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最後に小説(長文)

  最後に小説(長文) <地雷源の小悪魔>テトテト・ナイナ 2003/03/31 22:26:35 
  真似(長文) らせつ 2003/04/01 02:28:16 
Re: 最後に小説(長文) [返事を書く]
真似(長文)

名残を惜しむように、らせつは背後へ振り返った。
ひょうと冷たい風が吹き抜ける。
今まで何ということもなく駆け回っていたチューリピオの町並みが、
色の抜けた古絵のように閑散として見えた。

ギルドにはサー・ギルグッドが偉そうに座っていて。
ダリアではアケミさんが忙しく働いていて。
何も、何も変わらない、いつも通りの町並みなのに。

『彼ら』のいない街はまるで廃墟のようにしずかで、さみしい。

(………)

手元に目をやる。
いまだアームズの感触が残る、素手。

自分の半身とも言うべきメガトンナックルは、下宿先の部屋に置いて来た。
アレには思い出が詰まりすぎていて、持って行くにはいささか重過ぎる。
もう終わってしまう世界ならば
せめてその思い出を手向けにしようなどと…思ったのかもしれない。

もう一度だけ、らせつは町並みを眺めた。
かけがえのない友と、忘れられない敵と、沢山の出来事に出会えた、あの町並みを。

そして笑う。
感じる悲しさやこみあげる涙とかを精一杯の力でこらえて。
ただただ、笑う。

「じゃあ、楽しかったぜ!」

そう言って、らせつは町に背を向けて歩き出した。
おそらく最後の便であろう連絡船が港に停泊している。
船上には此処で知り合った戦友の姿もある。

「バイバイ、チューリピオ」

船に乗り込む直前、隙間風のように漏れた一言は、泣いているように震えていた。
らせつ <iecdsiirou> 2003/04/01 02:28:16 [ノートメニュー]


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