央華封神・砕坤篇
第四回
雨乞いに竜を勧請奉らん
【一 家族の別れ】
前回の事件から一年。道士たちは芭蓮の故郷での再会を約束して洞府に帰り、芭蓮は一人残って、仙宝も作らず、入り婿の礼くんを特訓していました。娘さんとのわだかまりもすっかり解けたみたいです。
芭蓮 礼よ、ある程度は食える代物になったな。
GM/礼 「お父さんのお陰です」
芭蓮 よし、お前の料理を次の客に出して来い!
香瑠 はーい、次の客でーす。
GM/礼 「……どうしましょう。エビチリ作っちまいましたが」
芭蓮 旨いと言ってくれれば合格だ。
香瑠 (えぐえぐ)このおにーちゃんが意地悪するぅ。
GM/礼 「だめでしたぁ(泣)」
芭蓮 客の喜ぶ料理を作らんかぁ! ばきぃ!(笑)
GM そんなこんなで約一年。やっと安心して家を開けられるくらいには成長した。あとは文隆さんが何とかしてくれるだろう。
凌稀 じゃあ、家族の別れだ。
芭蓮 蓮花、後は頼んだぞ。
GM/蓮花 「はいはい、お任せください」
凌稀 次に帰ってきたときには、孫はいくつなんだろう? 楽しみだなぁ。
香瑠 9年に1回は帰る約束してるんだもんね。5歳? 8歳?
灰声 で、娘はいつの間にか自分の(外見)年齢を追い越し……。
芭蓮 (……うぐぐ)次はできる限り早く帰ってくるつもりだ! 隙を見たら帰ってくるから(笑)。
香瑠 隙、って?(笑)
GM/蓮花 「そんなに急がなくてもいいですよ。今まで待ちましたから、これから待つのもそんなに苦ではありませんし。わたしたちが転生したら、今度はあなたが待ってくださる番ですし」
芭蓮 うんうん……。
GM/蓮花 「それまでお待ちしていますから、心置きなく」
香瑠 いい奥さんだねえ。
灰声 悟ってるなあ。
芭蓮 僕もようやく人並みの寿命を手に入れたところだからな。
芭蓮の寿命は相変わらずちまちま延びています。今仙人をやめれば、ちょうど奥さんと添い遂げられる歳ですが、旅の料理人、芭蓮は、笑って故郷を後にしたのです。
GM ということで為友女仙から、中古の飛来椅がマニュアル付きで届いたよ。
芭蓮 ふむふむ、ここらへんで、きゅっきゅっと磨く、と(笑)。
GM 磨き方マニュアルだったのか。
【二 雨たもれー】
GM にこやかに見送られながら、芭蓮の故郷を後にした。現在は央華の内陸部に向かって旅をしておりまーす。
全員 はーい。
芭蓮 調子に乗って飛来椅に乗って行こう。
GM 季節は回って、また夏だ。とにかく暑い。
全員 うあ〜。(リプレイ収録、7月下旬。本気で暑い)
GM ぎりゃぎりゃと照り付ける日差しの中、見渡す限りの平野を進んでいる。
香瑠 う〜、仙鳥の背中に寝っ転がるぅ〜。
灰声 風火輪は出したくないわあ(笑)。
芭蓮 飛来椅の横にわんさか乗せると暑いしなあ。
GM ちなみに川と呼べるものを見たのは3日前、雨が降ったのは1週間前だ。
芭蓮 日照り〜、だね。土はぱさぱさでひび割れてる、って感じ?
灰声 水ぅ。
香瑠 今年、旱魃なのかなぁ〜?
芭蓮 (ばんばん)雨降らせてくれ、雨。僕は雨を要求するぞ!
凌稀 天候操作を!
英玲 ごめんなさい、その符、用意してないの。
GM 今日もそんな天気の下を歩いていると、行く手に黒い雲の塊が見える。
凌稀 雨雲?
芭蓮 雨雲かっ! よし、行ってみよう!
GM 近付くに連れて、「間違いなく雨雲だ」と判断できるんだが、その雨雲はだな、突き抜けるような青空に、とても不自然にぽっこりと浮かんでいる。
芭蓮 一箇所だけ? 雲の動きを見てみるけど、流れない?
GM ほとんど流れないね。
香瑠 じゃあ、雲の下は雨?
凌稀 あそこだけずっと雨が降り続いてるって事かなぁ? その影響で周りには降らない、とか。
灰声 明らかに不自然だねえ。
GM その雨雲の真下に、どうやら邑がひとつ、あるみたいだ。
凌稀 いやあ、呪われてるねえ(笑)。
香瑠 旱魃が嫌だから、誰かにお願いしたのかなあ?
灰声 ということは、雨師か。
GM ぅんも〜。
全員 ……。
GM ゴ、ゴメンナサイぃ。
芭蓮 GMがボケてどうする!(笑)
雨師。雨乞い師と言うとわかりやすうございましょう。その名の通り、祈祷により雨を呼ぶお仕事の方ですね。そもそも雨乞いってのは、央華世界では王様のする仕事のうちに入るのですが、王様が祭祀儀礼に関与しなくなったような邑(大抵大きな邑がそうなる)では祈祷の専門職である雨師が活躍します。
まあ、央華世界では、天界から命を受けて雨を降らせる神のことをも「雨師」と呼びますが。
灰声 取り敢えず、行ってみましょ。
凌稀 行ってみたら、どっちかわかるよ。
GM 近付いていくと、件の雨雲が頭上に差し掛かってきた。それまでは降ってなかったんだけど、みんなが雨雲の下に入るのと同時ぐらいのタイミングで、ぼつりぽつりと雨が降りはじめる。
全員 おお、雨だ雨だぁ。
芭蓮 生き返るー。
凌稀 とはいえ、直に濡れるのはいやだなあ。
GM そのうちにざあざあ降りになる。その雨音に混じって、邑の方から人々の歓声が聞こえるね。
香瑠 裸足になって、その辺を走り回る。(きゃっきゃっ)
芭蓮 あはははは、飛来椅は楽しいなあ。
GM (こいつらも充分喜んどるな)
灰声 邑に入って、雨宿りできそうな飯屋か何かを探そうよ。
芭蓮 さあ、あの邑の土地神様のところまで競争だ!
GM 邑の上空まで飛んでいくって事?
香瑠 それって危なくない?
芭蓮 雷が落ちるって事か? なぁに、僕の生命値なら雷の1発や2発。
凌稀 いや、私はゆっくり行くけど(笑)。
GM 邑は人口700人くらいの規模。周りは平野だし、川の痕跡もあるので農業で生計を立てていたのだろうということは想像に難くない。南門に着く頃にはどしゃ降りの雨だ。兵士さんも邑の人たちも、表に出てはしゃいでますので、門衛はいない。
芭蓮 あーはははははは。
GM/邑人 「今、なんか空を飛んでいかなかった?」
「気にすんな、雨だよ、雨」(笑)
香瑠 芭蓮おにーちゃん、どこいったのぉー。ばしゃばしゃ。
GM 町の中に入ると、人々が甕だの盥だのを持ち出して雨水を溜めている光景が見られる。飛来椅はあんまり関心を引かないみたい。それで、なにやら祠のほうに人がたくさん集まってるよ。
芭蓮 ……おお、出迎えか。(違う)
凌稀 気が大きくなってる。
香瑠 芭蓮おにーちゃん、秋蓮おねーちゃんに「お父さん」って呼んでもらってから、変(笑)。
芭蓮 一年間の重圧から開放されて弾けてるんだよ。
GM 祠では、どうも雨乞いをしていたらしくって、祭壇のようなものが設えてある。その周りに雨乞い師らしい黒尽くめの一団がいて、王様とか、邑の主だった人たちが集まっている。
芭蓮 じゃあ、その場に下りていこう。
GM 王様たちも驚いている。「今度はなんでしょうか?」ざわざわ。
芭蓮 僕は偶然に立ち寄った仙人の端くれだが、ここで何をやっておるのかね?
GM/王 「わたし、この恩珂の邑の王を務めております。これは雨乞いが今しがた終わったところでございます。ここ数年、この季節になると雨が一滴も降らなくなるもので。今年はたまたま立ち寄ってくださった雨乞い師たちのみなさんに雨を乞うていただきまして、さきほどその成果が顕われたところでございます」
芭蓮 ほうほう。しかし、なにゆえこのような、不自然な雲……。
GM/王 「いささか不自然な雨雲ではございますが、このまま干からび飢えて死ぬよりは数倍ましでございます」
芭蓮 それもそうだな。……うちの長嘯が術で呼べたらなあ。
英玲 すいませーん。
芭蓮 ふむ。そういえば、そこの黒尽くめはいったい?
GM つばのところに飾りの付いた黒塗りの笠を被ってて、黒い袷に黒い袴、履物と二つずつ持っている白扇のほかは、帯剣の鞘に至るまで真っ黒な、総勢14人の集団だ。
灰声 14人? 多いなあ。
芭蓮 悪人だな! 妖怪に違いない(笑)。それにしても、なんだ、こいつら?
GM 雨乞い師の中には、集団で儀式を行う者たちがいる、というのは聞いたことがある。
芭蓮 王よ、一晩泊めて頂けないだろうか?
GM/王 「はい、それはもう。こうして雨乞いが成就する日にお越しいただいたお客様でございます。これも何かのご縁でございましょう」
芭蓮 で、みんなはまだ?
香瑠 ばしゃばしゃばしゃ。
GM 途中で歓喜に咽ぶ邑人にもみくちゃにされる。わけもわからず手を掴まれて、「よかったよかった」と一緒に踊ってくれ。
凌稀 うあああ、服が汚れるぅ〜。
香瑠 ふええ? 何がどう、よかったのかよくわかんないけど、とりあえずよかったねー。
灰声 っていうか、自ら輪の中へ(笑)。
GM/王 「いやあ、よかったよ。この時期に降る雨なんざ数年ぶりだよ」
香瑠 ふえ? そんなに雨が降らなかったの?
GM/邑人 「うん。夏になると毎年雨が降らないからね。秋にまともな収穫ができたことなんかないね」
凌稀 それはフェーン現象(笑)。
香瑠 ここって内陸部だよね。この辺の地方って、夏になると乾季が来たりして、雨が降らないものなの?
GM 雨が降らないってことはない。央華では日照り洪水、その他の天変地異はすべて天界で決められたサイクルに従っている。そのサイクルも大道に従ったものだから、こればっかりは仕方がない。だけど、毎年毎年ずーっと続くのは稀な例。その辺に一番詳しいのは長嘯なんだけどね。
英玲 はい?
芭蓮 なんだか頼りないな。
香瑠 ねーねー、英玲おねーちゃん、そういうものなの?
GM そういうもんだ。葉霆子さんはそう教えてくれたから、きっとそうに違いない、うん(笑)。
灰声 まあまあ、いいじゃないか。降らなかったものが降ったんだし。良かった良かった、はっはっは。
GM/邑人 「よかったですよー。ほんとはね、他所者の雨乞い師に頼んでいいものかどうか心配だったですけどね」
香瑠 なんてゆーか、すがすがしく正直。雨乞い師〜?
GM/邑人 「ほら、祠のほうから帰ってきました」と邑人が指差す先には、まず芭蓮くんを筆頭に、王様を従えて、その後ろに黒尽くめがぞろぞろと。
香瑠 うにゅぅ〜、見えないよう。……あれー、雨乞い師ってあんなんだっけ?
GM ちょっと違う気がする。14人が揃いも揃って同じ格好なんだけど、うち6人はさらに、顔に面布(覆い布)を垂らしている。目の部分だけ切り抜いてあるやつ。
香瑠 あ、あやし〜。怪しいよぉ。
凌稀 うーん……。
香瑠 よし。村人の輪の中から抜け出して、てぺてぺと雨乞い師さんたちに近付いていって。ねーねー、おじちゃんたちー?(袖を引っ張る。が、届かない)うう、もう少し背があったら面布引っぺがしてやるのにぃ。
凌稀 あと30センチ。
灰声 早く大きくおなり。
GM/雨乞い師 「?」
香瑠 どうして服、そんなに真っ黒なのぅ? 暑くないのぉ?
GM/雨乞い師 「これは雨乞い用の礼服です。暑いですが仕方ありません」
香瑠 ねーねー、その布の下はどんなお顔なのー?
GM/雨乞い師 「いや、普通の顔ですけど」
香瑠 んに。じぃーっ。見たい見たーい。
GM/雨乞い師 「そんなに珍しい顔ではないですから」
凌稀 珍しい顔じゃない。……同じ顔がいっぱいあったら怖いな。
GM そのうちに捕まえていた人が行列から置き去りにされるので、「これで失礼」といって追いかけていくよ。
凌稀 先頭切って行っちゃったよ、芭蓮。
灰声 まるで雨乞い師の長のように。
芭蓮 おう、僕はどこに連れて行かれるんだ?
GM/王 「それはもう、我が家でゆっくりおくつろぎください」
灰声 ……まあ、ついて行って御相伴に預かりますか。
【三 いやあ、勉強になります(笑)】
王様の屋敷の門前では、雨乞い師を見るためか、芭蓮を見るためか、門前には人だかりができております。屋敷の中は、祝い事のときに配るお餅と、宴の準備に大忙し。さっそく腕を振るわんと厨房に踊りこんだ芭蓮。しかし、彼を待っているはずの竈は、ひとつも空いておりませんでした。
芭蓮 うぬ! ぬぬぬぬぬ。空いてる竈はないのか!
