赤防災ずきんちゃん
時は戦時中の日本、ある町にとても赤の防災ずきんの似合う女の子がいました。
その女の子はあまりにも可愛く、目立つため、
みんなからは「赤防災ずきんちゃん」と呼ばれていました。
ある日、赤防災ずきんちゃんはお母さんに呼ばれました。
「赤防災ずきんや、お使いに行ってくれないかい?」
すると赤防災ずきんちゃんは、
「ええ、いいわ。どこへおつかいにいくの?」
と、お母さんにたずねました。
するとお母さんは、
「町のはずれの防空壕に住んでいるおばあちゃんに日本酒と乾パンを届けておくれ。」
といいました。
赤防災ずきんはこころよくこれを承知すると、早速出かけていきました。
「おばあちゃんの防空壕は、この森をまっすぐ行った所ね。」
と、赤防災ずきんはいうと森の中へ進んで行きました。
森の中は意外に明るく、鼻歌を歌い、すこしハイになった赤防災ずきんは
ときには弾み、ときにはターンするなどかなり軽快に進んでいたので、
予定より早く防空壕へ着きました。
おばあさんの防空壕へ入り、赤防災ずきんは
「おばあちゃん居るの?」
と呼びかけました。
すると奥から、
「アカボウサイズキン!ヨクキタネ!コッチヘオイデ!」と、
呼ぶ声がします。
「おばあちゃんなの?」
赤防災ずきんちゃんは声がした方へ進んで行きました。
すると大きな畳の部屋があり、布団が大きく膨らんでいました。
「おばあちゃん、お母さんから頼まれたもの持ってきたんだけど・・・。」
赤防災ずきんちゃんがそういうと、
「オウ!アカボウサイズキン!ツカレタデショウ、フトンニオハイリ。」
と声が聞こえます。
「わかったわ!」
赤防災ずきんはそれに従い、布団に入りました。
「ソトハ、サムカッタデショウ?カゼヒカナカッタ?」
「あれ?おばあちゃん、なんでそんなに声が渋いの?」
と、問い掛けると
「コレハネ、ムカシ、カラダニヨクナイガスヲスッタカラダヨ。」
と答えました。
「あれ?おばあちゃん、なんで目が青いの?」
「コレハネ、オマエノアカヲミスギテ、チノケガヒイタカラダヨ。」
と答えました。
「あれ?おばあちゃん、この背中の無数の傷はなに?」
「コレハネ、ベトナムデツイタキズヨ。ソノトキオレハ、バッタバッタト、テキヲタオシ、
ショウサニマデノボリツメタノヨ。」
と言いました。
(ベトナム?たしかおばあちゃんはインドネシアのはずなのに・・・。)
疑問に思った赤防災ずきんは、よくおばあちゃんを見ました。
すると、アメリカ兵でした。
しかし、赤防災ずきんは動じず、
「おばあちゃん、用事はすんだから帰るね」
といい、大急ぎで特別警官隊へかけこみ、アメリカ兵は捕まりました。
赤防災ずきんが後から知った話によると、おばあちゃんは司令官として戦艦に乗ったとき、
このアメリカ兵を見つけ、
「私の船に乗りこむなんて敵ながら天晴れなやつ」と、
このアメリカ人をスパイとしてそばにおいていたということです。