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終了のホイッスルが鳴って、歓声と溜息が入り混じるグランドの中。 誰よりも、何よりも、大切な人が、同じチームのメンバーと肩を叩きあう姿が目に飛び込んでくる。 喜びあい、その労を互いにねぎらう彼は、自分が今まで見たことない笑顔を周囲に見せていた。 あんな笑顔ができたんだ... 予選第一回戦。市立南中学は、都内でもAクラスに入る常陽第一中と対戦し、4−1で快勝した。 誰もが予測しなかった番狂わせ的な試合結果に、試合を観に来ていた観客から様々な声が囁かれる。 最初の話題は、金髪のFWに集中していた。技術といいセンスといい、彼の能力は、市立の部活レベルとは桁違いと言ってもよい。誰もが口々に彼の事を話している。ひとしきり彼の話題が出揃うと、次の話題の中心はGKになる。 金髪の彼同様、今まで見たことないGKの活躍は、誰もが目を見張るものだった。強豪相手に失点「1」で抑えたことにより、彼の名前は金髪のFWと同様、近在の中学にその名を知られてしまったようだ。 守護神、不破大地。攻めの要、佐藤茂樹。 あちらこちらで囁かれている二人の名前を耳にしながら、渋沢克郎はグランドを後にした。 渋沢は、南中学と同じ地区にある武蔵台中学サッカー部のGKである。武蔵台は全国大会でも、その名を連ねるほどの強豪だ。そのチームのキャプテンを務め、また守護神でもある渋沢が、わざわざ無名中学の、それも予選第一回戦を観戦するなど、奇妙な出来事である。偶然、渋沢の姿の気が付いた連中が、口々に囁いていた。それは当然、渋沢の耳にも入ってきたが、渋沢は完全に無視をした。いや、無視と言うよりは、気が付かないと言った方が正しいかもしれない。 それ程、渋沢はグランドでプレーする彼の姿に集中していたから。彼以外の何ものも、渋沢の気を引く事が出来なかった。 一人、グランドを後にした渋沢の目には、彼の笑顔が焼き付いて離れない。笑顔といっても、彼を知らない人から見れば、とても笑っているとは思えないだろう。それ程、彼の表情は変化らしい変化がみられない、つまりは無表情な顔だった。けれども、幼い頃から知っている渋沢にとっては、彼は確かに笑っていた。同じチームのメンバーと勝利を喜び合い、対戦相手と互いの健闘を讃え合う。人付き合いが苦手で、孤立しやすいと思っていた彼の姿は、どこにも見えなかった。 あの男が彼を変えた... 渋沢は立ち止まり、思わず空を見上げた。自分は今まで何をしていたのだろうと。今まで、彼を守ることしか、彼の手を引いてやることしか、考えていなかった。彼のそばにいて、彼が傷つかないように、大切に包み込んでやることが、自分の役目だと信じていた。このポジションは誰にも譲れない、誰も自分の代わりなど出来はしないと思っていた。 保護欲は、次第に独占欲へと変化する。 気が付けば、彼を独占することで、彼を自分の中へと閉じこめていたのだ。彼には自分が必要なのだと。自分がいなければ、彼は一人で生きていけないのだと、そこまで思いこんでいた。だが、それは間違っていた。彼は自らの手で檻を開けて、自分の手から離れていった。離れて、彼は自由になった。そして自分の心配など全く不要であることを、こうして見せつけた。 彼には...大地には、もう自分など必要ないのだと... 口元を抑えた手が、微かに震えだす。そして、ようやく渋沢は気が付いた。一人で生きていけなくなっていたのは、自分の方だったのだと。彼がそばにいなければ、彼がいなければ、自分は生きていけないと思うほど、自分には彼が必要だった。けれども、彼にとって自分の存在は、自分が思うほどの存在ではなかったのだ。 彼が選んだのは、自分ではなかった。ただ、それだけの事実が、渋沢の心を凍り付かせる。 渋沢の脳裏に、金色の髪を持つあの男が浮かんでは消えていった。 もう誰も....愛することなどできはしない... 重い足取りで家に帰れば、陽が傾きかける時間になっていて、かなり長い時間、ほっつき歩いていた事に気が付く。渋沢は溜息を一つ、盛大に吐くと、玄関のカギを開けようとして、ふと、隣の家に視線を移した。それは大地の家だった。幼い頃から、大地は自分と一緒だった。渋沢がサッカーを始めて帰宅が遅くなると、大地と過ごす時間が少なくなった。 だが、その分、帰宅した渋沢を見つけると、大地は直ぐに家から飛び出してきた。そして、渋沢の家で、今日の出来事や他愛ない話をして帰っていった。 一人でいることが多かった分、一人が嫌いだった大地。