GM 台所をざっと見回したところ、……食材が、圧倒的に足りない、と伝説の料理人(芭蓮)は看破した。
芭蓮 仕方がない……。実家から持ってきた食材を使って……えーと、5人プラス王の家族で……。
GM 表で餅巻きを待ってる人はどうする?
灰声 待ってようか。それとも、芭蓮に会いに行く?
香瑠 そだねー。
灰声 では、芭蓮を探しに屋敷の中に入りまーす。
GM/屋敷の人 人だかりをかき分けて門のところまでいくと、「これこれ待ちなさい。まだ中に入っちゃあいけないよ」
香瑠 ふえ? なんでー。
GM/屋敷の人 「だって餅はまだできてないんだよ」
香瑠 お餅もらいに来たんじゃないよ。人を捜しに来たんだもん。
凌稀 連れが先に行っちゃって。
GM/屋敷の人 「えー、連れと言うと?」
香瑠 んとね、椅子に乗ったおにーちゃん!
芭蓮 ぶっ!(笑)
GM/屋敷の人 「は、仙人様のお連れの方でしたか。これは失礼を。ささ、中へどうぞ」
灰声 お連れ、って言われるとなんだかなあ。ま、いいか。
GM 通されるのは、いわゆる食堂だね。みんなでご飯食べるところ。上座には王様がいて、その家族がいて、邑の主だった人がいて、雨乞い師のリーダーらしき2人がいて、芭蓮はいない。
香瑠 芭蓮おにーちゃんは。賭けてもいいけど厨房っ。
凌稀 そうだよねー。
芭蓮 てりゃぁああー! (ころころ)23だぁ。
GM (ころころ)ばっちりばっちり。これでもかというくらい立派な料理ができた。食材が足りないのが玉に瑕かもしれんが。
凌稀 その辺は芭蓮の腕で(笑)。
芭蓮 おう。
GM さて、餅巻きが始まったよ。ひと目でわかるが、普通の餅より、ひとまわり小さい。
芭蓮 団子みたい?
GM もうほとんどそのくらい。
凌稀 仕方がないんじゃぁ……。
香瑠 よほど、苦しい生活をなさっていらっしゃるんだなあ、としみじみ。
GM では、料理も出来上がったことだし、ささやかながら宴が始まる。
灰声 あ。芭蓮、いたいた。準備がいいねぇ、もうご飯ができてるじゃないか。
芭蓮 う……。ま、まあ、料理人は先を読んで作らんと。
GM では改めて、王様が挨拶に来るね。
芭蓮 こちらは我輩の洞友たちです。
GM/王 「これはこれは。お揃いでのお運び、ありがとうございます」
灰声 いやいや、お世話になります。
GM/王 「急なことで驚かれたことと存じますが、この恩珂の邑では、ここ数年、決まって夏になるとまったく雨が降らぬということが続いておりまして。今年もこちらの雨乞い師様が来て下さらなければ、今年こそ飢え死にかと思うておりましたが、ありがたいことでございます」
灰声 良かった良かった。
香瑠 日照りっていったいいつ頃から始まってるんですか?
GM/王 「はっきりと覚えておりませんが、ここ数年というところでしょう。次第次第に雨が少なくなり、2、3年前からまったく夏場の雨がございません。今までは蓄えを出したり商人たちから融通してもらったりしておりましたが、今年はこうして雨が降りました。もう大丈夫でしょう」と、かなぁり楽観的。
灰声 なんか、雨が止むのかどうか心配になってきた。雨乞い師さん、この雨は止むんでしょうなあ。
GM/雨乞い師 「雨でございますから、いずれは」
灰声 乾きっぱなしのところに雨が降って、土壌が緩んだりはしないのかい?
GM/雨乞い師 「平野ですし、大丈夫でしょう」
芭蓮 水行か土行の術者がいたら、水脈とか探れそうだけどな。
香瑠 風水・卜占の術でも、きっと何が起きてるのかわかるんだろうけどなぁ。
GM ひととおり箸が進むと、雨乞い師さんが席を立って、「仲間が待っておりますので、失礼ですが、これで退席させていただきます」
芭蓮 ほんとに失礼だな。最後まで食ってけ!
GM/雨乞い師 「では、部屋へ持って行くというのは?」
芭蓮 温かいうちに食え! ここ一年料理人として生活してたからな。気分はすっかり料理人だ(笑)。
GM 言われて、雨乞い師は改めて腰を下ろして箸を取る。
香瑠 ねーねー、雨乞い師のおじちゃーん。雨乞いの方法って、どんなのがあるの?
芭蓮 お! 後学のためだ、聴いておけ!
英玲 はぁい。
GM/雨乞い師 「いろいろとありますが、わたしたちの場合は、2人が主宰となり、残りの12人が周りを地踏みして仮の陣のようなものを作ります。その力によって地祇の力を借り……云々」
香瑠 (目をきらきらさせながら)へー、すごいねー。
GM 英玲さんも勉強したね? もっとも、12人の仲間がいるかどうかが問題だけど。
英玲 いないよぉ。
芭蓮 問題だな。
GM そんなこんなで料理は平らげた。で、席を立って退室していく。宴のほうはまだ君たちが残ってるから、続くけどね。
灰声、香瑠、英玲の3人は、退出する雨乞い師を追い駆けて奥の部屋へと進んで行きます。一方、芭蓮に背中を押された凌稀は、そぼ降る雨の中を土地神の祠へと向かいます。
GM では、雨乞い師さんたちの部屋の前だ。
香瑠 とんとーん。
GM がさごそと変な音がして、さっきのリーダーの片方が出てくる。
香瑠 こんばんわー。
GM/雨乞い師 「こんばんは」
灰声 長い間仙人というものをやってますが、雨乞い師に会うのは初めてでねえ。冥土の土産に雨乞い師さんの話を聞きたいと思って。お邪魔させてもらってよいかな? と言いつつ扉に手をかける(笑)。
GM/雨乞い師 押し売りみたいですなあ。「ではどうぞ」と入れてもらえる。中には黒尽くめがたくさん。
香瑠 部屋の中なのに黒尽くめ?
GM おう。
香瑠 面布?
GM おう。被り物付きだ。
香瑠 ねえねえ、おじちゃーん? 被り物、とらないの?
灰声 冥土の土産にどんな顔か見たくてねぇ。隠されたら気になるじゃないか。
GM/雨乞い師 「いえいえ、この六名はこれから雨乞いの祭りの後始末がありますので」アフターケアみたいなもんだ。
灰声 あふたーけあ?
GM/雨乞い師 やりっぱなしじゃいけないからね。お祭りが終了しましたという報告みたいなものがあるから。「まだ装いを解くわけには行かんのです」
凌稀 (外野から)脱ぐときには呼んでねぇ。
灰声 ご飯のときとかはどうしてるんですか?
GM/雨乞い師 「もちろん食べますよ」。ぴら、ぱくぱく。
香瑠 他の六人はどんな顔?
GM ありきたりの顔だね。みんな男。(人数多いから細かい描写は勘弁)
香瑠 あふたーけあ、ってどんなことするの?
GM/雨乞い師 「地を踏んで始めましたから、地を踏んで陣を収めるところから始まりますな」
香瑠 おじちゃんたちはいろんなところでこんなことをしてるの?
GM/雨乞い師 「そうですね。立ち寄った邑で頼まれれば」
灰声 それでよく食べていけるねえ?
GM/雨乞い師 「旅には慣れておりますから」
灰声 ふぅ〜ん。(疑わしげ)
GM そのうちに、リーダーの人が、「用事がありますので」と席を立って出て行きますが。
香瑠 ここは跡をつけるのがセオリーと看たっ。ちょっと間を置いて、さりげなぁくついて行く。
GM 屋敷を出て、どうやら祠のほうに向かうみたいですよ。
香瑠 じゃあ、おばーちゃん、よろしくねー。
灰声 ああ、行っておいで。若い子は元気がいいねえ。そういや。家族とかはどうしてるんだい? うちの者が最近までそれで揉めてたんだが(笑)。
芭蓮 なんか酷いこと言われてる(笑)。
GM/雨乞い師 「生まれ付いての流れ者ですから、みんなが家族のようなものです」
灰声 流れ芸人みたいだねえ。
GM/雨乞い師 「近いものがあるでしょうね」
灰声 などなど。当たり障りなく。
GM うん、こちらも当たり障りなく。
灰声 ……飽きたので帰ります。
GM 外出した雨乞い師は、どんどん祠のほうに向かってるよ。
香瑠 あれー? どうしたのかなー?
【四 へっぽこな神様】
GM 土地神様の祠の前。今はすでに祭りの後。しとしと降る雨の中、だぁーれもおらん。件の雨乞い師さんたちが地面を踏んだ跡がそこらじゅうにあったり、片付けられていない櫓のようなものがそのままになってたりする。
芭蓮 ほれ、話しかけるんだ。
GM 話しかける前に。祠の隅っこで「まさか土地神様じゃないよね」っていう霊体が、膝抱えてうずくまっている。「はあ、よかったなあ、雨降って。これで邑の人たち、死ななくてすむもんなあ」
凌稀 あのー、土地神さまー、だと思われるん、です、が……。
GM/土地神 「……え、なに? あなたたちは、誰?」
凌稀 これこれこういう者なんですが。……あのー、なんとお声をかけていいのか忘れちゃいましたが(笑)。えーっとぉ、雨乞いをやって雨が降った。そのことについて、大変ショックを受けておられるようにお見受けするのですが。
GM/土地神 「そんなことはないです。むしろ助かったかなあ、いやいや」
凌稀 なぜ、雨が降らなかったのでしょう。
GM/土地神 「……ほら、日照りって、日照りじゃないですか。天の運行で決まってるものですから……」
凌稀 とはいえ、同じパターンを繰り返すというのは珍しいもので……。
GM/土地神 「いや……、ぅわ、私の責任じゃないですよ」
凌稀 だから、その辺のことを何かご存じないか、と伺ってるんですが。
GM/土地神 「だって、私は一所懸命土地神やってるんですよ。なのに雨が降らないんですもん」
芭蓮 ……なんか、うっとおしい土地神だな。
凌稀 この土地神の態度がすべて悪いような気がしてきた(笑)。
香瑠 職務怠慢ですっ!
GM あんた、いないでしょうが。
芭蓮 こいつ、どのくらい土地神やってるの?
凌稀 って訊くけど。
GM/土地神 「もう、かれこれ15年くらいになりましょうか」
凌稀 それだけ土地神やってて、どうしてそんなに人任せっぽいんでしょうか。
GM/土地神 「決して人任せなんじゃないんですよ。ただ、雨乞い師たちが雨を降らせてくれてよかったなあ、って言ってるだけで」
凌稀 それが人任せっぽいんです!(笑)
芭蓮 今回のシナリオは、この土地神様の性格矯正か?
GM/土地神 「私だって雨降らせる努力しましたもん。天の役人様にお願いしましてですね、雨を降らせるように言ってます」
芭蓮 役人仕事だからねえ。
凌稀 この調子で訴えられたら、役人も「ま、後でいっか」って気になるかも。
香瑠 「あの、よかったら」とか言ってるとねえ。
芭蓮 結局、いつからなの? 日照りは。
GM/土地神 「日照りの兆候が現れたのは、そう、10年ほど前でしょうか」
芭蓮 やっぱあんたのせいじゃないか(笑)。
GM/土地神 「ぎぎぎくぅっ! いやいやいや、そんなことはないです。ちゃんと兆候が現れてから、雨を降らせてくれるようにお願いしてましたもん」
芭蓮 ってことは、数年でここまで悪くなったのか?
凌稀 あなた、天の神様に嫌われてますね。
GM 「い、いや、そんなことはない、と思いますよ。役人様も、きちんと話を聞いてくれますし」
芭蓮 ところで代替わりはいつだ、代替わりは?
GM/土地神 「え、代替わりって、15年前にしたばっかりですから、予定はないですよ」
芭蓮 ちっ、不幸な。
凌稀 そういえば、雨乞いの儀式、見てましたよね? 何か気になったこととか、あれ? と思うことかなかったですか。
GM/土地神 「えーと、……すごいなあ、って思いました」
全員 (ばたっ!)
香瑠 駄目だ、こいつは。
芭蓮 どーにかしたいんだが、この土地神を!(笑)
凌稀 雨が降るようになったときに、何か兆候があったとか! どこからともなく雨雲が現れた、とかじゃなくて、陰陽の気の動きがどうとか!
GM/土地神 「雨乞い師の皆さんが儀式を始めたときに、土地の陰陽の気があの方たちに集まっていくのは感じましたが」それもかなりバランスよくね。
凌稀 特殊なアイテムを使ったとか、特殊な力を使ったとか。
GM/土地神 「あの地踏みの仕方が特殊だったんでしょう」
凌稀 …………。何訊いても駄目のような気がするぅ(泣)。……このまま雨が降り続く、なんてことはないですよね?
GM/土地神 「ぎぎくっ!」
凌稀 どう思われます、その辺?
GM/土地神 「や、や、ふ、ふ、降り続いてくれるのはいいことです、ねー」
凌稀 いつまでも降り続くってのはどうかと思うんですけどね。
GM/土地神 「そ、そうですよね。2、3日は降って欲しいかなぁ、なんて」
凌稀 で、いまの「ぎくっ」ってなんなんですか?
