恋☆裏  第1話「風のない日」    by 種 様





      中2の春――

      恋をした





「え!?亞芽ちゃん好きな人できたん!?」

その大声で2年2組の今日が始まったo
その日の「大発表」はこれに決まりだったo
「こ・・声でかいわアホ!!」
「それってうちのクラスやろ!?」
「なんでなっちゃんが知っとんねん!!」
「誰かも当てたるわo」
「うわ!大きい声で言わんといて!」

『謙君やろ!?』


亞芽の恋は突然だったo
相手は同じクラスの宋崎 謙o

「うそやん!なんでなっちゃんが知っとんねや!!」
「そやかてうち、もうずいぶん前から気付いとったよ??」
「なんでや!」
「亞芽ちゃん謙君の前ではずっと喋りっぱなしやったやろo亞芽ちゃん照れるとマシンガンやもんねo」
「なっちゃんにはなんも隠せへんわ・・・・o」
「まぁがんばりvvやっとまた好きな人が出来たんやけvvおめでたいこっちゃ!」



友達に好きな人が出来たくらいで普通はこんなに騒がないo
でも亞芽にとっては1年ぶりの恋だったo


「亞芽ちゃん1年前別れたコのことずーっと忘れられへんで新しい恋どころやなかったんやもんね〜vv」
「も〜!!英二の事は思い出させんといて!!また泣きそうやわ!」
「ええやないのoええ加減忘れんと、謙君の事夢中になれへんよ??」
「わかっとるっちゅーねん・・・・」


亞芽にとって「英二」は簡単に忘れられる相手ではなかったo
「別れた」とゆうより「捨てられた」に近かったからだo
今やっと普通になれたのも、菜未が必死になぐさめてくれた過去があるからだったo


「まんまに、ええ加減ケリ付けんと謙君に失礼やね・・・・」
「そうそうo謙君きっと亞芽ちゃんの心埋めてくれはるよ!」
「あっ!そういやぁうち、なっちゃんに聞いて欲しい事あったんよ!」
「なに?」
「あんなぁ〜vvうちの苗字は[凛崎]やん?謙君の苗字は[宋崎]やねん!!!」
「それがどうかしたん?」
「気付けや〜なっちゃん!!苗字の[崎]が一緒やん??これも運命やと思わん?!」
「・・・・・・・」
「あ〜もう本当謙君カッコエエわ〜vvうちなぁ〜もう決めてん!!謙君オンリーに なるねや!!」
「そ・・・それはエエ事やねoま・・・まぁがんばりぃo」
「英二の事は忘れるんや!!謙君があんなにカッコエエのにうちボケッとしとる場合 とちゃうやん?はぁ〜!もう興奮して倒れそうや!!なぁなっちゃん?」
「・・・・ごめんoうち亜芽ちゃんの話ついていけへんわ・・・ι」



すると突然



「おーい!!菜未!!」

菜未を呼ぶ大声の主は、隆司だったo



「なっちゃん!隆司が呼んどるよ!!」
「はぁ〜oもう嫌やわo隆司の周りを気にせん性格でうちが今までどんな恥ずかしい 思いをしたかわからへんわo大声で呼ばれたら恥ずかしくて行けへんゆうとんのに・・・・」
「許してやりぃo愛されてる証拠やんvvええなぁo彼氏がおる人はv」
「チャカさんといて!ホンマに少しでも優しくしたらつけあがんねんo隆司はo」

「お〜〜〜い!!!菜未!!聞こえとんのか!!はよう来い!」

「あぁもう聞こえとるわ!!ちょっと待っとって!!ほな亞芽、悪いけどちょっと 行って来るでoそうせな隆司がうるさくてかなわへんわ」
「エエよo1時間目始まるまでには帰って来んと、数学やでoあの先生なんかしよっ たらすぐ廊下に行かせるやんo嫌やわ〜!無事生還を祈るで!!」

そして菜未と隆司は教室の外へ出て行ったo
あんな事を言っていても、本当は「菜未も隆司の事が好きでたまらない」のが
本当のところだoそうでなければ、結局付き合っていけないのがオチだろうo

「うちもいつか謙君とああなりたいわ・・・o」
亞芽がトロンとした顔でそう言った時、突然後ろから声がしたo

「俺がどうしたん??」
「うわ!!」
「そないに驚く事ないやん!!俺傷つくわ!!」
「け・・・・っ!!」
相手は謙だったo
「今俺がどうとかつぶやいとらんかった??」
「な・・なんもゆうてへんよ!!」
「ほうか?ほんならエエけどなo」
「そうやoほんまにな〜んもゆうてへん!」
「まぁエエわoそれにしても蓮池と隆司は仲エエなぁo」
「なっちゃんの事??ああ・・・さっきの見とったん??」
「おうoあっちで見とった!!」

亞芽にとって、謙とごく普通に話す事は決して簡単な事ではなかったo
隣でどこか遠くをながめる謙を見上げるたびに亞芽の鼓動は大きくなったo


(――――自分の心臓の音しか聞こえへんわ・・・o)


亞芽は自分の周りの時間だけ止まったように感じたoいっそこのまま止まってしまえ ばいいと何度も願ったo
誰がなんと言おうと、もう亞芽の中には謙の存在しかなかったのだo


「・・・??お前、顔赤いんとちゃうか??」
「・・・・へ??」
「さっきからボケっとしとるやんo保健室連れてっちゃろか??」
「いや・・・oエエよ別にo今日はもう帰るわ・・・」
「まだ1時間目も始まってないやんo先生にゆうといたろうか??」
「おおきにo助かるわ謙君・・・・o」


亞芽は学校を早引けしたoとゆうよりさぼったというほうが近いo
本当はどこの具合が悪いわけでもないo顔なんか赤くても、熱がある訳じゃないo
あれ以上、謙の事を考えたくなかったからだったo


あまりにいとおしくてo

亞芽はココまで謙に恋した自分が信じられなかったo
ふとした拍子にoある日突然にo
大好きになったo


「信じられへんわ・・・oうちこんな子やったっけ・・・・??」


帰りの静かな道でつぶやいたo
亞芽は、今日は夢も見ないで思い切り寝たいと思ったo


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作者様のお言葉 / こんにちわo種デスo なんだか題名の意味を知りたがってた人が多かったのでココで大発表しちゃいます! 「恋☆裏」とは、「恋の裏がわ」の略デスoふだん見ていて分からない恋愛の裏を 表現できたらいいなと言う思いでつけましたo関西のコ達を登場人物にしたのは、 「角度を変えて恋愛を見ている」気分になれるからですo登場人物たちの苗字とか名前、読めなかったら気軽に質問してください☆★

方野の感謝の言葉 / 種様から頂きました! 亞芽ちゃんたちの初々しい姿に忘れかけていた青春時代を思い出すようです。関西弁の会話って元気が良くて楽しいですよね。種様、どうもありがとうございました! 続きも楽しみにしております!