大地には、友人らしい相手がいなかった。それは、自分がそうさせてしまったのだろうけど。誰とも付き合わないように、自分以外の誰にも触れさせないようにしていたから。大地を閉じこめていた自分。飛び出されて、自分にはもう何も残っていない。 情けない...これ程、自分が弱かったとは! もう一度溜息を吐くと、渋沢は仕方なく玄関を開けようとした。その時、渋沢の目の隅に、小さな人影が飛び込んできた。はっとして振り返ると、そこにいたのは5、6歳くらいの子供だろうか?小さな身体で、じっと渋沢を見上げてくる。この瞳は....まさか?渋沢もじっと相手を見つめ返す。すると、小さな口唇が微かに震えた。 「...大地を知らないか?」 きょとんとする渋沢。大地の事を知っているこの子供は、もしかして? 渋沢は大きな体を屈めて、その子供の顔を覗き込む。 薄茶色のやや堅そうな髪。大きな瞳は、子供とは思えないほど鋭い輝きを放っている。 小さいながらも、すっと通った鼻筋。形の良い口唇。細い顎。 似ている...大地にそっくりだ... 「キミはどこの子かな?大地の事、探しているの?」 怯えないように、出来るだけ優しく話しかけると、その子供は首を傾げて、また同じ質問をしてくる。 渋沢は、その仕草を見て、これは絶対にそうだと確信する。 「大地は、今、この家にはいないよ。はとこのお兄さんのマンションに行ってるんだよ。」 「京介のところか?今日は帰ってこないのか?」 渋沢は苦笑いする。「大地」「京介」と呼び捨てにするこの子は、間違いなく... 「え〜っとね、大地のお父さんとお母さんが遠くにお仕事で出かけちゃったから、今、大地は京介さんの所で暮らしているんだ。」 すると、その子はむっとした顔をして叫んだ。 「聞いてない...オレは京介から何も聞いてない!!」 渋沢はちょっと驚いて、でもすぐに気を取り直して、もう一度、その子に聞いてみる。 「キミ、お名前は?もしかして、大地の...」 「オレは黒須京弥(くろすきょうや)。大地のはとこだ。京介ともはとこだゾ。」 渋沢が思わず、吹き出してしまったので、京弥はむっとした顔をした。 慌てて、渋沢が京弥に謝る。 「ごめん、ごめん、笑ったのは、京弥くんが大地にそっくりだから...」 「おまえは誰だ?」 「ボク?ボクはね、この家に住んでいる、渋沢克郎といいます。」 「大地のお隣さんか...聞いたことあるゾ。」 渋沢は微笑んで、京弥の頭を撫でてやる。京弥はまたしても、むっとしている。 子供扱いがキライな子供らしい。その仕草が可愛いらしくて、可笑しくて、渋沢はまた笑った。 「何が可笑しい?よく笑うヤツだな、おまえは...」 腕を組んで、渋沢の事をじっと見てくる。 遺伝とはいえ、これほど似ていると、渋沢は一瞬、幼い頃の大地が戻ってきたような錯覚に捕らわれる。 すると、 「京介のマンションだな?了解した。」 京弥はスタスタ歩き出した。渋沢は驚いて、京弥の腕を掴んだ。 「何だ?」 「京弥くん、何処に行くの?って言うか...何処から来たの?」 渋沢の質問に、京弥は目をぱちくりさせながらもテキパキと答えた。 「オレの家は、N市にある。今日は幼稚園が午前中だけだったので、久しぶりに大地と遊ぼうと思ってやって来たのだ。けれど、いくら待っても帰ってこないから、おまえに大地のことを聞いたのだ。大地が京介のマンションに行っているとは、誰も教えてくれなかった。京介とは昨日、会ったばかりだというのに! これから、大地と京介に会って、二人を怒ってやるのだ!」 渋沢はまた、声を上げて笑い出した。幼稚園生とは思えない口調だったが、最後の「怒ってやる」は如何にも子供らしい。つまり、拗ねているのだ、京弥は。 「くっくっ...ところで、京弥くん、どうやって此処まで来たの?N市は此処からバスで20分もかかるんだけど...おウチの人は何処にいるの?」 「だから、そのバスに乗って此処まで来たのだ。」 「えっ?バスに乗ってって...おウチの人は?」 「??たかが、はとこの家に遊びに行くのに、家の者は関係ないだろう?」 「ええっ!?じゃあ、一人で此処まで来たの!?」 「あぁ、オレの場合、まだ就学前だから、バスはタダで乗れるからな。」 「うっそ...」 「嘘ではないゾ。これくらいで何をそんなに驚いているのだ?」 渋沢はぽかんと口を開けてしまった。さすが、大地と京介のはとこである。血は争えない。しかし、父兄同伴でなければ、通常、バスには乗れないハズだが...この調子では、何処かの家族に紛れて乗り込んできたのだろう。