まあ、先に行って情報でも集めていてくださいな。
灰声  それじゃ、君んとこの料理店で会おう。
  ということで芭蓮一人を置いて、乗騎組は媽祖廟へと飛んで行きます。
  ほっとしてるのかね、芭蓮くん。
GM  媽祖廟のある島に到着した。周りの島に比べてやや大きめだけど、媽祖廟の他にはなーんにもない島。海岸から少し離れた丘に、媽祖廟が建っている。小奇麗にしてあって結構大切にされているな、という印象を受けた。近付くと、神前にコンブだのスルメだの、よくわからんものが山積みになっている。
芭蓮  お供え物?
GM  なんちゅーか、もうちょっと供え方ってあるよね、と凌稀さんは思った。
凌稀  うん(笑)。
香瑠  これは、良くない!  ということで、正しい供え方に則って供え物を整理してみよう。
芭蓮  意味あるのか?
香瑠  だって、これ、ただの山積みじゃん?  良くないよぅ。放り投げただけみたいでさぁ。
GM  香瑠が供え物に手を触れていると、祠のほうから「余計なことをするでない」という声が、凌稀さんの耳に聞こえる。
凌稀  余計なこと、と言われましても、彼女としてはきちんと整理整頓したいらしいので。
GM/媽祖  「供え物とは気持ちではないか。違うかえ?」という女性の声がして、美しく着飾った女性の神様の姿が現れる。
香瑠  こんな神様なんだぁ、と思いつつ、整理はやめない。
GM/媽祖  それ以上、媽祖も言わないけどね。「わらわは媽祖。船の守り神である。昔は難破船を助けたりもしたものじゃが」
灰声  その割には海賊が横行しているようだが?
凌稀  海の向こうから来た陰気について聞きたいんですが。
GM/媽祖  「さよう。近頃、わらわの海をうろつく不貞の輩がおる。わらわを慕う者たちを沈めていくのは非常に心苦しいけれど、いかんせん、水難であるので手を出せぬ」
香瑠  人災だよね、それって。妖怪だったら、妖災?
GM/媽祖  「船を沈めおるのは、陰の気の塊のような奴じゃ。どういう手段によってかは知らぬが、次々と手駒を増やしておる。おそらく、人手には負えぬゆえ、道士殿のお力を借りるほかない。どうか、わらわを慕う者たちを助けてはくれまいか」
凌稀  そのつもりで参りましたし。
灰声  その陰の気の固まり、見たいな奴は、今、いずこ?
GM/媽祖  「わらわもしかとはわからぬ。南の方角、としか分からぬし、あちらも動くでな」
香瑠  襲う船に法則性は?
GM/媽祖  「まったくない」
凌稀  出遭ったら?
GM/媽祖  「十中八九」
灰声  芭蓮が襲われないように祈るしかないね。
香瑠  でも、芭蓮おにーちゃんが襲われたら駆けつけやすいと思う。教えてくれるだろうし、こんだけ近いんだし。
GM/媽祖  「もうひとつ、頼まれて欲しいことがあるのじゃが」
凌稀  なんです?
GM/媽祖  「わらわにも何くれと手のかかる諸事があっての。それを手伝ってもらうために、竜宮から鮫人……鮫に手足の生えた、鱗類の一種なんだけど……を借り受けておるのじゃが、先日、その一匹が沖に出て行ったまま戻らぬ。陰気の者に捕まったのやもしれぬゆえ、その時は助けてやっていただきたい」
香瑠  ねえねえ、その鮫人って人間に化けたりする?
GM  ふつうはしないよ。
香瑠  良かった。あのおにーちゃんが鮫人だったらどうしようかと思っちゃった。それで海に行くのかぁ、って。
灰声  媽祖に聞かれたら答えるよねえ(笑)。
GM  いくらなんでも(秋蓮があんまりだ)。
灰声  さ、港に帰りましょう。

【十二  お父さんと呼ぶな!】

    一方の芭蓮は、ようやく海賊の本拠に到着します。
GM  媽祖廟のある島の、隣の島。ちょっと入り組んだ入り江の中、波で削られた天然の洞窟に手を加えて、それを秘密の通路にしてある。で、若い見張りがいて、「てめえ、何もんだ」
芭蓮  若い?  じゃあ、僕の顔を知らないな。昔仲間の十宝だ。
GM/見張り  「十宝?  聞かない名前だなあ」
芭蓮  ああ、昔、10年前まで仲間だったからな。
GM/見張り  「10年前。なんだか怪しいなあ。で、何の用だ?」
芭蓮  お頭に会いたい。十宝が来たと伝えてくれ。
GM  しばらくして、その若者が50歳くらいのおっさんを伴って戻ってくる。「十宝だって言ってるのはお前かい?」と尋ねてくるのが、昔のままの片目の親分、海虎さんだ。
芭蓮  そうです、お久しぶりです。
GM/海虎  「なるほどなあ。仙人になると若いままでいられるってのは本当らしい」
芭蓮  今回訪ねたのは、海賊騒ぎについてです。何か心当たりはありませんか?
GM/海虎  「いや。皆目わからない。だが、居所が知れたら、海賊の名折れだからな。潰しちまう気でいるが」
芭蓮  王様が海賊を潰そうとしてるってことも伝えます。
GM/海虎  海虎さんは豪快に笑って「向こうがその気なら、こっちもその気だ。やろうってんならかまわねえぜ」
香瑠  舐められてる。
芭蓮  だって、あの王様の態度を見れば。見てないけど。
GM/海虎  「時に十宝。お前は、この海賊を抜けたことになってるからよ。今回のことには手を出さねえ方がいいんじゃねえか?  俺たちは俺たちでけりを着けるつもりだからよ」
芭蓮  しかし、被害に遭ってるのは邑の人だから。あの邑の住人だった俺として、助けたい。もと海賊としては、手を引こう。目の前であなたたちと海賊もどきが戦ってたら、手は出さないよ。
GM/海虎  「そうしてくれるか。俺も義理を立てなきゃならない。お前はもう手下でもなんでもないわけだからな」
芭蓮  なにがしかの情報とか、居場所とかが分かったら教えて欲しいんだが。
GM/海虎  「ま、そのくらいは仕方ないか。昔の誼だ」
芭蓮  ありがとうございます。
GM  そこで海虎さん、意地悪ーく笑って、「時に十宝。お前んとこの娘さん、綺麗になったなあ」
芭蓮  ぐぅっ!  ……な、何が言いたいんですか?
GM/海虎  「お前、娘さんに虫がついてるの、知ってるか?」
芭蓮  ぐ……。な、なにやら付いてるらしい、との噂は……。
GM/海虎  「なるほど、知らぬは親ばかりか。てめえの後ろで話を盗み聞いてるのがそれだよ」(笑)
芭蓮  ぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ、がしょん。
GM  隅っこに隠れているのは、先日通りで秋蓮と喧嘩してた男だ。君のほうを窺ってるぞ。
芭蓮  きーさまかぁー!  
GM/礼  「うわ!」
芭蓮  ずんずん足音を響かせながら、近付いて行ってやる。
GM/礼  「勘弁してくれ、お父さん」
芭蓮  おおおお、お父さん?!
全員  (笑)
芭蓮  きききき、きさま。どうして娘とぉ!
GM/礼  「どうやって知り合ったか、ってことですか?」
芭蓮  こくこくこく!
GM/礼  「そ、そりゃ、媽祖に誓って、偶然です!  偶然!  俺は親分からあんたの話なんか聞いちゃいないし、あんたにあったのは昨日が始めてだ。まさかあんたが秋蓮のお父さんだなんて」
芭蓮  まさか昔の俺のように、仕事を続けたままあそこで働くつもりだったのでは?!
GM/礼  「そいつは近いうちに辞めるよ」
芭蓮  海賊を?  それとも、恋人を!(笑)
GM/海虎  「お前にはどっちが嬉しいのか知らないがな。俺は中途半端なつもりなら船を降りろと言ってあるんだがな」と言う海虎さんに、礼くんはこくこくこく(笑)。
芭蓮  で、どうするんだ?  礼とか言ったな。
GM/礼  「も、もちろん、降りますよ。この一件が終わったら」
芭蓮  で、降りたら、何をするんだ?  斧を取り出して弄びながら訊こうじゃないか(笑)。
GM/礼  「い、いえ、秋蓮がね、自分の店で働けばいい、って言ってくれるもんで、ほら」
芭蓮  ほぉ〜ぅ。
香瑠  ということは、秋蓮さんはこの兄ちゃんが海賊だってことを知っている。
凌稀  だから止めてたんじゃない?  やめるって言ってたのに、もう一度乗るっていうから。
芭蓮  お前が海賊だってことを、秋蓮は知ってるのか?
GM/礼  「し、秋蓮は知ってますよ。お母さんやおじいさんが知ってるかどうかは知りませんけど」
芭蓮  なるほど……。
灰声  でも、人のこと言えないよねえ。自分も昔は海賊だったんだし。同じ道を辿ってるじゃん?
芭蓮  ぐぐ、一番考えたくない可能性だったのに。こいつが娘と付き合ってると聞いたとき、「ああ、海賊かもしれん」と思った自分が嫌で、ちょっと記憶を封じてたのに。まさかこんなところで出遭うとは!  予想はしてたけど(笑)。
香瑠  でもさ、娘さんの約束がどれほどのものかは知らないけど、仲間が待ってるからってまた舟に乗るような男だよ?  やめるって言葉が、どれほど本気なのかな?
芭蓮  む!  むむ!
灰声  いやしかし。仕事仲間との友情に篤い、いい男じゃないか。
凌稀  そういう男は、「わたしと仕事、どっちをとるの?」って言われたら、仕事を取るような奴だぞ。
香瑠  「私のことはどうでもいいの?」って言われたのに、船に乗ったもんな。
灰声  しかし自分はなんだぁ?  家族と仙人修行、って仙人修行を取った男だぞ?
香瑠  また10年後に帰ってみたら、秋蓮さんがひとりで泣いてるかも。本当にこんな奴でいいの?
芭蓮  いろんな電波に、頭を抱えて苦しんでよう(笑)。
GM/海虎  海虎さんは後ろで腹抱えて笑っとるが。
芭蓮  ……今は即席お父さんだが!  貴様のことは認めんからな!(笑)
GM/礼  「がぁーん!」(爆笑)
芭蓮  こうなったら、しばらくこの邑にいてやる!  じゃあな!
GM/礼  「やめるのは本当なんですよ!  信じてください、お父さん!」
芭蓮  貴様が「お父さん」と呼ぶなぁ!(笑)
  取りすがる礼を振り切って小船に飛び乗り、お父さんはぎこぎこと港へ帰って行きました。そりゃ、心中穏やかでないねえ。
芭蓮  くそぅ、あの男め!  それにしても秋蓮は本気なのか?  うーん。