GM/土地神 「い、う、え、え?」
凌稀 今、すごく動揺してらっしゃいますよ。
GM/土地神 「いや……。私の責任じゃないんですよぉ〜」
香瑠 え? 私の責任じゃないって、何が?
凌稀 気の流れから、何か感じるものはないんですか。土地神様なんだから!
GM/土地神 (ついに泣き出す)「しょ、正直に申しますぅ。明日、この雨、止んでしまうんですぅ。きっと止んだら元通り、日照りが戻ってくるんですぅ」
凌稀 ……だって。
芭蓮 取り敢えず、一発小突きたい。あいつに肉体を与えてくれ(笑)。
GM/土地神 「ひゃぁ、やめてぇ」てなことをやってると、王の屋敷のほうから、雨乞い師のリーダーが歩いてくるのが見える。
芭蓮 ふむ。思わず隠れてしまおう。
凌稀 気が付かずに、まだ祠の前で土地神様とわいわいやってるかもしれない。不甲斐ないなあ、しっかりしてくださいよ。
英玲 凌稀さんの横でそれを見てる。
芭蓮 (いらいら)結局、手に入る情報はあるのか?
凌稀 (きっぱり)ない。
芭蓮 意味がない〜!
凌稀 「すごいなぁ」って言われたらもう言う事無いし(笑)。
GM 雨乞い師さんは、凌稀さんと英玲さんからかなりの距離をおいて立ち止まり、その様子を見ている。
香瑠 何してるんだろぉ? ……仙鳥、ごぅ! 凌稀さんに注意を促すの。
GM (いや、そんなあけっぴろに注意を促したら、注意する意味ないんじゃないか?)凌稀さんや。仙鳥が飛んできたぞ。
凌稀 はい? それは気付いちゃうなあ。
GM 君の袖を引っ張って、なにやら言いたげな様子。
凌稀 えーと。
GM 振り返れば雨乞い師がいて、そのはるか後ろにがきんちょがいて。
香瑠 えへっ。
凌稀 いやあ、こんにちは。どうされました?
GM/雨乞い師 「雨乞いの儀式の後始末です。様子を見に来ました」
凌稀 そうですか……。どうぞ。
GM/雨乞い師 「どうも」ということで、祠の前に立って、むにゅむにゅとお祈りのようなことをしている。……というところで、知識判定。
芭蓮 天転もいい?
GM してもいいけど、専門知識だから、わかんないかも。
芭蓮 (ころころ)はーっはっはっはぁーっ。
凌稀 (ころころ)14。
GM ほい。では、「あ、適当なことやってる」と思った。
芭蓮 む。どこもかしこも適当だ! 土地神も適当なら、雨乞い師も適当だ!
凌稀 今は黙って見ていよう。
GM しばらくしてお祈りをやめた雨乞い師さんは、「お邪魔しました」と屋敷へ帰ろうとする。たったった。
凌稀 土地神さま。今の人を見て、どう思われました?
芭蓮 すごいなあ、って思いました(爆笑)。
GM/土地神 「いえ、今の、って言われても。何を言われるでもなく、ただ私の前で頭を下げてただけなんですが」
凌稀 雨乞い自体もこんな感じだったんじゃないんですか?
GM/土地神 「いえ、雨乞いはちゃんとしたものです。何しろ雨が降るくらいですから」
香瑠 あんたの基準はそこか。
芭蓮 こいつに肉を付せ。僕が代替わりさせてやる(笑)。
GM いいけど、土地神がいなくなった場合、天界で手続きが取られて次の土地神が決まるまで、早くても10年かかるよ。まあ、10年間役に立たん土地神にいてもらうのがいいか、そもそもいてもらわないほうがいいのか、わかんないけどね(笑)。
香瑠 居ても居なくてもおんなじような気がする。
凌稀 まあ……、天界の役人に訴えてくれるだけ、まだましかな。
GM まあね。土地神なんてのはピンキリだから。
芭蓮 ただ、こいつはどうしようもなく頼りなさそうだぞ。新しい家族になった礼と土地神を比較してみよう。
GM この土地神に比べたら、五倍くらい礼のほうが頼もしい(笑)。
香瑠&凌稀 五倍?(とてもそんなもんじゃない、というニュアンス)
芭蓮 僕の主観で五倍なんだろう。何と言っても、まだまだ礼は……って、それでも五倍か!(笑)
香瑠 こんなのを娘が連れてきたら、速攻張り倒すでしょ。
GM 簀巻きにされそう(笑)。
ここの土地神は役に立たん、と判断した仙人たちは、逆に雨乞い師を怪しいと睨んで、祠の物陰に隠れたままの芭蓮と、凌稀の使鬼(視力つき)を残して、屋敷に引き返します。
【五 雨降りの夜に】
香瑠 雨乞い師さんはたぶん屋敷に帰るんだろうけど、このままついて行って縁側の下で盗み聞き、っていうのはセオリーでしょ。
GM はいはい。(どういうセオリーだ?)
凌稀 潜り込むの好きだねえ。
香瑠 えへっ。子供はね、薄暗くて狭いところが好きなんだよっ。
芭蓮 ゴキブリか?(笑)
凌稀 うーん、どっちかって言うと猫とかかな。鼠でもいいよ。
GM では、知覚判定を行ってもらおうか。よっぽど慣れてないと盗み聞きって大変だから、難易度は9にしよう。
香瑠 (ころころ)18で成功だよ。
GM では、いままで香瑠が追い駆けてた方をa、もうひとりのリーダーをbとしよう。
で、bいわく。「わざわざくれるというものを断る法もあるまい」と投げやりな口調。
香瑠 ふんふん。
GM aいわく「……これから、どうなるのであろうな」。
b答えて「どうもならんよ。今までどおり、昔からそうして来たではないか。こうして邑から金品や食事をもらうこともな」
香瑠 うー……?
GM aいわく「確かに、人間にはどうしようもあるまい。遅かれ早かれ、この邑は……」
香瑠 うにゅう?
GM bがしばらくして口を開く。「……明日発つか」
aもぽつりと答える。「奴がいれば、もっと簡単であろうにな」
香瑠 ほえええ?
GM 後は取り留めのない会話が続く。
香瑠 うにゅ〜? ふみゅぅ〜?
GM で、一番の問題は、だ。
香瑠 うん。
GM 他所で交わされた会話であるにしろ、今、その会話を確かに聞いていたプレイヤーがいない、って事だ(笑)。
香瑠 うわぁぁ、しまったぁ!
まじです。芭蓮くんと凌稀さんは実家の庭を駆け回る猪や鹿の話をしていて、英玲はそれをぼーっと聞いてました。灰声さんはジュース飲みながら電波受信してたらしいです(笑)。
ああもう!
屋敷に戻った仙人たちは、ひとまず宛がわれた部屋に戻りますが、香瑠は床下、芭蓮は祠で、なおも粘ります。
芭蓮 天転は屋敷に帰しておこう。濡れるとかわいそうだから。蒼玉はカエルだから残しておく。濡れても構わないからな(笑)。
GM/天転 「芭蓮さまは祠に残って、土地神様にお説教を垂れてらっしゃいますわ」
芭蓮 うん。見えない土地神にな。
GM 夜になった。雨足は途絶えることはないけれど、だいぶ弱くなっている。えーと、香瑠さん。
香瑠 はい?
GM 夜中に頭の上で物音がして、誰かが部屋から出てきたよ。
香瑠 こそこそと這いずって行って、ひょいと覗く。
GM じゃあ、機敏判定だろう。
香瑠 あははー、わたし、とろいのにぃ。(ころころ)裏。
GM 成功だよ。反動は?
香瑠 (ころころ)2ゾロ。
GM 「1ポイント清徳値が低下。変な癖が身についてしまう」! きっと狭いところや暗いところに潜り込みたがる子供なんだ。仕方ないなあ、子供なんだから(笑)。
香瑠 うそ〜。そんなぁ、寿命がどんどん減っていくぅ(泣)。
GM 雨乞い師さんは、香瑠さんには気が付かずに、そのまま表に出て行こうとしてるよ。
部屋の中では、灰声さんが廊下を歩いて行く物音に気がついて、出てきたところを香瑠とばったり。
ちなみに灰声さんは、このときの裏反動で、知覚が2日間上昇しています。
香瑠 えへへ。出てきちゃった。
灰声 ついて行こうか。ほかのみんなはどうする?
英玲 追ってみましょうか。
凌稀 ずっと向こうを見てる。
芭蓮 その肩にはカラスが。かぁ!(笑)
凌稀 カラスぅ?
芭蓮 ちゃんと名前で呼べ。おしゃべりだってできるんだ。
香瑠 部屋に覗きに行く。ねーねー凌稀ちゃーん。あのねー、雨乞い師の人がね、外に行っちゃったの。後を追うんだけど、凌稀ちゃんはどうする?
凌稀 うーん。ばれたらさっきの二の舞だろうし。お祭りの後始末、とか言いながら意味のないことして帰って行ったから。
芭蓮 ばれないようにして1人2人、のほうが安全かな。
香瑠 あ、もう2人行ってる。あんまりいっぱいつけて行くとばれるから、我慢するぅ。
凌稀 使鬼だけ飛ばして自分は行かないことにしよう。『耳鬼』ってどういう扱いになるの?
GM 強化版使鬼だから、扱いは使鬼と一緒。今は使鬼を一体コントロールしてるから、新たにもう一体追加することになる。その時に仙術行使が1ずつ下がっていくんだけど……凌稀の仙術行使なら、《祈願 使鬼探音》の術がまだ使えるから大丈夫だね。
凌稀 じゃあ両方祠に飛ばします。いってらっしゃーい。
GM では、視覚と聴覚がばらばらになるというとっても不思議な感覚を味わいながら。
芭蓮 テレビの音量ゼロにしたまんまで、ラジオ聴くみたいなもんだ。
凌稀 うわぁ(笑)。
結局、香瑠はお留守番、凌稀が使鬼と耳鬼を駆使して祠で待ち伏せ、灰声と英玲が追跡ということになりました。
問題はこの二人が、隠密行動が得意かどうか。
灰声 あんまり得意じゃなさそうだよねー。
……あちゃあ。
GM つけてる人たちの追跡判定。足元ぐちゃぐちゃだけど、雨降ってるから、相殺で修正無し。そちらで機敏+2Dを振って、こっちが知覚+2Dを振る。
英玲 (ころころ)14。
灰声 (ころころ)16。
GM (ころころ)では、途中で「……ん?」(くるり)
灰声 気付かれました? もうばっちり?
GM だって振り返ったんだよ、夜道で。
灰声 うーん。う、ぐふぐふぐふっ、と咳き込んでみる(笑)。
英玲 こっちにも?
GM 2人いることは気付いてる。大丈夫だろうけど、もう一人いるのが怪しいから、物影に隠れていよう。
灰声 あれ? どっか行っちゃったの?
芭蓮 じゃあ、小芝居を。頑張るんだ、二人とも(笑)。(あんた、楽しんでるだろう)
灰声 うう、病院はどこかねえ。新しい町だから、わからないよ。……って、よろよろと逆方向に。
英玲 お母さん、大丈夫ですか? って支えてあげる。
GM 進行方向とは逆に、って事ですね? 二人とも立ち去ったから、安心して祠へ行こう。
灰声 仕方ないから、屋敷まで引き返す。ただいまー。気付かれちゃったー。
凌稀 あらー。仕方ないですね。改めて意識を祠のほうへ……。
香瑠 ほとんどみんないるんだから、床下で聞いた話をするね。
凌稀 え、今? (感覚があっちに飛んで行ってるのに)
GM じゃあ、説明してみて。床下の話、どうぞ。
香瑠 えっとね、こんな生活してていいのか、って言っててね、今に始まったことじゃない、みたいな……。えっと……。
GM ……続きをどうぞ?
灰声 信じてるよ(笑)。
芭蓮 僕もその話を信じるよ(笑)。天転がちゃんと報告してくれるさ。
香瑠 (ぼそぼそ)しまったなあ、覚えてないや……。あのねー、人間ってのはしょうがないもんだ、って言ってね……。
GM (作ってる作ってる)。
灰声 あ、あれ? そうなのかい? (少しは聞いていたらしい)
凌稀 それは人間に非ずって事なのかな?
香瑠 あしたね、旅に出るんだって。
灰声 じゃあ、この邑のことは済んだ、ということなのかな?
香瑠 うん。でね、くれるっていうものはもらう、って言ってた。
灰声 ……ああ、まあ、謝礼が出るんだろうなあ。
芭蓮 うんうん。
香瑠 立ち寄ってはご飯もらうような生活には、って言って、一人のほうはなんか疑問持ってたんだけど、もう一人はめちゃめちゃ投げ遣りだったの。
芭蓮 どこかの邑に留まって安定した生活が送りたいということなのか?
凌稀 もう旅の暮らしはいやだぁ、ということなのかな?
香瑠 ちなみにね、もう大半の細かいことは忘れちゃった(笑)。
灰声 ……えー。いちおう、話を聞いてるから、彼女に頑張って欲しいんだけどー。あしたこの邑を出て行くって言ったんだね?
香瑠 うん、あした、じゃなかった?
灰声 あしたなんだね?
香瑠 うにゅ?
灰声 思い出しておくれ〜! もっといろいろあったじゃないか〜。
芭蓮 僕たちは言葉のそのままを信じてるんだけど、いーのか?