渋沢は、大胆な京弥の行動にがっくり肩を落とした。 「京弥くん、おウチの人は、京弥くんが此処に来たことを知っているのかい?」 「あぁ、さっき電話して教えたからな。」 「電話って...」 「携帯電話だ。おまえは持っていないのか?今時、珍しいヤツだな。」 持ってますよ!一応ね!! けど、普通の幼稚園生は、そんなもの持ちませんよ!! 思わずツッコミを入れたくなった渋沢だったが、黒須財団の若き党首、黒須京介のはとこでは仕方ないと、またがっくり肩を落とす。確か、大地も京介に買って貰った、とか言ってたっけ...。ふと、渋沢は気が付いた。そうだ、大地も携帯電話を持っていた。 「京弥くん、大地の携帯に電話してみた?」 「あぁ、さっき電話してみたのだが、電源が切られているようだった。」 「そうか...まだ、後片づけとか、いろいろと用事はあるから...」 「??何の事だ??」 「えっ?あぁ、大地はね、サッカー部に入ったんだよ。」 「???」 「えぇっと、つまり...大地は3週間ほど前に、武蔵台中学から南中学に転校して、そこのサッカー部に入ったんだ。今日は、夏の大会の予選第一回戦でね。大地の学校は勝ったんだよ。2時間ほど前に試合は終わったから...そうだね、今頃、学校に戻って...」 「聞いていない...」 「へっ?」 「オレは大地がサッカーを始めたなど聞いていないゾ!!」 「...」 「何故、皆でオレに隠し事するのだ!!子供だと思って馬鹿にして!!」 「きょ、京弥くん...?」 小さな拳を振り上げて叫ぶ京弥を、渋沢は困り顔で見つめる。大地にうり二つの顔立ちだったが、中身はかなり違うようだった。京弥は大地より、感情の起伏がはっきりしている。まだ、小さな子供せいかもしれないが...。 当たり前だ。この子は、大地に似ているが、大地ではないのだから。 渋沢はふっと溜息を吐くと、携帯をポケットから取り出して、大地の住むマンションへと電話する。当然、まだ帰宅していない。だが、留守電の機械音がして、渋沢は簡潔に大地へメッセージを入れる。京弥の事、そして、京弥をしばらく預かるから、メッセージを聞いたら迎えに来て欲しい事。簡潔にそれだけを録音させる。京弥は渋沢のしている事をじっと見ていたが、渋沢がメッセージを入れ終わってから、小さな声で聞いてきた。 「オレはどうすれば良いのだ?」 渋沢はくすりと笑った。 「ちょっと時間がかかるかもしれないけど、大地に迎えに来るように言ったから、ボクの家で待っているといい。」 「??京介のマンションなら場所を知っているゾ。」 「でも、其処まで行くのは京弥くんの足では、ちょっと遠いからね。ウチで大地が来るのを、待ってた方がいいんじゃないのかな?」 「う〜む...」 京弥は腕組みして、首を傾げている。その仕草は大地そのもので、渋沢は目を細めて見つめている。 「わかった。では、おまえの家で大地が来るのを待つとしよう。」 「うん!では、どうぞ、入って下さい。」 渋沢が玄関のドアを開けると、 「では、お邪魔する。」 と、京弥はそう言って、クツを脱いだ。後から家に入った渋沢は、笑いを堪えることが出来ない。 どこまで...大地にそっくりな子供なんだ... くすくす笑っていると、京弥はまた首を傾げている。リビングに入って、京弥にソファに座るように言うと、京弥から小さな音が聞こえた。渋沢が目をぱちくりして、京弥を見ると、京弥はお腹を両手で押さえ、顔を真っ赤にしていた。今の音は...渋沢が微笑んだ。 「京弥くんは、ホットケーキ好きかな?」 京弥の顔がぱっと明るくなる。 「うん!大好きだ!!」 「そう、じゃあ、ちょっと待っててね。」 渋沢は満面の微笑みで、キッチンへと向かう。その後を、京弥がついてくる。イスの背もたれにかかっていたエプロンをさっと身に着けると、渋沢は手際よく、準備を始めた。小麦粉、卵、シロップに...その手際良さに、京弥は驚いた顔をして、じっと見ている。しばらくして、良い匂いがしてくると、京弥の目の前に、こんがりときれいに焼けたホットケーキをのせたお皿が並べられた。さらに、形良く剥かれたりんごやオレンジといった果物に、牛乳が置かれて、京弥は目をぱちくりとさせた。 「すごいな...おまえ、こんな短時間でこれだけ作れるなんて...天才だな!」 たかが、これくらいで...渋沢は、くすくす笑った。 「さぁ、どうぞ。召し上がってください。」 「うん!いただきます!!」 京弥は目の前に置かれたものを、口いっぱい頬張って、食べ始めた。 その様子は、やはり子供らしく、渋沢は目を細めて見つめる。 