【十三  お父さんと呼んでくれ!】

灰声  お帰り、どうだった?  つーか、あんたは何してたのさ、あんなとこで?
芭蓮  くそぅ、あの男め!  あの礼っていう奴に会ったんだよ!
凌稀  らい?
芭蓮  娘と一緒にいた青年だよ!
灰声  ああ、彼氏。船乗りだったのか?
香瑠  あの人がどうしたの?
芭蓮  くそぅ、あの男め!  ぶつぶつぶつ……。
香瑠  まあ座ってよ、芭蓮にーちゃん。はい、お酒どうぞ。
芭蓮  ごくごくごく、ぷはぁ!
香瑠  で、どうしたの?
芭蓮  実際に付き合ってるという話を聞いたんだよ。そして本気だとも言った。ぬう、ああもう、もう一杯!(笑)
香瑠  たぱたぱと注いで。でも、堅気っぽい人だったよね?
芭蓮  ぴく!  誰が堅気なもんか、あんな男!
香瑠  ほえ?  違うの?
芭蓮  あいつは海賊だぞ、海賊!
灰声  海賊なのか?  じゃ、これからあたしたちはあのお兄ちゃんを討たなきゃならないのかい?
芭蓮  む。ついでに消したらいいか、と思ってる(笑)。
香瑠  おい、おっさん(笑)。
芭蓮  それだと、濁業値が溜まりに溜まってしまうな。ええと、どうやら、海賊は2組いるらしいんだ。で、その片方が昔ながらの方法を続けている海賊で、ここひと月の間に出てきた新しい海賊を快く思っていないらしい。で、居場所さえ分かれば、全面戦争をするらしいんだ。
GM  わかんなけりゃ、喧嘩の仕様もないわけで。
灰声  たぶん、その新参者の海賊が陰の気の原因だと考えていいよね?  じゃあ、あたしたちがきっかけさえ作れば、後は海賊さんに任せればいいんだ。
香瑠  駄目だよ、おばーちゃん。相手が妖怪だったら殺されちゃうよ。
芭蓮  ……海賊が同士討ちになってくれれば、ちょうどいいかも。
灰声  娘さん、泣くだろねー。
芭蓮  うっ!  そ、それはいかん!
凌稀  悲しむよぉ、ほんとに。
灰声  それに手を貸したのが、よりによって帰ってきた父親だったりなんかしたらねぇ。
凌稀  それが父親のすることかなぁ。
GM  (腹を抱えて笑ってる)
芭蓮  ちくしょう、秋蓮が帰ってきたら聞かねば。あの男のことは本気なのかどうか。
香瑠  ねえ、芭蓮おにーちゃん。娘さんに嫌われたいの?
芭蓮  ……やめといたほうがいいかな?
香瑠  うん。ひとつひとつ片付けていこうよ。まずは陽気の源である海賊さんたちをやっつけて。
GM  ……確かに「陽気」な海賊かもしれんが。
灰声  はいほーはいほー、しごーとがすきー(笑)。
香瑠  間違えた。陰気の源の海賊さんをやっつけて、媽祖さんに頼まれた鮫人さんを助けて、それから娘さんとおにーちゃんの交際のことについて考えればいいじゃん?
凌稀  娘さんと仲良くなりたいのなら、二人の仲をちゃんと認めてあげないと。父親の葛藤はこの際置いといて(笑)。
芭蓮  (へっ)娘が幸せならそれてもいーけどねー。
灰声  やさぐれて来たぞ、だんだん。
  いちおうの目標が定まって、当然のようにまずは曖酒家で腹ごしらえ。
GM  ……ご贔屓だね。
香瑠  大丈夫だよ、御代はきちんと払うから。
芭蓮  良かったよ、全部俺のところに来るのかと思った。
灰声  では、王様のところに行きましょうか。
GM/王  「いかがなりましたでしょうか?」
灰声  我々仙人が、悪い奴を、倒します。
GM/王  「わたくしたちは何かご協力を?」
香瑠  海賊がこの邑を襲わないという確証もないのです。むしろ王の兵士や勇気ある方々は港の警護をしたり難破した方々の捜索をしたほうが良いのではないでしょうかっ。
GM/王  「は。では、そのようにさせていただきます」
灰声  なんて良くできた……(笑)。
GM/王  「では、港に船を用意させていただきました。漕ぎ手はいらないんでしたね」
香瑠  芭蓮おにーちゃんが漕いでくれるもーん。
芭蓮  おうよ。
GM  港では兵士さんが2人、君たちを迎えてくれる。君たちが楽に乗れる大きさの船だけど、武器なんかはついてない。衝角もないので船で戦おうと思わないほうがいいかも。
芭蓮  ラム戦ができないのか(笑)。
GM  だって、要らないだろ、跳ね橋。
芭蓮  まあな。飛び移ればいいことさ。
灰声  勿体付けなくていいのかい?  父さんはこれから戦ってくるよ、とか。
芭蓮  そういうことをやってくる、とは言ってあるから。
GM  では出港、の前に、船に乗り込んでくる人がひとり。
芭蓮  妻か!  弁当を持ってきてくれたのでは!  なぁんてな。
GM  なぁんてな。もっと若い方だよ。
香瑠  娘さん?
GM/秋蓮  うん。怒ったような困ったような顔をしながら、君の手を掴むと「ちょっと来て」と引っ張っていこうとするが。
凌稀  いつまでも弱気じゃいかんぞぉ。
香瑠  背中をえいと押して、チャンスなんかそうそうないんだぞぅ?
芭蓮  ここは父の威厳を見せねば!  じゃあ、船を下りて。なんスカ?  いや、「なんスカ」はおかしいな。なんだい?
GM/秋蓮  しばらくもじもじしたり、地面を見たりして言いよどんでいたが、遂に、勇気を振り絞って、「お父さん」。
