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一瞬、声をかけるのをためらった。彼が、微笑んだ気がしたからだ。 でも、その微笑みは、自分に向けられているものではなくて... 「おめでとう。良かったね。」 そう、言いたかった。DFと...仲間との連携に、サッカーを通して始めて知った、仲間というものの存在に、戸惑っていた彼。今まで、きっと、仲間...友人らしい友人がいなかったんだろうね。 たった一度だけしか逢っていないが、あの時...信頼されていない、そう、つぶやいた彼の表情から感じ取れた、ほんの少しの寂しさに...多分、今まで一人だったんだろうって、そう思ったんだ。 だから... 心配で、こうして試合を見に来てしまった。でも、こっそり観る事しか出来なくて、せっかく試合に勝ったのに声をかけることも出来ずに、君の背中を見送った。仲間に囲まれて帰っていく、君に... 前半、オウンゴール自殺点を許してしまった、あの状況は...明らかに、DFとの連携が上手くいっていない結果だった。 彼は...彼らは、どうするのだろう? 休憩中、君が、オウンゴール自殺点された一人のDFを引っ張っていって、何か話をしているのが見えた。あの時、君が何を話しているのか、とても気になったけど、でも、そんな君のことを誰も止めずに、黙って君がすることを見守っていた、君の仲間達の方が気になった。 ――――― 信頼されていない... ウソだね。君は十分、信頼されているよ。君の仲間達に、ね。 だから、君は、その信頼に応えてやらなきゃいけない。 後半が始まって、君が蹴ったあのボールの意味が、自分にも伝わってきて、とても嬉しかった。 君の仲間達にも、その意味がちゃんと伝わっていたんだよ。 だから、終了5分前の相手の猛攻に、仲間としっかりゴールを守りきった君が...眩しかったよ。 ――――― 良かったね.... 声をかけたかった。君に。だけど、君が、微かに微笑んでいるのが見えたから...声がかけられなかった。 仲間に囲まれている君に...もう大丈夫なんだね? 何だか、あっという間に、上手くいってしまったようで...君にはとっても良い事なのに...。 この気持ちは何だろう? ――――― 寂しい? 君の背中を見送りながら、心のどこかで感じている、この寂しさに似たものは...? 自分がここに居ることに気が付いてもらえないから? ...違うな... ...多分、そう、もう...自分は彼にとって必要ないから.... ――――― 必要ない ずきりと心臓に、深く何かが突き刺さったような気がした。 今、分かった。気が付いた。 自分は、彼に必要とされていたいんだ。 自分が彼を必要としているように... ――――― 叶わない恋をしたな... ふぅとため息を一つ吐いて、何気なく空を見上げた。 今日も快晴だ。 目を閉じて、彼の微かな笑顔を思い出す。 それは、何だか、切なくて... ―――― この切なさを...何にたとえればいいんだろうね? ただ、君に声をかけたかっただけなのに... ☆ ―――――――――― ☆ あとがき 「自分」が誰で、「彼」が誰でしょう? 名前が全然出来てきていないことに、書き終わるまで気が付かなかった!? 「自分」って人は、かなり偽者になってしまいましたね。 あぁ、もっと頑張らなくちゃ... ちなみに、タイトルの「とまどい」は、GLAYの曲から頂きました。 文中、それっぽいような言葉が入ってしまっています(強引に使ってしまった...(^^; )。 なんとなく、この曲のイメージが、渋沢から見た不破くんかな?って思いました。 でもって、この話の続きは「SPECIAL THANKS」です!? ☆ ―――――――――― ☆ |