「もの凄く、美味しいゾ! おまえ、やっぱり天才だな!!」 「誉めてくれて、ありがとう...くっくっ...」 渋沢は笑いが止められない。たったこれくらいで喜んでくれるなんて...渋沢は久しぶりに笑ったような気がした。 その時、元気良く食べていた京弥の手が、ふと止まった。 俯いて、何か考えているような、思い出しているような様子に、渋沢は「?」顔で、京弥の顔を覗き込んだ。 「シズが作ったものに似ているな...」 「京弥くん?」 京弥は、ぱっと顔をあげた。 「シズはオレを育ててくれた人だ。」 「?」 「先月、病気で死んでしまった。もの凄く、ばーさんだったから仕方ないと、皆に言われた。今は、別なヤツがオレの世話をしてくれているが、そいつが作るのは下手クソで、あまり美味くないのだ。」 「京弥くん...あの...」 「オレの母親は、別な男のところに行ってしまった。オレの父親は、オレが生まれて、すぐに死んでしまったから、つまり、母親はとっとと再婚してしまったのだ。オレには身内らしい身内は、京介と大地くらいだったから、オレは京介の家に引き取られて、シズは京介が連れてきた、オレの養育係だった。」 「...」 「母親は、どこかのお嬢様らしく、料理など全く出来なかったようだ。オレの記憶では、母親の作ったものを食べたことがない。全部、シズが作ってくれた。ホットケーキもよく作ってくれた。おまえのは、シズが作ったみたいに、もの凄く美味いゾ。」 京弥はそれだけ言うと、またぱくつき始めた。頬張りながら「美味い!」と言って、渋沢ににっこり笑ってくれた。 その笑顔はとても可愛いらしいが、どこか痛々しい印象があった。渋沢は思わず、京弥の頭を撫でてやった。 はとこの京介は、数年前、たった一人の近親者である祖父を亡くして、若干14歳で黒須財団の党首になったと聞いた。渋沢は、京介には何度か会ったことがあるが、すでに大人とかわりなく仕事をしているせいだろう、自分より二つ年上だとは思えないくらい、彼は大人びていた。 京介も京弥同様、大地によく似た顔立ちの青年だ。大地が17歳なると、京介のように立派な青年になるのだろうと、渋沢は密かに期待していた。だが、常識では考えにくい境遇のせいか、京介の瞳はどことなく翳りを帯びていた。大地とは少し異なる瞳の色合い。 京弥の瞳は、大地より京介の瞳に似ていると思った。 一人ぽっちの境遇。 けれど、大地も、いつも一人だった。大地は両親こそ健在だが、仕事で留守がちだったから、いつも一人で家の中で本を読んでいた。渋沢が料理やお菓子作りが上手くなったのは、そんな大地を喜ばせたかったから。大地が寂しくないように、いつも渋沢はそばにいて、腕を揮っていたのだ。 もう、その必要は無くなってしまったけど... 「おい?どうした?」 急に黙り込んだ渋沢の顔を、京弥が覗き込んでくる。京弥はキレイに食べ終わって、口の隅に食べかすをつけていた。 渋沢は笑って、京弥の口をテシュでふき取ってあげると、京弥は目をぱちぱちさせながら、渋沢にされるがままになっていた。 こういうところまで、大地によく似ている... 「とても美味しかった!ご馳走様だ!!」 京弥は元気良く言った。 「どういたしまして。」 渋沢も笑った。けれど、その笑顔はどこか寂しげだったので、京弥は不思議そうな顔をしている。 「本当に、どうしたのだ...えっと...おまえは...」 「克郎って呼んでいいよ。」 「うん!克郎、どうしたのだ?急に元気がなくなったようだゾ?」 「うん、ちょっとね...そうだ、大地からまだ連絡ないね?」 「ふむ。大地のヤツ、何処をほっつき歩いているのか...」 子供とは思えない口調と、腕を組んで考え込む仕草に、渋沢はまた笑った。 すると、携帯の着信音がリビングから聞こえてきた。 「あれは、オレのだ!」 京弥は、ぴょんとイスから飛び降りると、リビングのソファーの上に置かれた自分のカバンから携帯を取り出した。 手馴れた様子で、携帯を操作する。 「オレだ!大地!今、何処にいる!?」 渋沢も席を立つと、京弥が食べ終わったお皿やコップを片付け始めた。渋沢の耳に、京弥の話し声が聞こえてくる。 「うん!今、克郎の家にいるのだぞ!...そうだ!だから、早く迎えに来い!!...うん!わかった!あと30分くらいで此処に来れるのだな!よし!分かったから早く来い!!」 どきっ...渋沢の心臓が高鳴った。大地が来る。自分のところに。こうなるように自分が仕向けたクセに、いざ来ることがわかると動揺する自分がいる。