芭蓮  ……おおおおおお(感動)。
灰声  もちろんあたしたちは船の陰から聞いてるからね(笑)。
香瑠  あ、言ったね言ったね(笑)。
芭蓮  天を仰ごう(笑)。
灰声  感涙、って感じ?  「お父さんお父さんお父さん……」
芭蓮  周りには花が咲いて、天使が飛んでたり(笑)。涙をだーっ!  と流そう。
GM/秋蓮  「お父さん、わたし、好きな人がいます」
芭蓮  がぁ〜〜〜〜ん!  今度は地獄の底まで突き落とされた。
GM/秋蓮  「その人は、海賊で……、でも」
芭蓮  「そうか」と言いながら、地面を歩いている蟻を見る(笑)。
GM/秋蓮  「お父さんが、王様に頼まれて海賊をやっつけるって話を聞いたから……」
香瑠  てっきり、どさくさまぎれに恋人もやられると思って。
灰声  喧嘩はやめて〜、二人を止めて〜、ってやつね(笑)。
GM/秋蓮  「わたしは、礼を信じてる。礼はきっと、悪いことはしてないから。……父さんに相談すれば、助けてくれるって」
凌稀  「わかってる、心配するな」と微笑みかけてあげなさい。
香瑠  「父さんが成敗するのはその海賊じゃないんだ」って言いなさい。
灰声  いっそひねくれて「そうとも、俺に勝てん奴に娘は渡せんのだ、はっはっは」っていうのはどう?(笑)
芭蓮  ……えーと。礼くんが海賊だっていうのは知っている。午前中に会ってきたばかりだから。
GM  娘さんは驚くね。
芭蓮  礼くんは海賊を辞めると言っていたが、本当なのかい?
GM/秋蓮  こくりと頷きます。「今のことが終わったら、降りてくれるって」
芭蓮  そうか。わかった。……ああ、やっと言えるのか!  「お父さんなりに頑張ってみよう」
全員  (笑)
GM/秋蓮  娘さんは照れたように「ありがとう」。
芭蓮  「お父さん」と呼ばれたことに満足しながら船に帰ろう。
灰声  拍手をもって迎えてあげよう。
全員  わー(ぱちぱち)。
芭蓮  盗み聞きされたことに全然気付いてなかったので、「何盗み聞きしてる」とジト目で見る。
香瑠  芭蓮おにーちゃん、良かったねえ。
灰声  いやあ、めでたいことはみんなで祝わなけりゃねえ。
凌稀  そうそう。
英玲  うん。
芭蓮  いつか、君たちの弱みを握ってやる。
GM  安心した娘さんの微笑を受けながら、船は海に出て行く。
芭蓮  おう!  お父さんは頑張るぞ!(笑)

【十四  たゆたう者】

  燃える芭蓮の操る船は、ぎっちらぎっちらと、一路南を目指します。媽祖の言に従うなら、陰気の塊は南方をうろついているらしいからです。
  GMは今回の海探索に、トランプを用意。カードを引いて、ランダムにアクシデントを起こしつつ、探索を続けようという方式です。さすがに1/53という確率を探していくのでは時間がかかりすぎるので、枚数を調整してありますが。
GM  では、誰か責任もって引いてちょ。
香瑠  お父さん頑張れ。
芭蓮  えい。(クラブの8)
GM  1刻ほど進んだが、何も見つからない。次行ってみようか。
  それからクラブばっかり引き続ける芭蓮。別にクラブが悪いわけじゃないんだけど、6刻ほどは何もなし。
  タイタニックごっこや釣りに興じる仲間を尻目に、黙々と櫓を漕ぐお父さん。背中がまぶしいよ。
芭蓮  えい。なんか出たぞ。(絵札)
GM  ほい、それでは1D振ってくれ。
芭蓮  (ころころ)6。
GM  では前方に、ぼろっちい船が漂っているのを発見。
芭蓮  近付いてみようか。それとも、呼びかけてみる?  
香瑠  うみゅ。ここはやはり、天転、ごぅ!
芭蓮  清徳値減るのは僕なんだけどな(笑)。
GM  天転はばさばさと帰ってくる。「船の上に4人ほど倒れてこうりましたわ。身動きしないところを見ると、もはや命がないものと思われます」
芭蓮  ふむ、何か手がかりがあるかもしれない。行ってみますか。
灰声  近付いた瞬間に立ち上がったりしないよね。
GM  ……読まれてるか。なら、ご期待に添えるしかないな。君たちが船を寄せたところで、ぬぼぁーっ、と立ち上がります。
香瑠  うやぁ?
GM  さ、恐怖判定だ。難易度10の意志判定。
芭蓮  俺は見ない。どうせ船から離れたら、こいつらからも離れるんだし。参加するのは天転だけだ。
  起き上がってきたのは彊屍。いわゆるキョンシー。雑魚のわりに恐怖値が高いところが、GMに大人気(嘘)。今回はGMの振った難易度のサイコロが以上に高く、全員が精神値ダメージを負ってしまいました。
芭蓮  みんな、1ターンで片付けようぜ(笑)。(精神値残り2点の人がいたり)
GM  召鬼術士の凌稀にはわかるんだが、彊屍って自動的には発生しないよね。
凌稀  うん。

―─1ターン表。

香瑠  ふぇええ、怖いよぉ(泣)。
GM  芭蓮くんが船を漕いでて後ろ向き、と。他の人はどんな姿勢?  芭蓮くんを守るもよし、見守るもよし。
灰声  飛んで逃げるっていう手もあるなあ(笑)。
香瑠  うーん……。
  逃げるかどうかの判断に手間取っている間に、直立姿勢で襲い掛かる彊屍たち。
  どうにかこうにか凌ぐものの、灰声さんが手傷を負ってしまいます。