香瑠 あ、えっとね。床下に蜘蛛さんがいたよー。
GM ……香瑠の知力の限界を超えたようだ。
芭蓮 使役獣並みの知力しか持ってないのかあ!(笑)
大変なんですよ。「プレイヤー」と「キャラクター」を切り離すってのは。同じテーブルにいる以上、話の流れではその人にしかわかっていない事柄も、他のプレイヤーは知っている。でも、そのプレイヤーの操るキャラクターは知らない。
一度誰かに与えた情報を、みんなに報告するような場面では、ふつうは「かくかくしかじか」で通したりするんですが、今回はプレイヤー自体がほとんど聞いてないみたいだったので、「よくわかんないままに『了承事項』にしてしまっても面白くないな」と、香瑠さんに頑張ってもらうことにしました。それに灰声さんも応えてくれてるわけです。
手間で面倒ですけど、一度やると面白いですよ。ええ(笑)。
【六 君はなにを語る?】
GM では、祠のほう。
芭蓮 僕はいい加減に説教をやめて、隠れてごろごろしてる。
GM では、使鬼及び耳鬼(凌稀)、及び芭蓮は、祠に近付いてくる何者かを発見した。
芭蓮 あら。知覚判定が必要かと思ったんだが。
GM (一晩中粘ってる君にサービスだ)潜伏だから、機敏判定をしておこう。
芭蓮 (ころころ)19。
GM はい、承った。不審者、もとい雨乞い師は、すたすたと祠の前まで来て、後ろを振り返って、誰も付いてきていないのを確認してから、今度は正しい作法で土地神様を呼んでいる。
凌稀 ふんふん。
芭蓮 僕にもわかるの?
GM 君にはちょっとわからない。さっきより熱心にやっているな、という印象を受けた。そのうちに、おそらく土地神様が出てきたんだろう、という気配がした。声や姿は見えないけれど。
芭蓮 独り言を呟き始めるんだな?
GM/雨乞い師 「我らの雨を降らせる力は、今宵限りと思されよ」と言う。返事はない(笑)。
凌稀 そうだよねー、わかんないもんねー。
GM/雨乞い師 「我らはこのまま邑を去ってもよかったが、あなたに忠告を、と思ってここに来た。後は土地神さま自身の力如何であろうが、このままであれば、この邑は滅びてしまうだろう」
香瑠 (ぽん)思い出した!(笑)
灰声 よかったぁ、ここで繋がってくれて。
灰声さん、ちゃんと聞いててくれたみたいです。
GM/雨乞い師 「この忠告自体が遅きに失しているやも知れぬが……、天の運行、地界の営みに触れることを許されていないわたしたちには、これ以上のことはできぬ。許されよ」
全員 うーん。
GM 彼はそのまま踵を返して、てってってってって。
凌稀 不甲斐ないなあ、この土地神。
芭蓮 つくづくそう思う(笑)。
香瑠 土地神が何言ってたか、手に取るように想像できる(笑)。
灰声 凌稀さんからその様子を教えてもらえるんだよね?
凌稀 うん。同時中継で話してあげる。
灰声 そっかー。少なくとも、彼らはそんなに悪い人じゃなかったってことか。
芭蓮 あまりにも姿が怪しいけどな。
香瑠 天の運行と地の運行に関わられない、って言ったら……神仙じゃないよね。……神族?
GM (央華に神族という区分はないけどね)ちなみに神仙(=天仙)っていうのは、洞行を極めて天界に上った仙人のこと。神っていうのは天帝から命令されて天候とかを管理する役人のこと。
英玲 わかってますよ。
凌稀 手を出してしまうと、他のところに大きく影響が出ちゃうから、ここまでしかできないよ、って言ってるように取れるな。
香瑠 能力では……って言ってたよね。(言ってません(笑))
灰声 しかし、放って置くと、この邑は滅んでしまうのだろう? まあ、それも自然の定めだったら仕方がないが。
芭蓮 自然の定め、だったらね。しょうがない。
香瑠 もしかしたらこの邑の人たちが、知らないうちに何かしでかしてしまったのかもしれないっ。
灰声 しかし、そのことを土地神がさっぱりわかってない。いったい、どこを頼ればいいんだ?
芭蓮 うーん、土地に関することなので僕にはさっぱりわからん。
香瑠 天候ならやっぱり、長嘯の人だよ。
英玲 はい?
香瑠 風水に造詣があれば地脈を見るってこともできるけど、ないし。土行や水行だったら役に立つかもしれないけど、それもないし。
灰声 邑の中で、変に陰気の溜まってるところとか、わかんないかな?
GM それを調べる手段としては、風水・卜占の『羅盤』『七星剣』か、巫蠱の使役獣、讙でしょう。(讙は陰気を感じると鳴く)
芭蓮 ……カエルは雨が降ると鳴くぞ。
GM あとは召鬼の術かなあ。
芭蓮 夕焼けを見るとカラスが鳴くぞ!
……芭蓮くーん?(笑)
芭蓮 頼りにならんから、土地神に頼るのはやめよう。
凌稀 頼りにならないから、日照りになったのかもしれない。
香瑠 (ぽぽん)この人を土地神にしちゃったことがそもそもの間違いだよ。
芭蓮 うむ、それが間違いだ。他のところから土地神を連れて来たほうがいいんじゃないか?
灰声 しかし、それでは、今いる土地神が哀れではないか?
凌稀 哀れとはいえ、これはあんまり……。
芭蓮 自然でない要因なら、僕たちが解決する。自然の要因だったら……しかたないから、邑の人に邑を移すことを勧めよう。無理強いはできないけど。
灰声 その「自然でない」かどうかを、どうやって調べればいいんだろう。
芭蓮 それをみんなで話し合うんだ(大威張り)。
GM えーと、いちおう召鬼的な情報を。
土地神っていうのは確かにいろんな力を持っているけれども、そもそもはその邑の王様のご先祖様だ。世代交代は、大抵は邑の人たちの知らないうちに行われる。で、土地神さまの能力はピンからキリまであるんだけど、能力のない土地神さまが土地神を続けても、結局その土地は廃れてしまう。力のない土地神さまに土地神をやめてもらって、転生しなおしてもらうのは、状況が整っていれば、そんなに不都合なことじゃない。土地神不在の空白期がなければね。
灰声 次の土地神ってどうやって探すの? やっぱ『土地神募集!』って。
GM 誰に募集かけるんですか(笑)。
香瑠 そういえば、ここの隅っこ、居心地がいいの。
GM ずっとはまってろ。
凌稀 土地神はやる気がないだけなのかなあ。
灰声 何らかの原因で、とか、邪魔しているやつがいる、とか?
凌稀 昔に何かあったのかもしれないんだけど、そういえばそんなこと調べてなかったなあ、って。
灰声 王様に聞いてみる、とかは?
凌稀 その頃、邑に何か起きたかどうか、知ってるかもしれない。
芭蓮 「雨が降ってよかったなあ」みたいな土地神と同レベルの回答しか返ってこない気がする。もしかして、あのやる気のなさはここの土地柄なのか?
凌稀 のーてんき、ってやつ?
芭蓮 やっぱ、遷都を勧めるか。
灰声 やる気のない人たちだから、「そんな面倒くさいこと、嫌だい」とか言いそう。
香瑠 10年か15年前に何があったのか。きっとお年寄りとかに聞いてみたらわかるかな?
凌稀 王様でいいと思う。
GM 王様の年は50近く。
灰声 じゃあ、王様に聞きに行こう。寝てるのを起こして。
灰声お得意の「昔の話を聞かせておくれ」攻撃で聞き出したところによると、10年ほど前、このあたりに妖怪が棲みついたことがあったとか。その妖怪は結局、邑にちょっかいをかけることもなく北の方へと去っていったというのですが。
灰声 そうかそうか。いや、どうもありがとう。……報告ー!
凌稀&芭蓮 へ? (←聞いてろよ、人の話)
灰声 10年前に、この邑を妖怪が通り過ぎていったって。特に邑に危害は加えなかったらしいけど。それが前兆と言えなくもないよね。
芭蓮 それで「よかったよかった」ってか?
灰声 ……なーんの情報にもなってないよなあ(笑)。
芭蓮 なんのこっちゃ?
GM では凌稀。知識判定を行っていただこう。
凌稀 (ころころ)えーとぉー、19。
GM 土地神というのは、天界からその土地の陰陽の気をコントロールする能力を授かっていて、これで邑を栄えさせたり滅ぼしたりするんだけど。で、その能力を使って、土地の陽気を強めて陰の気の存在である妖怪を近寄らせない、ということができる。こないだ、丹邑の土地神さまがやってたのがそれだ。
凌稀 ほう、で、妖怪が通り過ぎてしまった。
灰声 ということは、そこで全パワーを使い切ってしまった、ということか?
このとき、部屋にいるのは凌稀、香瑠、灰声、英玲、天転。芭蓮は相変わらず祠。
凌稀に「思い出した話」の内容を語っていた時に、関連情報を英玲にあげよう、と思ったんだがこれが聞いてない(笑)。
どうもこの回、全体的に注意力散漫です。
【七 やっぱりお前のせいか!】
凌稀 その10年前の話を、土地神自身に聞いてみようか。
英玲&香瑠&灰声 ついて行くー。
GM じゃあ祠。土地神は隅っこで大人しくしてるよ。
芭蓮 説教が効いたか?
GM 雨乞い師に突き放されて落ち込んでるのかも。
凌稀 話がややこしいので、土地神さまの姿が見えるようにしましょう。この情けない姿をみんなに見てもらおう。
香瑠 おじちゃーん。お花あげるー。
GM/土地神 「……はあ」(今回は哀れまれてるな)
灰声 10年前に妖怪が現れた時、あんた頑張ったんだってねえ。
GM/土地神 「そりゃもう! 全精魂を込めて頑張りました」
芭蓮 唯一の自慢話か?
香瑠 そのときのお話、聞かせて。
GM 妖怪は南のほうからやってきたそうだ。結果的には北に去っていたんだけど、妖怪に襲って来られないように、天界にお願いして土地の陽気を強めてもらったんだ。
凌稀 それで土地神の能力を使い果たした、ってことはないですよね?
GM/土地神 「使い果たした……ことはないんですけ、ど……」
凌稀&香瑠 『けど』?
GM/土地神 (泣きべそ)「陽気が元に戻んなくなっちゃったんですぅ」
全員 は?
香瑠 (こっそり)ああ、そういうことか。
GM 英玲さん。知識判定してごらん。
英玲 (ころころ)そのまま足して16。
GM 雨の日っていうのは、陰の気。晴れの日っていうのは、陽の気。冬っていうのは、陰の気。夏っていうのは、陽の気。
英玲 はい。
GM 以上のことから、推論を述べよ。
凌稀 この土地神さまは、陽の気が強くなっております。
灰声 陰の気が戻らなくなったのね。
GM つまりですな。
土地神さまが、妖怪を追い払うために陽の気を強くしたのはいいんですが、妖怪がいなくなっても、陽の気が戻らなくなってしまったのです。もちろん、ふつうは土地神の能力で元に戻るんですが、これは土地神の性質というものがあるのでしょう。
その結果、土地の陽気は強いままで、陰の気を常に遠ざける状態になり、特にそれが陽の気の強い夏にいたって、陰の気である雨を寄せ付けなくなってしまったというわけなのです。
全員 なるほどぉ。
芭蓮 やっぱりお前が原因かぁ!
灰声 うすうす自分でも気付いていたんだね。
GM/土地神 「自分でも何とかしようと頑張ったのですが……どうにもなりませんでした」
芭蓮 それがそうなら、なぜ話さん!
香瑠 あのね、失敗は誰にでもあるの。おじちゃんがよくなかったのはね、失敗したことを10年間も黙ってたことなんだよ。恥ずかしいなんて思わないで、すぐに天界の役人に報告してればこんなことにはならなかったでしょう?
GM/土地神 「はい、おっしゃるとおりです。ですが、報告、したんですけど、向こう20年は陰陽の気の配置が変えられない、って言われたんですぅ」
凌稀 じゃあ、あと10年も?
香瑠 『声送袋』でナマズのおじちゃんに聞いてみよう。
GM/瓢鯰大仙 「んー、なんやなんや?」
香瑠 かくかくしかじかなんだけど、そういうのって、あり?
GM/瓢鯰大仙 「んー、あるやろなあ。天の運行と地の陰陽の気は無関係やないし。天界の役人は央華全体を見なあかん。天災は全て大道に従って決まっとるから、簡単には変えられやんな」
香瑠 それってさー、土地神がいくら頑張っても無駄ってこと?
GM/瓢鯰大仙 「土地神は地界の陰陽の気を預かっとるんやから、何とかならへんこともないはずや。その辺、天候神に聞いてみたらええんやないかなあ」
香瑠 わかった、ありがとね、おじちゃん。
GM ……何か大事なことを言い忘れたような気がするけど、まあいいや。
英玲 『声送袋』、まだ返してないんですね。
香瑠 だからナマズのおじちゃんとお話できるんだよ。で、これこれって、ナマズのおじちゃんが言ってたよ。
灰声 何とかして、この土地の陽の気を弱める、あるいは陰の気を強める、なんてことが可能なの?