食器を片付けながら、渋沢は妙に落ち着かなくなった。京弥は電話を切ると、渋沢のところに戻ってきた。 「あと30分くらいで此処に来るそうだ...どうした?克郎?」 「えっ...あぁ、別に何でもないよ。大地来てくれるんだね?良かったね、京弥くん。」 「...克郎、おまえ、ホントに様子がヘンだぞ?もしかして、大地と会いたくないのか?」 ぎょっとする渋沢。京弥の洞察力はなかなか鋭いようだ。渋沢の動揺ぶりに、京弥が首を傾げる。 「そ...そんな事ないよ。ただ、久しぶりに会うからね...元気かな〜って...」 「ふ〜む...」 京弥は納得していないようだった。さらに渋沢の顔をじっと見てくる。 「京弥くん...あの...」 渋沢が歯切れ悪く、口篭っていると、突然、京弥はぱっと身を翻して、リビングのソファーに飛び乗った。 「京弥くん?」 京弥は、ソファーに置かれていたクッションにぱたりと顔を沈めると、 「オレは寝る」 と答えた。 「えっ?」 渋沢が驚いて、京弥に近づく。京弥は、少し顔を上げると、渋沢に向かって面倒くさそうに答えた。 「眠くなったから、大地がくるまで寝る。大地が来たら起こしてくれ。」 「京弥くん...?」 渋沢がぼんやり見ている僅かな間に、京弥はぐっすりと眠り込んでしまった。可愛いらしい寝息が聞こえてくる。渋沢は、京弥の様子が可笑しくなって、小さく笑った。そして、京弥を起こさないように、そっとリビングの隣から、タオルケットを持ってきて、京弥の身体に被せてやった。 京弥は起きる気配が全く無い。無防備に、大地によく似た顔ですやすや寝ている。 渋沢はソファーの前に座って、京弥の顔をじっと見つめる。 本当に、大地にそっくりだ... 渋沢はそっと手を伸ばして、京弥の頬に触れてみる。京弥は気付く気配がない。 さらに渋沢は、指先を小さな口唇へと滑らせると、京弥の微かな寝息が指先にかかる。 人差し指で、その輪郭を撫でる。京弥は決して起きない。 何を考えている...? はっとして、指を引っ込める渋沢。 京弥は大地に似ているが、大地ではない。 にも関わらず、自分は京弥に何を望んでいる? 引っ込めた手を握り締めて、渋沢は天井を見上げる。 こんなにも、まだ大地に心を残している。 大地には、あの男の事は一時的な気の迷いだと言った。だが、今日の試合を見て、大地があの男と一緒にいる所を見てしまって、それが自分の間違いだと気付かされた。 大地の信頼を、大地の想いを、受け取るに相応しい男なのだ、と。 「大地...」 愛おしい人の名前を呟く。けれども、その声は決して届かない。 この声は、この想いは...一体、何処へ行くのだろうか? どれくらいたったのだろう? 時間が止まってしまったように感じられた。 京弥の寝息を聞きながら、渋沢はそこから動けなかった。 ふと、耳に到達する音。 遙か遠くに感じられる音。 それがインターホンの音であると渋沢が認識するまで、かなりの時間を要した。 ようやく、それが何を意味するのか理解すると、渋沢は立ち上がるのを、一瞬、躊躇った。 訪問者は...大地だ... 自分が呼び寄せた愛しい彼は、まるでエサに釣られるかのようだ。京弥というエサに、だ。 卑屈な笑顔が、渋沢の顔に浮かぶ。 自分で仕向けたことなのに、覚悟していたことなのに、土壇場にきて怖じ気づく。 自分は一体、何を望んでいるのだろうか? 目の前にある、幼い寝顔に視線を落とす。 無防備で...これほど安心しきっているのに...。 自分ときたら、何を考えている? 自己嫌悪で...息が止まりそうだ。 だが、インターホンの押す音は、ますます激しく鳴っている。 渋沢は、よろよろと立ち上がった。 決着を...つけなければ、自分は前に進めない... 玄関の外にいる、来客を確認する必要も無い。渋沢は、勢いよく、ドアを開けた。 案の定、其処にいたのは、紛れもない、まだ忘れられぬ愛おしい人。 息を乱し、瞳が少し潤んで見える。 もう、あの男のものだというのに、こんなにも彼を欲してしまう。思わず彼に、渋沢は腕を伸ばす、だが、次の瞬間、その腕が止まる。彼の背後に見えた鋭い瞳に、渋沢の心臓は射抜かれたかのように身動きが出来なくなった。その鋭い瞳の持ち主は、口元に皮肉な笑みを浮かべると、 「おばんですわ、渋の旦那!」 そう一言、渋沢に告げた。渋沢は答えない。答えることが出来ない。 予想していたとはいえ、こうしてあの男を目の前にして、渋沢は動揺を隠せない。 すると... 「大地!!」 渋沢の後ろから、小さな影が飛び出して来た。それは、京弥だった。 