──1ターン裏。

灰声  行きます。全体仙術攻撃。
GM  (も、もう使っちゃうの?)受けましょう。私も男です(笑)
  これで焼却されたのは一体のみ。しかし、彊屍って天命数1しかないから、生き残っててもぼろぼろ。追い討ちの『二竜剣』と『琴弦弓』で2体が消滅。残りは1体なのですが。
香瑠  裏にして13なのー。
GM  (ころころ)避けた。……凌稀さん自身は遊んでるのね?
凌稀  うん。
GM  余裕だな。
  次ターン、彊屍の反撃が香瑠を襲って大怪我を負わせますが、反撃もここまで。天転に止めを刺されて崩壊です。
  結果として、余計に1点ずつ精神値ダメージを負う結果となりました。きちんと攻撃してたらダメージなしで済んだかもね、凌稀ちゃん。
香瑠  精神値って、戦闘終わったら回復させていいの?
GM  (にっこりと)いいえ。シナリオが終わるまでそのまま。
芭蓮  僕は見なくて良かった。
GM  では、乗組員を失った船が、ぷかぷかと。
香瑠  にゅう。どっから来たのかな?  この船。
凌稀  鬼とか見えますかー?
GM  彊屍にされたから、残ってないかもしれない。
香瑠  あ、金丹飲んでおこう。配ってもらったし。
灰声  あたしも。あー全快全快。
  櫓を漕ぐ(カードを引く)のはやっぱり芭蓮。またもクローバーを一枚引き当てて、次に引いたのはまた絵札。
GM  1刻後、前方に小船が見えるよ。
香瑠  よし、仙鳥にのって偵察にいきまーす。ぜんぜん懲りとらんな、お前って感じ(笑)。
GM  やっぱり小船。人が2人倒れている。
灰声  ほ、ほっとく?
香瑠  これ、遭難だと思って近付いた船、片っ端から沈められてるんじゃあ?
凌稀  たぶんそうだろうね。そしてどんどん数が増えていく。
  彊屍の特殊能力です。彊屍によって殺された者は、一晩経つと、同じく彊屍として彷徨うようになるのです。
灰声  でもさあ、これであたしたちが船に接近して、恐怖判定に失敗したら、みんなできゅーばたん、ってこともあるかも(笑)。
GM  同じ妖怪なら、2回めからは恐怖判定はいらないよ。
灰声  あ、よかった。
香瑠  ばさばさと戻ってきて、ねーねー、彊屍2体が小船に乗ってゆらゆらしてるぅ。
灰声  潰しに行きます?
芭蓮  天転だけで充分だと思うけど(笑)。
GM  ぶっ!
  そうだよなあ、天転の回避、7だもんな。滅多なことでは死なないけど。本当は精神値ダメージの問題とかあるんだけど、まあいいか。
  ということでほとんど一方的に戦闘開始、そして終了。
  さらに進むこと2刻。次に引き当てたのはエース。
GM  はい、波間に漂う小船を見つけます。
香瑠  仙鳥に乗って見学に行ってきます。
凌稀  ついでに使鬼も飛ばしておきます。
GM  それがいいんじゃない?  怪我もしないだろうし。
芭蓮  思ってみればそうだ。きさまー!
凌稀  え?(笑)
GM  船の上には人が2人、倒れております。
香瑠  今までのとは様子が違う?  (引き当てたカードを見ながら尋ねる奴)
GM  様子が違うってこれかぁ!(笑)
香瑠  だって他に判断材料がないんだもん。
GM  はいそうですね、まったくあなたの言うとおりだ!
英玲  違うタイプの鬼?
香瑠  もうちょっと仙鳥を寄せて。動いてる?
GM/?  「………………ぅ」
全員  ぅ?
香瑠  鵜飼い?
凌稀  呻いているということは、いちおう生きている。
芭蓮  近付いてみよう。
GM  ぎっこぎっこぎっこぎっこ、ごつん。
芭蓮  さあ、乗り移れ、海賊どもよ。
香瑠  海賊じゃないけど乗り移ります。
  今度は、まっとうな漂流者です。香瑠の水筒(またも封妖壺から出てきましたよ、ええ)から水を飲ませてもらい、一命を取り留めました。
灰声  こんなところでいったい何を?
GM/船乗り  「昨日の朝、遭難した奴を探しに出たんだが、さっきの変な奴に襲われそうになって、逃げ出したのはいいんだけど、帰るに帰れなくなって」
灰声  ミイラ取りがミイラになったのか。ひとりで帰れるよね?
GM/船乗り  「まあ、港がどっちか教えてくれれば」
灰声  芭蓮が知ってるから大丈夫。
  そして何事もなく夕方が訪れる。香瑠のうそっこ日記をBGMに、さらに漂うこと1刻後。
GM  はい、沈む夕日をバックに、漂う小船が一艘。
灰声  もう帰るか?
香瑠  うう、もうおうちに帰るよぅ。飽きたよぅ。
  飽きた、って言われた……。しかも接舷せずに遠距離から仙術と『二竜剣』だけで彊屍を倒してしまいました。
  なんか虚しい……いや、君たちは実に狡猾だ!  ちくしょー。
  そして、夜。陰の気の者の統べる時。

【十五  僕の名は王長生】

芭蓮  カードを引くぞ。とうっ!  (カードはJOKER)
全員  おお!
GM  灰声ばーちゃんの生み出した炎に照らし出されたのは、『飛来椅』がひとつ。その飛来椅の下に大きめの船があって、人がたくさん倒れているのがわかるよ。
香瑠  『飛来椅』?  ……凌稀ちゃん?
GM  違うって。心覚えもないでしょ?
凌稀  うん。
芭蓮  人影は?
GM  今のところ見当たらない。どうやら、座ってるんじゃなくて横になってるみたいだ。
灰声  おきろーっ!
GM  返事の代わりに「げほ、ごほっ」という声がする。
香瑠  『仙鳥』に乗って、松明か何かに火を分けてもらって……。
灰声  「熱を伴わない炎を生み出す」んだけど……。
GM  ということは引火しない。
香瑠  ……おばーちゃん、『火尖槍』貸して(笑)。
芭蓮  灰声さんが行けばいいじゃないか。『火尖槍』に火を付けて、『風火輪』を光らせながら(笑)。
灰声  あたしが行きましょう。お前は何者だ?  名を名乗れ。
GM/?  「僕はげほっ!  ……僕は王長生。神げほっげほっ……はあはあはあ」そこで片手に持った壺から《金丹》を取り出してなめる(笑)。「……という者だ、わかったか」
全員  わからん(笑)。
灰声  なにをしておるのじゃ?
GM/王長生  「私は神燐聖君に頼まれて、さがはっぐふぅ」
香瑠  で、お名前はなんて言うのかな?  もう一回言って。
GM/王長生  「僕の名は王長生。神燐聖げふっの手下だ。僕の探し物の邪魔をするならげぶっ……ぱくっ。はあはあ」
灰声  何を探してるんだ?
GM/王長生  「教えてやる義理はげふっ」
香瑠  でも、探し物は人手が多いほうがいいよ?
GM/王長生  「人手ならそこにあるじゃないか」と指差す下の船の上で、彊屍たちが立ち上がる。
香瑠  それはお前がやったことかっ?
GM/王長生  「さあね」
香瑠  (冷たぁーく)あっそう、よくわかった。
凌稀  ……『飛来椅』に乗ってるのに、手入れがなってない!(笑)
GM/王長生  「失礼な。これは僕のベッドだ」
香瑠  精神が病むと肉体も脆弱になるとは、よく言ったものよのぅ。
GM/王長生  「ははは。弱仙ごときが片腹ぎふっごふっ」
凌稀  まともにしゃべられない人に言われたくないなあ。
灰声  ちょっと、今回、空中戦ですよ。
英玲  え?  ど、どうしよう?  じゃあ、わたし対空砲火。
芭蓮  えんやーとっと、えんやーとっと(漕いでる)。みんな、頑張れぇ。『仙鳥』出してくれるなら、乗って直接攻撃するけど?
香瑠  今から準備するから、待ってて。
  かくて『仙鳥』に芭蓮と香瑠が飛び移り、灰声の『風火輪』、凌稀の『飛来椅』と共に海上に舞い上がります。これに対抗すべく、船の上から彊屍四体が起き上がって、空に飛び上がります。(特殊処理で飛べるようにしてあるだけです。飛彊じゃないです)
  そして英玲ひとりが、船の上に置き去りです。GMとしては、狙うしかあるまひ。ということで、鮫の顔した何者かが波間からぽっかり顔を出します。
芭蓮  鮫人さんですな。
GM  それから彊屍の乗っていた船の舳先に、妙な格好の生き物が1体。強いていうなら魚と人間を足して二で割った感じ。ただし、センスを疑うデザインだね。皆さんの知識にもまったくない代物だ。