芭蓮 僕、巫蠱でーす。(防衛ライン)
香瑠 可能性としては、風水・卜占の達人に頼ん……ナマズじゃん(笑)。
灰声 あー、彼はいろんな陣を集めるのが得意みたいだからー、きっとそういう陣も知ってるかも。
GM/瓢鯰大仙 もう一度呼び出すのね。「……はあ、すまんなあ。そういうの、できへん事はないんやけど、天帝さんから叱られてしまうでな」
芭蓮 この土地には何にもするな、ってことか?
GM/瓢鯰大仙 「せやない」つまり、強力な術者になると、央華の在りようそのものを捻じ曲げてしまうような力を持っていたりする。そんな力を簡単に振るわれては困るから、天界や冥界から、不用意にそういう力を使わないでくれ、とお願いされているわけだ。
香瑠 つまり、それほど力のない人が、ちょこっと干渉するくらいはいいのね。
GM その力によって影響が及ぶ範囲が限られているからね。
凌稀 その小規模に影響を与えられる人が……。
香瑠 そこで膝小僧抱えてる土地神……。
灰声 どうするの? 頑張れ頑張れーって励ます?
GM 凌稀さん。
凌稀 はい。
GM 土地神に話しかける時、術使ったよね。
凌稀 うん。
GM じゃあ、雨乞い師さんは?
凌稀 雨乞い師さんは……正式な手順で呼び出して、話をした。……ふつーに。
香瑠 見鬼なのかな?
凌稀 そう見るべきなのかな。こそこそしてるのが気になる。
芭蓮 土地神にだけ言って、王様に言わない、っていうのはどういうことかな
香瑠 天と地の営みに自分たちが関わっちゃいけない。そういう存在って……。
灰声 相談してみたら知恵ぐらい貸してくれるかもしれない。
芭蓮 雨乞い師にお願いするの?
灰声 そもそも、彼らはこの邑を滅ぼしたいわけじゃないみたいだし。彼らがやらずにあたしたちがやるぶんには問題ないかもしれない。
灰声さんの提案により、急遽、夜中に、雨乞い師の部屋に押しかけることになりました。夜中なのに元気なやつら。
【八 天より堕ち、地に背きて】
GM さあ、夜も更けてまいりました。
灰声 行きます! あしたには発っちゃうんでしょう? ごんごん。たのもー。
GM/雨乞い師 「ひそひそひそひそひそひそ……誰ですか?」
灰声 うう、冥土の土産にばあちゃんに……(げほっごほっ)。って言いながら、少しでも戸が開いたら足を突っ込んでこじ開ける!
全員 (爆笑)
GM/雨乞い師 「お入りください」ということで、内側から戸が開かれるんだが……驚いてくれ。
灰声 わ、びっくり?
GM 部屋の中には雨乞い師が14人いるのだが、うち六人は……獣の顔だ。
香瑠 ふええええっっ(泣)。
GM 残る8人のうち、6人は獣の体をしている。
芭蓮 驚いていないような振りをして、内心驚いている。
凌稀 どういう獣なんですか?
GM その正体を、実は彼女が知っている。
英玲 はい?
天候神には六甲六丁という護衛役の下位神がついていることがある。12人一組の彼らは、六甲が獣面人身、六丁が人面獣身という姿をしており、12人が揃えば彼らだけで天候を操る事もできるという。
天界から追放される場合、不揃いの場合が多く、12人揃っているのは珍しい。
GM で、そこから推測するに、一緒に行動している彼らのリーダーということは、つまり何だよね。
英玲 天候神さまなのね。
GM/風神 「隠しても始まりますまい。我は風神。こちらは雷伯でござる」
香瑠 えっとね、えっとね、押し花あげる(笑)。
凌稀 なにげに自己あぴーる……。
灰声 我らはこの土地を救いたいのだ。同じ人間として。……仙人だが、同じ人が付く。君たちに力を貸せ、とは言わない。知識を貸してもらえないだろうか。我らの中にこの邑を救えるものがいるなら、教えていただきたい。
凌稀 あるいは、土地神をそれにやらせることが可能ならば。
GM/風神 「我々は罪を得て天界を追われた身。天界地界に関わってはならぬ身であるが、我らがあなたたちにひとつの道を示し、それをあなたたちが我らの預からぬところで為すのならば、構うまい」
灰声 ありがとうございまーす。
GM 彼らは100年間の間、地界へと追放されてしまったのだ。100年後に、まだ天候神としての力が残っていれば、再び天界に帰る事を許してもらえるのだ。ま、それはそれでさておき。
「この邑の側を川が流れている。その川をさかのぼると岩と砂ばかりの枯れた台地に行き着く。巨大な台地の上底は一ヶ所がわずかに下がっており、その『へそ』の部分に祠が設けてある。天命を賜わっていた頃に聞いたことがあるが、それは『龍檻祠(りゅうかんし)』と呼ばれるもので、かつてこの地を治めていた荒れ狂う龍神を封じたものらしい。その龍神が封じられておる間に穏和になり、雨を降らせてくれるかどうかは不明であるが、もし龍神にうまく頼み込めれば、その龍神が土地の陽気を抑え、恒常的な雨をもたらしてくれるであろう」
灰声 それは今後10年、彼に頼るってこと?
GM/風神 「その場合、この邑の人々が龍神をしかるべく祭らねばならぬ」
香瑠 お祭りさせることは、さして難しいことじゃない。問題なのは、それで土地神が忘れ去られること。役に立たないからぁ。
GM/風神 「我らから見れば、この土地神は決して無能ではない。ただ、彼の性向が土地に合わなかっただけだ」
灰声 まあ、それでいいじゃないか。新たな祭りが増えるというのは、土地の人にとってもそれほど苦痛ではないだろう。問題は、その龍神を誰が説得するか、だ。土地神か?(笑)
芭蓮 土地神じゃだめだ。
GM 「は、龍神さまですか、ははぁーっ。雨ですか、もうばんばん降らせてください」(笑)
凌稀 それだけになっちゃうよねえ。
香瑠 だめじゃん。じゃあ、わたしたち?
芭蓮 王様でも連れて行くか?
灰声 いや、われわれだけで話が付けられるのなら、そのほうが早い。王様には後で話を付ければいいだろう。「あんな雨を降らせてくれた雨乞い師さんが言うんだから、絶対間違いない!」って言えば大丈夫なのじゃないかな。それで、その龍と話をするのは、あたしたちの誰でもできるの?
GM この世界の龍は賢いし、竜神ともなれば人間の言葉なんかぺらぺらよ。で、風神いわく。
「我らは行かぬ。行けば地界の運行に関わってしまうことになるからな。そのかわり、我らは邑に残って、もう一度雨を呼んでみよう」
灰声 ええ人や。
GM ほんとは天界からのサポートがないから、天候神としての力を削りながらじゃないと呼べないんだけどね。
香瑠 あのねー、おじちゃん。おじちゃんはね、絶対天候神に戻らなきゃいけないと思うの。だから、無茶しないでね。頑張って龍さん説得するから。
灰声 そう言いつつ、雨乞いさせるのはあたしたちなんだけどー。
GM/風神 風神は懐に手を入れる。「久しぶりに温かい言葉を聞いた。これを持って行ってくれ」
香瑠 誰に?
GM 発言者に。覚えがないんならいいけど。
香瑠 (手を突き出す)
GM 手渡されたのは、5寸(15p)直径ほどの玉の首飾り。円盤状で白色、神獣が透かし彫りにされていて、穴の部分に紐を通して首に掛ける形。
香瑠 いいの、いいの? こんな綺麗なもの、もらっちゃって。
GM/風神 「あなたたちにとって一助となろう」
灰声 よかったねえ。
香瑠 わーい、もらっちゃった。早速首に掛けてみる。一片の疑いもなく。
GM 何やら君の体を、濃厚な陽の気が取り巻いた。仙術抵抗の判定時に+1のボーナスが付くよ。
香瑠 ……晴れ女?(笑)
芭蓮 ……。
GM 僕が欲しい、と思ったな?
芭蓮 うん。仙術抵抗が3になるんだよ、それで(笑)。
かくて、次の日の朝。昨日までの雨は止み、快晴。
GM 抜けるような晴天だ。青い空に白い雲!
芭蓮 おお、いい天気じゃのう。
香瑠 まるであの土地神さまの心情を裏切るように。
凌稀 龍神の話を土地神さまにしておいたほうがいいんじゃない?
GM 土地神の祠なんだが、また元通りの天気になったもんで、邑の人たちが土地神に文句を言いに集まっている。王様や雨乞い師(風神)たちは、もう一度雨乞いを行う、という旨をみんなに継げている。ということで、祠の周り、人がごった返してるぞ。
凌稀 こっそりこっちに呼んでくる、って事できないかな?
GM ちょっと難しいね。
芭蓮 後でいいんじゃないか。
灰声 出発しましょう。
【九 なんだ、こいつ?】
乗騎で飛ぶこと数刻。
GM 昨日の雨のせいで、干上がっていた川がうっすらと姿を現している。
香瑠 じゃあそれを遡っていこう。
GM 半日くらい飛んで行くとごつごつと岩ばかりの台地が見えてくるよ。
灰声 件の「へそ」を探します。
GM それでは、難易度9の知覚判定をお願いします。
芭蓮 よっしゃ、任せろ! (ころころ)10だ!
凌稀 19ですけど。
芭蓮 なんてこった、僕の倍近いぞ!
GM 台地の上底、そのほとんど中心に近い場所に窪みがあるよ。
凌稀 あそこあそこ。
香瑠 急降下〜。
GM では、夕方少し前ぐらいの時間帯だな。君たちの眼下に広がっているのは、総大理石製の平らな建造物だ。十字形で、その四方と中央に正方形の台座が合計5つ設えてある。外辺をぐるりと欄干が囲んでいて、南側だけ開いている。出入り口と思しきその側に、ミニチュアの高床倉が建っている。
香瑠 まず話しかけるよなあ。龍神に。
芭蓮 声高らかに。
GM さあどうぞ。
灰声 ここは陰陽の気とか、その辺のわかる人に。
凌稀 な、なにを語りかけたらよいのでしょう。えーと、こんばんわー。
GM 返事はない。
香瑠 ここに竜神様がおわすとお聞きいたしましたが、お姿をお見せいただけましょうや?
GM やぁ〜、やぁ〜、やぁ〜。
英玲 えこー……。
香瑠 居留守はいけないんだぞぉ。
GM ぞぉ〜ぞぉ〜ぞぉ〜。
香瑠 留守みたいだよ。
凌稀 あの変な建物、気になるよね。
芭蓮 うむ。妖怪ポスト(笑)。
灰声 降りてみましょう。
GM はい。小さな建築物もやっぱり大理石製。ご丁寧に扉までつけてある。
灰声 開けてみます?
凌稀 どうしよう、ドアホンだったら。
GM/? 近付くのね。「もしもし」
凌稀&香瑠 はいはい?
芭蓮 誰? 誰に向かって話しかけてるんだ?
香瑠 いや、さっき誰かが「もしもし」って……。
芭蓮 ひょっとして、これか? さらに近付く。
GM/? 「そうそう、もっとそこです。そっちそっち」
芭蓮 ?
GM/? 「そう、目の前の高床倉からです。開けて頂けると、お互いに話がしやすいですなあ」
香瑠 じゃ、開け……。
灰声 ちょっと待った!
凌稀 いきなり、開けるのはまずいよ。どちらさまですか?
GM/? 「いやあ、顔を見ないと名乗りにくいではございませんか」
灰声 いやいや、声だけでも。充分に美声ですよ。
GM/? 「そう言われると悪い気がいたしませんなあ」
芭蓮 まるっきり相手が嘘付いてたらどうするんだ?
凌稀 そうだけど、いきなり開けるよりはいいじゃん。
芭蓮 そうか。では、心の準備を十分にして。(←剣を構えるな、そこ)
灰声 ほんじゃ開けますか。
GM 中には木箱があって、一振りの笏が入っている。表には『命授而天』と書かれている。
香瑠 『しこうして天より命を授かる』?
GM 僕は『命を天より授かる』と読んでもらうつもりだったんだけど。
と思うのが畜生の浅はかさ。『命を天より授かる』と読ませるためには『命授自天』でないと誤りです。『自』が下の字を受けて『より』と返っていくわけです。返り点を『授』と『自』の下に付けて。はい。「命を天より授かる」です。以降、字を訂正してお送りします。(逃亡)
灰声 これで封じられておったりするんですかなあ。
香瑠 ねえねえ、箱を開けたよ。お話できるね。お顔はどこ?
GM/笏 「ほれ、あるではないですか、目の前に」
凌稀 この笏?
GM/笏 「さよう」
芭蓮 意識を持った笏か。
香瑠 おじちゃんが龍神さま?
GM/笏 「いや、例え私が嘘吐きでもそのようなことは申しませんぞ」
灰声 龍神さまと話がしたいのだが、取り次いでもらえるかな?
GM/笏 「もちろん。そのためにわたくしがここにおりますから。さあ、私をお手に取りなされ」
灰声 いいのかなあ。
芭蓮 よし、ここは笏に禁呪をかけて……。
英玲 あの……。(凌稀を指差す)
凌稀 持ち上げちゃった(笑)。
GM/笏 「いやあ、何百年ぶりかに表に出ましたなあ。ああ、申し遅れました。私、天界の高官が手づから掘り上げ、爾来数百年、この地の番を務める『命授自天笏』と申します。気軽に「『命授自天笏』さま」とでも呼んで頂けると有難いですな」
凌稀 気軽に「さま」付けですか。
灰声 よう、命ちゃん。
英玲 命ちゃんって……。
GM/笏 「ま、名前はどうでもよろしい。お見受けしたところ、旅の道士の方々。この地の龍神に会って、何となさいます?」
香瑠 それはぁ、君の仕事じゃないでしょう?