カバンを肩に下げて、大地にしっかりとしがみつく。 「京弥!?」 「遅いぞ...大地...ねむい...」 京弥はそれだけ言うと、大地の腕の中、また眠ってしまった。唖然とする大地と渋沢に気付くことなく、京弥はすやすや寝息を立てている。あの男が笑った。 「おもろいなぁ...これが、大地のはとこかいな?」 「あ、あぁ...」 「可愛い寝顔してるやないけ?」 京弥の顔を覗き込んで、また彼が笑う。大地は、「これが...可愛いか?」と首を傾げている。 渋沢同様、彼も惚れた欲目なのであろう、大地によく似た京弥の寝顔はとても可愛いらしく見えるのだ。 「こないに小さいくせに、たった一人で出歩くなんて、えぇ度胸やなぁ...」 京弥の頬を軽く突きながら、彼は「寝顔、大地にそっくりや」と大地に微笑んだ。 大地は「そうか?」と、また首を傾げている。渋沢の心がちくりと痛んだ。 自分以外に大地の寝顔を知るヤツが出来てしまった...軽く、渋沢が溜息を吐いた、その時。 「シゲェ!!!」 突然、大声をあげて、二人の背後から飛び掛る人影。京弥も驚いて、一瞬、目を覚ます。 「田中ぁ!?」 「シゲ...おまえってヤツは...」 田中と名を呼ばれた彼は、全力で走ってきたのか、ぜぇぜぇと肩で息をしている。 その後ろを、二人乗りした自転車が、猛スピードでこちらに向かってやって来た。 「新太郎!?中野も...どないしたんや?」 ブレーキの音がして、自転車を漕いでいた一人がシゲに答える。 「シゲさん!田中の自転車、乗ってちゃうんだもん!田中のカバン、積んだまま...」 「へぇっ?」 渋沢の家の門に横付けされた自転車が見えた。前面にあるカゴの中には、セカンドバックが入っていた。 「あったぁ〜!!良かった、無事で!!志摩さぁ〜んっ!!」 「へっ?」 きょとんとしているシゲに、新太郎が答えた。 「今日、卒業したサッカー部の先輩達が観に来てたでしょ?先輩達と一緒にいた人の中に、結構、綺麗な女の先輩がいたの、シゲさん、気が付いた?」 「あぁ、今年、卒業した人やろ?」 「うん。正式じゃなかったけど、サッカー部のマネージャとして手伝ってくれてたんだ、志摩先輩って。今日の試合中、田中、相手選手とぶつかって、えらく打撲がひどかったんだよね。そん時、志摩先輩が何かと世話してくれて...」 「志摩先輩がバンダナを貸してくれたのだ。」 きっぱり言い切る田中。すると、自転車の後ろに座っている中野が、メガネをいじりながら喋りだした。 「つまり、綺麗な人なら誰でも良いという本能のみで生きている田中にとって、志摩先輩が貸してくれたバンダナごときが入っているカバンを、自転車ごとシゲにかっぱられて、新太郎が漕ぐ自転車よりも早いスピードで、シゲを追いかけてきたのだ。それだけだ。分かったか?」 「あっそ...」 シゲが呆れた顔をすると、新太郎も溜息を吐きながら、「ホント、シゲさんより早いですよ、田中の足って...」と苦笑いしている。「それだけ早ければ、FWとして十分活躍できるのだがな。試合中に、何故それが出来ないのか...」中野も溜息混じりに呟いている。すると、 「誰だ、この五月蝿い連中は?」 大地にしがみついていた京弥が口を開いた。大地は「起きたのか?」と京弥に聞くと、 「これだけ騒々しければ、いい加減、目も覚める。」 と、京弥は子供らしくない口調で答えた。 「へぇ〜!この子が、不破くんのはとこ?」 「あぁ、黒須京弥(くろすきょうや)。5歳になったばかりだ。」 京弥は大地の腕の中から、じ〜っと、シゲや新太郎、田中に中野の顔を見ている。中野がメガネを指であげながら、「不破によく似ているな」とぽつりと呟いた。新太郎もこくこく頷いて、「ホント!そっくりだ!!」と笑い出した。すると、田中が京弥の頬を指で突きながら、 「いや〜ん!こんなに不破にそっくりだなんてぇ!シゲじゃなくても、おにーさん、イケナイ事したくなっちゃうぅ〜!!」 どかっ! シゲの蹴りが、田中の背中にヒットした。 「何すんだよ!シゲ!! 不意打ちはひきょーだぞ!!」 「田中こそ何言うてんねん!! オレじゃなくても、って何や!」 「へ〜んだ!! 毎晩、本能でやっちゃってるシゲに、こっちこそ言われたかないや!!」 「ぐっ!!」 「そう!オレも、その件に関しては、言いたい事がある。」 中野がポンと手を叩いた。 「シゲ!大会の間は、本能で生きることは慎んで貰いたい。つまり、やるな!って事だ。」 「中野!!いきなり何て事、言うの!?」 新太郎が大声をあげたが、中野は全く動じる気配なく言葉を続けた。 