──1ターン表。

  初っ端の恐怖判定。先の彊屍との戦闘がたたって、精神値に余裕がありません。この判定で灰声と英玲が一瞬の放心に陥り、他も次はわが身、の状態です。
灰声  全体仙術いきまーす。
凌稀  自動失敗だから、もっと別の行動のほうがいいんじゃない?  (一瞬の放心の影響)
灰声  そうかそうか。椅子に乗ってる人に『火尖槍』攻撃、で失敗。
英玲  『琴弦弓』をあらぬ方向に飛ばしまーす。
GM  いやあ、モラルが上がるなあ(笑)。
  他も振るわず、このターンは有効打一切ナシ。

──1ターン裏。

GM  まず、王長生が『二竜剣』もどきの「双竜刀」を飛ばそう。ちらり。
灰声  はーい。
GM  (ころころ)命中して、ダメージがしょぼく7点です。
灰声  半分ってとこかな。
GM  海に入るのを邪魔された魚もどきは、鰭っぽいもので凌稀さんを叩く。(ころころ)ダメージはこれまたしょぼく6点。
凌稀  どうして低い目が出るかなあ。(ころころ)連続攻撃は避けたよ。
GM  でもって、王長生自身は金丹でもなめておこう。彊屍は香瑠、英玲、芭蓮、天転に1体ずつ攻撃。おのおの回避すること。
  これもまた、英玲にしょぼくダメージが行ったのみ。みんな乗騎に乗っているので、回避も高いのよねー。

──2ターン表。

GM  精神値ダメージを受けておいてね。
灰声  あと1点。やばいよー。これでまた精神値が0になったらどうなるの?  海に落ちたりするのかな。
GM  いや、また悪影響表を振るだけですよ。それで永遠の狂気に陥っても知りませんが(笑)。
  というGMの脅しが効いたのかどうか。気を取り直した灰声さんの全体仙術攻撃が炸裂。ばしばしと炎の嵐が吹き荒れて。
GM  ……彊屍4、だめ。それでは、鮫人の分を。
灰声  (平然と)16。
  うーん、もすこし強調しておくべきだったかなあ、彼の存在。灰声さん、ためらわずに仙術に巻き込んじゃった……。
GM  では、裏成功が2回あったので、反動を2回決めて。
灰声  (ころころ)6、と5ゾロ。
GM  「不完全な成功、効果半分」に加えて「仙骨以外の能力値が永遠に1ポイント低下」。で、これが全部に影響される。
芭蓮  魅力でしょう(笑)。
灰声  まあ、いいけど。魅力のないばーちゃんで(笑)。
凌稀  ちょっと老け込んだのかな。
灰声  こんなになっても半分ダメージかい!
  いやまったく。ということで炎のダメージが来るんですが、半分ですから彊屍でさえ倒れません。
灰声  あれ。鮫人は殺しちゃいけないんだっけ?
GM  焼き入れといてそれはないでしょ。
香瑠  でもあっちのいうこと聞いてたんだから……。
芭蓮  じゃあ十宝は……芭蓮だ(笑)。目の前の彊屍に攻撃しよう。天転は邪仙に攻撃だ。(ころころ)ああ、目が腐ってる。
GM/王長生  「『飛来椅』に乗っててよかった」。
凌稀  《金丹》出して食べます。生命の危険を感じるので。それから、『二竜剣』を呼び戻して半漁人に攻撃。(ころころ)ああっ。ダメージ4点。……ほんとは『二竜剣』割り込みのために帰らせたのっ。
香瑠  ねえ、次のターンで、みんな精神値0だよね?
GM  大丈夫だと思うよ、狂気表で即死はないはずだから。
芭蓮  状況がちょこっと不利になるだけで。
  ……と、芭蓮も僕も思ってたんだよな。
  結局、『師匠の一筆』を見送った香瑠の一撃で彊屍が1体。この後、英玲の『琴弦弓』で更に1体が倒れて、ターン終了。

──2ターン裏。

GM  王長生、《金丹》をなめます。
芭蓮  おお、もう回復されてしまった。
GM  『双竜刀』が灰声さんに(ころころ)11です。
灰声  あ、全然駄目です。裏にします。あたし、こういうのは悪い目ばっかり出すんだよね。(ころころ)10。
GM  「仙骨または知覚が1D日間、1ポイント低下」(笑)。
灰声  じゃあ、知覚を下げようかなあ。
芭蓮  いや、技能値に影響がないほうが……。
GM  この場合は、どっちでも影響が出るな。仙骨だと、仙術行使仙術抵抗知覚だと、回避仙術抵抗が1ずつ下がる。お好きなほうをどうぞ。
芭蓮  僕なら仙骨。『火尖槍』の攻撃メインに切り替えればそんなに影響出ないし。
灰声  そうだね。
GM  鮫人は……。こんな生活は嫌だ、海に逃げてやる(笑)。
芭蓮  それは、ちょっぴり焦げたから?
GM  うん(笑)。
  凌稀は半魚人(仮称)に連続攻撃を受けますが、護鬼で防御。残った彊屍2匹は、香瑠と天転にそれぞれ攻撃。
  ってさ、この2人、一番回避が高いんだよ。あっという間にかわされて、おしまい。ちょほほ。