GM/笏 「この地に封じられておるのは、20の川を洗い流し、60の邑を水底に沈めた不埒物にございますぞ……」
香瑠 屁理屈はいいから。
GM/笏 「ぴきっ」
灰声 まあまあ、子供の言うことですから。
凌稀 その不埒者の龍神は、今、どのような状態なのでしょう? 昔と変わらずに暴れ者とか。
GM/笏 「そうですなあ。祠の中でじかに話してみぬと何とも言えませぬが」……そろそろ気付いてもいいかな。笏の表面は『命授自天』の字が刻んであるのだが、裏面にはひげ付きの顔が墨で書いてあるぞ。
英玲 えっ……(笑)。
芭蓮 削ってみるか。
香瑠 ぐるぐるほっぺ書いちゃおうか。
灰声 怒られるぞぉ。
GM/笏 「何てことをなさるんですか! 私は先程も申し上げましたとおり、天界の高官が……」
香瑠 一番出来の悪そうな押し花あげるから。背中に貼っちゃえ。
GM/笏 「ぬぬぬ、話がしづらいではないですか」
香瑠 で、20の川がどうしたんだっけ?
灰声 祠の中に入ってもよいのかな?
GM/笏 「たとい一介の道士風情の方々といえども、易々と入り込んでよろしい所ではございませんぞ」
香瑠 何気に無礼だよ、この笏。様って言えとか、風情とか。
灰声 長きに渡って、荒々しい龍神を封じてこられたとは、何て素晴らしい偉業なのでしょうか!
GM/笏 「む、いやまあ、私は何もしておりませんがな、はっはっは」
灰声 あたしたちは龍神と是非とも話さねばならない。まげてお願いしたい。
GM/笏 「とはいえ、私はこの祠の番を預かっております。故なき方をお通しするわけには参りませぬ」
芭蓮 じゃあ、どういう奴だったらいいんだ?
凌稀 あの、まだわたしたちの理由、一言も言ってないし。
GM 「龍神に会いたい」だけでは、観光なのか何なのかわからないからね。
香瑠 この土地に関わることで、龍神とどうしても話をせねばならぬ儀がございます。(それ、理由じゃない……)
灰声 有体に言えば、龍神の水の力を借りたいのじゃ。
GM/笏 「借りて、何となさいます?」
芭蓮 雨を降らす。
香瑠 日照りが起きてるでしょう? 雨を降らせるに決まってるじゃん。
GM/笏 「なんと、日照りが起きておりましたのか。笏の身には天候など関わりありませんからな。一向に気付きませんでした」
灰声 そりゃなあ。
GM/笏 「なるほど、道士の皆様の民を思う気持ち、この『命授自天笏』、感涙に耐えません。ここはひとつ、わたくしめが無知な道士様を見事龍神の許までご案内いたしましょう」
芭蓮 取り敢えず笏をその辺の角にぶつける。あ、すまん。手が滑った(笑)。
GM/笏 「うわあああ!」
凌稀 両手にもって錐もみにしたら、目回るかなあ。
GM/笏 「あれえ〜! ……おほん。とは申せ、この龍檻祠。闖入者を阻むべくさまざまな仕掛けがございます。まずは正しき祠への入り口を、五つの台座の中から選んでいただきます」
灰声 いま、案内するって言ったじゃん。
GM/笏 「とは仰いますが、知恵も力もないお方を龍神の元にお通しして、不用意に龍神の戒めを解かれては一大事」
香瑠 正しい入り口かぁ。
GM/笏 「ではまず、こちらの台座の中から、正しいと思う台座を私で軽く叩いてご覧なさい。軽くですよ! いいですか!」
灰声 ぱきっとか言わせたら駄目なのね。
凌稀 で、その台座には何か書いてあったりするのかな?
GM うい。台座の上面には石像が一体ずつ。東西北の三面は何もなし。南面にそれぞれひとつずつ浮き彫りがしてある。
浮き彫りは「龍の上に何者か」という図柄になっていて、東には人、西には虫、南に魚、北に鳥、中央に獣が描かれているよ。
芭蓮 じゃあここだ、獣。ごう!(自信たっぷり)
灰声 なんで?
芭蓮 エジプトで蛇の上に獅子を乗せた図柄っていうのがあって、それが川を表しているんだ。
凌稀 蛇は川の象徴だよね。
GM (ほう、参考になりますなあ。って、え? あの、ここは央華ですよ〜)
香瑠 じゃあ叩くよ。えい、べきっ! (実際に叩いたのは凌稀)
GM (割りたいらしいな)叩きましたね。乗っかっていた石人がぴくりと動いて、笏を持っている凌稀に、ぎぎぎぎぎぎぎ、がっしょん。(拳を引く)
香瑠 あれー?
芭蓮 外れか。やっぱりエジプトの知識なんか持ってくるんじゃなかった。
GM (ころころ)13と言って石人パンチ。
香瑠 (ころころ)あう、痛い。《金丹》飲んで治しとこう。
芭蓮 畜生、こうなったらひとつずつ叩いていくか。
凌稀 そんなあ。誰が叩くと思ってるの?
香瑠 今度は私が叩くことにするね。回避が6あるし。
灰声 魚か人でどう? 魚だと、露骨に水って感じだし。人は、龍を封じた人を表してるのかも。なんだかわかんない虫っていうのも謂れありそうだけど。
香瑠 虫って央華ではなにに属するんだっけ?
芭蓮 (先走って)よし、僕は虫を叩くぞ。ぺしっ。
GM がががががががが、ばしこん!
芭蓮 受け流して下がる。
香瑠 おばーちゃん、虫って五遁で言うと、どんな謂れがあるの?
灰声 うーんとね、虫は甲類で、金行。水行に関係あるのは……鱗類? あ、魚か。えーと、水行を封じるのは……火かな?
香瑠 土か木だよ。
えー、五行相克の勉強であります。「○克◆」は「○は◆を克す」、つまり○の優位性を示すものであります。「水克火」とあれば、「水行は火行を克す」。つまり、水行の存在に炎をぶつけても駄目、ってことです。
五行相生の場合、「○生◆」で、「○は◆を生ず」、○が元となります。ですから、「水生木」とあれば、「水は潤いて木を育む」ということですね。
以上のことを踏まえた正解は……。
芭蓮 めんどくさい。人の描かれた台座を叩く。
GM すると、台座は音を立てて後方にスライドする。その下に、下りの階段が現れるよ。
灰声 あれ、人だったの?
芭蓮 うん。「土克水」だからな。人が乗ってる奴が正解だと、はじめは思っていたのに、どうして虫を叩いてしまったんだろう? まあいいや、笏は返しておくぞ。
凌稀 はあ。そんなに持っておくの、嫌ですか?
GM むむ。笏のコメントがなくなってしまったではないか(笑)。
【十 龍檻祠、その1】
灰声 階段を下りまーす。
GM 階段の幅は、2人が並べるくらい。先頭は誰ですか?
灰声 笏持ってるあの児。あたしはすぐ後ろで灯を灯してあげるから。
凌稀 小さいから大丈夫〜。
芭蓮&香瑠 二番手は僕たち〜
英玲 あれ、最後尾? 嫌な予感。
GM くっくっく。さて、薄暗くて長い長い階段を、たったかと下りて行く。
芭蓮 そして途中で陣にはまるのです。雷とか、炎に巻き込まれて!
GM (読んでるなあ)さて、先頭を行くお二人さん。仙術抵抗を試みていただこう。(ころころ)目標値は15。
凌稀 はい、クリア。
灰声 (ころころ)ああ、駄目です。
GM 凌稀さんは何事もなくフンフンフン、と階段を下りていく。気が付くと、となりにいたはずの灰声おばーちゃんが階段の途中で立ち止まっている。後続の人も、灰声ばーちゃんにつられて立ち止まってしまった。
灰声 あれ?
GM 「なんて怖いところにいるんだろう。真っ暗で、しかも終わりのない下り階段。こんなところにはもういられない」という気持ちになった。はい、後続の仲間を押しのけて地上まで駆け戻ってください。
灰声 ああ、年寄りには下り階段は怖くてねえ(笑)。
芭蓮 何を言ってるんだ? 首ねっこを捕まえて押しとどめる。
香瑠 はいっ。《禁術即不能現》こないだ作った符で(ころころ)18。
GM じゃあ、おばーちゃんは、はっと我に返った。
灰声 ああ、すまないねえ。年寄りはよく混乱してねえ。
香瑠 こんなくそしょーもないことで符を使っちゃった……。おばーちゃんが悪いんじゃないよ。こんなところに意地悪な陣が仕掛けてあるのに、案内人さんが何にも言わないのが悪いんだもん。
GM/笏 「ですから、そういうお役目なんですってば」
灰声 気を取り直して。凌稀が暗くて困ってるだろうから、追いつきます。
GM はい。それじゃ、仙術抵抗を行ってください(笑)。(ころころ)18ね。
灰声 ええ〜っ! 目がないよお。
GM 怖いです。さあ、逃げましょう。日の当たるところまで戻りましょう。
香瑠 また符使うのぉ(泣き笑い)。
芭蓮 《正心丹》使おうか?
英玲 おばーちゃんは私が抑えましょう。
灰声 じたばたじたばた。
GM そんなことやってるうちに、正気に戻った。無理やり怖いところに居させられたので、5点の精神値ダメージを負って。
香瑠 おばーちゃんが怖くなったところを調べてみる。
GM ならば難易度10の知覚判定を。(ころころ)うわ!
香瑠 (ころころ)その目なら裏にしなくていいよね。
GM (出目は3だった)うぐぐ。ならば、階段の途中に、まったく違う石を使っている段がひとつあるのを発見した。その表面に刻文があって、『今、龍の背に在る者、龍の首を捕らえてこれを御す』とある。踏んでみる?
香瑠 いや……。おばーちゃん、ここの段だけ踏まなきゃいいんだよ。
灰声 じたばたしながら連れて行かれましょう。
GM うむ。階段を降り切る頃には、元に戻っていいよ。
灰声 ああ、怖かった。精神値は回復しないよね?
GM うん、しない。階段を降りきった先には、楕円形でドーム状の部屋というなかなか難しい部屋が広がっている。中央には池が設えてあって、その真ん中に浮島があって龍の置物が置いてある。天井は真っ黒に塗ってあって、中空に《以火行為灯 光》で生み出された光が灯っている。壁には壁画らしいものが書いてある。
笏いわく「おっほん、この部屋は封印された龍神のかつての日々を謳ったものでありますな。巨大な雲は龍のもたらす雨の象徴であり、その下に人間が栄えておりますな。さすが天界の絵師の手になると……」
香瑠 要するに、この雨雲を使って、龍神さんが下界の人々を苦しめた、っていう図なんだね。
GM 栄えてる、って言ったような気がするんだけど。で、ここで行き止まり。
香瑠 あれ?
灰声 やっぱ、その置物でしょうね。
香瑠 調べる。
GM 置物です。
灰声 笏に聞いてみよう。
GM/笏 「いやあ、さすがは天界の名工の手になる物。特にこの流線などは、えも言われず……」
香瑠 《禁舌則不能嘘》!
芭蓮 嘘は付いてないだろう。ただ素晴らしい、って言ってるだけなんだから。
香瑠 おじちゃん! 案内が仕事なら、きちんと案内をなさい。
GM/笏 「ふむ。先程も……まあよろしい。先程飛び越えた刻文が鍵でありますな。それ以上は自分で解き明かしてくだされ」
香瑠 竜の背に乗らんとする者は、の、乗るものは、乗っかって……? もっかい見てこよう(笑)。
GM 大丈夫か、記憶力? 『今、龍の背に在る者、龍の首を捕らえてこれを御す』
英玲 龍の置物の首を、後ろから捕まえる?
GM きゅっ。何も起きないよ。
灰声 上に人が乗っかれ、ってことかと思ったんだけど。入り口の壁画もそうだったでしょ?
芭蓮 じゃあ、二人で乗りますか。
灰声&芭蓮 いえーい、制覇ー(笑)。
GM 二人がかりで乗るの?(しかも一番体格のいい二人組が?) ……ぴきっ!
灰声 あ! ……。聞かなかったことにしよーっと。
凌稀 龍の像があって……。
香瑠 龍の背に在るもの、竜の首をもってこれを御さんとす?
GM (なんか、またびみょーに違うぞ)
香瑠 龍の背にあるのは……。
凌稀 天井。
灰声 あの光か、あの黒い天井を消すのか?
芭蓮 どうやって? ブラシでか?
香瑠 《禁灯火則不能光》!
GM 成功するまでかけるだろうから、はい。突然真っ暗になりました。
香瑠 ……意味ないから解くー。竜の背中を見てみよう。
GM うむ、足跡がある(笑)。
灰声 ごめんなさーい。
香瑠 磨いておこう。龍神が見たら怒るかもしれないし。壁画はどうだろう。
GM 「地上に暮らす人々とその上空をよぎる長大な雲」が描かれていて、龍そのものの絵はかかれていない。
香瑠 龍さんをその壁画の上にぽんと……置くとこないか。
GM (「壁画」に「置く」ってどういうこと? しかも、大理石製で、2人が乗って遊んでたくらいの大きさの像だぞ?)