「新太郎だって、常々そう思っていただろう?」 「そりゃぁ!...ちょっと、いー加減にしてよって思うこともあるけどさ...」 「ほーら、みろ。新太郎だってそう思っているではないか?それに、近頃、他の部員達もそろそろ勘付きはじめているからな。つまりだ!大会開催中は自粛を要請したい。ということで、シゲは今後、2m以内、不破に近づくこと禁止!」 「なんじゃ!そりゃ!!」 今度は、シゲが大声を出して反発すると、中野の瞳がメガネの奥からきらりを光った。 「不破の素直で無垢な性格につけこんで、イケナイ事やりまくりの、ひきょーもののシゲが近づかなければ、とりあえず練習および試合に支障は出なくなる。つまり、不破からシゲに近づくことは滅多に無いので、シゲだけ抑えれば良い事だ。ということは、意外と、不破は流されやすい性格みたいだな?よく、それで今まで生きてこれたな?...誰かに手を引いて貰っていたのか?」 中野に見透かされるように見られて、不破の身体が一瞬、震えた。不破に抱きかかえれた京弥が、それに気がついて、不破の顔を覗き込んだ。 「大丈夫だ!不破!これからはオレ達がいるから心配ないゾ!!」 にぱっと田中が、不破に笑いかける。 「流されないように、オレ達がしっかりガードしてやるからな!!」 「田中が近づくのも、馬鹿がうつりそうで心配だが...ナントカとはさみは使いよう、と言うからな。こーいう友人が一人くらい、そばにても悪くはないだろう。」 中野が軽く息を吐くと、新太郎も不破に笑いかける。 「そうそう!慣れれば田中って、結構、いい味だしてるからね。取り扱いさえ間違えなければ...」 クスクス... 新太郎達ががはっとして、微かな笑い声のする方に顔を向けた。其処にいたのは、新太郎達にとって、憧れであり、公式戦で初めて勝てた相手である、武蔵台の渋沢。ようやく、新太郎達は思い出した。 しまった...此処は、渋沢の家の前だった... 「あ、あぁ、ごめんね、笑ったりして...でも、とても可笑しくてね...なんて言うか...」 渋沢は笑いながら、新太郎達から不破に視線を移すと、優しい瞳で不破に告げた。 「良い友達が出来たみたいだね、大地...」 「克郎...?」 「...良かったね...」 渋沢の瞳は優しくて、けれども何処か寂しそうで...不破の瞳も微かに揺れた。 渋沢は思った。シゲだけではない。この騒々しくて愉快な連中が、これからは大地のそばにいるのだろう。 そう、彼らは、自分とは違った立場で大地のそばにいる。檻の監視人ではなく、友人として。 自分の手は、本当に必要ないのだ... 渋沢は、もう一度思いしらされる。けれども、先程までの重苦しい気持ちとは違っていた。渋沢の中で、のしかかって霧が晴れてくるようだった。寂しいことには違いないけれど、それでも、胸を引き裂くほどの痛みは、もう無い。 「不破って、武蔵台では友達、いなかったのか?」 突然、田中の声が静寂を破った。 「不破ってもしかしてイジメらてた、とか?」 「いや、そうでは...」 田中の質問に、渋沢が苦笑いする。 「そうか!だったら、もう安心して良いゾ。ウチの学校は、頭悪い分、イジメは無いのだ!」 「頭が悪すぎて、そこまで考えが及ばないだけだがな...」 「う...ウチって、やっぱ情けない...」 新太郎達の会話に、また渋沢が笑った。その時。 「よく笑うヤツだな。」 いきなり京弥が渋沢を指さした。驚いて、渋沢が目をぱちくりしていると... 「けど、あったかいな。」 京弥は目を細めて嬉しそうに渋沢に笑いかけてきた。その仕草に、不破も驚いたように京弥を見ている。 「京弥?」 不破が囁くと、京弥は、今度は不破の鼻を指でぐっと押した。 「大地には聞きたい事が沢山あるゾ!!」 「むっ?」 「まず!!どうしてオレに黙って、住む所を変えたのだ!?」 「それは...」 「それから!!学校も変わったのだな!?サッカーを始めただと!?どうしてオレに何も言わない!!それに、こーいうヘンな友人が出来たのか!?何者だ?こいつらはぁ!?とにかくだ!!オレは今日は家に帰らない!!今日は大地から、全部聞かせてもらうのだ!!」 「ぷっ...はははは...」 シゲの笑い声だった。新太郎達もシゲの後ろで、げらげら笑っている。 京弥はむっとして「何だ!おまえは!!」と、不破の鼻を押さえていた指で、シゲを指さす。 「おもろい子やなぁ...ホンマに...」 シゲは不破に抱きついていた京弥を引き離すと、自分の肩に乗せてやる。京弥はきょとんとしてシゲのことをじっと見つめると、「ヘンな髪の色だな?」