──3ターン表。

GM  はい、次のターンですので、精神値減らしてね。
英玲香瑠灰声  0でーす!
芭蓮  天転も0だぞ。
GM  はい、順番に影響を決めよう。
  香瑠の場合。「放心。強制的に自動失敗するまで行動不能」
  灰声の場合。「一瞬の放心、直後の行動は必ず失敗」
  天転の場合。灰声さんに同じ。
英玲  わたしは?
GM  (ごろごろと判定の後)99日間の偏執狂。何かにこだわってくれ。それなしではいられないとか、こうせずにいられないとか。……思いつかんな、自分で考えて。
英玲  破れを見ると繕われずにいられない、とか?
GM  それは全然関係ないじゃん。
  ちょっと厳しかったかなあ、って反省。気心の知れた奴ほど、厳しくする癖があるのはよろしくないなあ。
GM  じゃあ、君は彊屍しか狙わない、ってのでどう?
英玲  わかった。彊屍はまだいるよね?  灰声さんの前に(ころころ)16。ダメージは……あれ、6点。
芭蓮  手近な彊屍に攻撃、えい。(ころころ)ひっくり返して。反動は「呼吸を乱す」か。僕、仙術使うつもりないんだけど(笑)。ダメージは6点。
GM  皮1枚で繋がってる。彊屍を半殺しにして、何が楽しいんだい(笑)。
  恐怖表の影響もあって、あとはすかすか外れまくり。

──3ターン裏。

GM  『双竜刀』からいきまーす。(ころころ)命中だね。ダメージは7点。連続攻撃入りまーす。
灰声  いちおう振らせてもらいます。(ころころ)やっぱだめ。
GM  ダメージ4点。次行きます。(ころころ)13。
凌稀  『二竜剣』で割り込み、行き……。
灰声  9以上ね。(ころころ)。
全員  あ、振っちゃった。
  先に振ったら割り込みできないからね。気を付けましょう。
灰声  裏にしまーす。反動は7。今度は「ふつう」。
GM  さ、王長生だ。(ランダムに死ねって言ってるようなもんだけど)《祈願  護法一撃》を英玲さんに。召喚、成功。
英玲  え、攻撃?
GM  うん、攻撃/受け10のな。(ころころ)16だから、受けるなり割り込むなり。
全員  ……。
GM  誰も割り込まないのな?
芭蓮  わりこめませーん。『仙鳥』から落ちるし(笑)。生命値が13だから、受けに失敗しても死んじゃうんだよね。
GM  ひとつ助かる手を思いついたけど、まあ、好きにしてくれ。
凌稀  相殺できるとか?
GM  うんにゃ。自分で割り込んで、ダメージ受けそうになったら、『護鬼』で庇わせる(笑)。
凌稀  そうしよう。(ころころ)足りません。『護鬼』で受けます。
GM  うりゃ、ダメージ15点。
凌稀  ……もしかして、残り1点?
GM  あら。護鬼が死んだら清徳値マイナス1ね。
  凌稀が動いたのを見計らって魚もどきは海の中へ。2体残った彊屍のうち、片方は天転を狙って失敗。もう片方は……。
香瑠  (期待に満ちた目)
GM  2人いるからな、(ころころ)芭蓮くんだ(笑)。
香瑠  ひどいよぉ、こっちの意図に気づいた途端にぃ(笑)。
  結局当たりません。しゃあないなあ。

【十六  恐るべきもの】

──4ターン表。

GM  はい、次のターン。精神値ダメージが……。
凌稀  0になりましたー。(ころころ)5です。
GM  「長時間の精神異常」ですな。
凌稀  (ころころ)5ゾロ〜!  「恐怖症。逃亡を図る。対象に遭遇するたびに1D点ダメージの恐怖判定が必要」〜。
芭蓮  よっぽど、さっきの一撃が危なかったんだな(笑)。
GM  かもね。それじゃ、このターンは逃亡してくれ。
凌稀  いやぁあああ、ごほうがあぁあああん!(笑)
香瑠  ねーねーここどこー?  ねむいよう、もうおうち帰るぅ。
  なんか、やばくない?
芭蓮  十宝は彊屍に攻撃です。(ころころ)12。
英玲  いま、十宝って言ったような(笑)。
芭蓮  気にするな、気にするな。
GM  さあ英玲!  かわいらしい天転の前に、憎たらしい彊屍がいるじゃありませんか。邪仙なんかどうでもいいのです。さあ、彊屍を撃つのです!(笑)
英玲  いっきまーす。(ころころ)13。
  そんなことを言いながら、この2人がきっちりと彊屍に止めを刺します。灰声さんが《金丹》を食べて、このターンは終了です。

──4ターン裏。

  王長生が《金丹》を飲んだのを筆頭に(笑)、半魚人が英玲に接近して攻撃、『双竜刀』は相変わらず灰声を襲い続けますが、どっちもはずれ。

──5ターン表。

GM  はい、精神値ダメージ。あ、凌稀さんはいいよ、逃亡してるから。
凌稀  ふぅー。
芭蓮  何安心してんだ!(笑)
凌稀  だってぇ〜。
英玲  はぁー、だりだり。
香瑠  あれー、どうしてわたしここにいるのぉ?
芭蓮  頼りにならない仲間たちだぜ(笑)。
  英玲が振ったのは「軽度の依存症」ですから、行動を規制してしまうほどの強いものではいけないのです。ただ、世の中には「その場のノリ」っていうのがございまして。できれば、勘弁していただきたい。
芭蓮  香瑠の後頭部を殴って「王長生の元に飛べ」と叫ぶ。
香瑠  回避は自動失敗だから、正気に戻っていいのね?
灰声  全体攻撃〜!
芭蓮  もっえつっきろ(笑)。
GM  (ころころ)半魚ドンは抵抗失敗。王長生は「げふっ」とか何とか言いながら、裏にして抵抗。反動はなし。危ない危ない。
凌稀  鮫人は判定しなくていいの?
GM  とっくに海の中に逃亡してるからな。
  起死回生の炎の嵐も、効果的な一撃にはなりません。芭蓮は香瑠を叱咤しながら、天転を英玲の援護に向かわせ、蒼玉に灰声さんを回復させます。

──5ターン裏。

  お決まりの『双竜刀』から……と思いきや、香瑠の割り込みで双竜刀が斬れなくなり(『不能傷』のほう)、無力化。
  腹いせのように半魚人が暴れ、英玲に重傷を負わせます。(あと2点多かったら即死だったのに)
  そして王長生の召鬼術が……。
GM  《祈願  護法一撃》。目標は灰声おばーちゃん。(ころころのころころ)召喚は成功。行きますよー。(ころころ)17。
灰声  6ゾロしか駄目……(ころころ)駄目じゃん。
GM  (ころころ)ダメージは12点でした。
灰声  さよなら(笑)。全体攻撃、1回しかできなかった。

──6ターン表。

GM  そっちのターンだから、精神値ダメージを。
灰声  死んだ人間も?(笑)
GM  いえいえ。それから逃亡してる人もいいよ。
凌稀  ……『二竜剣』、回収しなくちゃ。
GM  ひとり安全圏に逃れて、まず思うことはそれかい(笑)。
  長期戦は危険と看た芭蓮&香瑠を乗せた『仙鳥』は、王長生に接近して果敢に攻撃。しかし、このターンは凌がれてしまいます。
GM  他の人、どうぞー。
全員  ……。
GM  あ、あれ?
芭蓮  だってまともに動けるの、二人だけだぞ!(笑)
  し、知らんかった。そんなことになっていようとは(笑)。