凌稀 影でも作ってみようか。首をどうにか、って言われたら、それしか思いつかなかった。
芭蓮 思いつくこと片っ端からやってみよう!
果敢な挑戦の、その結果……。
全員 うーん……。
英玲 通路から降りてきたときの、龍の首の向きは?
GM 階段のほうを向いている。
英玲 龍の置物の向きは変えられる?
GM 頑張れば。
香瑠 通路が龍? 長い下り階段……竜の背、ってそれかなあ?
芭蓮 じゃあ、首はどこだ?
灰声 部屋の入り口まで戻ってみて、何かないか探して見ます。
GM どーして今まで気が付かなかったんだろう、こんな所に横道が!
芭蓮 くそぅ!
灰声 じゃあ、それを降りていきましょう。
【十一 龍檻祠、その2】
GM 長い下り階段がずっと続いています。
灰声 下ります。変なものを踏まないように。
GM はい、難易度10の知覚判定をお願いします。
芭蓮 僕は飛来椅でふわふわぁ。
香瑠 いいなあ、小回りの聞く乗騎は。
灰声 (ころころ)今度は気が付きました。石段の途中に質の違う段がひとつあるわよ。
GM さあ、踏んでくれ。
灰声 あたしはちょっと……。精神値半分だし。
凌稀 今度も何か表面に書いてある?
GM うんにゃ、何も書いていない。
芭蓮 ここは仙術抵抗が高くて、当たり障りのないメンバーで。(目で指名)
英玲&凌稀 えーっ。
灰声 これを踏んだら、『御せる』かもしれないし。
芭蓮 さあ、二人同時に。(自分が踏まないと思って)
凌稀 じゃ、わたしから。えい。
GM 途端に灰声さんの灯してくれていた灯が……火尖槍なのか仙術なのかわからないけど……ふっと消えて、真っ暗になってしまった。凌稀さんは機敏の判定をしていただこう。難易度は10。
凌稀 (ころころ)あうっ!
GM 次の段を踏み損なって、そのままごろごろと下まで転がり落ちてくれ。ダメージは1D点。
がこ! ごん! ごろごろごろ! 「うわああ、私を折らないで下されぇ」
芭蓮 おう! 何の音だ!(笑) 早く灯を!
灰声 もう一度つけますね、灯。
GM うまく術は発動するんだけど、明るくならない。
香瑠 ということはあ、禁呪ですねえ。《禁術則不能現》!
GM すると、灯が元通りになる。で、凌稀さんが転がり落ちて行った先は、さっきとほぼ同じ造りの部屋だ。
凌稀 おーい、さっきと同じ部屋があるよー。
香瑠 追いかけよう、あの石段を踏むことなく。
GM さて、へたり込んでいる凌稀さん。指先に妙な感覚があるのに気が付いた。床に刻文がある。
凌稀 『今、龍の背を駆けたる者、龍の角を求めてこれを御す』……つの?
GM そうこうしてるうちにみんなが下まで降りてきた。
凌稀 さあ、何と見る。
灰声 上を見て見ますけど、何かある?
GM さっきと同じように、炎が浮かんでいて、黒い天井がある。
灰声 さっきと違いはあります?
GM ……黒い天井があります。
香瑠 仙鳥! 乗って、天井のところまで行く。
GM 炎を通過して、黒い天井に手が……届かない。
香瑠 あれえ?
GM どんどん上っていくと、途中で横穴があるのに気が付くよ。
香瑠 ねえねえ、上に道があったよ。
芭蓮 よし、飛来椅ごう!
英玲 あう、上れないぃ。
灰声 乗せてってあげなよ。
【十二 龍の戒め】
GM はい。しつこいようですが、長い下り階段です。
香瑠 注意しながら下りまーす。
GM 注意しながら、ね。では、知覚判定を。
香瑠 (ころころ)はーい。見つけたよー。また違う石段だよー。
英玲 字は……書いてないみたいですね。
灰声 もう飛び越えていこうよ。
はい、正解。今回は全滅トラップでしたからね。これで律儀に踏まれたら、かなり困ったけども。
GM 降りきると、今度は完全なドーム状の部屋で、自分たちが入ってきたのとは別に、四本の通路が延びている。で、部屋の中央に池が設えてあって、浮島へと道が渡してある。浮島には台座が設えてあって、その上に、細い円柱が一本立っている。円柱の表面に『龍の戒めを以って龍の檻を開く鍵と為す』とある。
で、笏が口を開く。「さて、今度こそわたしの出番であります。ご覧の大理石の棒こそが龍の檻を開く鍵。これより先に続く四つの部屋から、道士どのらが思うままにj(そう)(祭事に使っていたといわれる、環状の玉器)をお持ちいただき、この鍵に預けていただく。jの数が満ちれば龍の檻は解かれましょう」
香瑠 満ちれば、ねえ。
芭蓮 みちみちみちれば。
GM よく見ると、柱には細かい刻みが付いている。刻みの数は全部で26だ。
芭蓮 いっぺんに運んで来たらいいじゃん。
灰声 どうする? 一人ずつで残りは留守番、にするか、それともみんなで一緒に行くか。
GM/笏 「これより先は、怪物の類はございませんよ」
芭蓮 じゃあ、一人ずつで、留守番一人で、行ってこよう。
GM では一番左の部屋。
灰声 はい。
GM 四角い部屋。壁に「天上の帝に報告する天人」の図が描かれてある。部屋の中央には兵士の石像が立っており、その前に台と、13個の赤いjを挿した棒が立てられている。で、石人が口を開くに
「われは龍の爪を御するものである。この戒めを以って鍵とせよ」
灰声 はあ。
GM 一番右の部屋。
芭蓮 ほう。
GM 造りは同じ部屋。ここには緑のjが11個。
「われは龍の鱗を御するものである。この戒めを以って鍵とせよ」
香瑠 芭蓮おにーちゃんの隣でーす。
GM 造りは同じ。黒いjで、数は11個。
「われは龍の顎を御するものである。この戒めを以って鍵とせよ」
英玲 灰声おばーちゃんの隣です。
GM 造りは一緒。jは青色、数は8。
「われは龍の翼を御するものである。この戒めを以って鍵とせよ」
灰声 軽く超えてるよねえ。26個だったのに。
香瑠 翼は2つでいいよね。
灰声 爪は……4つでいいのかな?
香瑠 竜のランクによりますよ、それ。
GM 今までの龍は全部四爪ですよ。
中国の龍は元来五爪です。朝鮮半島に竜が持ち込まれたとき、中国に遠慮して爪の数をひとつ減らして4つにしました。その朝鮮が日本に龍を教えるとき、「格下だから」ということでさらにひとつ足りない3本爪の龍を日本に教えました。なので日本画の龍は全部、爪の数は3つです。
じゃあ、この祠の龍はどうなのよ? ということですが。「罪を得た龍」ですから、「本来の龍よりは格下だ」という扱いになっています。
灰声 じゃあ、爪は8つ持っていくね。
芭蓮 飛来椅で運んでやろう。
香瑠 顎……顎は2つだよね。下顎と上顎。
凌稀 口を指している場合は、1個だよね。
香瑠 じゃ、1個にしよう。
灰声 鱗はいくつかな? 今いくつ?
GM 11個です。
灰声 じゃあ、あと6個かな。
英玲 でも、全部で26個って……。
灰声 じゃあ、あと15個?
GM え? 鱗は全部で11個しかないですけど。
香瑠 あれ? 龍の足って、何本?
灰声 わかった。後ろ足の爪の数が足りないんだ。あと8個持って行こう。
GM え? 赤いjはあと5個しか残ってませんけど。
香瑠 石像の龍の牙の数を思い出してみる。
GM いっぱいあったよ。
芭蓮 牙と鱗は数えようがないだろう。
英玲 翼をもう2個持って行ってみようか。
灰声 翼が4つある龍なんて知らないぞ。
芭蓮 それ以前に翼の生えた東洋の龍なんて知らないぞ。
GM ほら、肩のところにへにょへにょん、としたものがあるでしょう。あれが翼だと思うけど。
芭蓮 ええい、取り敢えず差してみよう。
GM はいな。赤が8個、青が2個、黒が1個、緑が5個。総計16個入りました。ちーん。……何も起こりませんが。
全員 うーん。
灰声 足りないのはあと10個か。
香瑠 顎を全部持ってきたらちょうどって感じぃ。
灰声 残りを均等にするのかな、と思ったんだけど。
英玲 あれ? 刻みの数が26なら、上まで詰めようとするなら27個いるんじゃないかな。
香瑠 じゃあ、足りないのはあと11個。……あ、それぞれを4つずつ残すと、ちょうど11個取れるんだけど、どうしよう。
現在の残りのjの数。赤5個、青6個、黒10個、緑6個。
えーと、そこから赤を1個、青を2個、黒を6個、緑を2個取ると……あ、11だ。
香瑠 で、足りない数が11個でしょう?
灰声 やってみよう。結局爪が9個、翼が4個、顎が7個、鱗が7個持ち出し。
香瑠 がんがんがん、って入れる。
GM 最後の1個を入れるとき、笏が「よろしいですか?」と訊いてくる。
芭蓮 今までなんにも訊かなかったのに。
英玲 順番があるのかな? 上から頭で、爪で……とか。
凌稀 翼と爪と鱗、って、どれが上?
香瑠 爪は、下かなあ?
灰声 どうだろううね。じゃあ、下から爪、鱗、翼、顎でいいかい?
GM では、かちこん、とjがはまる。その部屋全体が鈍い光に包まれて、君たちはあっという間に地上へと転送される。
灰声 あららぁ。
GM 空は急に掻き曇り、雷鳴が地を撃つ。君たちを追い駆けるかのように、地下から金色の光に包まれた龍が姿を現します。よく見ると、龍のあちこちに光の輪っかがかかっております。
灰声 わーい、よかったよかったぁ。
【十三 吠える龍神】
GM/龍神 「わしを起こしてくれたのは貴様らか。礼を言うぞ。数百年の恨み、再び天地に雷鳴を轟かしてこそ晴れようというもの。手始めにこの一帯を水底に沈めてくれようではないか」
香瑠 沈めんでいーです。
凌稀 礼を言うなら態度で表してください。
香瑠 我らはお願いの儀あって罷り越しました。まずはその願いをお聞き届け願いましょう。
GM/龍神 「ほう」
香瑠 実はこの土地は、今とてもあなたの力を必要としております。と言っても、別に水底に沈めてほしいとか、そーゆーんじゃないんで悪しからず。
GM/龍神 「なんだ、つまらぬな」
香瑠 これこれと事情を説明して、そーゆーことですので、貴公の水の力で、土地の陽気を抑えることを願わん。
GM/龍神 「われに土地神の真似事をせよと抜かすか」
芭蓮 うん。あまりにも土地神が情けないので。
GM/龍神 「面白い。ならばおのれらの実力にてわれを跪かせてみよ!」
灰声 我らが貴公を檻から解き放ってやった労ではまだ足りぬか? 貴公が破れぬものを我らが破ってやったのだぞ?
GM/龍神 「誇り高き我ら龍族が、何ゆえ人族ごときに従わねばならぬ?」
香瑠 でも好色で、よく人をかどわかしたりするよね。
GM/龍神 「ぬかしたな。手始めに貴様から食らうてくれる!」
芭蓮 わざわざ狙われるような理由を作らなくても。
GM/笏 「もはや力でねじ伏せるしかありませぬ。その後に言う事を聞かせるについては、私に秘策がございます。まずは、ささ、遠慮なく」
全員 遠慮なくぅ?
GM/笏 「ああ、くれぐれも私を壊してはなりませんよ」
凌稀 ぐるぐる回してやる!
GM/笏 「うわあああああああ」
GM しぎゃーっ! と鳴き声をあげるので、まずは意志判定を。
全員 あううううう。
芭蓮 みんな、まずはびびろうではないか!(笑)
1D+5の精神値ダメージを食らえい! と思ったのですが、意志判定の難易度で振った出目が瀕死体(笑)。
結局、英玲と芭蓮は平目で成功、香瑠、凌稀、灰声が裏成功で抵抗し、凌稀の意志が少し伸びます。
──1ターン表。
香瑠 えい、面白がって振っちゃえ。
GM (あんた、相手が龍だと思ってないな)先攻でいいよ。
灰声 まずはいつもの《以火行為炎嵐 焼》。行使値9です。
香瑠 うわ、高。
GM 裏で抵抗。(ころころ)2ターンも仙術が使えん。ま、いいか。生き延びればいいわけで。
芭蓮 生き延びられるかな?
凌稀 『護法一撃符』! えい、護法! (ころころ)14。
GM がきんっ!
凌稀 続けて二竜剣。
GM はい、裏にして避ける。反動はなし。
芭蓮 空しいのう。天転ごぅ! 続けて芭蓮!
GM ひらり、続けて裏でひらり。反動なし。
香瑠 龍さんに《禁人則不能話》。(ころころ)裏にするのぉ。
GM むむむ。これは足りんな。
香瑠 反動は3だけど。
GM にやり。「術者がひたすら集中していない限り、術はすぐに解除される」
香瑠 動けないぃ!