とシゲに言った。シゲは、また笑うと、 「けど、この髪は、大地兄ちゃんに、結構、気に入られてるんやで?」 と、京弥に答えた。 「シ、シゲ!?」 不破が頬を少し赤らめて、慌てたような声を出すので、京弥は「?」顔で不破のことを見る。だが直ぐに、シゲに向き直って、 「おまえは大地の特別な何かなのだな?2mの理由について、おまえには聞きたいゾ。一緒に来い!!」 「ええで!何処でも行きまっせ!!何でも聞きなはれ!!」 「おい、シゲ...それはいくら何でもマズかろう...」田中が小声で囁く。 「5歳の子供には、刺激が強すぎる。」中野がぽつりと呟く。 「なんか心配...ねぇ!不破くん!僕らも一緒に行っていい!?」新太郎が不破に聞く。 「あ、あぁ...構わないが...」 「よし!では行こう!!」 京弥のかけ声に、シゲや新太郎達が声を上げて笑った。 不破がくるりと渋沢に振り返る。 「京弥が世話になった...どうもありがとう...」 はにかみながら礼を言う不破。 「どういたしまして。」 渋沢も微笑み返す。以前の大地なら、こんな言葉は言えなかった。 これは、シゲの影響だ。いや、それだけじゃない...多分、彼らの影響も大きいようだ。 「どうもお騒がせ致しました!!」新太郎が渋沢に挨拶する。 「失礼します。」中野がぺこりと頭を下げる。 「でわぁ!!また、試合でお会いしましょー!!」田中がにかっと笑って言う。 「それはムリやろ?」 シゲが田中に水を差す。 「なんで!?」 「武蔵台はシード校やで?本戦まで行かへんかったら、試合することないで?」 「だから、本戦まで行くのだろうがぁ!?」 「今のウチらじゃ、まずムリやと思うけどな...」 「何を弱気なぁ〜!!」 田中のケリがシゲの背中にヒットしたので、シゲが転げそうになった。慌てて、京弥がシゲの首にしっかりと、しがみつく。 「危ないだろう!!」 京弥の怒った声に、田中は瞬きをぱしぱしすると、「すみません。」と京弥に素直に謝った。 また、渋沢が笑った。 「ほな、さいなら。」 シゲが渋沢に軽く手を上げる。横に立つ不破も軽く会釈をして、京弥を連れて歩き出した時だった。 「京弥?」 突然、京弥はシゲの肩からするりと降りると、渋沢の元まで走って戻ってきた。 驚く渋沢を見上げながら、京弥はにっこり笑った。 「今日は楽しかった。それに、ホットケーキ美味しかった!...また、遊びに来ても良いか?」 渋沢は屈み込んで、満面の微笑みで京弥の頭を撫でてやる。 こんな可愛いらしい申し出を断れるはずはない。 「いつでも、おいで。」 「うん!では、またな!!」 京弥は再びぱっと身を翻して、不破達が待つ場所へと戻っていった。走ってきた京弥を、シゲが今度は背中に乗せて歩き出すと、シゲの傍らに寄り添うように、不破も歩き出した。新太郎達も自転車を押しながら、一緒に歩いていく。 何か話し始めたらしい。よく聞こえないが、楽しげな彼らの声が渋沢の耳に届いてきた。 皆の後ろ姿が見えなくなるまで、渋沢は彼らを静かに見送ると、渋沢は溜息を一つ吐く。 だがそれは、京弥が、自分の前に現れるまでに感じていた虚しさとは全く違っていた。 思いっきり背伸びをする。 何かが変わった。 それも、僅かな時間の中で。 確かに変化したのだ。 まるで憑き物が落ちたかのように。 どうやら、呆気なく決着はついてしまったようだ。 一体、何故? 何が原因で? だが、信じられないほど変化した自分の気持ちに、渋沢自身、戸惑いながらも、自然と笑みが零れる。 多分、これは...新しい一歩を踏み出したのかもしれないのだと。 何かが...自分の中で何かが新しく生まれのだ...息づき始めたのだ... けれども、それが何なのか? まだ、渋沢自身、気がついていない。 FIN ☆ ―――――――――― ☆ あとがき 新太郎達を登場させたのが敗因でしょうか? 収拾がつかなくなりそうで、強引に終結させました。 参りました。田中のキャラが生かせきれなくて、ちょっと残念でした。(息切れしました...) 渋沢、笑いすぎてます。こんなに笑ったら、顔が引きつっちゃいますよね!? 「黒須京弥」のネーミングは、散々迷った挙げ句の末です。 一応、子供の名前辞典、なるものを本屋で立ち読みして、「京介」の「京」を一字貰って、名付けました。 「大地」と「京介」から一字づつ貰って、「大介」でも良かったんですけど...ちょっと月並みかなぁと思ってやめてしまいました。 こっちの方が可愛いかったかな?? ☆ ―――――――――― ☆ |