──6ターン裏。

  魚もどきは、尚も英玲を攻撃するも、失敗。そして、王長生の召鬼術が再び炸裂。
GM  《祈願  護法一撃》。目標は香瑠。
芭蓮  封じろ封じろ。
香瑠  はい、『禁術符』。(ころころ)裏にして20(笑)。
GM  反動をどうぞ(にやり)。
香瑠  ぶう。(ころころ)6ゾロ(笑)。
GM  僕には怖くて読めません。ご自分でどうぞ。
香瑠  「1D点の清徳値が低下。1ポイント仙骨以外の能力値が上昇」〜!
全員  (笑)。
香瑠  4ポイント清徳値が減ったぁ。前回の冒険が「ぱあ」で、技能値合計と僅差になったぁ(泣)。
芭蓮  伸ばすなら意志がいいんでない?
GM  意志を伸ばすと、生命値精神値が1ずつ伸びる。さらに技能値合計は変わらない。まことそのとおり。
芭蓮  さらに恐怖判定で有利。
  今回、みんな自分のダイス目で自滅してるな……。

──7ターン表。

GM  はい、精神値ダメージ。
香瑠  あぁぁ〜ん(泣)。
芭蓮  君まで逃げるなよ、逃げたら『仙鳥』に乗ってる僕まで逃げ出すことになる(笑)。
  背水の陣で臨んだ狂気表の結果は……。
香瑠  (ころころ)1日の精神異常〜(すでに笑ってる)。
GM  二重人格化(爆笑)。二つ目の人格は「不安症。以降、2ラウンドに1回しか行動できない」
芭蓮  ……割り込みがぁ!
GM  次のラウンドが行動できるラウンドのときだけ割り込み可能。で、このターンは行動できないほうのターンね。
芭蓮  ……どうしたもんかねえ(笑)。
  遠い目をしたくなる芭蓮の気持ちはよくわかる(笑)。
  半ばやけくそ気味の攻撃がやっと王長生に刀傷を負わせます。実は王長生、生命値がかなり低いので、芭蓮の攻撃で一撃、という可能性もあるのですが。
  あ、『護鬼』忘れてた(笑)。

──7ターン裏。

GM  こっちのターンね。王長生、《金丹》を呑む。ごっくん。で、半魚人は相変わらず鰭。(ころころ)英玲に9。
英玲  12。しっかり避けてますよ。
GM  いや、頑張ってるけどね、きみ、なんつーか、話題の渦中にいないっつーか……。

──8ターン表。

芭蓮  天転も十宝も精神値0。
GM  さあ、いつでも振ってくれ。
芭蓮  天転は(ころころ)。「短時間の軽度偏執狂」か。まあ、後で考えるとして。芭蓮さんが(ころころ)。
GM  「放心。強制的に自動失敗するまで行動不能」
芭蓮  やったぁ!(笑)  
  うん。僕も、たぶん笑うな。ここまで来ると。
芭蓮  まだ戦えるぞ。はーはっはっは、俺だけ無傷だ!
凌稀  『護鬼』がいたから、怪我はしてないんだけど……。もっと遠くへ!(笑)
香瑠  怖いよぅー。お師匠様ぁ、助けてくださいぃ。どうにもなんないよ、こんなもん(笑)。
GM  じゃあ『一筆』を減らしてね。高速乗騎、鷹の仙鳥に乗った赤岳芳主が、こめかみの辺に青筋入れながらご到着だ。
香瑠  ふええ、怖いよう(泣)。
   「禁呪の師匠なんか呼んでくれても、あんまり役に立たんじゃないか」とお思いの節は、以降、赤岳芳主の独り舞台をごらんあれ。

【十七  王長生、泡沫に消ゆ】

──8ターン裏。

GM  鰭攻撃は続行だ。13。
英玲  (ころころ)10。
GM  ダメージは8点。連続攻撃入りまーす。12。
英玲  うう……。
GM  受ける自身がないなら、赤岳芳主が割り込もうか?
英玲  せっかく来てもらったのに、それは(笑)。
GM  じゃあ、赤岳芳主様はぴっ、と毛扇を投げる。仙鳥の羽から作られた『仙鳥扇』という自動武器だ。その軸のところで、鰭の攻撃をがきんと弾いた。
英玲  ありがたいです。次の攻撃が当たったら……。
GM/王長生  「卑怯げふっ、師匠がふっ、呼ぶぐはっ」
全員  あんたも呼べばいいじゃん(笑)。
GM  ばかもの、邪仙には『師匠の一筆』をくれるようなやさしい師匠はおらんのじゃ。ここは『双竜刀』を収めて逃げるしか。『飛来椅』にブーストかけて10丈後退しよう。

──9ターン表。

  無傷の男、芭蓮。なんと、懐の蒼玉に鳩尾を殴らせて正気を取り戻します。
芭蓮  僕には放心状態など無意味なのだ!  天転、いくぞ!
GM  この際、攻撃できん『双竜刀』は捨てていこう。割り込ませて(ころころ)だめだ、抜けてる。
芭蓮  ざっくりと9点。
GM  ははは、『護鬼』がある。
香瑠  ふえええ、怖いよう。お師匠さん、助けてぇ(泣)。
GM  赤岳芳主さまは、むにゅむにゅと口訣を唱えると、王長生に仙術を飛ばす。すると、王長生を運んでいた見えない鬼たちが、びくぅぅ!  と動けなくなる。「どうしたんだげふっ、動くんだ!」
香瑠  あ。

──9ターン裏。

GM  逃げられないんだよねー。えい、ひとりくらい巻き添えにしてやれ。香瑠に《祈願  護法一撃》!
香瑠  い、今びびってるから割り込めないんだっけ?
GM  えーと、次のラウンドの行動になるから……。あれ?  師匠が割り込んで終わりちゃう?(笑)
芭蓮  「弟子、あぶなーい」(笑)
GM  ということで《護法一撃》はキャンセル。……おう、半魚ドンを忘れていたよ。
香瑠  ……ねえ、それも『仙鳥扇』で弾いて終わり……。
GM  ……。
灰声  ふっ、所詮は三下(笑)。
  ……「禁呪の鉄壁神話」っていうのはね、テッペキなんだからシンワなんだよ。(故障中)
  この後、ことごとくの反撃を赤岳芳主に防がれる。ほんと、禁呪は防御が硬いですなあ(泣)。
  多くの犠牲を払った戦いは……。
芭蓮  天転に続いて僕の攻撃!  でりゃ、13だ。
GM  芭蓮の剣が、『飛来椅』に横たわる王長生の胸元に深々と突き立った。「げふっ、ごはっ」
香瑠  なんか今までと変わんない気もするけど。
芭蓮  よし、蒼玉。とどめだ!
香瑠  待って待って。その前に、お話聞いたほうが良くない?
英玲  あの封妖壺に封じ込めるの?  (確かに心配だ)
芭蓮  どうせろくな理由じゃないだろ。それより、おおーいぃ、かえってこーい!  どこまで行ったんだー(笑)。
凌稀  ふぇええ、ひっく(泣)。
香瑠  ねえ、何でこんなことしてたの?
GM/王長生  「それを教えてくれというのですか、甘いですね、君たちは。わたし、こう見えても邪仙ですよ。……まあよろしい。いいように使われた腹いせに教えてあげましょう」
香瑠  うんうん。
GM/王長生  「わたしは探していたのですよ、きょく……がふっ……じ……」がくっ。
凌稀  きょくじ?
芭蓮  なるほど、玉璽か(笑)。(←なぁんで始皇帝の作った馬鹿でかい印鑑を探さにゃならん)
香瑠  わかった。きょくがばんこんじん。(←微妙に違うんでない?  あの陣を指して言ってるんなら)
GM  そして王長生は、飛来椅から滑り落ちるように海中に落ちると、そのまま海の藻屑と貸してしまいました。
凌稀  ざっぱーん。
  謎の台詞を残したまま、かくて邪仙の計画は泡と消えたのです。
  邪仙・王長生、撃破!
GM/赤岳芳主  我が弟子をちらりと睨んで、「……不甲斐ない」
香瑠  常には絶対やらないけど、お師さんの袖にしがみついて泣いてやる(笑)。ふぇえええ〜ん。
GM/赤岳芳主  「…………」
香瑠  ごめんなさいー、頑張るから、見捨てちゃやだぁー、(泣)。
  いかに赤岳芳主といえども死人は蘇らせられません。やはりこの人の登場になるわけで。
GM/月華公主  「まったくもう、どうしてこうなっちゃうのよ」
芭蓮  おお、久しぶりの師弟対面(笑)。
  月華公主の丹薬(お小言付き)のおかげで、傷や精神異常もすっかり癒えて元通りです。本当は精神異常は残しておいたほうがおもしろいのかなあ、とも考えてみたり。
GM  王長生の『飛来椅』は波間に漂っている。
香瑠  貰っちゃえば?
芭蓮  使えるの?
GM  召鬼の師匠に頼んで改良してくれれば。
香瑠  じゃあ、為友女仙?
凌稀  そうなんだけどね。
GM  ちなみに王長生の持ち物も残ってるが?
芭蓮  漁ってみよう。
  出てきたのは、残り45粒入った『金丹壺』。それから使用回数1の《彊屍創造符》。加えて『双竜刀』(普通の『二竜剣』と違って、仙術抵抗攻撃/受けになる。しかも一戦闘終わると、濁業値1点上昇)。『金丹壺』以外の危険な品は、その場で赤岳芳主が封印します。更に……。
GM  あとは見たことのある代物。『写成牌』が一枚。
香瑠  あ、欲しい欲しい欲しい。ってことは、この人の探し物って、もしかして陣?
芭蓮  かもしれないねえ。
GM/月華公主  「怪我は治してあげたから、後始末は自分たちでするのよ」と言い残して、赤岳芳主と月華公主はお帰りだ。
灰声  じゃあ、港に帰りましょう。