英玲 懐から符を取り出しまして、《誘雷怪戦叫》で打ち据えます! 裏にして19。
GM 来るなぁ! (ころころ)駄目だ。
英玲 反動は(ころころ)「1ポイント清徳値が低下」(泣)。
香瑠 大丈夫だよ、そんなの怖くないよ。
芭蓮 あんたが言うな。
凌稀 清徳値、いつの間にか5点も減ってたのね。
英玲 ダメージは13点。低いです。
芭蓮 物悲しいのう。
GM 鱗が、はげたかな。
──1ターン裏。
GM 肉弾戦を挑んできたのは、君か。(にやり)
芭蓮 のぉーっ! 俺か?
GM (ころころ)19。
芭蓮 ……目、目が、ないぞ?
香瑠 割り込もうか? それだと、全体攻撃仙術が来るかもしれないけど。
凌稀 護鬼で割り込むと、死んじゃうんだよ。生命値1点しか残ってないから。回復に9年かかるから回復できなかったの。
芭蓮 わかったよ、僕が受けるよ!
GM ダメージ13点。
芭蓮 い、1点残ってる。1点しかない(笑)。
──2ターン表。
灰声 あと4点しか精神値ないよ。
香瑠 4ターンあったら、そのうちにわたしたち、ぼろぼろ。
凌稀 精神値が危ないからなあ。相手が相手だし。
灰声 火尖槍で突きます! (ころころ)19。
GM 裏にしてでも受けておこう。食らったらただごとじゃすまないからな。「機敏または知覚が上昇」か。どっちにしても、技能値は変わらんな。
芭蓮 いまだ、天転! ダメージ10点。芭蓮! 11点。
GM うぐ。連続攻撃はどちらも回避だ!
芭蓮 今のうちに蒼玉で回復。(ころころ)うぐ、低いが9点回復だ。
凌稀 二竜剣。(ころころ)だめだなあ。自前で行くのは怖いけど……死んだらごめん。自分で攻撃。
GM あ、足りん。
凌稀 ダメージ7てーん。
英玲 効かないとは思うけど……。
GM もう一枚あったのか、ひょっとして?(びびっている)
英玲 《五行誘唱》の符を取り出して終わり。
GM ふう。
──2ターン裏。
GM 方向、転換。つまり君が消えてしまえば術が使えるようになるわけだ。
香瑠 しゅ、集中。
GM (ころころ)16だあ。
香瑠 あう、しまった。仙鳥に乗ってればよかった。(ころころ)だめ、裏にしても足りない。
GM ダメージ13点。
香瑠 ごめん、死んじゃった。さようなら、ごめんなさい!
芭蓮 ぽく。はっ、しまった、術が!
【十四 コケる龍神】
──3ターン表。
灰声 やばくなったら言ってね。師匠の一筆あるから。うちの師匠が出てきて、何してくれるのか不明だけど。
GM 「いやあ、わたし、荒事って苦手なんですよね」ってか?
灰声 あんた五遁の師匠でしょう! 火尖槍、いきます! (ころころ)裏にしました。
GM 裏にして弾く。裏反動は「機敏または知覚」がまた上がるのか? これで攻撃/受けと回避が1上がった。
芭蓮 泣くぞ。
香瑠 『一筆』使うんなら早めにね〜。全体攻撃が来てからじゃ危ないよ〜。
芭蓮 天転ごう。続けて芭蓮さん、ごう!
GM うあ、いて! 芭蓮の攻撃は回避だ。
芭蓮 蒼玉は続けて僕を回復。
凌稀 二竜剣、えい!
GM あいたたた。連続は裏にして回避だ! (ころころ)うわ、事故った!
香瑠 どしたの?
GM せっかくこのターンで全体攻撃仙術いけると思ったのにぃ〜。(5ターン仙術使用不可)
裏はばりばりやるのがボスの醍醐味。とは言いながら、連続攻撃を止めるのにまでわざわざ裏にしてたら、こういうことになっちゃうわけです。どうせ連続攻撃なんか1D点のダメージしかないんだから。
芭蓮 自爆してるからなあ。
香瑠 なんだ、わたしいなくても大丈夫だね。……ていうか、あたしの9ヶ月返せ!(←裏にしたのはあんただ)
英玲 《五行誘唱》行きます! 岩の塊をごんごんと。あったれぇ〜!
GM ぱきぃん。裏にして反動なしだぁ。(←全然懲りてない)
──3ターン裏。
GM ええい、こうなったら……。天転に攻撃! (ころころ)19。
芭蓮 12が出ないと駄目、なんですけど。は、そうか! 天転が死ぬと僕の清徳値が下がるし、時間も取られるんだった。僕が庇うさ! がば!
GM 目がないのか。(ころころ)13点ダメージ。
芭蓮 おう、また1点残り(笑)。庇ってよかったぜ。
──4ターン表。
灰声 あと2ターン。もう、呼んどく?
芭蓮 英玲も一筆持ってるから、英玲に呼んでもらおう。その間に、僕たちが攻撃できる。
英玲 ぴろりーぴろぽー。(笛の形をした一筆なのだ)
芭蓮 その間に攻撃だ。芭蓮から、とう! 12点だ。
GM んが!
芭蓮 蒼玉は回復。
灰声 行きまーす。
GM ふふ、受けを取っておいたじゃ。裏じゃ。(ころころ)清徳値はどうでもいいけど、仙骨か知覚が上がるのか。よしよし。……って、師匠が来るのか。
空を遮らんばかりの鵬に乗った葉霆子が、BGM付きでどかーんとやって来る。
英玲 葉霆子さまぁ。
香瑠 師匠によって、登場の仕方って、ほんと違うね。
で、大抵師匠が現れると、戦闘の行方って決まってしまうのね。ちょほほ。
英玲 お師匠様、あの龍を弱らせちゃってください!
GM 「任せておけ」と言うなり、葉霆子さまが響きのよい声で歌い始める。途端に見えない衝撃波が龍を押し潰す。「ダメージブロック1列は潰れたぞ」
灰声 じゃあ、勢いに乗って火尖槍。
GM これを受ける。(ころころ)あ! 反動でこけた!(笑) 攻撃/受けと回避にマイナス2だ。
芭蓮 天転ごう! 続けて芭蓮、ごう!
GM 後のは避けられんなあ。
芭蓮 ダメージは11点だ! 連続攻撃行くぞ!
GM じゃあ、龍の割り込みだ! 「ま、待て。わかった、降参する!」
龍といえども1匹で出てきたら、こんなもんです。ま、お師匠様の援護もあったしね。
……決して自滅したんじゃないやい!(泣)
龍神、撃破!
【十五 ひねくれ龍神、どつく笏】
芭蓮 どうしようか。
香瑠 退治しちゃだめー。黄泉路からの声ですけど。
芭蓮 それもそうだけどね。
GM すると、凌稀さんの持ってる笏が自動武器のごとく飛び出して、龍神の頭をぽかぽかと叩きつける。
芭蓮 相手が弱くなった途端に強気だな。
GM/笏 「これ、言う事を聞かぬか。己はれっきとした龍神であろうが」
ぽかぽか叩かれているうちに龍はすっかり大人しくなったようだ。
「結局、わしにどうせよというのじゃ」
芭蓮 さっき言ったとおりだよ。邑を救って欲しい。
GM/龍神 「わしに雀の涙のような雨を降らせよというのか」と凄む龍神の後頭部を、笏がぽかんと叩く。
灰声 きちんと邑の者に言って、あなたをお祭りするように言いますから。
GM/龍神 「ふざけるな。そんな雀の涙のような雨を降らせられるか。どうせ降らすなら、盛大に……」(ぽかり)
凌稀 お願い、聞いてくれます?
GM/龍神 「わかった。言うとおりにする。その代わり、この近くにある大きな川のほとりに、わしを祭る祠を建ててくれ。人間の祭祀というのは、わしらにとっては大きな力になる。人間がいつ雨を望んでおるかを知るのにも都合がよい。それが嫌なら、わしは知らん……あいてっ!」
灰声 わかった、そのようにしよう。
香瑠 土地の人間の感謝は汝の力となるであろう、と言いたいけど死んでる。
GM じゃあ、葉霆子さんが冥界から魂を呼び戻す曲を奏でてやろう。気がつくと元の体に戻っているぞ。
香瑠 あれー? 苦しまずに逝けるというのは、ああいうことなのかぁ(笑)。
GM/龍神 「祠ができるまでは、いごごちは悪いがこちらの祠で我慢してやる。急ぎの雨であろうから、ひと月の間に造れよ」
香瑠 龍のおじちゃん、お別れに押し花あげるね。
GM 龍神は顔色を変えずに、その押し花をごくりと飲み込むと、空へ向かって高く高く咆哮する。すさまじい風が吹き、はるか彼方から黒い雷雲が広がってくる。龍はさっとその雲に飛び込んだかと思うと、それこそ嵐一歩手前のように、雷と雨を惜しみなく辺りに振りまいていく(笑)。
香瑠 り、龍のおじちゃん……。あ、お名前聞くの忘れちゃった。
芭蓮 龍さんでいいんじゃない?
GM/笏 で、笏が手許に戻ってくる。「祠に納められるまでは、道士どのが私を持ち運ばれるのがよろしかろう。万が一、龍が駄々をこねたときはい、私がいうことを聞かせられますしな」
凌稀 今、駄々こねてませんか?
香瑠 どうして龍が元気だったときは何もしなかったのに、そんな安請け合いできるの?
GM/笏 「私がくるくると飛んで行っても弾かれて終わりではないですか」
香瑠 相手がぐったりさんじゃないと、おじちゃん役に立たないのね?
GM/笏 「こう見えても私、デリケートでありますから」
芭蓮 や、役に立たん(笑)。
GM/笏 「なに、ひと月でございます。あっという間、あっという間。ああ、くれぐれも壊さぬように気をつけてくだされよ」
凌稀 わかったわかった。
香瑠 毎日研磨剤つけて磨いてあげるね。
凌稀 いや、筆で落書きするのもいいかも。
GM/笏 「うぎゃー!」
灰声 王様と土地神、どっち先に行く?
香瑠 土地神さんかなあ。
GM 邑に帰る途中で、邑を出てきた例の風神たちとすれ違うよ。
香瑠 あ、おじちゃん。
灰声 おかげさまで。
GM/風神 「おかげさまはこちらだ。雨が降った……我らはもう用済みだし、長居をすれば煩わしいこともあるだろうからな」
香瑠 おじちゃんたち、大丈夫?
GM/風神 「大したことはない」
香瑠 じゃあ、押し花あげるね、にこにこ。
GM/風神 「ありがとう。我らはまた旅を続ける。100年にはまだ時があるからな。どこかの空の下で会うことがあれば、今度はゆるりと語り合おう。我らのことや、長い旅路のことを」
香瑠 あんまり無茶したらだめだよー。100年経ったら、また会おうね。
……で、土地神です。
GM/土地神 「いやあ、雨が降りました。よかったよお」
灰声 10年経ったら元に戻るのだから、頑張るのだぞ。
香瑠 竜神さんと喧嘩したらだめだよ。
GM/土地神 「はい、はい、前向きに頑張ります」
灰声 で、王様にも言っておこう。かくかくしかじかなので、祠を建て、手厚く祀りなさい。
GM/王 「は。あの、祠というのは、土地神さまのような祠でよろしいのでしょうか?」
灰声 と、思うんだけど、笏、笏!
GM/笏 「もちろんお任せいただければ、ピンからキリまで、ありとあらゆる祠、の建て方をお教えいたしましょう」
芭蓮 さあ、王様。驚け。
GM/王 「ふ、腹話術?」(笑)
香瑠 みんなの心が伝わるようなものであれば、よろしいのではないでしょうか。現状で、それほど華美なものは無理でしょうし。
GM/王 「よろしければ、祠ができるまでこの邑に留まり、ご指南いただけましょうか?」
凌稀 ま、いいか。ひと月、この笏を持っておかないといけないみたいだし。
GM/王 「ありがとうございます」
GM というところで、シナリオ終了。3点の清徳値、から1点を引いて、2点ですね。
香瑠 あう。ここのところ、全然清徳値稼いでなーい。
灰声 また濁業値を2点も稼いでしまった。生きるって汚れることなのね(笑)。
ざんざらと雨が降る。かすかに鳴るは、龍の溜息。
地に恵みあれ。人に恵みあれ。渇きを潤せ。
心にまた、恵みあれ。また、乾かぬように。
〈一人閑話〉
はい。『央華封神・砕坤篇』第四回をお届けいたします。もう詰まんない洒落言うのはやめました。ネタが尽きたもんで。
……さて!
いやあ、無茶やったなあ。と自分でも思いました(笑)。シナリオを練っていた段階で、どうも話が「成龍と喧嘩する」という方向に固まってしまって、一時はシナリオ破棄まで考えたんですが。
「あ、フルパワーの成龍と喧嘩しなけりゃいいんだ」
ということに思い立って、龍檻祠が出来上がったわけです。龍の戒めの効果はお分かりですね。
龍の技能値合計って44もあったんだぁ、知らなかったなあ、僕(笑)。
ただ、プレイヤーたちが考えていたような「龍の体にちなんだ数」のほうが趣があってよかったなあ、と少し反省。「j」なんて面白いものを持ってきて、実は単なる技能値さ、っていうのも、考えてみたら寂しいですし。
今回は少し難易度が高かったかもしれないです。雨乞い師に喧嘩吹っかけてたり、間違えて最後の罠に引っかかったりしたら、即死の可能性もあったですから。
僕としては、そんな緊張感が、やや快感(笑)。
……あとでプレイヤーに思いっきり叱られました。何考えてんだ、と……。
以下次回!