最後に小説(長文) <地雷源の小悪魔>テトテト・ナイナ 2003/03/31 22:26:35
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| テトテトは湿っぽく薄暗い通路を歩いていた。 てとてと。 てとてと。 ととてとと。 そう、あの日もこんな風に歩いていた。 はじめてこの町に訪れようとして、あの瞬間。 今でも昨日のように、覚えている。 あの浮き立つような高揚感。 わくわく。 どきどき。 わくわく。 どきどき。 期待と希望に、胸ふくらませ、歩いていたのだ。 そして、その先には扉。 テトテトはその扉を一気に押し開ける。 その先には光。 テトテトはおもわず、腕をかざす。 ……そう、あの時もこうしたんだっけ……。 テトテトはそう思うと、笑った。 心の底から。 腹の底から。 そして……。 「やっほ、アレン」 連れに声をかける。 テトテトの連れの青年は、突然、笑い出したテトテトをいぶかしげに見つめ、「なんで、笑ってるんだ?」と不思議そうに問う。 テトテトはただ、「おもしろかったから」と、まるっきり答えになってない返答を返した。 目の前にはチューリピオ。 神の花を求め、多くのハンター達が駆け抜けていった町。 それは、あの時とは反対に、ゆっくりと遠のいていく。 「ずいぶん長くいたねえ、あの町に……」 しみじみとテトテトは呟く。 「そういや、そだなあ……。2、3年はいたもんな」 そう、こんなにも長居した町はなかった。 タメをはるとしたら、リルガミンかしらん。 などと、チューリピオとはまるで関係ない、想いが頭によぎる。 「とりあえず、むかついたよね……」 「ん?」 テトテトは、身を乗り出すように、手すりに寄りかかる。 「ふらわーじょん」 多くのハンターを、冒険に走らせた神の花。 それは彼の戯れ言。 嘘八百。 そう、神の花なんて物は、はじめから存在しなかったのだ。 「……まあな……」 そう言うと、アレンは苦笑し、肩をすくめてみせる。 「でも……」 その時、船の揺れが大きくなった。 「でも……」 そう、外洋に出たのだ。 町はテトテトが「でも……」と、繰り返すたびにだんだんと、だんだんと、小さくなっていく。 いずれ、チューリピオも、グラブランドというその大地も、水平線の彼方に消え失せるのだ。 あの大地に刻んだ悔しさや、怒り……そして悲しみ。 それら全てを覆い尽くしてあまりある楽しかったこと。 その全てが消えようとしている。 その向こう側に、消えうせる。 「でも……」 テトテトはすっくと右の親指を空に突き上げ、叫んだ。 「でも……楽しかったぞフラワージョン!」 そして、両手を広げ、くうるりと回転する。 「ゆえに、テトテトの大勝利!」 「なぜに?!」 「ど〜してもったら、ど〜しても♪テトテトが勝ちと決めたから勝ちなの♪」 テトテトはYOU WINとばかりにポーズをとる。 「さあ、行くよアレン」 テトテトは駆け出す。 「どこへ?」 「どっか!」 「どっか……てどこだよ!」 「ど〜〜〜〜〜〜〜っかああああああ」 テトテトは走る。 どこまでも走る。 そう、どっかへ……。 この青い……、青い……、空の下かけ続けた。 「こら、甲板の上を全力疾走するんじゃない!」 アレンにもっともな説教を受けながら。 | ||
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└真似(長文) らせつ 2003/04/01 02:28:16
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