【十八  螺旋の向こうに】

GM  「戻ってこられたぞ」
灰声  事はすべて終わった!(笑)
GM/邑の人  「おお!」どんどん、ぱふぱふ。
芭蓮  ずいぶんと偉そうだなあ、と睨んでおこう。
灰声  お友達には伝えなくていいのかい?
芭蓮  おお!  伝えに行きましょう。
GM/海鷹  「なるほどな。そりゃ、仕掛けなくてよかった。妖怪相手に喧嘩なんかできねえよ」ってさ。
香瑠  ねえ、王様。一ヶ月前から出てた海賊さんたちは、昔からここにいた海賊さんたちとは違って、妖怪だったの。
GM/王  「な、なんと」
香瑠  でね、妖怪さんはもう退治したから安心なの。昔の海賊さんとは、昔どおりの付き合いができると思うのね。でも、それをうまくするのは王様の仕事だからぁ、頑張ってくださいっ。
GM/王  「は、かしこまりました。海賊討伐はやめることにいたしましょう」内心ほっとしているかどうかはともかく。
凌稀  ともかくね(笑)。
英玲  ……そういえば、鮫人はどうなったの?
香瑠  あ!
GM  焼き入れて海に返したんじゃないの(笑)。
灰声  海に帰っていったから、それていいんじゃないの?  
GM  まあ、竜宮と媽祖の関係が悪くなっても、わたしは知ったことじゃあございませんが。
香瑠  媽祖に謝りに行こう。
凌稀  早いところ行っておかないと。
GM  返事がない。留守のようだ(笑)。
灰声  ……書き置きしとこうよ。善処したが……(笑)。
GM  善処って言うのかなあ?
香瑠  だってあの状況じゃ、敵か味方かわからなかったし。
凌稀  全体攻撃でダメージ受けて逃げたから、ああなんだ、怖くて従ってただけかぁ、とは思ったけど、はじめの状況じゃわからなかったし。
GM  つまり、『媽祖様へ。不可抗力です』ってことか?(笑)
香瑠  『媽祖様へ。鮫人さんは怖がりだったので、邪仙さんのところで頑張ってたみたいです』
全員  (笑)
香瑠  『わたしはてっきり洗脳されてるかと思ってました』
GM  十人中十人が「そうか、鮫人は邪仙の手先になってたのか」と思うな(笑)。
香瑠  『今頃鮫人さんは、ちょっぴり火傷を負って竜宮に帰ってると思うので、竜宮からクレームが来たらごめんなさい』
GM  先に詫び入れに行ったのかもね。


GM  で、曖酒家に帰って。秋蓮さんだ。芭蓮お父さんに深々と「ありがとう」とお礼を言うね。
凌稀  ほう。
芭蓮  うん、と頷いておこう。殺劫が薄れたので「礼とのことはいいか」という気になってる(笑)。
GM  次の日の朝。早起きした芭蓮が裏口から外に出ると、戸口の脇に変なものが転がっている。
芭蓮  変なものって?
GM  ぼこぼこになった礼。
灰声  ふぅーん。
凌稀  なるほどぉ。きっと、抜けて行くときの制裁だ。
芭蓮  蒼玉。治してやりなさい。体液をびゅばっとかけて。
灰声  娘さんに手当てとかさせてあげなよ!(笑)
芭蓮  お、思いつかなかった。全然。
GM/礼  ひっくり返ったままの礼は、芭蓮を見上げて「あ、おはよう、お父さん……」
芭蓮  「お父さん」という所にぴくっと反応するけど(笑)。抜けてきたのか?
GM/礼  「まあ、友情の証ってやつです」
芭蓮  これからどうするんだ?
GM/礼  「あの、秋蓮に、とても料理が上手だと聞いてますので……、俺に教えてくれませんか?」
芭蓮  ……わかった。僕がここから出て行くまで、お前に教えてやろう。
GM/礼  「ありがとうございます」
芭蓮  (びしっと指を差して)後はどれだけ、君が僕を納得させられるかだ(笑)。
灰声  海原雄山か山岡史郎って感じ?(笑)
  星がくるり、海鳥くるり、人くるり。
  時はたゆまぬ螺旋の柱。人を乗せては、またくるり。
  同じ場所、かすめる心地で、またくるり。

〈一人閑話〉

  はい。『央華封神・砕坤篇』第三回をお届けいたします。電波とか第六感とか、物体浮遊とかは関係ないです。
  ……さて!
  今回は、笑ってください。
  人と人外の境界にある『仙人』という存在の、避けて通れぬ悲しさを、曖芭蓮が可笑しくも美しく演じております。
  不老長生を得るために捨てざるをえない人との関わり、親子、夫婦。それを犠牲にしても手に入れる時間に、何を求めるのか。
  娘の投げた中華鍋を甘んじて受ける芭蓮。
  誰もが腹を抱えて大笑いしましたが、あの一瞬に、芭蓮たち家族の想いが凝縮されている気がします。
  今回はほんとに楽しかったね。
  ……蛇足までに。
  戦闘バランス、悪いですか、僕?  全滅くさかったけど。
  『《一撃》撃てます召鬼邪仙、二竜剣と護鬼付き』は、やっぱり強かったかなあ。でもほら、やっぱスリルがないと。駄目?
  んなこと言ってる間に、曖酒家特製八宝菜が届きましたので。
  以下次回!



  ……ぐあ、烏賊と海老が入ってねえ!

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